ピック選びで迷っている初心者の方へ:まずこれを選べばOK
厚さ0.8〜1.0mmのティアドロップ型、素材はセルロイド。これが初心者向けの最もバランスの良い1枚です。詳しい理由は記事後半で解説しています。まずはこれを試してから、自分の好みを探していきましょう。
ギターピックの基礎知識

ピックが演奏に与える影響
ピックは単なる 「弦をはじく道具」 ではありません。 ピックの選択は、 以下のような演奏の多くの側面に影響を与えます。
- 音色:硬いピックは明るくシャープな音、 柔らかいピックは丸く温かい音を生み出します
- アタック感:弦を弾いた瞬間の音の立ち上がり方が変わります
- 弾きやすさ:手の大きさや握力、 演奏スタイルによって最適な形状が異なります
- 音量:ピックの硬さや厚さによって、 同じ力で弾いても音量が変わります
- 耐久性:素材によって摩耗の速度が大きく異なります
つまり、 自分の演奏スタイルや求める音色に合わせてピックを選ぶことで、 演奏のクオリティが大きく向上するのです。
ピック選びの3つの基本要素
ピック選びで注目すべき要素は、 大きく分けて 「形状」 「厚さ」 「素材」 の3つです。 それぞれが音色や弾き心地に影響を与えるため、 この3つの要素を理解することが、 最適なピック選びの第一歩になります。
ピックの形状による違い

ピックの形状は、 大きく分けて3つの基本タイプがあります。 それぞれに特徴があり、 演奏スタイルによって向き不向きがあります。
ティアドロップ型(涙型)
最もポピュラーな形状で、 涙のような形をしています。 先端が尖っているため、 弦に対するコントロールがしやすく、 正確なピッキングが可能です。
- メリット:リードギター、 単音弾きに最適。 速弾きやソロプレイに向いている。 持ち替えや回転がしやすい
- デメリット:ストローク時に引っかかりやすいと感じる人もいる
- おすすめの人:エレキギター中心のプレイヤー、 ソロを多く弾く人、 ロックやメタル系のギタリスト
トライアングル型(おにぎり型)
正三角形に近い形状で、 3つの角すべてが使えるため経済的です。 面積が広いので握りやすく、 安定したストロークができます。
- メリット:ストロークプレイに最適。 握りやすく、 初心者でも扱いやすい。 3つの角が使えて長持ち
- デメリット:単音弾きには少し大きすぎると感じることがある
- おすすめの人:アコースティックギター中心のプレイヤー、 コードストロークが多い人、 フォークやポップス系のギタリスト
ジャズ型(シャープ型)
ティアドロップ型よりもさらに小さく、 先端が鋭く尖った形状です。 名前の通り、 ジャズギタリストに愛用されています。
- メリット:精密なピッキングが可能。 弦への引っかかりが最小限。 速いフレーズに対応しやすい
- デメリット:小さいため落としやすい。 ストロークには不向き
- おすすめの人:ジャズギタリスト、 テクニカルなプレイをする人、 精密なコントロールを求める中級者以上
その他の特殊形状
最近では、 上記の基本形状以外にも様々な形状のピックが登場しています。
- フィン型:握る部分に突起やくぼみがあり、 滑りにくい設計
- サム(親指)型:親指にはめて使用するタイプで、 フィンガーピッキングとの併用がしやすい
- 変形型:エルゴノミクス(人間工学)に基づいた独自の形状
ピックの厚さによる違い

ピックの厚さは、 音色と弾き心地に最も直接的な影響を与える要素です。 一般的に 0.5mm〜1.5mm程度の範囲で、 薄い・中間・厚いの3つに分類されます。
薄いピック(0.5mm〜0.7mm)
柔軟性が高く、 しなやかに曲がるピックです。
- 音色:柔らかく温かみのある音。 アタックが弱めで、 優しい音色になる
- 特徴:ストローク時に弦への抵抗が少ない。 コードをジャカジャカと鳴らしやすい
- 向いている演奏:アコースティックギターのストローク、 コードカッティング、 バラード
- 向いていない演奏:速弾き、 パワフルなリフ、 正確な単音ピッキング
中間の厚さ(0.7mm〜1.0mm)
バランスが取れた万能タイプです。 初心者にも扱いやすい厚さです。
- 音色:バランスの取れた音色。 ストロークと単音弾きの両方に対応
- 特徴:適度なしなりとコントロール性を両立。 多くのギタリストが最初に選ぶ厚さ
- 向いている演奏:ロック、 ポップス、 幅広いジャンル。 ストロークと単音弾きの両方を行う人
- 向いていない演奏:特定のジャンルに特化したい場合は、 より専門的な厚さを選ぶべき
厚いピック(1.0mm〜1.5mm以上)
硬質で、 ほとんど曲がらないピックです。
- 音色:明るくシャープな音。 アタックが強く、 輪郭のはっきりした音
- 特徴:弦へのダイレクト感が強い。 ピッキングのニュアンスが出やすい
- 向いている演奏:リードギター、 速弾き、 メタル、 ハードロック、 正確な単音ピッキング
- 向いていない演奏:優しいストローク、 アコースティックギターの弾き語り
ワンポイントアドバイス:迷ったら、 まず中間の厚さ(0.8mm〜1.0mm)から始めましょう。 そこから 「もっと柔らかい音が欲しい」 「もっとシャープな音が欲しい」 という方向性が見えてきたら、 薄いピックや厚いピックを試してみるのがおすすめです。
ピックの素材による違い

ピックの素材は、 音色、 耐久性、 グリップ感に影響を与えます。 それぞれの素材には独特の特性があります。
セルロイド
最も一般的で伝統的な素材です。 多くのギタリストがこの素材から始めます。
- 特徴:適度な硬さと柔軟性。 バランスの取れた音色
- 音色:明るく、 バランスの良い音。 癖が少なく万能
- 耐久性:中程度。 使用頻度にもよるが、 数週間〜数ヶ月で摩耗する
- 価格:安価で入手しやすい
ナイロン
柔軟性が高く、 滑らかな弾き心地が特徴です。
- 特徴:柔らかく、 弦への引っかかりが少ない
- 音色:柔らかく温かい音。 アタックが優しい
- 耐久性:高い。 摩耗しにくく長持ち
- 価格:セルロイドと同程度
デルリン(アセタール樹脂)
滑らかな表面と高い耐久性を持つ素材です。
- 特徴:表面が滑らかで、 弦への引っかかりが最小限
- 音色:クリアで明瞭な音。 高音域が際立つ
- 耐久性:非常に高い。 長期間使用できる
- 価格:やや高め
ウルテム(ポリエーテルイミド)
べっ甲のような外観を持つ高級素材です。 プロギタリストにも愛用者が多い素材です。
- 特徴:硬質でありながら適度な柔軟性も持つ
- 音色:温かみがありながらクリア。 バランスの良い音色
- 耐久性:非常に高い
- 価格:高価
金属・その他の特殊素材
最近では、 金属製(ステンレス、 真鍮など)や石材、 木材など、 変わった素材のピックも登場しています。 これらは非常に個性的な音色を生み出しますが、 弦の摩耗が早くなる可能性もあるため、 使用には注意が必要です。
ジャンル別おすすめピック

演奏するジャンルによって、 最適なピックは変わってきます。 ここでは代表的なジャンル別におすすめのピックをご紹介します。
演奏するジャンルに合わせた選び方の早見表です。詳細は各ジャンルの説明をご覧ください。
| ジャンル | 形状 | 厚さ | 素材 | 一言ポイント |
|---|---|---|---|---|
| ロック・ポップス | ティアドロップ/トライアングル | 0.7〜1.0mm | セルロイド・ナイロン | ストロークと単音弾きの両方に対応できる万能タイプ |
| メタル・ハードロック | ティアドロップ/ジャズ型 | 1.0mm以上 | デルリン・ウルテム | 速弾きに必要な硬さとレスポンスの良さを優先 |
| アコースティック・フォーク | トライアングル | 0.5〜0.8mm | セルロイド・ナイロン | 柔らかく温かい音色を出すため薄めを選ぶ |
| ジャズ | ジャズ型(小さめ) | 1.5mm以上 | ウルテム・デルリン | 精密なピッキングと太い音色のために厚めを選ぶ |
| ブルース | ティアドロップ | 0.8〜1.2mm | ナイロン・ウルテム | ベンドやビブラートを活かせる適度な厚さと素材 |
ロック・ポップス
- 形状:ティアドロップ型またはトライアングル型
- 厚さ:0.7mm〜1.0mm (中間)
- 素材:セルロイド、 ナイロン
- 理由:ストロークと単音弾きの両方に対応できるバランスの良さが重要
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メタル・ハードロック
- 形状:ティアドロップ型、 ジャズ型
- 厚さ:1.0mm以上(厚い)
- 素材:デルリン、 ウルテム
- 理由:速弾きと正確なピッキングに必要な硬さとレスポンスの良さ
アコースティック・フォーク
- 形状:トライアングル型
- 厚さ:0.5mm〜0.8mm (薄め〜中間)
- 素材:セルロイド、 ナイロン
- 理由:ストローク中心の演奏で、 優しく温かい音色を出すため
ジャズ
- 形状:ジャズ型(小さめ)
- 厚さ:1.5mm以上(厚い)
- 素材:ウルテム、 デルリン
- 理由:精密なピッキングと、 ジャズ特有の太く温かい音色を出すため
ブルース
- 形状:ティアドロップ型
- 厚さ:0.8mm〜1.2mm (中間〜やや厚め)
- 素材:ナイロン、 ウルテム
- 理由:ベンドやビブラートなどの表現力を活かせる適度な厚さと素材
初心者におすすめのピック選び

初心者のあなたがまず最初に選ぶべきピックについて、 具体的なアドバイスをお伝えします。
まずは複数種類を試してみる
最初から 「これだ!」 というピックを見つけるのは難しいものです。 私がおすすめするのは、 以下のようなアプローチです。
- バラエティパックを購入:多くのメーカーが、 様々な厚さや形状をセットにした 「バラエティパック」 を販売しています。 まずはこれを購入して、 自分の好みを探りましょう
- 定番から始める:迷ったら、 中間の厚さ(0.8mm〜1.0mm)のティアドロップ型セルロイドピックから始めるのが無難です
- 記録を付ける:それぞれのピックで弾いてみた感想をメモしておくと、 自分の好みが明確になります
初心者が避けるべきピック
最初のうちは、 以下のようなピックは避けた方が無難です。
- 極端に薄いピック(0.5mm未満):コントロールが難しく、 正確なピッキングが身につきにくい
- 極端に厚いピック(1.5mm以上):手首や腕に余計な力が入りやすく、 基礎的なフォームが崩れる原因になる
- 高価な特殊素材:最初のうちは違いが分かりにくく、 コストパフォーマンスが悪い
- 特殊な形状:基本的なティアドロップ型やトライアングル型で基礎を身につけてから
ピックの持ち方も重要
どんなに良いピックを選んでも、 持ち方が間違っていると本来の性能を発揮できません。 基本的な持ち方は以下の通りです。
- 親指と人差し指で挟むように持つ
- ピックの先端が1〜2mm程度出るくらいの位置で持つ
- 力を入れすぎず、 リラックスして持つ
- ピックが弦に対して少し角度をつけて当たるように意識する
ピック選びのよくある質問
Q1: ピックはどのくらいの頻度で交換すべき?
練習量にもよりますが、 以下を目安にしてください。
- 毎日1時間以上練習する場合:1〜2週間に1回
- 週に数回練習する場合:1〜2ヶ月に1回
- 交換のサイン:先端が削れて丸くなってきた、 音が以前と違う、 滑りやすくなった
プロギタリストの中には、 ライブごとに新しいピックを使う人もいます。 常に最高のコンディションで演奏するためです。
Q2: ピックを落としやすいのですが、 対策は?
ピックを落としやすい悩みは多くのギタリストが経験します。 以下の対策が効果的です。
- 滑り止め加工のあるピックを選ぶ:表面にざらつきや凹凸があるピックは滑りにくい
- 持ち方を見直す:力を入れすぎても、 緩すぎても落としやすくなります
- 汗対策:手汗が多い人は、 演奏前に手を洗って乾かす、 タオルを用意する
- 複数のピックを用意:演奏中にすぐ取り出せる位置に予備のピックを置いておく
Q3: 指で弾くのとピックで弾くの、 どちらが良い?
これは演奏スタイルや好みによります。
- ピックの利点:アタックが強い、 速弾きがしやすい、 明瞭な音、 エレキギターに向いている
- 指弾きの利点:柔らかい音色、 複雑なアルペジオが可能、 アコースティックギターに向いている
多くのギタリストは両方を使い分けています。 どちらか一方に固執する必要はありません。 曲や表現したい音色に応じて使い分けるのが理想的です。
Q4: 有名ギタリストと同じピックを使えば上手くなる?
憧れのギタリストと同じピックを使うことは、 モチベーションアップにつながりますが、 それだけで上達するわけではありません。
重要なのは、 自分の手のサイズ、 演奏スタイル、 求める音色に合ったピックを選ぶことです。 有名ギタリストのピック選びは参考になりますが、 最終的には自分で試して判断することが大切です。
Q5: 高いピックと安いピック、 違いはある?
価格差は主に以下の要因によります。
- 素材:高級素材(ウルテムなど)は価格が高い
- 製造方法:手作りや精密な加工は高価
- 耐久性:長持ちするピックは初期投資は高いが、 長期的にはコストパフォーマンスが良い
- ブランド:有名ブランドはやや高め
初心者のうちは安価なピックで十分です。 上達して音の違いが分かるようになってから、 高級ピックを試してみるのがおすすめです。
ピックの保管とメンテナンス
ピックは小さいアイテムですが、 適切に保管することで常に良いコンディションで演奏できます。
保管方法
- ピックケースを使う:専用のケースに入れて保管すると、 紛失を防げます
- ギターケースのポケット:すぐに取り出せる場所に保管
- 直射日光を避ける:セルロイド製ピックは特に、 日光で変質することがあります
- 予備を複数持つ:自分に合ったピックを見つけたら、 まとめ買いしておくと安心です
メンテナンス
ピックのメンテナンスは非常にシンプルです。
- 定期的に拭く:演奏後は柔らかい布で汗や汚れを拭き取る
- 洗う:水で軽く洗い、 すぐに乾燥させる(素材によっては避けた方が良い場合も)
- エッジのチェック:演奏前にピックのエッジ(弦に当たる部分)をチェックし、 削れていたら交換
ギタリスト仲間と一緒に上達しよう
ピックが決まったら、次は一緒に演奏できる仲間を見つけてみませんか?同じジャンルを弾くギタリストとつながることで、練習のモチベーションが大きく変わります。
まとめ:あなたに最適なピックを見つけよう
ギターピック選びは、 演奏の質を大きく左右する重要な要素です。 この記事でお伝えした内容を改めて振り返りましょう。
- 形状:ティアドロップ型は単音弾き向き、 トライアングル型はストローク向き、 ジャズ型は精密なピッキング向き
- 厚さ:薄いピックは柔らかい音色、 厚いピックはシャープな音色。 初心者は0.8〜1.0mmから始めるのがおすすめ
- 素材:セルロイドは万能、 ナイロンは柔軟、 デルリンは耐久性高い、 ウルテムは高級素材
- ジャンル別:演奏するジャンルに合わせて最適なピックを選ぶことで、 より良い演奏ができる
- 複数試す:バラエティパックを購入して、 実際に試してみることが最も確実な方法
最適なピックは、 あなたの手のサイズ、 演奏スタイル、 好みの音色によって異なります。 この記事を参考に、 ぜひ様々なピックを試してみてください。 最初は違いが分からなくても、 経験を積むにつれて、 自分の好みが明確になってきます。
ピック選びの旅を楽しみながら、 あなたの演奏がより一層輝くことを願っています。 さあ、 今日から新しいピックを試してみませんか?


