サイレントギターとは、周囲に聞こえる生音を小さくしながら、ヘッドホンやアンプを通して演奏を楽しめるギターです。「夜に練習したいけれど、サイレントギターでもうるさい?」「ヤマハSLGは型番が似ていて違いが分からない」と迷っているあなたへ、静音性の考え方と、自分に合う一本を選ぶ順番を紹介します。
結論からいうと、 サイレントギターは無音になる楽器ではありません。 弦をはじく音や指が触れる音は残ります。それでも、大きな胴で音を響かせるアコースティックギターより、周囲に出る音を抑えて練習しやすい仕組みです。住まいの条件と演奏する時間を確認し、弾きたい音楽に合う弦と機能を選びましょう。

この記事では2026年9月に確認したメーカー公式情報をもとに、ヤマハSLG200S・SLG200N・SLG200NWと、比較候補になるTraveler Guitarの2機種を取り上げます。実機を同じ条件で測定した騒音ランキングではなく、仕様と使い方から選ぶための比較です。価格や在庫は記載せず、購入時に型番・付属品・必要な周辺機器を確認するポイントまで整理します。
あわせて読みたい:ギターメンテナンスのやり方|頻度・道具・湿度40〜50%とNG保管例
サイレントギターとは?生音を抑えて演奏する仕組み

大きな共鳴胴を使わず、電気の信号で音を取り出す
普通のアコースティックギターは、弦の振動を木の板や空洞の胴に伝え、空気を振動させて豊かな音を出します。この音を大きく響かせる部分が「共鳴胴」です。サイレントギターでは、この大きな共鳴胴を持たない構造などによって、部屋に広がる生音を減らします。周囲には弦の小さな音が残り、演奏者は別の経路で音を聴きます。
その経路を支えるのが「ピックアップ」です。ピックアップとは、弦や楽器の振動を電気の信号に変える部品のこと。信号をヘッドホンやアンプに送ることで、静かな生音だけでは分かりにくい音色や余韻を聴きながら弾けます。電源を切っても弦そのものは鳴るため、電源スイッチは生音を消す装置ではありません。
ヤマハSLG200シリーズには「SRTパワードピックアップシステム」が搭載されています。これは、ギターをマイクで収録したときのような自然な響きを目指す音作りの仕組みです。振動を拾うピエゾピックアップの音と、その響きを混ぜて調整できます。演奏者が聴く豊かな音と、周囲に出る小さな生音を両立させる考え方です。
サイレントギターとトラベルギターは同じ分類ではない
ヤマハは「サイレントギター™」という名称でSLGシリーズを展開しています。一方、トラベルギターは持ち運びやすさを重視したギターの総称です。小型でも空洞の胴を持ってよく響く製品があるため、「旅行用だから静か」とは限りません。選ぶ際は名称だけでなく、胴の構造と生音、ヘッドホン出力の有無を確認します。
この記事で紹介するTraveler Guitarの2機種は、静かな練習にも使える比較候補として選んでいます。ヤマハと同一の静音性能を保証するものではありません。また、ヘッドホンを挿せる機種と、別の機器を経由する機種が混在します。見た目が似ていても、購入後すぐに使える道具の組み合わせは異なります。
エレキギターをアンプにつながず弾く方法との違い
手持ちのエレキギターをアンプにつながず練習する方法もあります。ただし、弦やネックの感触、弦同士の間隔、演奏者が聴きたい音色は楽器によって違います。アコースティックギターの弾き語りを練習したいのか、ナイロン弦の指弾きを続けたいのかで、合う選択肢が変わります。
すでにエレキギターを持っていて、左手の動きやコードの確認が中心なら、まず今の楽器とヘッドホンで聴ける機器の組み合わせを見直すのも一案です。買い足す場合は「静かになること」だけでなく、「いつもの練習に近い感覚で続けられること」を目的に含めると、使い分けが明確になります。
サイレントギターはうるさい?夜の練習で残る音

メーカーの音量目安を、部屋の保証に置き換えない
ヤマハの公式説明では、周囲に聞こえる音量は一般的なアコースティックギターの10〜20%とされています。これは静音性をイメージするためのメーカーの説明です。あなたの部屋で測定した値ではなく、「隣室に聞こえない」「深夜に強く弾いても大丈夫」という保証にはなりません。
また、音量の割合を、そのままdBの割合に読み替えることはできません。dBは音の大きさなどを表す単位で、単純な百分率とは別の尺度です。比較する測定条件がないまま、「この機種なら何dB」「別機種より何倍静か」とは断定できません。この記事でも、5機種の静かさに数値による順位は付けていません。
ピック音・弦の振動・接触音は残る
ヘッドホンを使っていても、ピックが弦を通過する音、爪や指が弦に当たる音、弦を押さえ直すときの音は部屋に出ます。コードをまとめて勢いよく鳴らす「ストローク」と、一音ずつ弾く練習では、同じ楽器でも音の出方が変わります。指弾きでも、強くはじけば生音は大きくなります。
意外に見落としやすいのが、楽器以外の音です。足で拍を取る音、椅子を動かす音、机や壁に楽器を当てる音、ヘッドホンから外に漏れる伴奏音も確認しましょう。演奏者はヘッドホン内の音に集中するため、部屋で実際に何が聞こえるかを把握しにくくなることがあります。
弾き語りでは歌声も別に考える必要があります。ギターだけ静かにしても、声の音量は変わりません。夜はコードチェンジや伴奏パターン、昼間は歌と合わせる練習に分けるなど、楽器の静音性に合わせて練習内容を組み直すと取り入れやすくなります。
住まいで確かめるときの手順
まず、住まいや施設の楽器利用ルールを確認します。楽器不可とされている場所で、生音が小さいことだけを理由に自己判断しないことが大切です。そのうえで、演奏できる時間帯に、実際に練習する席と弾き方で音を確かめます。同居人に協力してもらえるなら、隣の部屋や廊下など、無理なく確認できる場所で聞いてもらいましょう。
- ヘッドホンを外し、弱い単音と普段のストロークで生音の違いを聴く。
- 実際に使うヘッドホンで伴奏も流し、音漏れや足音を含めて確認する。
- 気になる音があれば、時間帯・弾く強さ・座る位置・練習内容の順に調整する。
スマートフォンで録音すると、ピック音と足音の違いを振り返る助けになります。ただし、録音アプリは自動で音量を調整する場合があり、録音の大小だけでは周囲への影響を判定できません。厚いカーテンやマットも万能な防音設備ではありません。実際の聞こえ方を確認する補助として使いましょう。
サイレントギターの選び方|弦・ネック・接続を比べる

最初にスチール弦かナイロン弦かを決める
スチール弦は、一般的なアコースティックギターで使われる金属系の弦です。弾き語りのコード伴奏や、きらびやかな音の立ち上がりを求めるなら、スチール弦モデルから検討すると目的を合わせやすくなります。ナイロン弦はクラシックギターなどで使われ、指で弦を弾き分ける演奏や柔らかな音色を好む人の候補になります。
「指が痛そうだから」という理由だけで弦の種類を決めると、弾きたい音楽や普段のギターとの違いが後から気になることがあります。押さえやすさは弦の素材だけでなく、弦の太さ、張りの強さ、弦と指板の距離などにも左右されます。可能なら同じ短いフレーズを弾き、音色と感触を一緒に比べましょう。
スチール弦用とナイロン弦用は、好きな弦に交換して相互に使えるとは限りません。楽器の構造や張力への設計が異なるため、メーカー指定の種類を守ります。とくにナイロン弦モデルへ自己判断でスチール弦を張ることは避け、交換前に取扱説明書を確認してください。
ネック幅と弦長を、自分の指の動きで確かめる
「上駒部の指板幅」は、ネックの先端側で弦を支える部品付近の幅です。ヤマハSLG200Sは43mm、SLG200Nは50mm、SLG200NWは52mmです。幅が違うと、コードをまとめて押さえる感覚や、指で隣の弦を避ける感覚が変わります。手が小さいから必ず最も細いモデル、とは決めず、普段のフォームで確かめましょう。
「弦長」は、開放弦が振動する部分の長さで、スケールとも呼びます。SLG200Sは634mm、SLG200NとSLG200NWは650mmです。長さはフレット間隔や弦の張りを考える材料になりますが、実際の感触は弦の種類や調整状態との組み合わせで決まります。数字だけで弾きやすさに順位を付けないことが大切です。
試奏では、簡単なコード、一音ずつ弾く短いフレーズ、高い位置の音をそれぞれ確かめます。低い位置だけでなく、実際によく使う範囲で試すと、指の移動や腕の角度を判断しやすくなります。立って使う予定があるなら、ストラップを着けたときの位置も確認しておきましょう。
ヘッドホン端子があるか、別の機器が必要か
ヘッドホン練習を手軽に始めたいなら、まず専用のヘッドホン出力を確認します。普通のギター出力端子があるだけでは、ヘッドホンを直接つないで快適に聴けるとは限りません。「アンプ」は信号を増幅する機器で、ヘッドホン用のアンプはヘッドホンを鳴らすために使います。端子のサイズを変える変換プラグだけで、その役割を追加することはできません。
ヤマハSLG200シリーズとTraveler Guitar Escape Mark IIIは、本体にヘッドホンで聴くための機能を備えます。一方、Ultra-Light Acousticはヘッドホンアンプを内蔵していません。後者を選ぶなら、ギター入力とヘッドホン出力がある外部機器を一緒に用意する必要があります。本体だけでなく、ケーブルや電源を含めた準備を想像して選びましょう。
片付けるまでの手間も使いやすさに含める
練習を始めるたびに接続が複雑だと、短い空き時間に手を伸ばしにくくなります。「ケースを開ける」「組み立てる」「電源とヘッドホンをつなぐ」「片付ける」の流れを考えてみてください。自宅で毎日使うなら、数十グラムの違いより、座ったときの安定や取り出しやすさが重要になることもあります。
移動が多い人は本体の長さだけでなく、ケースに入れた寸法、外した部品の収納場所、ヘッドホンや外部機器の荷物まで確認します。飛行機への持ち込み条件は航空会社や便によって異なるため、メーカーの持ち運び例だけで機内持ち込みを確定しないようにしましょう。
サイレントギターと静音練習向けギターおすすめ5選
ここからは、弦の種類と練習環境を基準に5機種を比較します。ヤマハ3機種を中心に、持ち運びを重視する人向けのTraveler Guitarを加えました。色違いを別製品として数えたランキングではなく、仕様と用途が異なる5つの選択肢です。おすすめの判断は、メーカーが示す仕様をもとにした編集上の選定です。

| 機種 | 弦 | ヘッドホン練習 | 選ぶ軸 |
|---|---|---|---|
| ヤマハSLG200S | スチール | 本体の専用出力を使う | アコギ系の伴奏・指弾き |
| ヤマハSLG200N | ナイロン | 本体の専用出力を使う | 50mm幅のネックを好む人 |
| ヤマハSLG200NW | ナイロン | 本体の専用出力を使う | 52mm幅でクラシック系の練習 |
| Traveler Guitar Escape Mark III | スチール | 内蔵ヘッドホンアンプを使う | 移動先での練習と接続の手軽さ |
| Traveler Guitar Ultra-Light Acoustic | スチール | 外部のヘッドホン対応機器が必要 | 小型の本体と機器の組み合わせ |
※この記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。
1.ヤマハSLG200S|アコギの弾き語り練習を続けたい人に
SLG200Sはスチール弦モデルです。ナットと呼ばれる上駒付近の指板幅は43mmで、SLGのナイロン弦2機種より細い仕様です。普段スチール弦のアコースティックギターを弾いていて、コード伴奏やアルペジオを自宅でも練習したい人の候補になります。アルペジオとは、コードの音を一音ずつ順番に弾く奏法です。
メリットは、スチール弦の感触を選びながら、本体のヘッドホン出力と音作りの機能を利用できること。練習のたびに外部のヘッドホンアンプをつなぐ手順を減らせます。注意したいのは、実際のアコギの胴が腕に触れる感覚や、生音の広がりまで同じになるわけではない点です。ストロークの生音も残るため、強く弾く練習は時間帯を分けましょう。
YAMAHA SLG200S サイレントギター
¥70,400
Amazon.co.jp 調べ ・ 2026年9月12日 4:16時点
※価格および在庫状況は変更される場合があります。
※Amazon.co.jpアソシエイトリンクを使用しています。
2.ヤマハSLG200N|ナイロン弦と50mm幅を選びたい人に
SLG200Nはナイロン弦モデルで、指板幅は50mm、弦長は650mmです。ナイロン弦の音でメロディーと伴奏を弾き分けたい人や、クラシックギターより少し細い幅の感触を試したい人に向く候補です。ナイロン弦だから初心者用という位置付けではなく、音色と演奏感から選ぶ一本と考えましょう。
メリットは、ナイロン弦の練習環境を作りつつ、SLG200NWとは異なるネック幅を選べることです。反対に、普段52mm幅のギターで練習している人は、指の置き方に違いを感じる可能性があります。手の大きさだけで決めず、同じ曲の短い部分をNとNWで弾き比べると、自分のフォームに合う方を選びやすくなります。
YAMAHA SLG200N サイレントギター
¥70,400
Amazon.co.jp 調べ ・ 2026年9月12日 4:16時点
※価格および在庫状況は変更される場合があります。
※Amazon.co.jpアソシエイトリンクを使用しています。
3.ヤマハSLG200NW|クラシック系の指使いを重視する人に
SLG200NWは、ナイロン弦で指板幅52mmのモデルです。SLG200Nとの大きな比較点はネック幅で、指板材もNのローズウッドに対してNWはエボニーです。どちらが上位だから弾きやすい、と捉えるより、普段使っているクラシックギターに近い手の配置を選べるかが判断の中心になります。
メリットは、広めのネックで指を配置する練習を続けたい人が選びやすいこと。注意点は、細いネックに慣れた人にはコードをつかむ感覚が変わることです。また、弦幅や音作りが目的に合っていても、生のクラシックギターの響きを客席へ届ける練習そのものは別に必要です。本番用の楽器を弾ける時間と、自宅で指の動きを確かめる時間を分けて活用できます。
4.Traveler Guitar Escape Mark III|移動先での接続を手軽に
Escape Mark IIIは、ヘッド部分を省いて持ち運びやすくしたスチール弦のトラベルギターです。メーカーは25.5インチの弦長と、チューナー・AUX入力を備えた内蔵ヘッドホンアンプを案内しています。AUX入力とは、外部のプレーヤーなどから伴奏音を取り込む端子のことです。練習音と伴奏を本体で扱いたい人の比較候補になります。
メリットは、移動用の形状とヘッドホン練習の機能が一台にまとまっていること。注意点は、弦を調整する糸巻きが通常のギターと違う位置にあり、操作感を確認しておきたいことです。ヤマハの静音性の数値をこの機種に当てはめることはできません。また、同じシリーズのNylonモデルは別仕様なので、商品名の末尾と弦の種類を照合しましょう。
5.Traveler Guitar Ultra-Light Acoustic|小型本体を生かして組み合わせる
Ultra-Light Acousticは、最小限の本体に弦とネックをまとめたトラベルギターです。メーカーは24.75インチの弦長、生音を抑えた構造、取り外せる膝当てを案内しています。一般的なギターより短い外形でも、極端に短い弦長のミニギターとは違う考え方です。荷物を小さくしたい人や、自分の練習機器を活用したい人の候補になります。
この機種はヘッドホンアンプ非搭載です。 ギターの出力を、別のヘッドホンアンプや対応する録音機器につないで使います。本体の小ささはメリットですが、ヘッドホンだけを買い足して完結する構成ではありません。外部機器とケーブルの荷物も含めて比較してください。購入前には膝当てを付けた状態での安定と、糸巻きの操作も確認しましょう。
Traveler Guitar Ultra-Light Acoustic
¥33,000
Amazon.co.jp 調べ ・ 2026年9月12日 4:16時点
※価格および在庫状況は変更される場合があります。
※Amazon.co.jpアソシエイトリンクを使用しています。
ヘッドホン練習に必要なものと接続手順

本体にヘッドホン機能がある場合
まず必要なのは、対応する有線ヘッドホンまたはイヤホンと、本体の指定電源です。SLG200シリーズは電池または指定の電源アダプターを使います。ヘッドホン端子とギター用の出力端子を取り違えず、取扱説明書に従って接続してください。付属品は販売セットによって異なる場合があるため、箱の内容を確認して不足分だけを用意します。
接続前に本体と外部機器の音量を下げ、電源を入れてから一音を弱く弾き、必要な音量へ少しずつ上げます。音が出ないときは、音量を最大まで上げて解決しようとせず、電源・電池・端子・プラグの差し込みを順に確かめましょう。急に接続が戻ったときの大きな音も避けられます。
伴奏を使う場合は、再生機器の音を小さくした状態から合わせます。ギターの音が聞こえないからと両方を上げ続けるより、まず伴奏を下げて自分の音を聴き取れるようにします。周りの音を遮るヘッドホンでも、弦の生音が小さくなるわけではありません。練習を始める前の生音確認は別に行いましょう。
外部のヘッドホン対応機器を使う場合
Ultra-Light Acousticのような構成では、「ギター → 対応する外部機器 → ヘッドホン」という順につなぎます。外部機器にギター用入力とヘッドホン出力があるかを確認し、電源や必要なケーブルもそろえます。機器によってはエレキ向けの音色が中心なので、アコースティック系の音を聴きたい場合は、その音に向く設定や入力への対応も確認します。
パソコンで録音するなら、オーディオインターフェースという機器を使う方法があります。これは楽器の電気信号をパソコンに取り込み、音を入出力するための機器です。録音ソフトと組み合わせる場合は、弾いてから音が返ってくるまでの遅れにも注意しましょう。機器内で直接音を聴ける機能があるなら、その使い方を説明書で確認します。
一般的なBluetoothイヤホンを、本体の有線ヘッドホンと同じ感覚で直接使えるとは限りません。送信機が必要になる場合があり、音の遅れも組み合わせで変わります。最初の接続は対応する有線機器で作り、その後に必要な機能を足すと、音が出ない原因や遅れを切り分けやすくなります。
練習後は端子とケーブルまで片付ける
練習を終えたら音量を下げ、説明書に従って電源を切り、必要に応じてケーブルを抜きます。プラグやケーブルが家具に引っ掛かったままだと、立ち上がるときに楽器や端子へ力がかかります。ケースへしまうときは、外したフレームや膝当てが本体を傷付けない位置に収まっているか確認しましょう。
購入前の試奏チェックとサイレントギターの注意点

音色の良さと、練習の確認しやすさを分けて聴く
試奏では最初から響きを強く付けず、短い音を一つずつ弾いてみます。リバーブは残響を加える効果で、心地よく聴ける一方、押さえ方による音の途切れを判断しにくくすることがあります。最初は効果を控えめにして、各弦の音量、不要な弦が鳴っていないか、押さえ直したときの音を確認しましょう。
次に好みの音作りへ変えて、数分間弾いたときに楽しく続けられるかを確認します。「正しく弾けているかを聴く設定」と「曲を気持ちよく通す設定」を分けて持つと、同じ楽器を練習にも息抜きにも使いやすくなります。店頭で感じた音が気に入ったら、どのヘッドホンと設定で聴いたのかも覚えておくと参考になります。
フレーム・座り姿勢・右腕の位置を確認する
大きな胴がない楽器は、右腕の置き場や本体の支え方に違いがあります。左手でネックを強く持ち上げないと安定しない場合は、座る高さや楽器の角度、ストラップの使い方を見直します。試奏で一つのコードが押さえられたことだけで終わらせず、普段練習する姿勢を再現しましょう。
店員に確認するときは、「初心者向けですか」だけでなく、「椅子に座って夜にコード練習をしたい」「今は52mm幅のクラシックギターを使っている」のように伝えると、比較の軸が明確になります。練習したい短いフレーズを一つ決めて持っていくと、機種ごとの違いを覚えやすくなります。
普通のアコギやクラシックギターで確かめたい練習もある
サイレントギターは、指の動き、音のつながり、コードチェンジ、リズムなどを日常的に練習する助けになります。一方、空間へ生音を届ける感覚や、胴を使った打音を含む奏法は、普通のギターと同じ条件ではありません。本番で別のギターを使うなら、ときどきその楽器でも確認する時間を作りましょう。
たとえば自宅ではフレーズを小分けにして練習し、演奏できる場所では曲全体の強弱や生音のバランスを確かめる方法があります。「これ一台ですべて同じ練習ができるか」と考えるより、今できない練習時間をどれだけ補えるかで評価すると、購入後の使い方が具体的になります。
中古で選ぶ場合は、音が出ること以外も確認する
中古品を検討する場合は、ネックやフレットの状態だけでなく、ヘッドホン端子の接触、各つまみ、電池室、フレームの固定部、専用ケースや着脱部品の有無を確認します。生音だけの試奏では、電気系統の不具合に気付きにくいことがあります。実際にヘッドホンで聴き、音量を変えたときの動作まで確認できると判断材料が増えます。
古いSLGシリーズとSLG200シリーズは、型番が近くても同じ機能とは限りません。外観だけで判断せず、本体の型番と対応する説明書を照合しましょう。部品が足りない場合は入手方法を確認してから決め、交換や調整が必要な状態なら、その作業も含めて検討します。
自宅で続けやすいサイレントギター練習メニュー
練習を始めやすいことは、静音ギターの大きな使いどころです。長時間まとめて弾く日だけでなく、短い時間で一つの課題を終える使い方もできます。ここでは15分の例を紹介します。時間は目安なので、生活に合わせて短くして構いません。速さや回数だけを増やすより、最後に何を確かめるかを先に決めておきます。

- 2分:電源と音量を確認し、チューナーで各弦の音の高さを合わせる。
- 4分:苦手なコード二つをゆっくり往復し、各弦が鳴っているか聴く。
- 4分:メトロノームに合わせて短い伴奏パターンやフレーズを繰り返す。
- 3分:曲の短い区間を通し、録音できる環境なら演奏を残す。
- 2分:音の切れ目やリズムを振り返り、次回直す点を一つメモする。
メトロノームは一定の間隔で拍を知らせる道具です。最初から原曲と同じ速さに合わせず、音が切れずに続く速さを選びます。たとえばコードチェンジで止まるなら、曲全部を繰り返すより、その二つのコードだけを練習した方が原因を確かめやすくなります。できるようになったら前後の区間をつなぎましょう。
夜の練習では、強いストロークの代わりに、左手の移動、一音ずつの発音、不要な弦を鳴らさない動きなどへ課題を絞れます。ただし、小さな音にするために不自然な力を入れ続けないようにします。強い音を出す練習は演奏可能な時間に移し、同じフォームで無理なく弾ける範囲を確かめましょう。
ヘッドホンの音を大きくすると弾きやすく感じても、演奏の正確さを判断しやすくなるとは限りません。短い区切りで休み、練習前後に生音も聴き直すと、弾く強さが変わっていないか確認できます。毎回の記録は「コード移動で止まらなかった」「3弦が鳴りにくかった」など、一行で十分です。
サイレントギターのよくある疑問
初心者の最初の一本にしてもいい?
自宅で普通のギターを弾く時間が取りにくく、ヘッドホン練習を中心に始めたいなら候補になります。ただし、弦の種類とネック幅を弾きたい音楽に合わせることが先です。レッスンを受ける予定なら、先生に使い方を伝え、教室での接続や自宅との使い分けも相談してみましょう。
ヘッドホンなしでも弾ける?
弦の生音は出るので、指の動きなどを確認することはできます。ただし、メーカーが想定する電気的な音色や余韻を聴くには、ヘッドホンやアンプなどの対応機器が必要です。生音が小さいことと、音を聴きながら楽しく練習できることは別の条件として考えましょう。
ナイロン弦なら夜でも必ず静か?
弦の種類だけでは判断できません。弾く強さや爪の当たり方、建物の条件、時間帯によっても聞こえ方が変わります。静かさだけを理由に弾きたい音楽と違う弦を選ぶより、目的に合う弦を選んだうえで、自宅での生音と練習内容を確かめることをおすすめします。
アンプにつなげば人前でも使える?
対応する出力から音響機器へつなぐ使い方ができます。ただし、会場の設備によって必要なケーブルや中継機器が異なります。出演先には型番と出力端子を伝え、音を調整する時間を確保してください。生音が小さい楽器なので、音響機器を使わない場所では、普通のアコギと同じように音が届くとは限りません。
どれを選ぶか決められないときは?
まずスチール弦かナイロン弦かを決め、次にヘッドホンを直接つなぎたいかを決めます。ナイロン弦のヤマハならNとNWのネック幅を比較し、スチール弦なら自宅中心の使い方と持ち運びの頻度を比べてみましょう。候補を二本に絞って同じフレーズを試すと、機能一覧だけを眺めるより決めやすくなります。
まとめ|静かさと弾きたい音楽の両方から選ぼう
サイレントギターは、周囲に出る生音を抑えながら、ヘッドホンなどで演奏音を楽しむためのギターです。完全な無音ではないため、住まいのルールと実際の聞こえ方を確認し、時間帯や練習内容を調整しましょう。
ヤマハSLG200Sはスチール弦、SLG200NとSLG200NWはネック幅が異なるナイロン弦モデルです。持ち運びも重視するならTraveler Guitar Escape Mark IIIとUltra-Light Acousticが比較候補になります。ただしUltra-Light Acousticには外部のヘッドホン対応機器が必要です。
あなたが最初に決めることは、弾きたい曲と練習する場所です。その二つを言葉にして、弦の種類・ネックの感触・接続の手間を確かめてみてください。毎日取り出して弾ける組み合わせが見つかれば、これまで音を気にして諦めていた時間も、具体的な練習の時間に変えやすくなります。


