ピアノコンクール一覧から応募先を選ぶなら、年齢・学年で参加できる部門を絞り、課題曲の準備量と本選までの参加費を比べます。国内8大会の違いを、子ども・学生・大人が判断できる形にまとめました。
同じ小学生向けでも、1曲を仕上げて出る大会と、異なる時代の4曲を用意する大会では準備が変わります。大人の部門も、年齢だけでなく音楽大学での専攻や指導歴が関係する場合があります。

情報確認日:2026年10月12日。主に2026年度、年をまたぐ大会は2026〜2027年の公表要項に基づきます。全国の全大会を網羅した名簿ではなく、比較対象を選んだ一覧です。
ピアノコンクール一覧:国内8大会を年齢・曲・費用で比較
下表の参加費は、比較に使う代表部門の一般料金です。最低価格ランキングではありません。同じ大会でも部門、審査方式、会員・指導者割引の有無で金額が変わるため、代表部門名と審査段階を組にして読んでください。
| 大会・対象年度 | 主な対象 | 曲の方向 | 代表部門の最初の参加費 |
|---|---|---|---|
| 第50回ピティナ・ピアノコンペティション/2026 | 未就学児〜成人。級・部門別 | A2〜F級は4期の課題曲 | A1級地区予選12,000円+利用料330円 |
| ブルグミュラーコンクール/2026 | 幼児〜大人 | 学年・部門別の指定曲から選ぶ | 小学1・2年A地区8,500円+利用料330円 |
| 第17回日本バッハコンクール/2026年度 | 幼児〜一般 | バロック作品・バッハ作品など | 小学1・2年A・B地区8,500円+利用料330円 |
| 第28回ショパン国際ピアノコンクールin ASIA/2026〜2027 | 幼児・学生・成人。部門別条件あり | ショパン・ポーランド作品等 | 小学1・2年地区ホール15,500円+システム利用料4% |
| 第11回ソナタコンクール/2026 | 小学生〜大学2年相当の部門 | ソナチネ・ソナタ | ソナチネ部門予選12,000円+利用料330円 |
| 第16回エリーゼ音楽祭/2026 | 15歳以上。ただし中学生・職業演奏家を除く | クラシック、ポピュラー・ジャズ等 | 動画審査1エントリー11,000円。会場予選とは別料金 |
| 第80回全日本学生音楽コンクール/2026 | ピアノは小学4〜6年・中学・高校 | 段階ごとの課題曲 | 参加料27,500円。参加規定書は別途 |
| 第95回日本音楽コンクール/2026 | 4月1日時点で16〜30歳 | 複数回の予選と、独奏・管弦楽が共演する協奏曲の本選 | 参加料35,000円 |
ピティナ、全日本学生、日本音楽コンクールの当該年度の新規申込は終了しています。ショパンin ASIAも9月16日正午に受付終了済みです。これらは次回に向けて準備量を比較する候補とし、開催日がまだ先だから申し込めるとは考えないでください。
一方、ブルグミュラーと日本バッハは地区ごとに受付状況が異なります。ソナタは動画予選の申込締切が10月19日、エリーゼ音楽祭の動画審査は10月31日です。定員や訂正を含む入口は後半の受付表にまとめています。
各コンクールの特徴:準備する曲と参加条件の違い
1曲を深めたい人はブルグミュラーや日本バッハ、複数の時代の作品を学びたい人はピティナが候補です。成人の自由曲ならエリーゼ音楽祭、ソナタを中心に学ぶ学生ならソナタコンクールなど、取り組みたい音楽からも選べます。
ピティナ:4期の音楽を組み合わせて学ぶ
ピティナのソロA2〜F級は、バロック・クラシック・ロマン・近現代という4つの時代・様式の課題曲を準備します。地区予選は、バロック・クラシック・ロマンのいずれか1曲と近現代1曲の計2曲。地区本選は、予選で選ばなかった2つの様式から1曲ずつを選びます。

例えば予選にバロックと近現代を選んだら、本選用にはクラシックとロマンを用意します。申込前に4曲の組み合わせを決めると、予選後までの準備を見通せます。
学年の上限はA2が未就学児、A1が小学2年以下、Bが小学4年以下、Cが小学6年以下、Dが中学2年以下、Eが高校1年以下、Fが高校3年以下です。「以下」なので該当学年より下でも参加資格の対象になりますが、級の数字や文字を学年そのものと読み替えないことが大切です。
A1・B級の全国大会では4曲を時代順に、C〜F級では4曲を任意の順で演奏します。A2級の先は全国大会の競争審査ではなく、入賞者記念コンサートです。小さい子の応募では、最終段階で何を経験するのかも含めて説明しておくと目標が具体的になります。
2026年の課題曲には、曲によって楽譜指定があります。A1級のトンプソン作品のように、新版と旧版で掲載の有無や曲名が違う例もあるため、作曲者・作品名だけで購入を決めず、掲載書名と指定注記を合わせます。指定注記のない曲まで特定の出版社に限定する規則ではありません。
成人向けのグランミューズでは、A1が23歳以上、A2が45歳以上で、学歴・職業による制限はありません。B1は23歳以上、B2は40歳以上、B3は55歳以上で、ピアノ専攻で学んだ経験(中途退学を含む)や、有償のピアノ指導・演奏がないことが条件です。基準日は2026年4月1日。子どものソロA1級・B級とは別の区分です。
ブルグミュラー:学年と教材の段階を合わせやすい
小学1・2年Bは『25の練習曲』の1〜8番、小学3・4年Bは9〜25番が対象です。小学5・6年と中学生では、Aが『25の練習曲』、Bが『18の練習曲』という構成です。高校・大人は両曲集が選択範囲に入り、『25の練習曲』へ進んでいない低学年には別の指定曲もあるため、現在の教材と課題曲表を照らして選べます。
例えば小学4年生が『25の練習曲』の5番を学んでいる場合、小学3・4年Bの範囲へそのまま当てはめることはできません。曲番号が範囲外だからです。学年だけでBを選ぶより、Aの指定範囲も見たうえで、先生と曲を決める方が手戻りを減らせます。
2026年度の地区大会は、1人1地区のみ申し込めます。通過後のファイナルも、参加地区に対応する会場・日程が決まっています。近い予選会場だけを見て選ぶと、次の段階の日程が学校行事と重なる可能性があるため、地区とファイナルを一組で予定表へ入れます。
「初参加者限定地区」は、ブルグミュラーコンクールに初めて出る人だけを意味しません。他のピアノコンクールの参加歴も関係します。ピティナ・ピアノステップと課題曲チャレンジの経験は、この参加歴に含みません。過去の催しの正式名称を区別すると、自分が初参加の条件に合うか判断できます。
「2人でブルグ」は、一般のソロ部門とは異なる参加形態です。1台を2人で弾く連弾用の指定編曲を用い、ファイナルはありません。2026年用の指定編曲には対象曲が決まっており、手元の別の連弾編曲を自由に使う制度ではない点も、親子や友人と申し込む際の分かれ目です。
日本バッハ:同じ学年でも声部の学習段階で分かれる
小学5・6年Bの課題にはインヴェンションから任意の1曲、Cにはシンフォニアから任意の1曲などが設定されています。インヴェンションは主に2つ、シンフォニアは主に3つの声部を扱う曲集です。声部とは、同時に鳴っていても別々の旋律として追う音の流れのことで、何本の旋律を聴き分けて弾くかが選曲の判断になります。
第17回では地区大会と全国大会で共通の課題曲表を使い、異なる曲を選ぶこともできます。同じ曲をさらに磨く方針と、次の曲へ進む方針のどちらも検討できますが、別曲にする場合も同じ部門の指定範囲から選びます。自由に好きな作曲家へ変えてよい、という意味ではありません。
一般Yは22歳以下で、大学に在籍しているかどうかを問いません。一般A・Bは23歳以上ですが、Aにはピアノ専攻歴や有償の指導・演奏に関する制限があり、Bは専門的に学ぶ人も対象です。一般A・Bは楽譜を見て演奏できます。Aは、譜面を見ずに弾く「暗譜」の有無を審査対象にせず、Bは譜面使用の有無を審査上考慮します。「譜面可」だけを共通条件として選ぶと、この違いが抜けます。
実地大会では同一部門で2地区まで申し込めます。動画大会も別に2地区までという仕組みで、実地と動画は別大会として扱われます。地区を増やすことには参加費の増加も伴うため、同じ年に何度経験したいかと、次の全国大会までの移動を合わせて考えましょう。
飛び級が可能なのは、小学3・4年C、小学5・6年C、中学C、高校B、一般Yなど、要項に示された部門です。全てのA・B部門へ自由に飛び級できるわけではありません。希望する作品が上の学年の課題表に載っていても、先にその部門の資格欄を読む必要があります。
ショパンin ASIA:部門と審査方式を組にして選ぶ
ショパン国際ピアノコンクールin ASIAは、ショパンやポーランドの音楽に取り組む人の候補です。ワルシャワで行われるショパン国際ピアノコンクールとは別の大会なので、募集要項や参加資格を混同しないでください。
第28回には幼児、学年別の学生、ソロアーティスト、ショパニストなどの部門があります。小学生の区分は生年月日による上限も掲載されており、高校生・大学生の部門には学年や教育課程の条件が加わります。「年齢が近いから同じ部門」と推測せず、該当する生年月日と在籍条件を組にして判断します。
ショパニストIは12歳以上、A・Bは15歳以上、Sは55歳以上という2026年4月1日時点の年齢条件があり、専攻歴や職業条件は同じではありません。とくにI・Aにはピアノ専攻や有償の指導・演奏に関する制限があります。趣味で再開した成人でも、過去に音楽大学でピアノを専攻していれば別の部門を検討することになります。
地区大会にはホール審査と動画審査があります。小学1・2年部門では地区ホール15,500円に対し地区動画11,000円ですが、その後にホールの全国大会・アジア大会へ進む経路と、動画のオンライン決勝大会へ進む経路は同一ではありません。入口の安い方だけで比較すると、最終的に望む舞台へ進む費用が抜けます。
同部門の全国大会とオンライン決勝大会に同時申し込みをする場合には、参加料の割引が設定されています。ただし部門をまたぐ申込には適用されません。二つの方式を併せて参加する予定がない人は、割引額ではなく、自分が選ぶ一つの経路の金額を見るのが適切です。
動画提出日が10月・11月に残っていても、事前に参加登録していない人の追加募集日ではありません。動画経路を選ぶ場合も、参加登録の締切と提出期限を分けて予定に入れます。
ソナタコンクール:学年と楽章数で準備の幅が変わる
ソナタコンクールは、ソナチネやソナタを学ぶ学生にとって比較しやすい大会です。楽章とは、大きな曲を構成する独立した部分のこと。1楽章を仕上げる部門と、より大きな構成まで準備する部門では練習計画が変わります。
2026年のソナチネ部門は小学1〜4年、ジュニア育成部門は小学5年〜中学3年、単楽章部門は中学1年〜高校3年、ソナタ全楽章部門のアカデミーコースは中学3年〜大学2年が対象です。ジュニア育成とアカデミーには飛び級の設定があります。部門名に「ソナタ」と付いているだけで、全員が全楽章を弾くわけではありません。
ソナチネ部門では、クレメンティ作品36の1の第1楽章など、要項に載る選択肢から選びます。モーツァルトK.545にも選択可能な楽章があるため、曲名だけでなく「第何楽章」を指定通りにそろえます。ジュニア育成や単楽章部門でも、予選と本選で何を弾くかを一度に設計しておくと、曲を差し替える必要に気づきやすくなります。
ジュニア育成部門とアカデミーコースの本選参加料にはマスタークラスが含まれます。マスタークラスは講師から指導を受ける学習の機会で、審査当日だけで予定が完結しません。ジュニアは12月5日、アカデミーは12月6日の実施予定と、本選12月19日・20日を別々に予定へ置きます。
会場予選の申込締切は10月7日で終了し、動画予選は10月19日までの案内です。2026年は動画のURLを申込時に提出するため、締切直前に申込だけを済ませて、後で撮影すればよいと考えると間に合いません。映像を準備してから登録へ進む順番になります。
エリーゼ音楽祭:大人の自由な選曲と譜面を使う参加
エリーゼ音楽祭は、クラシックに加えポピュラー・ジャズなども選びたい大人の候補です。15歳以上でも中学生は対象外で、音楽学生や音楽講師は参加できる一方、演奏家を職業とするプロの参加は遠慮するよう案内されています。
初心者向けA・Bコースは、ピアノ歴5年未満またはそれに相当する人が対象です。ブランクが長い場合は、現在の演奏内容とこれまでの経験を整理して部門を考えます。「今年再開したからピアノ歴1年」と機械的に書き換えるより、過去の学習年数も含めて主催者へ説明すれば判断を得やすくなります。
予選も全国大会も楽譜を見て演奏できます。ただし全国大会では連弾部門を除き、譜面を見た場合に若干の減点があると案内されています。「暗譜不要」と「暗譜した場合と評価条件が完全に同じ」は別です。暗譜が負担で舞台を諦めている人には入口となりますが、評価の扱いまで理解して選びましょう。
通常の会場予選と動画審査は料金が違い、動画は1エントリー11,000円です。全国大会は37,000円からで、審査後の懇親会を含む案内になっています。第16回東京0次予選には通常の参加費へ10,000円を加える会場条件もあるため、「同じコースなら全国どこでも同額」とは限りません。
会場での参加では、ピアノへの思いや選曲理由を記した250字以内の前奏文と、30字以内の参加目標も用意します。曲名を入力するだけの大会と比べ、自分がなぜその曲を演奏するのかを言葉にしてから申し込む仕組みです。文面は長い経歴紹介より、その演奏で伝えたいことを一つ選ぶと組み立てやすくなります。
動画審査では、鍵盤・ペダル・顔を含む全身が分かる撮影などの条件があります。電子ピアノはピアノ音色での演奏が認められていますが、他大会の動画規則へそのまま広げられる条件ではありません。自宅の楽器で参加したい人は、映像部門の案内を入口にする意味があります。
全日本学生音楽コンクール:学校区分と地区が応募先を決める
全日本学生音楽コンクールのピアノ部門は、小学4〜6年、中学生、高校生が対象です。「学生」という大会名でも、ピアノに大学の部があるわけではなく、他の楽器部門の区分を流用できません。
基本となる参加地区は通学する学校の所在地で決まります。旅行しやすい会場や出場しやすそうな地区を任意に選ぶ方式とは異なります。高校の部には、過去の在籍校に関係する「ふるさと参加」の制度があるため、転居・進学をした人は通常の地区とのどちらが適用されるかを規定から判断します。
参加料は1人1部門27,500円です。申し込みには参加規定書に付くシリアル番号が必要で、ウェブの概要を読んだだけで入力準備が全て終わるわけではありません。規定書を入手し、該当部門の曲・指定版・繰り返しの扱いを同じ資料でそろえます。
小学の部の予選は、バッハのシンフォニアから1曲(第5・9番を除く)、モシュコフスキ作品91の指定候補から2曲を登録して当日抽選で1曲、シューマン作品68の指定2曲から1曲という構成です。当日演奏する3曲に対し、準備は4曲になります。全国大会は予選・本選の提出曲と重複しない5〜10分の自由曲です。学年の資格を満たすことと、この課題量を用意できることは別に判断します。
2026年の申込期間は6月26日〜7月9日でした。次回の準備には今年の課題量を参考にし、応募時は新しい参加規定書へ切り替えます。
日本音楽コンクール:複数回の予選と協奏曲まで準備する
日本音楽コンクールは、ソロの複数のプログラムから協奏曲の本選まで準備する大会です。初めて人前で1曲を弾く場を探す人より、長い演奏計画を立てて専門的に学んでいる人が比較する対象になります。
第95回ピアノ部門の年齢条件は2026年4月1日時点で16〜30歳です。生年月日では1995年4月2日〜2010年4月1日が対象で、過去に同部門で第1位を受賞した人は参加できません。過去の紹介記事にある年齢幅ではなく、当該回の資格で判断します。
第1予選ではショパンの指定練習曲から選ぶ1曲に加え、登録した別の3曲から抽選で決まる1曲を演奏する構成です。実際に弾くのは2曲でも、準備する範囲はそれより多くなります。この「当日の演奏曲数」と「用意する曲数」の差は、負担を見積もる際に見落としやすい点です。
第2予選にはベートーヴェンのソナタ全楽章の課題があり、第3予選は37〜45分のプログラム、本選は協奏曲です。第1予選だけを通過できそうかではなく、次の段階に進んだときに全体を演奏できるかを基準に、年間の学習計画へ組み込みます。
参加料は35,000円ですが、長期間にわたる会場への移動や宿泊、協奏曲の準備を含む総支出そのものではありません。2026年の新規申込は終了し、ピアノ本選は10月24日の予定です。今回を聴いて演奏の規模を知ることと、次回の出場資格を満たして申し込むことは分けて考えましょう。
年齢・学年から候補を絞る:子どもと大人で違う条件
同じ「小2」という表示でも、ピティナA1の「小2以下」と、日本バッハの小学1・2年A・Bの「該当学年」では対象が異なります。前者は年齢が下の子も含む上限、後者はその学年の枠です。
未就学児・小学生は上限と該当学年を分ける
未就学児なら、まず幼児・未就学児の部門があるピティナ、ブルグミュラー、日本バッハ、ショパンin ASIAを見ます。全日本学生のピアノ部門は小学4年からなので、名称が子ども向けに見えても幼児の候補には入りません。低学年でソナチネを学んでいる場合には、ソナタコンクールのソナチネ部門が別の候補になります。
小学5年生でバッハの2声の作品に取り組んでいるなら、日本バッハの小学5・6年Bと、複数の様式を準備するピティナC級では学ぶ範囲が変わります。前者は指定範囲の1曲を深める選び方、後者は他の時代の曲も組み合わせる選び方です。
高校生・大学生は「学生なら誰でも」を避ける
大学生の候補は、全日本学生音楽コンクールのピアノ部門を除き、他大会の年齢枠や一般部門から探します。大学の学年と実年齢が一致しない場合もあるので、浪人・休学を経験している人は両方を手元に置きます。
日本バッハの一般Yは22歳以下という年齢条件で、在学の有無は問いません。一方、ソナタコンクールのアカデミーコースには大学2年までという教育段階の範囲があります。22歳で大学3年という人が、両方に同じ資格で申し込めるとは限りません。
高校生では、全日本学生の高校の部にある4月1日時点20歳未満という条件や、日本音楽コンクールの16歳以上という下限にも差があります。4月以降に誕生日を迎えて年齢が上がっていても、基準日に満たしていなければ該当しない場合があります。申込当日の年齢だけを書いたメモでは判断できません。
大人・シニアは専攻歴と有償の活動を整理する
40歳の人でも、ピアノ専攻の経験があれば日本バッハ一般AやピティナのグランミューズB1・B2は候補から外れます。以下は経歴と譜面の希望を当てはめた候補例で、全ての参加可能部門を網羅した表ではありません。

| 読者の条件例 | まず残す候補 | 除外・切り替えの理由 |
|---|---|---|
| 基準日に40歳、ピアノ専攻歴なし、有償指導・演奏なし | 日本バッハ一般A、ピティナのグランミューズA1・B1・B2、エリーゼ | バッハ作品を選ぶか、他の作品も含めて選ぶかで絞る |
| 基準日に40歳、音大でピアノを専攻して卒業 | 日本バッハ一般B、ピティナのグランミューズA1 | ピティナA2は45歳以上。名称が似た児童のA1級とも別 |
| 60歳、楽譜を見て演奏したい | 経歴条件を満たせば日本バッハ一般A。専攻者等は一般Bを検討。ショパニストSやエリーゼも候補 | バッハAは暗譜の有無を評価せず、Bは考慮。エリーゼ全国は連弾を除き若干減点 |
例えば、以前の専攻はピアノではなく声楽で、副科としてピアノを受講した場合、「音楽大学卒だから全て不可」と決めるのも早計です。規定がピアノを含む学科や学内レッスンまで対象にしているかを読み、卒業学科名と受講内容を主催者へ伝えます。境界的な経歴は、参加者が有利な解釈を決めるより、申込前に回答を得る方が確実です。
課題曲から選ぶ:曲数・指定版・演奏時間を比べる
例えば小学2年生が『25の練習曲』の前半を学んでいるなら、ブルグミュラー小学1・2年Bの指定範囲と接点があります。ピティナA1を選ぶ場合は4期の曲の組み合わせを作るため、その曲集で1曲弾けることだけでは準備を終えられません。手元の曲と必要曲を並べ、新たに仕上げる曲数を比べます。

自由曲部門でも、演奏時間、作曲家、編曲の可否、楽章の抜粋などの制約があります。日本バッハ一般Aは5分程度、一般Bは7分程度のバッハ作品で、編曲は不可です。時間の目安内でも進行上途中で演奏を止める場合があります。エリーゼとは選べる曲の範囲が違うため、「自由曲」の文字だけを同じ意味にまとめないようにします。
課題を整理する際は、曲名に加えて作品番号と楽章を残します。作品番号は同名の曲を区別する番号で、モーツァルトのK.、バッハのBWVなど作曲家ごとの整理番号もあります。邦題が違う楽譜でも同じ作品のことがある一方、同じ「メヌエット」でも別作品が多数あるため、題名だけの一致では不十分です。
楽譜の「版」は、出版社や校訂者による内容の違いを指します。指定版がある曲ではそれを優先し、自由に選べる場合でも申込欄に版の記載を求められることがあります。譜面の表紙だけでなく、奥付や出版社名が分かる情報を一緒に控えておくと、入力の際に取り違えません。
繰り返しを演奏するか省くかで、演奏時間も曲のつながりも変わります。ピティナA2〜F級の原則は繰り返し省略ですが、ダ・カーポやダル・セーニョは楽譜どおりです。これは曲頭や指定記号へ戻る指示で、単純な反復記号と同じ扱いではありません。通常のレッスンで弾く順序と大会用の順序を、応募先の規則に合わせて分けます。
原曲のテンポを無理に速めて時間内へ押し込むのではなく、規定に合う曲・楽章を選ぶことが先です。例えば全日本学生の課題曲規定では、演奏時間に曲間を含みません。録音の長さをそのまま記入する前に、どこからどこまでを計る規定なのかを押さえると、同じ曲でも選べる部門が見えてきます。
参加費を比べる:予選から次の審査までの合計例
予算は、最初の参加費と、通過した場合に必要な費用を分けて考えます。ここでは小学1・2年が参加できる代表区分を使い、割引なし・1地区・次の審査へ進んだ場合という条件で計算しました。
| 代表区分 | 最初の審査 | 次の審査 | 利用料込みの2段階合計 |
|---|---|---|---|
| ピティナA1級 | 地区予選12,000円 | 地区本選16,000円 | 28,660円(330円×2回を含む) |
| ブルグミュラー小学1・2年A | 地区8,500円 | ファイナル12,000円 | 21,270円(330円+440円を含む) |
| 日本バッハ小学1・2年A・B共通 | 地区8,500円 | 全国12,000円 | 21,270円(330円+440円を含む) |
| ショパンin ASIA小学1・2年・ホール経路 | 地区15,500円 | 全国17,000円 | 33,800円(各参加料の4%を含む) |
ブルグミュラーと日本バッハの上の区分は2段階合計が同額ですが、課題曲と進出先が違います。費用が同じなら、学びたい作品と本選会場への移動が決め手です。ピティナA1はさらに全国大会へ進んでも大会参加料は無料ですが、交通・宿泊まで無料になるわけではありません。
ショパンin ASIAの33,800円は、地区と全国の2段階だけです。その後のアジア大会の小学1・2年参加料は20,000円で、この段階には4%の利用料が加わらないため、3段階合計は53,800円になります。オンライン決勝への別申込は含みません。大会ごとに段階数が異なるので、「2段階合計が安い順」が全行程の安い順とは限りません。
大人の比較例:40歳の非専攻者が2段階へ進む場合
ピアノ専攻歴と有償の指導・演奏がない40歳なら、日本バッハ一般AとピティナのグランミューズB1・B2などを比較できます。一般料金・割引なし・最初は1地区のみ・次の審査へ進出、という条件をそろえた金額です。

| 部門 | 最初の審査 | 次の審査 | 利用料込み合計 |
|---|---|---|---|
| 日本バッハ一般A | 地区12,500円 | 全国16,500円 | 29,770円(330円+440円を含む) |
| ピティナ・グランミューズB1/B2 | 地区予選16,500円 | 地区本選20,500円 | 37,660円(330円×2回を含む) |
差は7,890円ですが、バッハ作品を5分程度用意する一般Aと、別の曲目規定で競うグランミューズは同じ課題ではありません。また、バッハは2段階目が全国、ピティナは地区本選です。ピティナのグランミューズはその先の全国大会参加料が無料で、必要な交通・宿泊は別に見積もります。
交通・宿泊・楽譜を含めて家庭の予算へ当てはめる
家計としての予算には、参加料のほかに楽譜、交通、宿泊、必要な会場練習、付き添いの移動などがあります。これらは住む場所や手持ち品で変わるため、参加料とは別に見積もります。最初に確定する大会参加料を固定欄、移動などを家庭ごとの追加欄にして、別々に記録します。
仮に予算を3万円以内とした小学生の家庭なら、小学生の比較表のピティナA1では参加料だけで28,660円となり、残り1,340円で他の費用を収める必要があります。ブルグミュラーの例では残り8,730円です。近隣会場で手持ちの楽譜を使えるか、付き添いの往復交通費が収まるかを、この残額へ当てはめれば候補を具体的に絞れます。
遠方の全国大会へ行く予定なら、地区段階の予算と全国進出時の予算を分け、通過した後の追加申込期限までに判断できるようにします。入賞を前提に全支出を確定させる必要はありませんが、進出できたときに支払える範囲は共有しておきましょう。
応募方法と受付状況:開催日より先に申込締切を押さえる
申し込みは、部門と曲を決めた後、主催者の受付ページから行います。今から応募する場合は、開催日、申込締切、動画提出期限の3つを別の日時として扱うことが出発点です。

| 対象 | 新規応募の扱い | 次に開く案内 |
|---|---|---|
| ブルグミュラー2026 | 地区別。受付中・終了が混在 | ピティナ提携ステージの申込一覧から当該大会・地区 |
| 日本バッハ第17回 | 実地・動画で受付先が分かれる | 主催者の開催地区・動画大会案内 |
| ソナタ第11回 | 会場予選は終了。動画予選10月19日締切 | 主催者の申込案内で動画と提出方法 |
| エリーゼ第16回 | 動画審査10月31日締切 | 動画審査の説明と申込先 |
| ピティナ第50回・全日本学生第80回・日本音楽第95回・ショパンin ASIA第28回 | 当該回の新規申込は終了 | 結果・本選案内と新規募集を区別し、次回募集の公表を待つ |
地域の一覧に載っていても、全てが一般参加のコンクールとは限りません。入賞者記念コンサートやサロン、公開レッスンなども並びます。まず催しの正式名称と対象者を開き、過去の入賞資格が必要な演奏会を新規応募の大会と取り違えないようにします。
申込前に用意する情報と完了を見分ける方法
申し込みの画面を開けたことではなく、登録と支払いが受理された状態まで進んで初めて手続きの完了です。
- 正式な大会名・回数・部門・地区を一つのメモにまとめる。
- 年齢基準日と在籍学年を照合し、課題曲の作品番号・楽章・版を転記する。
- 地区と次の審査の日程を家族・指導者の予定へ入れる。
- 公式受付へ入力し、確認画面で部門・曲目・金額を読み直して送信・決済する。
- 受付完了メールやマイページの状態を保存し、参加票の届く時期と問い合わせ先を控える。
決済画面が途中で閉じた場合は、同じ申込を直ちに繰り返す前に受付状況とメールを見ます。二重申込になったと疑うときは、参加者名、部門、地区、操作した日時、受付番号の有無を伝えて主催者へ問い合わせます。
曲目変更の扱いも登録後の重要な違いです。ピティナは地区予選の締切まで変更可能ですが、本選申込後の曲目変更は認められません。全日本学生も提出後の変更を認めない規定です。申込欄を仮の曲で埋めて後から考える方法は避け、登録時点で指導者との選曲を終えておきます。
動画で応募する場合は撮影と公開範囲を先に決める
ソナタは動画URL、エリーゼは映像データという提出方式の違いがあります。撮影前に形式を決めれば、締切直前の変換や再撮影を減らせます。
撮影の条件では、手・鍵盤・ペダル・顔の写る範囲、編集やつなぎ合わせの可否、撮影時期、服装や氏名提示の指定を確認します。
未成年の動画は、保護者と公開範囲を共有し、住所や学校名が分かる物を背景へ写さないようにします。限定公開の指定がある場合も、リンクを知る人が見られる仕組みであることを理解して使います。提出後は、主催者に届いたことを示す通知と、削除してよい時期を分けて管理しましょう。
要項・曲目の控えはひとまとめにする
申し込んだ内容を後から再現できるよう、募集要項、曲目メモ、受付番号を大会ごとにまとめておくと、訂正や問い合わせをしやすくなります。普段の練習記録と申込内容の控えを区別し、古い年度の用紙が混ざらないようにします。
A4の紙に曲目表や受付案内を整理するなら、キングジム「カキコ8632-BK」のように、紙を入れたまま書き込めるファイルも一つの選択肢です。これは書類整理の補助で、コンクール出場に必要な指定用品ではありません。手持ちのファイルや端末内のフォルダーで整理できていれば買い足す必要はありません。
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ピアノコンクール選びでよくある質問
本記事ではピティナ、全日本学生、日本音楽コンクールなどを比較しています。開催中でも新規受付終了の大会があるので、受付表を先に見てください。
入賞しやすいピアノコンクールはありますか?
大会名だけで一律には決められません。部門・地区・参加者によって変わるため、受賞率を推測せず、課題曲と準備できる範囲が合う部門を選びます。
ピアノの三大コンクールは何ですか?
一般にショパン、チャイコフスキー、エリザベート王妃の国際コンクールを指します。国内の学習者向け大会とは目的や応募条件が異なります。
初出場は先生に相談してから申し込むべきですか?
レッスンを受けているなら、部門と予選後の課題まで共有してから申し込むと準備を組みやすくなります。指導者登録の扱いは大会ごとの規定に従います。
参加を取りやめると返金されますか?
ピティナは地区の締切までの申出なら所定手数料を引いて返金します。エリーゼは申込後の返金を認めていません。期限と大会で扱いが異なります。
出典・参考資料
年齢、課題曲、費用、申込条件の根拠は各主催者の当該回の要項です。訂正が出た場合は、募集要項と併せて主催者の最新のお知らせを参照してください。


