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ワウペダルは、音色の好みと「足を離したときの動作」で選ぶと絞れます。Cry Baby・VOX・BOSSの10機種を、踏み方・音色調整・電源・設置条件で比較します。

定番の音をシンプルに使うならGCB95やV847、小さく収めたいならCBM95やPW-3が候補です。短いフレーズだけ踏んで使うなら95Q、音の動く範囲まで細かく合わせるなら535Qを見てください。同じワウでも、足を置き続ける必要があるか、底板を外さず設定できるかで使いやすさが変わります。
この記事はメーカー公表の仕様と取扱説明書をもとにした購入比較です。実機を同条件で試奏した音質ランキングではありません。Cry BabyはJim Dunlopのシリーズ名、VOXとBOSSはブランド名として区別し、各ブランドを一つの音で決めつけずに型番単位で見ていきます。
ワウペダル10機種の比較表
まずオン・オフの方式を決め、そのあとに音色をどこまで調整したいかを比べましょう。表の「固定」は足で音色を動かせないという意味ではなく、足の動き以外でレンジやQを設定するつまみがないという意味です。
| モデル | オン・オフ | 音色の設定 | ブースト | 電源 | 取得価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| Jim Dunlop GCB95 | 踏み込みクリック | 固定 | なし | 9V電池/対応DC電源 | ¥14,850 |
| Jim Dunlop GCB95F Classic | 踏み込みクリック | 固定 | なし | 9V電池/対応DC電源 | ¥20,862 |
| Jim Dunlop CBM95 Mini | 踏み込みクリック | 音域3段階・内部 | なし | 9V電池/対応DC電源 | ¥22,332 |
| Jim Dunlop CBJ95 Junior | 踏み込みクリック | 音域3段階・外部 | なし | 9V電池/対応DC電源 | ¥21,800 |
| Jim Dunlop 95Q | 踏むとオン/離すとオフ | Q連続調整 | あり(別スイッチ) | 9V電池/対応DC電源 | ¥25,800 |
| Jim Dunlop 535Q Multi-Wah | 踏み込みクリック | 音域6段階+Q | あり(別スイッチ) | 9V電池/対応DC電源 | ¥33,000 |
| VOX V845 | 踏み込みクリック | 固定 | なし | 9V電池/対応DC電源 | ¥10,999 |
| VOX V847 | 踏み込みクリック | 固定 | なし | 9V電池/対応DC電源 | ¥15,500 |
| VOX V846-HW | 踏み込みクリック | 固定 | なし | 9V電池のみ | ¥27,500 |
| BOSS PW-3 | 踏み込みスイッチ | RICH/VINTAGE | なし | 9V電池/BOSS指定PSAアダプター | ¥15,400 |
レンジはペダルを動かしたときに強調する音域が移る範囲、Qは強調する山の幅や鋭さに関係する調整です。ブーストは出力する信号を大きくする機能で、ワウのオン・オフとは別に操作する場合があります。535Qと95Qは、このブーストを備える点も選び分けに使えます。
価格を見るときは、同じ型番の新品・中古、単品・電源付きセットを分けて比べます。ここでは色違いやセット違いを別の1台として数えず、異なる10モデルを掲載しています。表で機能が同じGCB95とClassicは基本音色、V845とV847は重量や入力回路を、各モデルの節で比較しています。
Cry Babyの違い|標準・小型・調整型から選ぶ
Cry Babyは、まずGCB95を基準に「音の方向」「小型化」「操作の増加」のどれが必要かを考えると選びやすくなります。小型モデルがすべて自動オン・オフになるわけではなく、名前の似た別モデルとの区別が必要です。
GCB95|調整つまみを増やさず定番のワウを使う
GCB95は、基本の音を固定したまま、足の動きで表情を付けたい人の候補です。操作を覚える対象が少なく、初めてのワウでもオン・オフと音色の変化を分けて把握できます。
つま先側をクリックするまで踏み込むとオン・オフが切り替わり、9V電池または対応するDC電源で動きます。現行の公式製品説明ではFaselインダクターを採用しています。インダクターはワウの音色を形作る回路部品の一つで、搭載の有無だけでシリーズの上下関係は決まりません。
標準モデルの方向は、同社の比較ガイドでは高めの音域と強い存在感を持つ音として整理されています。踏み込んだときの高音を曲のアクセントに使いたいなら、この方向を出発点にできます。
GCB95F Classicとの違いは、Faselという部品名だけで判断できません。現行GCB95にも搭載されるため、部品名ではなく次のClassicの基本音色と比べてください。
一方、強調する範囲を自分で狭めたり、ソロだけ出力を上げたりする操作は備えていません。足を離すだけでオフにしたい人は95Q、レンジを選びたい人はCBJ95や535Qへ候補を移すと、買い替えで増える機能が明確になります。
Jim Dunlop
▶ Jim Dunlop公式サイトで製品情報を見る¥14,850
Amazon.co.jp 調べ ・ 2026年11月3日 13:55時点
※価格および在庫状況は変更される場合があります。
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GCB95F Classic|調整より音の基本的な方向を変えたい
GCB95F Classicは、標準GCB95に対して低めで穏やかな方向のワウを選びたい人に向きます。機能を増やす買い替えというより、基本の音色の違いを選ぶモデルです。
Faselインダクターとトゥルーバイパスを採用し、9V電池または対応DC電源で動きます。トゥルーバイパスは、効果をオフにしたときに音を効果回路から外して通す方式です。これだけで長いケーブルによる変化までなくなるわけではありません。
メーカーのシリーズ比較では、GCB95より周波数の方向を低くし、Qを穏やかにした位置付けです。この違いは「音が悪い部分を直した上位版」ではなく、強調される帯域や山の出方が異なるという読み方をすると適切です。すでに高音が強めの組み合わせで使うなら、つま先まで踏んだ音をGCB95と比べる理由になります。
操作はGCB95と同じく、つま先側をクリックして切り替えます。固定した位置の音を残す用途も考えられるため、演奏中に足を離したい場面がある人は、次に紹介する95Qとの動作の差を意識してください。
ただし、Classicの名前からすべてのヴィンテージ録音の音を再現できるわけではありません。調整つまみで別の方向へ振る機能はないので、アンプやギターを替えるたびに細かく合わせたい人には535Qのほうが調整の余地があります。
Jim Dunlop
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CBM95 Mini|小ささと電池運用を両立したい
CBM95 Miniは、ボードの場所を節約しながら、電池で使えるワウを残したい人の候補です。国内取扱元の公表寸法は幅80×奥行132×高さ63mmです。足を置く感覚まで標準型と同じとは限りません。
内部スイッチでH・M・Lの3種類の音域を選び、つま先のクリックでオン・オフを切り替えます。HはGCB95方向、Mは中域を意識したヴィンテージ方向、Lは低めの範囲です。9V電池と対応DC電源の両方を使え、トゥルーバイパスを採用しています。
床へ一台だけ出す日は電池、常設ボードへ戻す日は外部電源という使い分けができます。底板を外して電池を入れる構造なので、面ファスナーで固定する際は交換のために本体を外せるようにします。
ペダルの動く重さは、付属レンチで調整できる構造です。ただし、足のどこを乗せれば安定するかは靴の大きさや姿勢でも変わります。標準型から移るときは、かかとを床へ残して操作する場面と、足を乗せたまま切り替える場面の両方を試すと違いが分かります。
制約は、3音色の切り替えが内部にあり、底板を外す必要があることです。演奏中に足で3音色を切り替える機能ではありません。リハーサルで音域を頻繁に変更したい人は、外から切り替えられるCBJ95を比較してください。
Jim Dunlop
▶ Jim Dunlop公式サイトで製品情報を見る¥22,332
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CBJ95 Junior|ボードでの配線と外からの設定を重視する
CBJ95 Juniorは、極端な小型化よりも、ボードで扱いやすい寸法と配線を重視したい人に向きます。Miniとの比較では、音色スイッチを外から触れることと、端子の配置が決め手になります。
国内取扱元の公表寸法は幅101×奥行202×高さ70mmです。メーカーがいう長さ8インチは約20cmのサイズ感を示す案内で、ここでは設置に使うmm表記で比べます。音声と電源の端子をつま先側の前面へまとめています。外部のH・M・Lスイッチで3音域を選べ、白いLEDでオンを確認できます。9V電池または対応DC電源で使え、踏み心地の調整とトゥルーバイパスにも対応します。
説明書のレンジはHが380〜2100Hz、Mが330〜1800Hz、Lが270〜1500Hzです。Hzは音の周波数を示す単位で、ここでは強調する位置が動く範囲を表します。HとLの差は単なる音量差ではなく、低めの音域を中心に動かすか、高めまで動かすかの違いです。
端子が前面に集まるため、左右をほかのペダルへ近づける配置を考えやすくなります。ただし、つま先側にはプラグとケーブルが曲がる場所が必要です。ボードの手前へ置き、奥の空間へ配線できるなら利点がありますが、奥行きがぎりぎりの場所で自動的に有利になるわけではありません。
Miniより調整へアクセスしやすい一方、独立したQつまみやブーストはありません。音域3種類で十分ならJunior、山の鋭さまで変えたいなら535Qという順に分けると、使わないつまみへ予算を回さずに済みます。
Jim Dunlop
▶ Jim Dunlop公式サイトで製品情報を見る¥21,800
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95Q|踏んだ間だけワウを使いたい
95Qは、短いフレーズでワウを使い、足を離してすぐ元の音へ戻りたい人に向きます。つま先のオン・オフスイッチを毎回押し分ける動作を減らせることが、クリック式との大きな違いです。
ペダルを踏むと効果が入り、足を離すと自動的にバイパスへ戻るオートリターン方式です。Qの調整と、別スイッチで作動するブーストを備えます。ブースト量はVOLUMEで設定し、説明書では最大15dBです。dBはここでは信号の増幅量を表す単位です。9V電池または対応DC電源で使えます。
95Qではワウの作動とブーストの作動を分けて考えます。VOLUMEつまみはブースト量、Qつまみは音色の性格を変えるので、アンプをすでに歪ませている場合は、まずブーストを切ってQだけを合わせると調整の原因を切り分けられます。
Qを調整できても、535Qのようにレンジを6段階から選ぶスイッチはありません。強調の鋭さを合わせる操作で十分なのか、動く音域そのものも選びたいのかによって、95Qと535Qの選択が変わります。
固定ワウの音を残して別のスイッチへ足を移す用途には向きません。リフ(繰り返し演奏する短いフレーズ)を固定音色で弾く手順は、後半の踏み方の節でクリック式と比較します。
Jim Dunlop
▶ Jim Dunlop公式サイトで製品情報を見る¥25,800
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535Q Multi-Wah|動く音域と強調の鋭さを別々に合わせる
535Qは、ギターや曲に合わせてワウの基本設定を追い込みたい人の候補です。固定音色では高すぎる、低すぎる、効果が鋭すぎるという違う悩みを、別々の操作で調整できます。
6段階のレンジ選択、Qつまみ、ブースト量のVOLUME、ブーストスイッチを備えます。ワウ自体はつま先のクリックでオン・オフする方式で、トゥルーバイパス、9V電池または対応DC電源に対応します。小型のCBM535Qや自動復帰型とは別のフルサイズ535Qを比較しています。
まずレンジで、足の往復がどの音域を動くかを決めます。そのあとにQで強調の幅を合わせ、最後に必要ならブーストを足すと、それぞれの操作の意味を分けられます。レンジとQを同時に大きく動かすと、どちらが変化の原因なのか分かりにくくなるためです。
6段階のレンジスイッチは、側面のつまみで操作します。ボードの隣へ別のペダルを密着させると手が入りにくくなるため、音声プラグだけでなく設定時に指を入れる場所も見積もります。曲の間に設定を変える運用なら、座って調整する自宅とは配置条件が異なります。
ただし、6つのレンジを保存して足で呼び出す機能はありません。つまみや側面スイッチへ手を伸ばせる配置が必要です。細かな音色調整を必要とせず、決まった音を踏み方で使い分けたい人にはGCB95が候補になります。
Jim Dunlop
▶ Jim Dunlop公式サイトで製品情報を見る¥33,000
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VOXとBOSSの違い|固定音色・配線方式・2モード
VOXはここで扱う3台の基本操作が近いため、重さ、電源、内部構造の違いを合わせて見ます。BOSS PW-3は、2つの音色モードと小さめの本体ケース、両側の表示灯を購入条件にできるモデルです。
VOX V845|標準的な大きさで軽さも考える
V845は、VOXの基本的なペダル操作を使い、持ち運ぶ重さを抑えたい人の候補です。V847とほぼ同じ設置寸法なので、「軽いから小さい」と読み替えないことが選ぶ際のポイントになります。
本体寸法は幅102×奥行252×高さ75mm、重量は電池を含め942gです。9V電池または対応ACアダプターからのDC給電に対応し、つま先側を踏み込んでオン・オフを切り替えます。ブラック仕上げの本体ケースで、音色調整つまみを増やさない構成です。
V847の電池込み1673gとの差は731gです。同じ条件の公表重量で比べられるため、徒歩や電車でギターとボードを一緒に運ぶ人には具体的な判断材料になります。一方、ワウを置く場所は奥行252mmのままなので、収納の長さが課題なら別の小型候補へ進みます。
V845は携帯用ケースの付属が案内されていないため、V847の付属バッグも含めて購入条件を比べます。ボードへ固定して運ぶなら専用バッグの差は小さくなりますが、一台だけをほかの荷物と運ぶなら保護する袋を別に用意する必要があります。
低音を残すモードや3段階のレンジ選択はありません。持ち運びの重量より、音域の切り替えやオンの表示を重視する人はPW-3やCBJ95のほうが比較の中心になります。
VOX
▶ VOX公式サイトで製品情報を見る¥10,999
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VOX V847|伝統的な方向と現行の電源対応を選ぶ
V847は、VOXの定番の方向を選び、電池と外部電源の両方で使いたい人の候補です。本体だけを持ち出す場合には、付属キャリングバッグも比較条件にできます。
現行の公式説明では入力にバッファーを採用し、9V電池とACアダプターに対応しています。寸法は幅102×奥行252×高さ75mmで、ゴム足を含みペダルを踏み込んだ状態の値です。重量は電池を含め1673g、キャリングバッグが付属します。
バッファーは、信号を次の機器や配線へ送りやすく整える回路です。V846-HWのトゥルーバイパスとは設計の違いがありますが、どちらかを無条件に高音質と決める根拠にはなりません。ワウを切ったときの音も、実際に使う後段のペダルとケーブルを含めて比べる対象になります。
重さだけで踏みやすさや滑りにくさが決まるわけではありません。床材と固定方法でも状態が変わるため、重いV847へ替えるだけで滑りが解決すると考えず、ボードへの固定も含めて選びます。
音色を2モードから選びたいならPW-3、レンジやQの調整に加えてブーストも必要なら535Qが候補です。奥行きの短いボードへ収めることが最優先の人にも、別の候補が適しています。
VOX
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VOX V846-HW|手配線の構造と電池運用を選ぶ
V846-HWは、手作業で配線された内部構造に価値を感じ、電池で使う前提の人に向きます。購入時に最初に確認したい制約は、通常のDC入力端子がないことです。
プリント基板を使わないタレットボードへの手配線、Haloタイプのインダクター、トゥルーバイパスを採用しています。電源は9V電池1個。寸法は幅102×奥行253×高さ80mm、重量は電池を含まず1300gで、特製ソフトケースが付属します。
タレットボードは、部品を接続する端子を立てた板に配線する構造です。量産型のプリント基板と異なる作りを重視する人には選ぶ理由になりますが、「手配線なら必ず好みの音になる」という意味ではありません。部品や回路を含むモデル全体の音と、求める操作が合うことが前提です。
同じV846の文字があっても、V846 Vintageなど別の製品と仕様を混ぜないでください。本記事のカードと比較表はV846-HWです。名前が近くても内部構造や電源が異なるため、販売ページで末尾のHWまで一致するかを見ます。
複数ペダルへ給電する電源装置(パワーサプライ)から通常のDCケーブルを挿してまとめて給電したい人には向きません。また、1300gは電池を含まないため、V845やV847の電池込み重量と、そのまま同じ条件の軽量順位には並べられません。
VOX
▶ VOX公式サイトで製品情報を見る¥27,500
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BOSS PW-3|低域を残すモードと状態の見やすさを選ぶ
PW-3は、ワウをかけても低域の厚みを意識したい人や、足元でオンの状態を確認したい人の候補です。短めの奥行きも、ほかの標準サイズのワウから買い替える理由になります。
アナログ回路のRICHとVINTAGEの2モードを備えます。RICHは低域を維持する方向、VINTAGEは60年代のワウを意識した方向です。幅80×奥行192×高さ58mm、重量800gで、9V電池またはBOSS指定のPSAアダプターに対応します。
両側面のLEDでオン・オフを表示するため、足をペダルへ乗せても状態を見分けるための手がかりが残ります。表示灯のないモデルで「今どちらの状態か」を気にしやすい人には、音色以外の具体的な利点です。暗い足元を想定すると、購入時に確かめる意味があります。
踏み心地を調整でき、オン・オフ時の加重を調節するシートも付属します。ペダルを動かす抵抗感と、スイッチを切り替える際の踏み込みは別の感覚なので、試すときも分けて確認します。軽く動くことだけを基準にすると、切り替えに必要な動作を見落としがちです。
RICHとVINTAGEは背面のスイッチで切り替えるため、演奏中に足だけで2モードを往復する機能ではありません。連続したQ調整やブーストもないので、細かい音域調整は535Q、足を離すだけのオフ動作は95Qと比べてください。
BOSS
▶ BOSS公式サイトで製品情報を見る¥15,400
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音色の違いを読む|レンジ・Q・低域の残り方
ワウの音色は、「どこが動くか」「どのくらい鋭く強調するか」「元の低域をどの程度残すか」に分けると理解しやすくなります。ブランド全体を明るい・暗いと一言で分けるより、調整できる項目を購入条件にしましょう。
ワウは音量や音程を動かすペダルではない
ワウは、主に特定の音域を強調する位置を足で動かす効果です。ボリュームペダルのように音全体を大きくしたり小さくしたりする機器、音程を上下させる機器とは役割が異なります。
フィルターとは、通す音域や強調する音域を変える回路です。ワウでは、このフィルターの強調点を動かすことで声の母音に似た変化を作ります。一般的なペダルワウはかかと側で低め、つま先側で高めの方向へ変わりますが、どこからどこまで動くかや山の形には機種差があります。
ブースト付きの95Qや535Qで出力を増やす機能があっても、足の動き自体が通常の音量ペダルになるわけではありません。ワウと音量操作を一台で兼ねたい場合は、それぞれの機能を切り替えられる別の種類を探す必要があります。本稿の10台は、ワウとしての使い分けを中心に選んでいます。
Qとレンジは別の調整
レンジは強調する位置が動く範囲、Qは強調する山の幅・鋭さに関係します。「高音が出すぎる」と「効果が鋭すぎる」は同じ症状とは限らないので、必要な調整を分けます。

たとえば、足を大きく往復したいのに最後だけ高すぎるなら、レンジを低めへ移す選択に意味があります。CBJ95のH・M・Lや535Qのレンジ選択が、この方向の比較に使えます。一方、動く場所は合っていても強調が尖りすぎるなら、Qを調整できる95Qや535Qを試す理由になります。
PW-3のRICHは、単に「Qを小さくした同じ音」という説明にはできません。低域を維持する別の方向を選べる設計として比較します。音域を選ぶ、強調の鋭さを変える、低域の残り方を変えるという3つの判断を混ぜないことが、つまみ数だけの比較を避けるコツです。
踏み方で選ぶ|短い効果と固定した音色
演奏中の操作を先に思い浮かべると、音の形容だけでは決めにくい候補を絞れます。最も大きな分岐は、足を離したら元の音へ戻したいか、途中の音色を残したいかです。
足を離す動作でオフにしたい場合
短い効果を頻繁に出し入れするなら、95Qの自動オフが候補になります。音を出すタイミングだけ足を使う設計なので、クリック式とはオン・オフの操作手順が異なります。
クリック式では、まずつま先側を深く踏んで効果を入れ、そのあと音色を動かします。オフにするときも改めてクリックが必要です。これに対して95Qは足を離すことがオフ操作になるため、歌の合間に数音だけ使うような場面で、動作をまとめられます。
ただし、どちらが誰にとっても簡単かは決められません。つま先側を強く踏むときの体重移動が負担なのか、足を一定位置へ置き続けることが負担なのかで判断は変わります。購入前に再現したいのは「一度オンにする」だけでなく、実際の曲の切り替え回数です。
途中の位置で音色を残して足を移したい場合
足を離して固定したワウの音を残したいなら、クリック式を選びます。95Qは足を離すとオフへ戻るため、この用途とは動作が合いません。
固定ワウは、ペダルを往復せず、特定の角度の音色を保つ使い方です。たとえば中域を強調したリフを続けながら、足を別のペダルへ移したい場合があります。535Qなら、固定する角度だけでなく、レンジとQの設定も合わせて音色の候補を作れます。
保持しやすさは、ペダルの抵抗感や固定状態にも関係します。CBM95やCBJ95の踏み心地調整は、この用途を試す際の確認点になります。ただし、機種の規定範囲を超えて締めるのではなく、説明書の調整方法に従って、足を離したときの位置の変化を実際に確かめます。
オートワウとの違い
オートワウは、足を前後させずに音色を動かす効果です。足で作りたい変化のタイミングがある人は、手動のペダルワウと目的を分けて選びましょう。
演奏の強さに反応するタイプは、エンベロープフィルターとも呼ばれます。音の強弱を追ってフィルターを動かすため、同じ足の角度で保持する手動ワウとは操作が違います。一定の周期で動くタイプもあり、「自動」の方法が一つに決まっているわけではありません。
95Qのオートリターンは、こうしたオートワウとは別です。95Qは音色を動かすために足の操作を使い、離したときのオフを自動化しています。自動という言葉だけで、足を使わず同じ効果が出せる機器だと判断しないでください。
サイズと電源から購入できる候補を絞る
設置条件は、本体寸法、プラグを挿す場所、足の動きの3つに分けて確認します。電源も合わせて先に絞ると、音色が好みでも予定の場所で使えない候補を早い段階で外せます。
奥行き220mmへ収めたい場合
空き奥行きが220mmなら、奥行192mmのPW-3は本体だけで28mmが残り、奥行252mmのV845・V847は本体だけで32mm超えます。これは設置の一次選別であり、PW-3の配線や足の動きまで収まる保証ではありません。

28mmは前後を合わせた余りです。前後それぞれに28mmがあるわけではないので、ケーブルの曲がりや固定具を加える前に使い切らないようにします。また、公表寸法がペダルを踏み込んだ状態かどうかで高さの意味が変わるため、ケースの蓋は可動部を含めて別に確認します。
CBJ95は奥行202mmなので、同じ220mmの場所では前後合計18mmが残ります。この18mmに前面のプラグを収める必要があるため、PW-3の28mmより余裕は小さくなります。プラグがボードの枠から出ても、収納ケースの壁へ当たらないかを確認します。
ミニワウでは本体の占有面積を減らせても、靴の占める場所は小さくなりません。隣のつまみやスイッチを誤って触らないか、足を傾けたときにボードが浮かないかを仮置きで試します。配置と固定をまとめて進める手順は、エフェクターボードの組み方で詳しく整理しています。
電池を使うか、ボードから給電するか
電源をボードへまとめたいならV846-HWを通常のDC給電候補から外し、電池だけで持ち出したいなら各機種の電池対応を残します。今回の10機種ではV846-HWは電池専用で、ほかの9機種は電池と対応外部電源を選べます。
外部電源は「9Vと書かれている」だけで互換とは限りません。DCは直流、センターマイナスなどの極性はプラグの中心と外側の電気の向きです。電圧、極性、プラグの形、必要な電流を該当機種の指定に合わせます。メーカーがACアダプターと呼んでいても、ペダルへ出す側がDCの製品があります。
電池寿命を比較するときは、電池の種類と条件を揃えます。PW-3はアルカリで約40時間、マンガンで約20時間が目安です。V845・V847のマンガン100時間以上という案内と並べるなら、PW-3側もマンガンの値で読む必要があります。公表値は使用状態で変わり、実際のライブ何回分と断定できません。
電池交換のために底板を開ける機種を固定するなら、交換作業を妨げない取り付け方にします。V846-HWではとくに電池交換が基本の補給方法になるため、貼り付けたまま底へアクセスできない配置は不便です。外部電源を買う費用だけでなく、持ち出し時の電池の扱いまで含めて判断してください。
歪みとの接続順で変わること
最初はギターからワウ、歪みペダル、アンプの順につなぐ構成を出発点にできます。順番を変えると、どの音域が歪み回路へ入るかが変わるため、同じ機種でも効果の感じ方が変わります。
ワウを歪みの前と後ろへ置く違い
ワウを先に置くと、ワウで強調した音を後ろの機器が歪ませます。歪みのあとへ置くと、歪んで増えた音の成分をワウが動かすため、フィルターの変化を違う形で感じられます。
比較するときは「ギター→ワウ→歪み→アンプ」と「ギター→歪み→ワウ→アンプ」の一組だけを入れ替えます。同じフレーズで、ワウと歪みのオン・オフを個別に確認すると、変化の原因を追いやすくなります。アンプ自体を強く歪ませる場合は、ペダルの順番を替えても、最後にアンプの歪みを通る点は変わりません。
ワウのブーストを上げても、後ろがすでに強く歪んでいれば、音量だけがそのまま増えるとは限りません。次段へ入る信号が増えて、歪み方や音の詰まり方が変わる場合があります。95Qや535Qをソロの音量上げにも使いたいなら、ワウ単体の動作と、次段を含めた結果を分けて聴きます。
ファズや長い配線ではオフ時の経路も見る
ファズなど前に接続する機器の影響を受けやすい歪みでは、ワウのオン時だけでなくオフ時も確認します。バイパス方式の名前だけで相性を断定せず、ファズ側の推奨接続を優先してください。
トゥルーバイパス機を選んでも、オン時にはワウ回路を通ります。そのため「オフで直結なら、オンでも必ずファズと同じ相性」ということにはなりません。ワウ単体、ファズ単体、両方オンという順で比較すると、どの組み合わせで変化したかを特定できます。
長いケーブルを複数つなぐ構成では、オフにしたペダルが音の通り道をどう変えるかも関係します。95Qのバッファードバイパスは、オフでも信号を整える回路を通す方式です。ClassicやJuniorのトゥルーバイパスとは経路が異なります。V847に入力バッファーがあるという仕様だけから、オフ時の全経路まで同じだとは判断しません。単独の方式に点数を付けるより、使う構成で必要な役割を判断しましょう。
音を二つの経路へ分けて混ぜる並列接続では、音の位相によって一部の帯域が弱まる場合があります。位相は波の山と谷のタイミングの関係です。混ぜたときだけ細くなるなら、機種の低音不足と即断せず、まずワウだけを順につなぐ直列の経路と比較します。本稿の比較は各ペダルを一系統で使う基本構成を中心にしています。
まとめ|二候補で迷ったとき
最後は、演奏中に必要な動作と、設置・電源で外せない条件を一つずつ当てはめます。音色を実際に聴いて決める前に、用途に合わない機能構成を外すことができます。
GCB95とGCB95Fで迷うなら、足の操作や機能の追加ではなく、標準の高めの方向とClassicの低めで穏やかな方向を比べます。価格差をそのまま上位・下位の差とせず、つま先まで踏んだ音と、中間位置の音の両方が欲しい方向に合うかを見てください。
CBM95とCBJ95なら、幅80×奥行132mmを優先するか、幅101×奥行202mmと引き換えに外部スイッチ・前面配線を選ぶかで分けます。設定変更の頻度と、配線を逃がせる空間が決め手です。
95Qと535Qは、足を離したらオフにするか、途中の音色を残すかで選び分けます。前者は95Q、後者や6段階の音域選択が必要なら535Qが候補です。
V845とV847では同じ電池込み条件の重量差、V847とV846-HWでは電源と内部構造、VOXの標準寸法とPW-3では置き場所と2モードの必要性が決め手です。候補が二台になったら、同じギター・アンプ・音量で、通常の往復、オン・オフ、足を離す場面まで確かめれば、仕様で残した理由と実際の使い心地をつなげられます。
中古を候補に含める場合は、足を動かしたときの雑音、オン・オフの反応、端子と電池端子の状態、改造の有無を別に確認します。現行品の説明から古い個体の部品やバイパス方式を決めつけず、型番と個体の状態が分かるものを選びましょう。
出典・参考資料
- Jim Dunlop GCB95公式製品資料
- Jim Dunlop GCB95F Classic公式製品資料
- Jim Dunlop CBM95 Mini公式製品資料
- Jim Dunlop CBJ95 Junior公式製品資料
- Jim Dunlop 95Q公式製品資料
- Jim Dunlop 535Q Multi-Wah公式製品資料
- VOX V845公式製品資料
- VOX V847公式製品資料
- VOX V846-HW公式製品資料
- BOSS PW-3公式製品資料
- 取扱説明書・補足資料GCB95.pdf
- 取扱説明書・補足資料GCB95F.pdf
- 取扱説明書・補足資料CBM95.pdf
- 取扱説明書・補足資料CBJ95.pdf
- 取扱説明書・補足資料95Q.pdf
- 取扱説明書・補足資料535Q.pdf
- BOSS PW-3主な仕様
- 取扱説明書・補足資料V845_V846HW_V847_OM_EFGSJ3.pdf
- メーカーによるシリーズ比較
- CBM95国内取扱元の寸法
- CBJ95国内取扱元の寸法
仕様・販売情報は2026年10月28日に確認しました。価格は商品カードの取得情報を参照してください。寸法や端子の仕様は、各メーカー・正規取扱元の製品資料と取扱説明書に基づきます。






