移調楽器の読み替えは、元の楽譜の音 → 実音 → 演奏する楽器の音の順にたどります。たとえばピアノの「ド」はB♭管のトランペットなら「レ」、E♭管のアルトサックスなら「ラ」です。
下の無料ツールで1音ずつ変換できます。ピアノ・サックス間の読み替え例、12音の早見表、自分の楽器用の楽譜を選ぶ方法もまとめました。既に自分の楽器用に書かれたパート譜は、通常そのまま読みます。
EMMUS MUSIC TOOL
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D♭とC♯、E♭とD♯のように、名前が2つある音は同じ高さです。楽譜で使う綴りは、調号と曲中の音程関係に合わせます。オクターブ(音の高さそのもの)は考えに入れていません。音の名前だけを変換しています。実音 → 楽譜は「言われた実音を自分は何と読むか」、楽譜 → 実音はその逆です。表の行を直接タップしても選べます。
EMMUS MUSIC TOOL
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このツールでは調号が7個以上になる結果を、同じ高さで調号が少ない異名同音の調へ置き換えて表示します(♯7つのC♯長調 → ♭5つのD♭長調)。C♯長調が使われないという意味ではありません。元の楽譜の綴りを保つ場合は、その調号を別途確認してください。表の行を直接タップしても選べます。
ツールの「C管」は音名の対応をまとめた表示で、管そのものの調子やオクターブを示しません。ピッコロは記譜より1オクターブ高く、コントラバスは1オクターブ低く鳴ります。五線表示も音名を確かめるための図で、演奏する高さは別に読みます。
- B♭・E♭・F・A管の楽器を選ぶと、早見表の対応列が枠で囲われます。C管表示の楽器は音名を変えません。
- 音(1つめのツール)や曲の調(2つめのツール)を選ぶと行に色がつき、楽器の列との交点が答えです。表の行を直接タップしても選べます。
- 答えは五線譜でも表示されます。1つめのツールは変換前と変換後の音符、2つめのツールは調号が出ます。
- 表の左上のボタンで、実音⇄楽譜(1つめ)と長調・短調(2つめ)を切り替えられます。
- 表の右上の「表示」でCDE⇄ドレミ、「配色」でダーク⇄ライトを切り替えられます。印刷やスクリーンショットには、白背景になるライトが見やすいです。
ピアノ・トランペット・サックスの楽譜を読み替える
ピアノ譜は実音から、ほかの管楽器のパート譜は一度実音に戻してから変換します。B♭管は「ベー管」、E♭管は「エス管」とも呼ばれます。
英語の音名ではBはシ、B♭はシ♭です。ドイツ音名のB(ベー)=シ♭とは表記が違うため、下表はB♭・E♭で統一しています。
| 元の楽譜 → 演奏する楽器 | 元のド・レ・ミ | 読み替えた音名 |
|---|---|---|
| ピアノ・フルート(実音)→ B♭トランペット | C・D・E | D・E・F♯(レ・ミ・ファ♯) |
| ピアノ・フルート(実音)→ アルトサックス(E♭) | C・D・E | A・B・C♯(ラ・シ・ド♯) |
| アルトサックス(E♭)→ テナーサックス(B♭) | C・D・E | F・G・A(ファ・ソ・ラ) |
| テナーサックス(B♭)→ アルトサックス(E♭) | C・D・E | G・A・B(ソ・ラ・シ) |
これは音名の対応表です。ピアノからB♭トランペットへは長2度上、ピアノからアルトサックスへは長6度上に書きます。アルトからテナーへ同じ高さを受け渡す場合は完全4度上、テナーからアルトへは完全4度下です。音域に収まらず1オクターブ動かす場合は、元と同じ高さの演奏にはなりません。
C管からB♭管へ:ピアノのドをトランペットで出す
ピアノで鳴るC(ド)をB♭トランペットで出す答えはD(レ)です。1つめのツールで「実音 → 楽譜」を選び、自分の楽器をトランペットにしてCの行を見ると、Dが答えになります。逆にトランペット譜のCをピアノで確かめるときは「楽譜 → 実音」に切り替え、B♭(シ♭)を読みます。
エス管からベー管へ:アルトのドをテナーに渡す
アルトサックス譜のC(ド)を、テナーサックス譜ではF(ファ)へ読み替えます。ツールの「楽譜 → 実音」でアルトサックス・Cを選ぶとE♭。そのE♭を「実音 → 楽譜」でテナーサックスへ変換するとFになります。
元の楽譜のCを、そのまま実音Cとして入力しないのがポイントです。
逆のベー管からエス管では、テナー譜のC → 実音B♭ → アルト譜のGです。曲全体なら調号も変わります。テナー譜のC長調(♯♭なし)はアルト譜のG長調(♯1つ)、アルト譜のC長調はテナー譜のF長調(♭1つ)になります。臨時記号も含め、音を1つずつ同じ幅だけ動かします。
自分の楽器用の楽譜なら、読み替えずに演奏できる
曲を演奏することが目的なら、最初から自分の楽器・編成用に書かれた譜面を選ぶ方法もあります。アルトサックス用の譜面をアルトで吹くとき、さらにE♭分を移調する必要はありません。読み替えが必要なのは、ピアノ譜や別の楽器の譜面を使うときです。
- 1人で吹く:曲名だけでなく「アルトサックス(ソロ)」「テナーサックス(ソロ)」など楽器・演奏スタイルを合わせます。
- ピアノと合わせる:サックスのパート譜に加えてピアノ伴奏譜が含まれるかを見ます。「コード付き」はピアノ伴奏譜付きと同じ意味ではありません。
- アルトとテナーで合わせる:2人で同じ旋律を吹くのか、別々の声部を重ねる二重奏なのかを先に決めます。二重奏なら、楽器の組合せが一致するアンサンブル譜を選びます。
ぷりんと楽譜には楽器・演奏スタイル・難易度・サンプルの表示があります。たとえば「千の風になって」のテナーサックス譜には、旋律はin B♭、付記コードは実音と説明された商品があります。旋律とコードが同じ基準とは限りません。また、編曲で原曲とキーが違う場合があるため、市販の音源と合わせたい人は楽譜サンプルと解説で調を照合します。
▶ 楽器別のパート譜は ヤマハ「ぷりんと楽譜」
で探せます。
既に正しいパート譜を持っている場合は、買い直さずにその譜面を使えます。
移調楽器とは何か
移調楽器は、記譜された音と、実際に鳴る音が異なる楽器です。B♭トランペットで記譜のC(ド)を吹くと、実音B♭(シ♭)が鳴ります。
同じ移調の種類でもオクターブは異なります。B♭トランペットとテナーサックスはCに対する音名がともにB♭ですが、テナーサックスはトランペットより1オクターブ低く鳴ります。
なぜ、わざわざずらしてあるのか
利点の1つは、同じ仲間の楽器で記譜音と運指の対応をそろえられることです。ソプラノ・アルト・テナー・バリトンサックスは大きさと実音が異なっても、記譜されたドに基本的に同じ指づかいを使えます。
実音とは何か
実音とは、実際に鳴っている音の高さのことです。合奏で音をそろえるときは、楽器ごとの記譜音ではなく、この共通の基準を使います。
実音B♭を出すとき、それぞれが読む音
- 実音記譜(フルート・通常のヘ音記号トロンボーンなど)… B♭(シ♭)
- B♭管(トランペット・クラリネットなど)… C(ド)
- E♭管(アルトサックスなど)… G(ソ)
- F管(ホルン)… F(ファ)
自分の楽器がどれに当たるか
下表は、吹奏楽でよく使う楽器を「音名の読み替え」でまとめたものです。音名が実音と同じ行には、管の調子がB♭やFでも通常は実音で記譜する低音金管楽器を含みます。ピッコロやコントラバスのように音名は同じでオクターブが違う楽器も含むため、楽器そのものの調子や実際の高さを一律にCとする表ではありません。
| 種類 | 楽譜のドに対応する実音名 | 当てはまる楽器 |
|---|---|---|
| 音名が実音と同じ(オクターブ差は別) | C(読み替えなし) | フルート、ピッコロ、オーボエ、ファゴット、トロンボーン、ユーフォニアム(ヘ音記号)、チューバ、コントラバス、ピアノ、鍵盤打楽器 |
| B♭管 | B♭ | トランペット、コルネット、フリューゲルホルン、クラリネット、バスクラリネット、ソプラノサックス、テナーサックス、ユーフォニアム(ト音記号) |
| E♭管 | E♭ | アルトサックス、バリトンサックス、E♭クラリネット(エスクラ)、アルトクラリネット、E♭コルネット |
| F管 | F | ホルン、イングリッシュホルン |
| A管 | A | クラリネット(A管。おもにオーケストラで使います) |
同じ楽器でも編成・出版物によって記譜法が変わる例があるため、楽器名だけで表の列を決めないでください。ユーフォニアムのヘ音記号譜とB♭ト音記号譜の違いは、後半の「つまずきやすいところ」で説明します。
移調楽器の読み替え表|実音とB♭・E♭・F・A管の12音
実音を、それぞれの楽器の楽譜で書くとどうなるかの一覧です。C管は実音と同じなので省いています。内容は上の1つめのツールの早見表と同じです。
| 実音 | B♭管 | E♭管 | F管 | A管 |
|---|---|---|---|---|
| C(ド) | D | A | G | E♭ |
| D♭(レ♭) | E♭ | B♭ | A♭ | F♭(=E) |
| D(レ) | E | B | A | F |
| E♭(ミ♭) | F | C | B♭ | G♭ |
| E(ミ) | F♯ | C♯ | B | G |
| F(ファ) | G | D | C | A♭ |
| F♯(ファ♯) | G♯ | D♯ | C♯ | A |
| G(ソ) | A | E | D | B♭ |
| A♭(ラ♭) | B♭ | F | E♭ | C♭(=B) |
| A(ラ) | B | F♯ | E | C |
| B♭(シ♭) | C | G | F | D♭ |
| B(シ) | C♯ | G♯ | F♯ | D |
楽譜の音から実音を知りたいときは、この表を逆に引いてください。たとえばB♭管の列で「C」を探すと、その行の実音は「B♭」です。上のツールで「楽譜 → 実音」に切り替えても同じ答えが出ます。
手で計算するときの考え方
表を見ずに自分で出したいときは、音を数えるやり方になります。楽器ごとに、ずらす幅が決まっています。
B♭管(トランペット・クラリネット・テナーサックス)
B♭トランペットとB♭クラリネットは実音より長2度上、テナーサックスは1オクターブと長2度上に書きます。音名の対応は共通で、実音B♭ならC、実音CならD、実音E♭ならFです。
E♭管(アルトサックス・バリトンサックス・エスクラ)
アルトサックスは実音より長6度上、バリトンサックスは1オクターブと長6度上、E♭クラリネットは短3度下に書きます。音名の対応は共通で、実音E♭ならC、実音CならA、実音B♭ならGですが、記譜する高さは同じではありません。
F管(ホルン)
実音より完全5度上を書きます。実音FならC、実音B♭ならF、実音CならG。ホルンは「ドレミファソ」と5つ数えた先だと覚えておくと早いです。
A管(オーケストラのクラリネット)
実音より短3度上を書きます。実音AならC、実音CならE♭。吹奏楽ではほとんど出てきませんが、オーケストラの曲ではA管の指定がよくあります。
調号は何個増えるのか
曲全体の移調では、調号と各音の高さの両方を変えます。下の一覧で新しい調号を決めた後、旋律と臨時記号も各楽器の移調幅に合わせて動かします。
実音の調号から、自分の楽譜の調号へ
- B♭管 … ♯が2つ増える(♭なら2つ減る)
- E♭管 … ♯が3つ増える(♭なら3つ減る)
- F管 … ♯が1つ増える(♭なら1つ減る)
- A管 … ♯が3つ減る(♭なら3つ増える)
例を出します。曲が実音でB♭長調(♭2つ)だとします。B♭管は♭が2つ減るので、♭が0個、つまりC長調になります。E♭管は♭が3つ減るので、−2 + 3 = ♯1つでG長調。F管は♭が1つ減るので、♭1つのF長調です。この例では、実音のB♭長調から各楽器の譜面へ移すと、調号が0〜1個になります。
| 曲の調(実音) | B♭管 | E♭管 | F管 |
|---|---|---|---|
| C(♯♭なし) | D(♯2つ) | A(♯3つ) | G(♯1つ) |
| D♭(♭5つ) | E♭(♭3つ) | B♭(♭2つ) | A♭(♭4つ) |
| D(♯2つ) | E(♯4つ) | B(♯5つ) | A(♯3つ) |
| E♭(♭3つ) | F(♭1つ) | C(♯♭なし) | B♭(♭2つ) |
| E(♯4つ) | F♯(♯6つ) | D♭(♭5つ) | B(♯5つ) |
| F(♭1つ) | G(♯1つ) | D(♯2つ) | C(♯♭なし) |
| F♯(♯6つ) | A♭(♭4つ) | E♭(♭3つ) | D♭(♭5つ) |
| G(♯1つ) | A(♯3つ) | E(♯4つ) | D(♯2つ) |
| A♭(♭4つ) | B♭(♭2つ) | F(♭1つ) | E♭(♭3つ) |
| A(♯3つ) | B(♯5つ) | F♯(♯6つ) | E(♯4つ) |
| B♭(♭2つ) | C(♯♭なし) | G(♯1つ) | F(♭1つ) |
| B(♯5つ) | D♭(♭5つ) | A♭(♭4つ) | F♯(♯6つ) |
短調の場合も、調号を動かす数は同じです。長調・短調の切り替えは2つめのツールでできます。曲の途中の臨時記号は調号とは別に読み替えます。
つまずきやすいところ
オクターブと音名を混ぜて考えてしまう
バリトンサックスとアルトサックスは、どちらもE♭管です。楽譜のドは、どちらも実音E♭。ただしバリトンサックスのほうが1オクターブ低く鳴ります。
音名は同じで、高さだけが違います。このページの表とツールは音名だけを扱っているので、バリトンサックスやバスクラリネットのように「オクターブぶんも下がる」楽器は、その分を自分で足して考えてください。同じ高さで重ねたい場面では、音名に加えてオクターブを楽譜や鍵盤で確かめます。
♯と♭のどちらで書くかを間違える
D♯とE♭は鍵盤上では同じ高さですが、楽譜での綴りは調号だけでは決まりません。たとえばニ短調は調号が♭1つでも、導音にはC♯を使います。このツールの♯/♭表示は音名を探す補助です。
譜面を書き直す場合は元の音程関係を保ち、調号と臨時記号を照合します。
「上げる」か「下げる」かが毎回わからなくなる
まず「元が実音か、楽器のパート譜か」を決めます。B♭トランペットなら実音B♭ → 記譜Cは上、記譜C → 実音B♭は下です。ただしE♭クラリネットのように逆向きの楽器もあります。
管の文字だけで方向を決めず、上の楽器別説明で確認します。
ユーフォニアムの楽譜が2種類あることを知らない
通常の吹奏楽では、ユーフォニアムのヘ音記号譜は実音、B♭表記のト音記号譜は移調して書かれます。音部記号だけで決めず、表紙やパート名の「in B♭」「B.C.」「T.C.」などの指定と出版元の説明を確認します。
よくある質問
トロンボーンはB♭管なのに読み替えないのですか?
通常の吹奏楽で使うヘ音記号のトロンボーン譜は実音で書かれます。管の調子だけで移調せず、譜面の楽器名と記譜法を基準にします。
Q1. 移調楽器とは何ですか。
楽譜に書かれた音と実際に鳴る音が異なる楽器です。B♭トランペットでは、記譜のC(ド)が実音B♭(シ♭)になります。
Q2. トランペットのドは実音で何ですか。
B♭(シ♭)です。B♭管の楽器は共通で、クラリネット、テナーサックス、ソプラノサックス、コルネットも、楽譜のドが実音B♭になります。
Q3. アルトサックスのドは実音で何ですか。
E♭(ミ♭)です。バリトンサックス、E♭クラリネット(エスクラ)も同じE♭管なので、楽譜のドは実音E♭です。
Q4. ホルンのドは実音で何ですか。
F(ファ)です。ホルンはF管なので、楽譜は実音より完全5度上で書かれています。
Q5. なぜ移調楽器があるのですか。
利点の1つは、同じ仲間の楽器で運指をそろえられることです。サックスでは楽器を持ち替えても、記譜のドに基本的に同じ指づかいを使えます。
Q6. 実音とはどういう意味ですか。
実際に鳴っている音の高さのことです。ピアノやフルートは通常、実音で記譜します。「in C」だけではオクターブまで同じとは限らず、ピッコロのような例外があります。
Q7. 移調すると調号はどう変わりますか。
実音の調号から各パート譜へは、B♭管で♯2つ、E♭管で♯3つ、F管で♯1つを加えます。♭はマイナスとして数え、逆方向は引きます。
Q8. バリトンサックスとアルトサックスは同じE♭管なのに、鳴る音が違うのはなぜですか。
同じ音名でもバリトンサックスはアルトサックスより1オクターブ低く鳴るためです。このページのツールと表は、オクターブを除く音名の対応を示します。
まとめ
迷ったときは、元の譜面の記譜法を確かめ、実音を経由して自分の楽器へ読み替えます。音名と実際の高さは分けて扱います。
- 移調楽器とは、楽譜の音名と実際に鳴る音がずれている楽器のこと
- 「B♭管」は、楽譜のドを吹くと実音B♭が鳴るという意味
- このページではB♭・E♭・F・Aの音名を変換できる。音の高さは楽器別に確認する
- 別の楽器のパート譜は「元の記譜音 → 実音 → 演奏する楽器の記譜音」で変換する
- 曲全体では調号だけでなく、旋律と臨時記号も同じ移調幅で動かす
- 音名は変換できても、オクターブは楽器ごとに別の話
読み替えは、覚えるものというより使っているうちに手が覚えるものです。合奏中に迷ったらこのページを開いて、答えを出してから練習に戻ってください。
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出典・参考資料
記譜と楽譜の掲載条件を2026年10月18日に確認しています。






