ピアノの指番号は、親指が1、人差し指が2、中指が3、薬指が4、小指が5です。右手も左手も同じ数え方で、楽譜の音符のそばに小さく書かれている数字がこれにあたります。
スケール(音階)を弾くときは指が5本しかないので、8つの音を並べる途中で親指をくぐらせるか3の指を越える必要があります。どの音でそれをやるかがキーごとに決まっていて、それが運指です。
この記事では12キー全部のメジャースケール運指を右手・左手の表にまとめ、あわせて12キー×12種類のスケールを鍵盤図28枚で載せています。押さえる音そのものを調べたいときはピアノ音階ツール(EMMU)が便利です。キーとスケールを選ぶと鍵盤図と調号がその場で出ます。
メジャースケールの指番号(右手・左手)
白鍵から始まるメジャースケールの指番号は2パターンだけです。C・G・D・A・Eは右手が 1 2 3 1 2 3 4 5、Fだけ右手が 1 2 3 4 1 2 3 4 で、左手はどのキーも 5 4 3 2 1 3 2 1 で共通です。1が親指、5が小指を表します。
| キー | 右手(上り・1オクターブ) | 左手(上り・1オクターブ) |
|---|---|---|
| C・G・D・A・E | 1 2 3 1 2 3 4 5 | 5 4 3 2 1 3 2 1 |
| F | 1 2 3 4 1 2 3 4 | 5 4 3 2 1 3 2 1 |
コツは、右手は3の指の次に親指をくぐらせ、左手は親指の次に3の指を越えることです。B♭・E♭・F#など黒鍵から始まるスケールは指番号が変わるため、使っている楽譜や先生の指示に合わせてください。
| キー | 右手で親指をくぐらせる位置 | 左手で3の指を越える位置 |
|---|---|---|
| C | ミ→ファ(E→F) | ソ→ラ(G→A) |
| G | シ→ド(B→C) | レ→ミ(D→E) |
| D | ファ#→ソ(F#→G) | ラ→シ(A→B) |
| A | ド#→レ(C#→D) | ミ→ファ#(E→F#) |
| E | ソ#→ラ(G#→A) | シ→ド#(B→C#) |
| F | シ♭→ド(B♭→C) | ド→レ(C→D) |
位置は数え方で覚えると丸暗記が要りません。右手はスケールの第3音の次に親指をくぐらせ(Fだけは第4音の次)、左手はどのキーも第5音の次に3の指を越えます。この2つの規則だけで、上の6キーはすべて説明がつきます。
12キー全部のメジャースケール運指表【右手】
上り1オクターブの指番号です。黒鍵から始まるキーも含めて12キー全部を載せました。読み方は左から順に、1つ目の音を弾く指、2つ目の音を弾く指…となります。
| キー | 日本語の調名 | 構成音 | 右手の指番号(上り1オクターブ) |
|---|---|---|---|
| C | ハ長調 | C・D・E・F・G・A・B | 1 2 3 1 2 3 4 5 |
| G | ト長調 | G・A・B・C・D・E・F# | 1 2 3 1 2 3 4 5 |
| D | ニ長調 | D・E・F#・G・A・B・C# | 1 2 3 1 2 3 4 5 |
| A | イ長調 | A・B・C#・D・E・F#・G# | 1 2 3 1 2 3 4 5 |
| E | ホ長調 | E・F#・G#・A・B・C#・D# | 1 2 3 1 2 3 4 5 |
| B | ロ長調 | B・C#・D#・E・F#・G#・A# | 1 2 3 1 2 3 4 5 |
| F# | 嬰ヘ長調 | F#・G#・A#・B・C#・D#・E# | 2 3 4 1 2 3 1 2 |
| F | ヘ長調 | F・G・A・B♭・C・D・E | 1 2 3 4 1 2 3 4 |
| B♭ | 変ロ長調 | B♭・C・D・E♭・F・G・A | 4 1 2 3 1 2 3 4 |
| E♭ | 変ホ長調 | E♭・F・G・A♭・B♭・C・D | 3 1 2 3 4 1 2 3 |
| A♭ | 変イ長調 | A♭・B♭・C・D♭・E♭・F・G | 3 4 1 2 3 1 2 3 |
| D♭ | 変ニ長調 | D♭・E♭・F・G♭・A♭・B♭・C | 2 3 1 2 3 4 1 2 |
並びを見ると、白鍵から始まる5つのキー(C・G・D・A・E)はまったく同じ 1 2 3 1 2 3 4 5 だと分かります。ここを覚えてしまえば5キー分が一度に片づきます。
12キー全部のメジャースケール運指表【左手】
左手も上り1オクターブの指番号です。右手とは逆に、小指側から始まるキーが多くなります。
| キー | 日本語の調名 | 構成音 | 左手の指番号(上り1オクターブ) |
|---|---|---|---|
| C | ハ長調 | C・D・E・F・G・A・B | 5 4 3 2 1 3 2 1 |
| G | ト長調 | G・A・B・C・D・E・F# | 5 4 3 2 1 3 2 1 |
| D | ニ長調 | D・E・F#・G・A・B・C# | 5 4 3 2 1 3 2 1 |
| A | イ長調 | A・B・C#・D・E・F#・G# | 5 4 3 2 1 3 2 1 |
| E | ホ長調 | E・F#・G#・A・B・C#・D# | 5 4 3 2 1 3 2 1 |
| B | ロ長調 | B・C#・D#・E・F#・G#・A# | 4 3 2 1 4 3 2 1 |
| F# | 嬰ヘ長調 | F#・G#・A#・B・C#・D#・E# | 4 3 2 1 3 2 1 4 |
| F | ヘ長調 | F・G・A・B♭・C・D・E | 5 4 3 2 1 3 2 1 |
| B♭ | 変ロ長調 | B♭・C・D・E♭・F・G・A | 3 2 1 4 3 2 1 3 |
| E♭ | 変ホ長調 | E♭・F・G・A♭・B♭・C・D | 3 2 1 4 3 2 1 3 |
| A♭ | 変イ長調 | A♭・B♭・C・D♭・E♭・F・G | 3 2 1 4 3 2 1 3 |
| D♭ | 変ニ長調 | D♭・E♭・F・G♭・A♭・B♭・C | 3 2 1 4 3 2 1 3 |
左手もC・G・D・A・E・F の6キーが同じ 5 4 3 2 1 3 2 1 です。右手より共通する範囲が広いので、左手から覚えるほうが楽だという人もいます。
なぜキーごとに指番号が変わるのか
理由はひとつで、親指を黒鍵に置かないという原則があるからです。親指は他の指より短く、黒鍵に乗せると手首が持ち上がって次の音へ移りにくくなります。
上の表の1(親指)がどの音に来ているかを追うと、どのキーでも必ず白鍵の上に落ちています。黒鍵が多いキーほど白鍵の位置が限られるので、そこに親指を合わせた結果として出だしの指が2や3や4に変わる、という順番で決まっています。
指くぐりと指またぎのコツ
指くぐりは、右手の上りで3の指の下を親指がくぐる動きです。指またぎは、右手の下りで親指の上を3の指がまたぐ動きです。左手はこれが逆になります。
- 手首を止めない:親指だけを横に伸ばそうとすると音が途切れます。手首ごと進行方向へ少し送ると、音がつながります。
- 1音前から準備する:くぐる直前ではなく、その1つ前の音を弾いている間に親指を内側へ寄せておきます。
- ゆっくり片手ずつ:両手を合わせるのは、片手で目をつぶっても弾ける状態になってからで十分です。
スケールの練習方法|1キーを仕上げる5ステップ
1つのキーは「片手で上行 → 上行と下行 → 両手 → テンポを上げる → 同じキーの短調」の5段階で仕上がります。速く弾くことより、指くぐりの位置で音が途切れないことを先に作るほうが早く身につきます。どのキーから始めるかは上の「調号と黒鍵の数でキーを覚える」の表を、指の割り当ては「メジャースケールの指番号」の表を使ってください。
- 片手で上行だけ:右手か左手の一方だけで、1オクターブ上るところまで。指番号を見ながら、音が飛ばないことだけを確認します。
- 上行と下行をつなげる:折り返しで止まらないようにします。下行は指番号が逆順になり、右手は親指をくぐらせる代わりに3の指をかぶせる動きに変わります。
- 両手をそろえる:1オクターブを両手同時に弾きます。左右で指くぐりの位置が違うため、ここで初めてつまずくのが普通です。
- テンポを上げる:♩=60で粒がそろってから10ずつ上げます。上げた直後に音が抜けるなら、そのテンポは早すぎます。
- 同じキーの短調に移る:メジャーが弾けたら同じ開始音のナチュラルマイナーへ。変わる音は第3・第6・第7音の3か所だけなので負担が小さくなります。
12キーを別々に暗記する必要はありません。メジャースケールはどのキーでも「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」の並びで、開始音を変えただけです。鍵盤では全音が1つ飛ばし、半音が隣どうしを指します。ツールの表示を「度数」にすると、キーを変えてもRからの並びが同じであることが目で確認できます。
主要スケールの鍵盤図一覧【28種】
上のツールで生成した鍵盤図を、よく使う28通り分の画像にまとめました。すべて3オクターブ・度数表示です。図は横にスクロールできます。ここに無いキーは、ツールのキー欄を切り替えれば同じ図がその場で表示されます。
Aキーの12スケール
Aメジャースケール|構成音は A・B・C#・D・E・F#・G#。黒鍵3つ(C#・F#・G#)を使うイ長調で、ギターやバンドの曲でよく出てくるキーです。第3音のC#と第7音のG#が黒鍵側にあるため、明るさを決める音が黒鍵に寄ると覚えると迷いません。

Aナチュラルマイナー|構成音は A・B・C・D・E・F・G。白鍵7つだけで弾ける唯一のマイナースケールです。Cメジャーとまったく同じ7音をAから並べた形なので、マイナーの響きを最初に確かめるならここから始めるのが確実です。

Aハーモニックマイナー|構成音は A・B・C・D・E・F・G#。ナチュラルマイナーのGだけをG#に上げた形で、黒鍵は1つだけです。G#からAへの半音が終わった感じを強めるため、E7からAmへ進むコード進行と噛み合います。

Aメロディックマイナー|構成音は A・B・C・D・E・F#・G#。FとGを半音上げた形です。クラシックでは上りだけこの形にして、下りはナチュラルマイナーに戻す習慣があります。ジャズでは上下とも上げたまま使います。

Aメジャーペンタトニック|構成音は A・B・C#・E・F#。メジャーの7音からDとG#を抜いた5音で、隣り合う半音がひとつも残りません。どの順番で弾いても濁らないので、伴奏に乗せて自由に弾く練習に向きます。

Aマイナーペンタトニック|構成音は A・C・D・E・G。ロックのギターソロで最も使われる5音で、鍵盤でも同じ音を並べればフレーズをそのまま再現できます。黒鍵を1つも使わないため、初見でも指が止まりません。

Aブルーススケール|構成音は A・C・D・E♭・E・G。マイナーペンタのDとEの間にE♭を挟んだ6音です。黒鍵になるのはE♭だけで、この音は伸ばさず通過点として短く抜けると渋さが出ます。

Aドリアン|構成音は A・B・C・D・E・F#・G。ナチュラルマイナーのFをF#に上げた形で、黒鍵は1つです。暗さを残したまま湿った感じが消えるので、Am7の上でのソロやシティポップ系の伴奏に合います。

Aフリジアン|構成音は A・B♭・C・D・E・F・G。第2音がB♭に下がるため、いちばん最初にAからB♭への半音が来ます。この出だしの半音を強く出すとフラメンコ風の張った響きになります。

Aリディアン|構成音は A・B・C#・D#・E・F#・G#。メジャーのDをD#に上げた形で黒鍵は4つ。D#がルートから増4度の位置に来て、足が地面から離れたような明るさが出ます。映像音楽の浮遊感はこの音です。

Aミクソリディアン|構成音は A・B・C#・D・E・F#・G。メジャーのG#をGに下げた形で、A7というコードの構成音をそのまま含んでいます。ブルースやファンクのリフを作るときの土台になる形です。

Aロクリアン|構成音は A・B♭・C・D・E♭・F・G。第2音と第5音がどちらも半音下がり、5度の支えを失うため単独では終われません。Am7♭5が出てきた1〜2拍だけ通すことを想定した特殊なスケールです。

Cキーの12スケール
構成音は上の「Cキーの12スケール構成音一覧」の表と同じなので、ここでは弾く場面と黒鍵の使い方を添えました。
Cメジャースケール|白鍵7つだけで弾ける唯一のメジャースケールです。指くぐりの位置(右手はミ→ファ、左手はソ→ラ)をここで体に入れておくと、黒鍵が増えるキーに移っても同じ理屈で対応できます。

Cナチュラルマイナー|黒鍵3つ(E♭・A♭・B♭)を使うハ短調です。同じCから始めてメジャーと交互に弾き比べると、3番目の音が半音下がるだけで印象が変わることが指で分かります。

Cハーモニックマイナー|ナチュラルマイナーのB♭をBに戻した形で、黒鍵はE♭とA♭の2つです。BからCへの半音が加わって終止感が強まり、G7からCmへの進行がはっきり決まります。

Cメロディックマイナー|A♭とB♭を半音上げた形で、黒鍵はE♭の1つだけになります。第6音と第7音が上がるぶん、上りだけメジャーに近い明るさが出るのが特徴です。

Cメジャーペンタトニック|FとBを抜いた白鍵5つの形です。半音がひとつも含まれないので、伴奏に合わせて思いつくまま弾いても外れません。子どもと即興で遊ぶときの定番でもあります。

Cマイナーペンタトニック|黒鍵3つを含む5音です。Cキーでロックのリフを作るときの土台になります。Aマイナーペンタと並びの形は同じで、開始位置が3半音ずれているだけです。

Cブルーススケール|マイナーペンタにG♭を1つ足した6音です。G♭はFとGの間を滑る音なので、指を寝かせぎみにして短く通すと泥臭さが出ます。

Cドリアン|ナチュラルマイナーのA♭をAに上げた形で、黒鍵はE♭とB♭の2つです。Cm7の上で弾くと、暗いのに重く沈まない響きになります。

Cフリジアン|第2音がD♭に下がる形で、黒鍵は4つ使います。CからD♭への半音を意識して出すと、スペイン風に張った響きが作れます。

Cリディアン|メジャーのFをF#に上げた形です。黒鍵はF#の1つだけなので、白鍵中心のまま浮遊感を出せます。Cmaj7(#11)の響きを確かめたいときに向きます。

Cミクソリディアン|メジャーのBをB♭に下げた形で、黒鍵はB♭の1つです。C7の構成音を含むので、ブルースの1つ目のコードの上でそのまま弾けます。

Cロクリアン|第2音と第5音がどちらも下がる形で、黒鍵は5つになります。Cm7♭5が現れた瞬間だけ使う音で、単独で練習しても行き先が見えないスケールです。

そのほかよく使うキー(E・G・D)
Eマイナーペンタトニック|構成音は E・G・A・B・D。白鍵5つで弾ける形です。ギターの開放弦と相性がよくバンドのジャム定番キーになっていますが、鍵盤側も黒鍵ゼロなので合わせるのが楽です。

Eナチュラルマイナー|構成音は E・F#・G・A・B・C・D。黒鍵はF#の1つだけです。Gメジャーと同じ7音をEから並べた平行短調なので、24調の対応表で確認したペアを実際の鍵盤で見比べられます。

Gメジャースケール|構成音は G・A・B・C・D・E・F#。黒鍵はF#の1つだけなので、Cメジャーの次に練習するキーとして定番です。右手で親指をくぐらせる位置はシ→ドに移ります。

Dメジャースケール|構成音は D・E・F#・G・A・B・C#。黒鍵2つ(F#・C#)を使い、ギターやヴァイオリンの曲でよく現れるキーです。右手で親指をくぐらせる位置はファ#→ソになります。

よくある質問
Q1. ピアノの指番号のルールは?
親指が1、人差し指が2、中指が3、薬指が4、小指が5です。右手も左手も同じで、どちらも親指が1になります。楽譜では音符の上下に小さな数字で書かれます。
Q2. なぜ親指を黒鍵に置かないのですか?
親指は他の指より短いため、黒鍵に乗せると手首が持ち上がり、次の音へ移りにくくなるからです。上の運指表でも、すべてのキーで1(親指)は白鍵の上に落ちています。
Q3. 最初に覚える運指はどれですか?
Cメジャーです。右手 1 2 3 1 2 3 4 5、左手 5 4 3 2 1 3 2 1 で、この形はG・D・A・Eでもそのまま使えます。1つ覚えると5キー分になるので効率がいいです。
Q4. 楽譜に書かれた指番号と表が違うのですが?
表に載せたのは標準的な運指です。曲の中では前後の音のつながりを優先して別の指を使うことがあり、その場合は楽譜や先生の指示が優先です。表は「単独でスケールを弾くときの基本形」として使ってください。
Q5. 下り(下行)の指番号はどうなりますか?
上りの数字をそのまま逆から読みます。Cメジャーの右手なら 5 4 3 2 1 3 2 1 です。上りで親指がくぐった場所が、下りでは3の指がまたぐ場所になります。
Q6. 何オクターブ練習すればいいですか?
まず1オクターブを片手ずつ、次に2オクターブへ広げます。2オクターブになると指くぐりが1回では済まなくなるので、同じ形の繰り返しだと体で分かるようになります。
Q7. マイナースケールの運指も同じですか?
キーによって変わります。Aナチュラルマイナーは白鍵だけなので右手 1 2 3 1 2 3 4 5、左手 5 4 3 2 1 3 2 1 とCメジャーと同じ形です。ハーモニックマイナーは7番目の音が半音上がりますが、指番号は変わりません。
Q8. スマホでも鍵盤図を見られますか?
見られます。このページの鍵盤図はそのまま拡大でき、ピアノ音階ツールならキーとスケールを選んで表示を切り替えられます。インストールは不要です。
EMMUの楽器ツール一覧
EMMUでは、ピアノとギターそれぞれにスケールとコードのツールを用意しています。鍵盤で覚えた音階をギターの指板でも確認すると、同じ音がどう並び替わるのかがはっきり分かります。
| 楽器 | スケール(音階) | コード |
|---|---|---|
| ギター | ギタースケール | ギターコード表 |
| ベース | ベーススケール一覧ツール | - |
| ピアノ | ピアノ音階ツール | ピアノコード一覧表 |


