ディストーションおすすめ10選|歪みの強さ・音質調整・サイズで比較

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ギター

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ディストーションは、初めての1台なら定番のDS-1、メタルのリフ(繰り返す短いフレーズ)ならMT-2、省スペースと低予算ならNEW Croissantが候補です。10機種の歪みの強さ・音質調整・寸法をそろえ、似た機種の決め手と始める費用まで解説します。

TONEと独立2帯域と中音可変の調整の違い

ディストーションとは、ギターの音に強いざらつきや密度を加えるエフェクターです。購入時は「一番激しく歪むか」だけでなく、今のアンプで足りない音を補えるか、つまみで直したい部分を変えられるか、ケーブルを挿して足元へ置けるかを考えると候補が絞れます。

この記事はメーカー公表仕様に基づく購入比較です。実機を同条件で試奏した順位や音質点数は付けていません。10選の番号は順位ではなく、ロック全般の定番から強い歪みへ進む紹介順で、同じ製品の色違いやセット違いは別の1台として数えていません。

  1. 迷ったときの結論|条件別の候補
  2. ディストーション10機種の比較表
  3. おすすめ10選|調整の違いと向く使い方
    1. 1.BOSS DS-1|3つのつまみで基本の歪みを作る
    2. 2.ProCo RAT2|FILTERで高音を削って仕上げる
    3. 3.Effects Bakery NEW Croissant Distortion|幅47mmの小型候補
    4. 4.Fender Hammertone Distortion|2帯域調整と上面端子
    5. 5.BOSS DS-1W|DS-1の音に中音の強いモードを足す
    6. 6.BOSS DS-1X|低音と高音を分けて調整する
    7. 7.Electro-Harmonix Nano Big Muff Pi|太く長く伸びる歪み
    8. 8.BOSS MT-2|手頃にメタルの歪みと中音を作る
    9. 9.BOSS MT-2W|2つのモードで音域の広さを選ぶ
    10. 10.MXR M116 Fullbore Metal|ゲート付きの高い歪み
  4. 似た2台で迷ったときの決め手
    1. 最初の1台はDS-1かRAT2か
    2. DS-1からDS-1WかDS-1Xへ替えるなら
    3. メタル向けはMT-2・MT-2W・M116のどれか
    4. 太い歪みはNano Big Muff PiかBig Muff Pi 2か
    5. 小型化するならNEW Croissant・Hammertone・Nano Big Muff Pi
  5. 10選から外した候補と理由
  6. 歪みの強さは「単体で作るか、アンプへ足すか」で選ぶ
    1. オーバードライブ・ディストーション・ファズの境界
    2. クリーンなアンプでメインの歪みを作る
    3. 歪んだアンプへ足すときは出力の余裕を考える
  7. 音質調整の選び方|TONE・2帯域・中音可変の違い
    1. 高音を抑える操作と、低音を減らす操作を分ける
    2. 中音の量と周波数を変える意味
    3. 音がこもるときは回す向きを機種ごとに確かめる
    4. ノイズゲートが必要な場面と、できないこと
  8. サイズの選び方|本体の幅と置ける幅は別
    1. 空き幅80mmの場所へ追加するなら
    2. 高さ・踏み面・電池交換のしやすさ
  9. 接続と電源|購入後に音を出すための最小構成
    1. ギターからアンプのINPUTへつなぐ
    2. 本体のほかに必要な物と始める費用
  10. 試奏で比べる項目|音量をそろえて3つの音を確認
  11. 出典・参考資料

迷ったときの結論|条件別の候補

ロックの伴奏やソロが中心ならDS-1かRAT2、太く伸びる音ならNano Big Muff Pi、メタルのリフならMT-2が出発点です。下の表で条件に合う行を選び、理由を個別の紹介で確かめてください。

条件 候補 決め手
初めての1台で
ロック全般を弾く
BOSS DS-1 3つのつまみで覚えやすく
電池付きですぐ鳴らせる
コードをかき鳴らす
荒い音が好き
ProCo RAT2 軽い歪みから荒い音まで
FILTERで高音を削る
本体を5千円台に抑える
電源は持っている
NEW Croissant 幅47mmで最も狭い
アダプター専用
低音と高音を別々に整える
横の配線を減らす
Hammertone 2帯域の調整と
上面の端子
DS-1の音を残して
中音を太くしたい
BOSS DS-1W Cモードで
中音を強める
深い歪みでも
和音の分離を重視する
BOSS DS-1X メーカーが分離を特徴にする設計
常用ならアダプター
分厚い和音と
長く伸びる単音
Nano Big Muff Pi SUSTAINで伸びを決める
ファズ寄りの質感
メタルのリフを
1万円台で作る
BOSS MT-2 3帯域と
中音の位置を調整
MT-2の音に加えて
広い音域も欲しい
BOSS MT-2W S/Cの
2モード
歪みと雑音対策を
1台にまとめる
MXR M116 内蔵ゲートと
SCOOP

ディストーション10機種の比較表

歪みの強さはメーカーの説明を基に4区分へ整理しました。同じ「軽め〜強」でも、音質を1つのつまみで整える機種と、低音と高音を分けて動かせる機種では、解決しやすい悩みが違います。まず歪みの強さで候補を分け、次に調整機能と寸法を比較してください。

モデル 歪みの強さと方向 音質調整 幅×奥行×高さ 音声端子の配置 電源 取得価格
BOSS DS-1 軽め〜強
荒くエッジのある歪み
TONE 1つ 73×129×59mm 側面 9V電池/PSA ¥11,000
ProCo RAT2 軽め〜強
クランチ〜荒い歪み
FILTERで高域を削る 90×103×80mm 背面 9V電池/対応アダプター ¥15,300
Effects Bakery NEW Croissant Distortion EB-CDn 軽め〜中
重すぎないロックの歪み
TONE 1つ 47×94×51mm 側面 9Vアダプター専用 ¥5,060
Fender Hammertone Distortion 軽め〜強
軽い歪みから本格的な歪みまで
BASS/TREBLE+内部調整 62×111.8×55.9mm 上面 9V電池/対応アダプター ¥6,710
BOSS DS-1W 軽め〜強
S/Cで中音の性格を切替
TONE 1つ 73×129×59mm 側面 9V電池/PSA ¥23,100
BOSS DS-1X 軽め〜強
強い歪みと分離を狙う設計
LOW/HIGH 73×129×59mm 側面 9V電池/PSA ¥18,578
Electro-Harmonix Nano Big Muff Pi 中〜強
太く伸びる歪み
TONE 1つ 約70×114×53mm 側面 9V電池/対応アダプター ¥12,078
BOSS MT-2 強
中音が特徴のハイゲイン
3バンド+MID FREQ 73×129×59mm 側面 9V電池/PSA ¥15,000
BOSS MT-2W 強
S/Cのモード付きハイゲイン
3バンド+MID FREQ 73×129×59mm 側面 9V電池/PSA ¥25,300
MXR M116 Fullbore Metal 強
強いメタル系の歪み
3バンド+FREQ/SCOOP 60×112×52mm 側面 9V電池/対応アダプター ¥22,328

寸法は幅×奥行き×高さに統一したメーカー公表値で、Nano Big Muff Piはインチ表記からの換算です。突起を含む範囲は資料によって異なり、ケーブルを挿した設置寸法を保証する値ではありません。歪みの欄はメーカーの用途説明を編集部が区分したもので、同じ物差しで測った最大歪み量ではありません。ハイゲインは音を強く歪ませる設定、クランチは軽い歪み、ファズは波形を大きく崩した荒い歪みを指します。

表の「側面」は主な音声入力と出力が左右にある配置、「上面・背面」はつまみ面の奥側へケーブルが出る配置です。BOSSのPSAは同社指定の電源アダプター系列を指します。本体のほかに要る物は、「接続と電源」の章に機種ごとの表で示しています。

おすすめ10選|調整の違いと向く使い方

最初の1台なら操作が少ない機種、買い替えなら今のペダルでは直せない帯域を動かせる機種から比べると選びやすくなります。以下では各機種でできることと、別の機種を選ぶ理由を並べます。

1.BOSS DS-1|3つのつまみで基本の歪みを作る

DS-1は、歪みの強さ・音の明るさ・音量を分けて覚えたい人に向く基本形です。アンプをあまり歪ませず、ペダルでロックの伴奏や単音の歪みを作る出発点になります。

操作はDIST、TONE、LEVELの3つです。DISTは歪み量、LEVELは出力音量、TONEは高音と低音のバランスを動かします。TONEを右へ回すと高音を強めつつ低音を減らし、左へ回すと高音を抑えて低音を増やす方向です。単に高音だけが動くつまみと考えないほうが、細くなった音の理由を理解できます。

利点は、操作項目を増やしすぎず、歪みと音量の役割を切り分けられることです。DISTを控え、LEVELを上げてアンプの入力を強く押し、アンプ側も歪ませる使い方もあります。この場合の仕上がりはアンプ側の歪みを含むため、歪ませていないクリーンなアンプでDS-1だけを歪ませたときと同じ音にはなりません。

幅73mm・奥行き129mm・高さ59mmで、電池を含む質量は360g。9V電池と指定PSAアダプターに対応します。

制約は、低音と高音を独立して設定できず、中音だけを狙うつまみもないことです。「明るさはよいが低音だけ減らしたい」ならDS-1XやHammertone、「バンド内で中音の位置を細かく変えたい」ならMT-2のほうが目的に合います。操作の少なさを優先する人には向きますが、複数帯域を個別に補正したい人には調整範囲が足りません。

BOSS DS-1

BOSS

DS-1

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2.ProCo RAT2|FILTERで高音を削って仕上げる

RAT2は、軽い歪みから荒い質感までを、DISTORTIONと高音を削るFILTERで作りたい人向けです。一般的な明るさ調整とは回す方向が逆です。

FILTERは右へ回すほど高音を抑えるつまみです。DISTORTIONを上げて増えた高音の鋭さを、FILTERで削って整えるという関係で使えます。TONEを右へ回して明るくする機種から持ち替えると、反対の結果になるので、目盛りの位置を他機種からそのまま移しません。

メーカーは、クランチと呼ばれる軽い歪みから、強く設定した際のファズのような荒さまでを説明しています。専用ファズと同じ回路という意味ではありません。低めのDISTORTIONでアンプを押す使い方も含め、ひとつの質感を幅広い歪み量で使いたい人が比べる候補です。

公表寸法は90×103×80mm、質量640g。奥行きは掲載BOSS機より短い一方、幅は17mm広く、高さもあります。入力・出力と電源は背面側へ集まるため、左右の余白と奥の余白のどちらを取りやすいボードかで、収まり方の判断が変わります。

現在の国内公式仕様は9V電池と2.1mmセンターマイナスの電源接続です。中古や旧型では電源端子が異なる個体があるため、手元のRATと新品の仕様を混同しないことが大切です。軽量化や細い空き場所への追加が最優先の人には不向きで、サイズ優先ならNEW Croissant、中音を独立調整したいならMT-2を選び分けます。

ProCo RAT2

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3.Effects Bakery NEW Croissant Distortion|幅47mmの小型候補

NEW Croissantは、すでに電源を用意している小さなボードへ、ロック向けの歪みを追加したい人に向きます。ここで扱うのは新しい筐体のEB-CDnで、旧型やMECHAシリーズとは分けて比較します。

操作はVOL・TONE・GAINの3つです。歪み、明るさ、音量という基本を押さえ、過度に重すぎないロックの歪みを狙う設計です。幅47mm・奥行き94mm・高さ51mmは突起を含む値で、質量は152g。掲載10機種では最も狭い公表幅です。

電源はDC9Vのセンターマイナス、消費電流6mAで、電池には対応しません。電池だけを持ってスタジオへ行く構成にはできない一方、すでに適合するパワーサプライ(機器へ電源を供給する装置)があるなら、低い消費電流を割り当てやすい候補です。

低音・中音・高音の細かな補正を一台で済ませたい人には向きません。省スペースを保ちつつ電池を使いたい人や、2帯域を動かしたい人はHammertoneが比較先です。

Effects Bakery NEW Croissant Distortion EB-CDn

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4.Fender Hammertone Distortion|2帯域調整と上面端子

Hammertone Distortionは、低音と高音を分けて調整しながら、左右のケーブルの出っ張りを減らしたい人向けです。幅の小ささだけでなく、入力・出力が上面へまとまる点が配置の特徴になります。

外側の操作はGAIN・LEVEL・BASS・TREBLEです。BASSとTREBLEはそれぞれ音域を増減でき、低い弦の厚みと高い音の明るさを別に扱えます。さらに内部に中音の調整部と高音を抑えるフィルターがあり、基本の音の傾向を設定できます。内部調整はカバーを外してドライバーで回すもので、演奏中に触るつまみではありません。

公表寸法は約62×111.8×55.9mm、質量約250gです。左右の隣接ペダルへ音声プラグが向かないため、幅を詰めた横一列の配置を検討しやすくなります。一方、上面のケーブルを曲げる場所と電源線が必要なので、板の奥端や次の列へ密着させられるとは限りません。

9V電池とDC9Vセンターマイナス電源に対応し、マニュアルで示すアダプターの条件は80mA以上です。電池・電源アダプターは別途用意する構成として考えます。電池の持ちは公表されていないので、毎回の練習にはアダプターが確実です。

外側に中音のつまみはないため、曲間に中音の位置を頻繁に変えたい人には不向きです。内部調整は使わなくても4つのつまみで音を作れます。DS-1Xと迷うなら、本体価格はHammertoneが¥6,710、DS-1Xが¥18,578で、差額を払う理由になるのはメーカーが和音の分離を特徴にするデジタル処理です。

Fender Hammertone Distortion

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5.BOSS DS-1W|DS-1の音に中音の強いモードを足す

DS-1Wは、DS-1の音を残したまま、中音を強めた音も選びたい人に向きます。つまみを増やすより、使うアンプに合う基本の性格を決めたい場合の候補です。

Sはスタンダード、Cはカスタムのモードです。メーカーはSをオリジナルのDS-1の音と説明しています。Cでは中音域の存在感を強め、最大出力レベルはSより6dB(増減量の単位)高くなる設計です。この6dBは「どの設定でも実際の音量が必ず6dB上がる」という意味ではありません。モード変更後はLEVELで、使いたい音量へ合わせ直せます。

音作りはDIST・TONE・LEVELの3つを中心に進めます。高音が刺さるからTONEを下げた結果、もう少し中音が欲しくなった場面では、Cモードも含めて候補を比較できます。多くのつまみを操作せず、歪み回路の性格の違いを選べるのが利点です。

幅73mmの外形はDS-1と共通ですが、電池込み430gで、基本モデルより70g重くなります。一台だけなら小さな差でも、既存ボードに複数の機材を載せる人は持ち運び条件に加えてください。電源は9V電池または指定PSAアダプターです。

Cモードは本体の小さなスイッチで選ぶもので、足元で切り替える端子はありません。演奏中に足だけでSとCを行き来したい人や、低音・高音を別々に変えたい人には合いません。DS-1からの買い替えでも、「上位だから」ではなくCモードの中音方向を必要とするかが判断の中心になります。

BOSS DS-1W

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6.BOSS DS-1X|低音と高音を分けて調整する

DS-1Xは、強い歪みを使いながら低音と高音を個別に整えたい人向けです。DS-1のTONEひとつでは、厚みと明るさの両方を狙う位置に置けないと感じたときに比べたい候補です。

DIST・LOW・HIGH・LEVELの4つを備えます。MDPは、入力音を数値データとして扱い、複数の要素を解析するBOSSのデジタル処理技術です。メーカーは深い歪みで和音を鳴らしたときの分離感を特徴にしていますが、本記事で他の9機種より分離がよいと実測したものではありません。

LOWとHIGHを別々に設定できるため、TONEひとつから買い替える際には、アンプ側へ任せていた低音の補正をペダル側へ移せます。別のペダルとアンプ設定を共有したまま、DS-1Xだけの音を調整したい場合にも役立ちます。

寸法は73×129×59mm、質量440g、消費電流は60mAです。アルカリ電池の連続使用の目安は約6時間と短いので、ボードへ常設するならアダプターを用意します。

中音専用のつまみや、保存した複数設定を呼び出す機能はありません。細かな中音の位置を決める目的にはMT-2、アナログ回路を選ぶならDS-1かDS-1Wです。LOW・HIGHが分かれていることは調整上の利点ですが、それ自体で好みの音になると決まるわけではありません。

BOSS DS-1X

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7.Electro-Harmonix Nano Big Muff Pi|太く長く伸びる歪み

Nano Big Muff Piは、和音を分厚く鳴らし、単音を長く伸ばしたい人に向きます。メーカーの分類はファズ・ディストーション・サステイナーの3つで、DS-1やRAT2より音の伸びを主役にする製品です。

操作はVOLUME・TONE・SUSTAINの3つです。SUSTAINは音の伸びと歪みの量をまとめて動かし、TONEは右へ回すほど高音が増えて低音が減ります。サステインとは、弾いた音が消えずに続く長さのことです。

サウンドハウスのディストーション売れ筋ランキングでは、上位10機種のうち6機種がBig Muff系でした。確認時点の同店の順位で、集計期間の記載はなく、Nanoは9位です。Nanoは系統の中で価格を抑えた小型版で、メーカーは通常サイズのBig Muff Piと同じ動作と音だと説明しています。

寸法は約70×114×53mmで、掲載BOSS機より奥行きが15mm短くなります。消費電流は約3mAで、9V電池が付属します。説明書によると、アダプターは9V・25mA以上・センターマイナスのものを使えます。

中音を直接動かすつまみはありません。バンドの中で中音の位置を細かく決めたい人はMT-2、音を止めたときの雑音まで1台で抑えたい人はM116のほうが目的に合います。新機種のBig Muff Pi 2との違いは、次の章で比べます。

Electro-Harmonix Nano Big Muff Pi

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8.BOSS MT-2|手頃にメタルの歪みと中音を作る

MT-2は、メタルの強い歪みを上位機より抑えた予算で始めたい人に向きます。歪み量だけを増やしてもバンドで埋もれるとき、音域を調整する手段が多い候補です。

BOSSは1991年に発売し、累計100万台以上の販売を公表しています。中音に特徴がある太い歪みと滑らかなサステインが設計の中心で、DS-1より強い歪みを前提にしたい人の基準になります。

HIGH・LOW・MIDDLEの3帯域をそれぞれ最大±15dB調整でき、MID FREQでMIDDLEが働く周波数を200Hz〜5kHzの範囲で動かせます。周波数(単位はHz)は音の高さを表す目安です。

外形は73×129×59mmで、BOSSのほかの掲載機種と同じです。ただし同軸つまみがあり、ひとつの軸の内側と外側で別の値を動かします。寸法が同じでも、暗い場所で目盛りを読むことや、片方を動かすときにもう片方へ触れないことまで操作性に含まれます。

電池を含む質量は385g、消費電流は30mAです。ノイズゲートは内蔵していません。無音部分の雑音を抑える機能まで一台で欲しい人はM116を比較してください。3帯域と周波数調整を必要としない人には操作が多く、TONEだけで十分な場合はDS-1などのほうが設定を覚えやすくなります。

BOSS MT-2 Metal Zone

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9.BOSS MT-2W|2つのモードで音域の広さを選ぶ

MT-2Wは、MT-2の音を基にしながら、よりクリアな音と広い音域のモードを選びたい人に向きます。同じメタルゾーンでも、中音を前に出すか、低音から高音まで広く使うかを本体で切り替えられます。

音域の調整はMT-2と同じ3帯域とMID FREQですが、中音の周波数特性はモードごとに切り替わります。外形も同じ73×129×59mmで、電池を含む質量は440g、消費電流は35mAです。

SとCの2モードを備えます。SはMT-2の音を、よりクリアでノイズの少ない方向へ磨いた設計です。Cは低域を締め、広い音域の歪みを狙います。低いチューニングで重い伴奏を作る候補になりますが、アンプやスピーカーが出せる低音まで増えるわけではありません。小型アンプで低音を大量に上げるより、低音を引いて中音を残したほうが輪郭を判断しやすい場合もあります。

軽い歪みが中心の人や、定番のMT-2の音で足りる人には、モード切替の分だけ予算が増えます。

BOSS MT-2W

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10.MXR M116 Fullbore Metal|ゲート付きの高い歪み

M116は、強いメタル系の歪みと、音を止めたときの雑音対策を一台にまとめたい人向けです。コンパクトな外形の中で、歪み・3帯域の音質・中音の位置・ゲートを調整できます。

LOW・MID・HIGHに加え、FREQでMIDの中心を200Hz〜5kHzの範囲で動かせます。SCOOPは中音を下げ、低音と高音を強めるスイッチです。SCOOPを使っていても3帯域のつまみは働くため、単純に「オンなら中音つまみは不要」と考えないようにします。

GATEは、信号が小さい間の出力を抑えるノイズゲートです。休符で音を切る用途に向きます。ゲートが閉じる基準は、本体内部の小さな調整部をマイナスドライバーで回して設定するので、外側のつまみのように演奏中には変えられません。

本体は60×112×52mmで、掲載BOSS機より狭い幅に多数の調整を収めています。9V電池または対応アダプターを使用し、消費電流は18mAです。初期設定は説明書の案内に従い、VOLUME・GAIN・LOW(低音)を最小から始めると、いきなり大きな低音や出力になるのを避けられます。

ノブやスイッチが多いため、初めての一台で操作を少なくしたい人、軽くざらつく程度の音だけが必要な人には優先しにくい機種です。

MXR M116 Fullbore Metal

MXR

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似た2台で迷ったときの決め手

候補が2台に残ったら、欲しい操作をひとつ決めると違いを使えます。歪みが好みに合うことを前提に、モード切替・帯域調整・設置場所のどれを重視するかで比較します。

最初の1台はDS-1かRAT2か

費用と軽さを優先するならDS-1、高音を削って歪みの質感を変える操作を使いたいならRAT2です。どちらも3つまみですが、音の明るさを変えるつまみの働きと、足元で占める形が違います。

DS-1のTONEは高音と低音を同時に動かし、RAT2のFILTERは高音を削ります。DS-1は電池込み360g、高さ59mmで電池付きです。RAT2は640g、高さ80mmで、入力と出力が背面に集まります。

価格はDS-1が¥11,000、RAT2が¥15,300です。ボードに並べる予定や持ち運びを優先するならDS-1、歪みを上げたときの荒さをFILTERで整えたいならRAT2と考えると決めやすくなります。

DS-1からDS-1WかDS-1Xへ替えるなら

DS-1の基本操作が気に入っていて中音の性格を変えたいならDS-1W、低音と高音を別々に動かしたいならDS-1Xです。名前が似ていても、増える操作の種類が違います。

DS1W対DS1XとMT2W対M116の機能での選び分け

特にDS-1のTONEを上げて低音を抑えた結果、高い弦が鋭くなりすぎるならDS-1Xの独立調整が悩みに対応します。DS-1Wは、Sモードで元の音を残しながらCモードを足す買い替えです。本体価格はDS-1Wが¥23,100、DS-1Xが¥18,578です。

メタル向けはMT-2・MT-2W・M116のどれか

費用を抑えるならMT-2、音域の広いモードが欲しいならMT-2W、幅を抑えてゲートも1台にまとめたいならM116です。3台とも強い歪みと中音の周波数調整を扱うため、追加機能と操作の違いが決め手になります。

項目 MT-2 MT-2W M116
価格 ¥15,000 ¥25,300 ¥22,328
歪みの切替 なし S/Cの2モード SCOOPで中音を下げる
中音の調整 MIDDLE+MID FREQ
200Hz〜5kHz
MIDDLE+MID FREQ
モードで特性が変わる
MID+FREQ
200Hz〜5kHz
増減の幅 各±15dB 各±15dB LOW±9dB
MID±16dB
HIGH±12dB
ノイズゲート なし なし 内蔵
感度は内部で調整
幅×奥行×高さ 73×129×59mm 73×129×59mm 60×112×52mm
質量 385g 440g 約300g
消費電流 30mA 35mA 18mA

MT-2とMT-2Wの差額は約1万円で、増えるのはSとCのモード切替と、メーカーがよりクリアでノイズが少ないと説明する回路です。中音が前に出る定番の音で足りるなら、差額は楽器用ケーブル(シールド)やアダプターへ回せます。

ペダル一台で歪みと休符の雑音対策をまとめたい構成ではM116が残ります。MT-2に別のゲートを足す場合、低価格のBehringer NR300(¥4,165)なら合計はM116より安く、BOSS NS-2(¥16,000)なら高くなります。すでに別のゲートがあり、BOSSの踏み面やS/Cの音の方向を重視するならMT-2Wが残ります。ゲートが閉じる基準を本番中に頻繁に変えたい人には、内部で調整するM116は向きません。

太い歪みはNano Big Muff PiかBig Muff Pi 2か

定番の音を安く選ぶならNano Big Muff Pi、より荒い歪みと踏んでいる間だけ効く操作が欲しいならBig Muff Pi 2です。Pi 2は2025年に発売された新機種で、外形はNanoと同じ約70×114×53mmです。

メーカーはPi 2を、2組の増幅回路を使ったファズと呼び、高音が鋭く歪みの粒が荒い音と説明しています。スイッチを長押しすると踏んでいる間だけ効果がかかり、消費電流はNanoの約3mAに対して15mAです。

価格はNanoが¥12,078、Pi 2が¥17,800です。Pi 2ほどの荒さを求めない人にはNanoで足ります。

Electro-Harmonix Big Muff Pi 2

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小型化するならNEW Croissant・Hammertone・Nano Big Muff Pi

アダプターを常設し最も狭い本体幅を選ぶならNEW Croissant、上面配線と2帯域調整を選ぶならHammertone、電池付きで太い歪みを選ぶならNano Big Muff Piです。3台とも掲載BOSS機より小型ですが、削れる場所と増える機能が違います。

横のケーブルが詰まるボードでは、幅47mmの箱より、上面へケーブルを逃がせる62mmの箱が配置しやすい場合もあります。逆に奥の余裕が少なく、左右へ線を逃がせるならNEW Croissantの短い奥行きが活きます。ただし電源プラグは本体の上面に挿すので、その分の余裕は残します。数値上いちばん小さい機種を一律に選ばず、空いている方向に合わせるのが実用的です。

10選から外した候補と理由

新発売の機種や、売れ筋・比較記事で名前を見る機種も同じ条件で検討しました。役割が10機種と重なる機種、予算が大きく離れる機種は外しています。条件が合えば候補になるので、向く人とあわせて示します。

候補 外した理由 向く人
BOSS DS-2 足元で切り替えないなら
DS-1Wで足りる
演奏中に2つの音を
足で切り替えたい人
MXR M104 Distortion+ 歪みと音量の2つまみで
本体で音質を整えられない
音質はアンプ側で
作る人
BOSS OS-2 オーバードライブとの混合が主役で
ディストーション単体の比較から外した
1台で両方の歪みを
試したい人
Effects Bakery
ビッグカツディストーション
強い歪みの枠はMT-2系とM116、
低価格の枠はNEW Croissantに絞った
5千円台で強い歪みが
欲しい人
BEHRINGER UM300 購入者レビューでは本体が樹脂製で
金属製の10機種と持ち運びの条件が違う
4千円台でメタルの音を
試したい人
Suhr Riot Mini 3万円台と予算が離れ
Amazonでは価格を確認できない
予算に余裕があり
小型のハイゲインを選ぶ人
MXR EVH Modern High Gain 2026年の新機種で
Amazonの輸入品は5万円台から
ゲートとブーストも
1台に求める人
VEMURAM Las Lunas 2026年7月発売と案内された新機種で
希望小売価格54,780円と予算が離れる
1970〜80年代のロックの音を
追う人

DS-2(¥16,500)はTURBO IとIIで中音の押し出しを変える機種です。足元で切り替えるには、踏むたびに切り替えて保持する別売のFS-5Lを標準モノラルケーブルでREMOTEへつなぎ、本体のTURBOをII(REMOTE)へ設定します。モードごとに歪み量や音量を別に保存する機能はありません。

M104(¥8,980)は59×111×48mmで9V電池に対応し、操作はDISTORTIONとOUTPUTの2つだけです。高音を本体で削れない一方、アンプで作った音を基準にざらつきの量だけを足したい人には、操作が少ないことが利点になります。

歪みの強さは「単体で作るか、アンプへ足すか」で選ぶ

同じペダルでも、クリーンなアンプへ入れる場合と、すでに歪んだアンプへ入れる場合では役割が変わります。まず普段使うアンプで、足したい変化が歪みそのものなのか、音の押し出しなのかを決めます。

オーバードライブ・ディストーション・ファズの境界

3種類は歪みの性格を分ける目安であり、強さだけで完全に線引きできる分類ではありません。軽い設定のディストーションと、強い設定のオーバードライブが重なることもあります。

オーバードライブはアンプを押したような歪みを目指す機種が多く、ディストーションはそれ自体で明確な歪みを作る候補が多くあります。ファズには波形を大きく変えた荒さや独特の反応を狙うものがあります。ただしRAT2のように、設定を上げるとファズ的な質感を含むディストーションもあり、名称だけでは最終的な音を特定できません。どちらを買うか迷うなら、クリーンなアンプで主な歪みを作るときはディストーション、歪むアンプへ足すときはオーバードライブから考えると絞りやすくなります。

今回の10機種はディストーションとして販売されるモデルを中心にし、メーカーがファズとディストーションの両方に分類するNano Big Muff Piも含めました。アンプを押すような軽い歪みが目的ならオーバードライブの比較を、多種類の効果やヘッドホン出力をまとめて欲しい場合はマルチエフェクターとコンパクトの違いを読むと、単機能の歪みペダルが必要か判断できます。

クリーンなアンプでメインの歪みを作る

アンプがクリーンなら、ペダルの歪み回路と音質調整が主な選択点です。基本のロックにはDS-1やRAT2、強いメタル系にはMT-2やM116を起点にすると、用途を分けやすくなります。

スタジオに多いRoland JC-120は、クリーンな音を基準に使えるのでこの条件に当たります。最初の1台ならDS-1を持ち込み、通常のINPUTへつなぎます。高音が耳に痛いときはTONEを左へ回すと、高音が減って低音が増えます。

GAINやDISTを高くするほど、弦を強く弾いたときと弱く弾いたときの音量差が縮まる傾向があります。この圧縮された感じは単音を伸ばす用途では利点になりますが、和音を細かく区切るときには輪郭を判断しにくくなる場合があります。最大まで歪ませられることと、使いたい量を微調整しやすいことは別です。

小型アンプで自宅練習するなら、アンプ自身の歪みを下げて比較するとペダルの違いを分けやすくなります。GAINを増やして音が大きくなった分はLEVELで戻します。大きい音のほうを良く感じる影響を減らし、必要な密度と不要なざらつきを区別するためです。小さな音量での歪ませ方は、自宅練習用ギターアンプの比較でも扱っています。

歪んだアンプへ足すときは出力の余裕を考える

アンプがすでに強く歪んでいる場合、ペダルのLEVELを上げても、音量より歪みが増えることがあります。ソロで大きくしたい目的と、弾きやすい密度を足したい目的を分けて選びます。

DS-1やRAT2を低めの歪み量で使う方法もありますが、後段のアンプで増幅できる余裕が残っているかが結果を左右します。前段を強く押す方法が合わないなら、ペダルの買い替えだけで解決すると考えず、アンプのチャンネル切替や対応するエフェクトループ(アンプの途中へ機器をつなぐ出入口)内の音量調整など、機器の仕様に合う方法を検討します。

2つの歪みを重ねる場合は、前のペダルで増やした低音も後の回路へ入ります。そのため重ねるだけで厚みが増すとは限らず、音が詰まる場合もあります。まず一台ずつの役割を決め、前段は押し出し、後段は主な歪み、と分けると、低音をどこで減らすべきか判断しやすくなります。オーバードライブと重ねるなら、オーバードライブを前、ディストーションを後に置く順から試すと、この役割分けに沿います。逆の順が間違いというわけではありません。

音質調整の選び方|TONE・2帯域・中音可変の違い

つまみの数は、音の良さより「別々に直せる問題の数」に関係します。明るさだけを調整したいならTONE、厚みと明るさを分けたいなら2帯域、中音の位置まで選びたいなら周波数可変EQ(音域ごとの量を変える機能)が候補です。

高音を抑える操作と、低音を減らす操作を分ける

歪みが鋭すぎるのか、低い弦が膨らみすぎるのかで、必要な調整は違います。RAT2のFILTERは高音を削る役割ですが、DS-1のTONEは高音と低音のバランスを一緒に変えます。

例えば「高音は今のまま、低音だけを少し減らしたい」なら、LOWまたはBASSを独立して持つDS-1XやHammertoneが選びやすくなります。逆に高音の角を取る操作だけで仕上がるなら、RAT2のFILTERのような一方向の調整でも目的を満たせます。機能数を増やす前に、変えたい音域を言葉にすると余分な操作を避けられます。

中音の量と周波数を変える意味

中音の周波数を変えられると、音の太さを残す部分と、鼻にかかったように感じる部分を別の位置で探せます。MT-2、MT-2W、M116は、その調整を本体で行いたい人向けです。

イコライザー、略してEQは、低音・中音・高音などの量を変える機能です。MIDだけなら決められた帯域を増減し、MID FREQやFREQがあれば、その増減が働く中心の位置も変えられます。M116の200Hz〜5kHzという幅は操作範囲であり、全域を同時に持ち上げるという意味ではありません。

自宅で一人の音を作るときには心地よい低音と高音でも、ベースやシンバルと合わさるとギターの音程が分かりにくくなる場合があります。そうした場面で、ゲインをさらに増やす代わりに中音を残す方向へ調整できるのが、多帯域EQを選ぶ理由です。常に中音を上げるのが正解ではなく、他の楽器との重なりを整理する手段です。

音がこもるときは回す向きを機種ごとに確かめる

音がこもるときは、歪みを増やす前に高音を足すか低音を減らします。同じ「右へ回す」でも、機種によって明るくなるものと暗くなるものがあります。

機種 明るくする操作 一緒に起きること
DS-1・DS-1W TONEを右へ 低音も減る
RAT2 FILTERを左へ 低音はFILTERでは足せない
NEW Croissant TONEで明るさを調整 回す向きの公表なし
Nano Big Muff Pi TONEを右へ 低音も減る
DS-1X HIGHを上げる
またはLOWを下げる
2つは別のつまみで動かす
Hammertone TREBLEを上げる
またはBASSを下げる
2つは別のつまみで動かす
MT-2・MT-2W HIGHを上げる
またはLOWを下げる
中音はMIDDLEで別に動かす
M116 HIGHを上げる
またはLOWを下げる
SCOOPは高音と低音を強める

明るさを変えても輪郭が戻らないときは、DISTやGAINを少し下げて比べます。音を前に出したいのに高音だけ増やすと耳に痛くなるので、バンドで埋もれる悩みは前の節の中音の調整から試します。

ノイズゲートが必要な場面と、できないこと

音を短く区切る重いリフで、弾いていない間の雑音を抑えたいならM116の内蔵ゲートが候補になります。

ゲートは、小さい信号を通しにくくする仕組みです。電源から入る雑音やケーブルの故障そのものを修理するわけではなく、音が鳴ってゲートが開いている間の雑音は残り得ます。入力を抜いても異音が出る、特定の電源を共有すると増える、といった症状なら、配線や給電の確認が先になります。

休符の多いフレーズと、弱い音や余韻を使うフレーズではゲートの必要性が異なります。弱いピッキングから音を立ち上げる弾き方では、必要な音まで閉じない設定かが判断点です。ゲートのない機種へ足す場合は、ノイズゲートの比較で接続と操作の違いを比べられます。

サイズの選び方|本体の幅と置ける幅は別

ペダルボード(複数の機器を固定する板)に入るかは、本体寸法にプラグ・電源線・踏む余白を足して判断します。最も細いNEW Croissantでも、左右の大きなプラグが隣の機器に当たれば、期待したほど間隔を詰められません。

空き幅80mmの場所へ追加するなら

空き幅が80mmという仮の条件なら、本体だけではNEW Croissant、M116、Hammertone、Nano Big Muff Pi、掲載BOSS各機種が範囲内で、幅90mmのRAT2は外れます。ただし、この段階は箱の幅だけを比較した一次選別です。

80mmから本体幅を差し引いた左右合計の余白

BOSSの幅73mmなら残りは7mm、NEW Croissantの47mmなら残りは33mmです。左右へプラグを挿す機種は、これを半分にした片側の余白で考えます。片側はBOSSが3.5mm、Nano Big Muff Piが5mm、M116が10mm、NEW Croissantが16.5mmです。BOSSの薄型パッチケーブルBPC-4のプラグは厚さ7.8mmなので、この厚さを横への出っ張りとみなすと、左右とも収まるのはM116とNEW Croissantで、BOSS各機種とNanoは隣へ密着させる配置から外れます。Hammertoneは幅62mmで左右合計で18mm残り、音声プラグも左右に出ませんが、奥から出る線のために奥側の空きが必要です。ここでの80mmは設置例の仮定で、余白の判定は編集部の計算です。

空き幅80mmに置くなら、奥に余裕があるボードはHammertone、奥が詰まるボードはNEW Croissantから検討します。幅だけで有利だった候補が、奥行きや電源位置で外れることもあります。ボードの縁や次の列までを測り、ケーブルを急角度に折らずに出せるか、靴の先がつまみに触れないかを確かめると、サイズ表を実際の配置へ使えます。

高さ・踏み面・電池交換のしやすさ

収納時には一番高い部分とケースの蓋の距離、演奏時にはスイッチへ足を置く面積が判断材料です。小さな外形が、必ず持ち運びや操作の全条件を改善するわけではありません。

RAT2は高さ80mmで、今回の表では他の候補より高めです。傾斜したボードやかさ上げ台へ載せる場合、本体高さにその分を足します。反対に幅の細い機種は、スイッチの左右へ足を逃がせる場所を残すと踏み間違いを避けやすくなります。靴を履いた状態で位置を決めると、机上の寸法だけでは見落とす干渉に気づけます。

電池を使用する場合は、蓋へ触れられる固定方法も選びます。M116は底板を外し、Hammertoneは裏のカバーをネジで開けて電池を入れるので、底面を広く面ファスナーで固定すると交換のたびに外すことになります。板への固定やケースの内寸、電源分配を含む準備は、エフェクターボードの組み方で順に確認できます。

接続と電源|購入後に音を出すための最小構成

今回の10機種は、基本的にギターとアンプの間へ入れて使う歪みペダルです。ヘッドホンを直接つなぐ端子やUSB録音機能を持つ機材としては選ばず、音を出す先を別に用意します。

ギターからアンプのINPUTへつなぐ

最小構成は、ギター→ペダルのINPUT、ペダルのOUTPUT→アンプのINPUTという2本の楽器用ケーブルです。接続時はアンプとペダルの出力を下げ、正しくつないだ後で少しずつ音量を上げます。

通常のアンプ入力にはアンプ自身の音作り部分があるため、ペダルの音はその影響も受けます。RETURNはアンプ内の途中へ戻す別の入口で、通常INPUTとは役割や入力条件が異なります。ディストーションを購入したからといって、必ずRETURNへ直結する使い方に変える必要はありません。JC-120を使う場合も、まず通常入力のクリーンな音を基準にできます。

SPEAKER OUTはスピーカーを動かす強い信号の出口で、ペダルの入力先ではありません。見た目が同じ標準ジャックでも区別します。パソコンへ録る場合は、適合する録音機器へ接続したうえで、ギターアンプやスピーカーの音を再現する処理が必要かも考えます。単純な音声の変換ケーブルだけで、アンプで聴く音まで再現できるわけではありません。

本体のほかに必要な物と始める費用

ギター・アンプ・シールド1本を持っている人が追加で用意するのは、2本目のシールドと電源です。BOSSの5機種とNano Big Muff Piは9V電池が付属するので、シールドを足せばその日に音を出せます。

機種 付属の電池 付属電池の持ち 別に用意する物 始める費用の目安
NEW Croissant 使えない なし アダプター(必須)
シールド1本
1万円台前半
Hammertone 別売 なし 9V電池かアダプター
シールド1本
1万円台前半
DS-1 マンガン電池 約50時間 シールド1本 1万円台前半
Nano Big Muff Pi 9V電池 記載なし シールド1本 1万円台半ば
MT-2 マンガン電池 約12.5時間 シールド1本 1万円台後半
RAT2 記載なし 記載なし 9V電池かアダプター
シールド1本
2万円前後
DS-1X アルカリ電池 約6時間 シールド1本
常用ならアダプター
2万円台前半
DS-1W アルカリ電池 約50時間 シールド1本 2万円台半ば
M116 記載なし 記載なし 9V電池かアダプター
シールド1本
2万円台後半
MT-2W アルカリ電池 約18時間 シールド1本 2万円台後半

費用の目安は、本体にシールド1本を足し、電池が付属しない機種はアダプター代も足した額です。シールドはProvidence LE501の3m(¥2,714)、アダプターはBOSS PSA-100S2(¥2,600)で計算しました。取得時点の価格に基づく目安で、送料は含みません。PSA-100S2の出力はDC9V・500mA・センターマイナスで、NEW Croissant、Hammertone、RAT2、Nano Big Muff Piの公表する電圧・電流・極性の条件を満たします。

本体が最も安いNEW Croissantはアダプターが必須なので、電池付きのDS-1との差は本体価格の差より小さくなります。他社の9Vアダプターを選ぶと、その分だけ安く始められます。たとえばサウンドハウスのCLASSIC PRO製(DC9V・0.5A・センターマイナス)は680円です。シールドの長さやプラグの形は、ギターシールドの選び方で比べられます。

電源は指定電圧と極性を合わせ、必要電流以上を供給できるものを選びます。電圧は電気を送る条件、電流は機器が必要とする電気の量の目安です。9V指定の機器へ「余裕を持たせて18V」を入れる考え方は使えません。センターマイナスは丸いプラグの中心側がマイナスという接続規格です。

同じ9V対応でも、DS-1は10mA、DS-1Xは60mAで条件が違います。Hammertoneではメーカーがアダプターに80mA以上を指定しています。これらは音の強さの順位ではなく、電源選びの数字です。複数台へ分配する場合は、一口ごとの供給能力と全体の合計条件を照らし合わせます。

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試奏で比べる項目|音量をそろえて3つの音を確認

最後の好みは、使うギターと近いアンプ条件で比べます。同じノブ位置を競わせるのではなく、同じ用途の音を作り、音量をそろえた状態で判断してください。

最初は低い弦を含む和音、細くなりやすい高い弦の単音、弾いて止める短いフレーズを使います。和音では各音が追えるか、単音では明るさと余韻が必要な方向か、短い音では止めた後の雑音と切れ方を聴けます。これは上達の課題ではなく、購入候補が必要な条件を満たすかを比べるための項目です。

次に、よく使うギターの音量位置を変え、ペダルをオン・オフしたときの差を確認します。いつもアンプをクリーンにする人と、アンプも歪ませる人では比較条件を分けてください。別のギターで気に入ったデモの音を、手持ちの機器で必ず再現できると考えず、どの調整を使えば近づけられるかを確認します。

価格差に納得するためには、余分なつまみがあるかより、必要な音へ届く操作があるかが大切です。候補が2台残ったら、一方にしかない機能を実際の使い方へ当てはめます。不要な機能を増やさず、今回の比較で見つけた調整・電源・設置条件の3つを満たす一台を選びましょう。

出典・参考資料

寸法や端子の仕様は、各メーカー・正規取扱元の製品資料と取扱説明書に基づきます。価格は商品カードの取得情報を参照してください。情報確認日:2026年10月31日。

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