無料の楽譜作成ソフト・アプリおすすめ|MuseScoreほかPC・スマホ別比較

ミュージック

無料の楽譜作成ソフトなら、PCで入力から印刷まで行えるMuseScore Studioが候補です。共同編集にはFlat、スマホでの入力にはFender Notionなどがあり、無料版の保存数・編成・出力条件で選び分けられます。

かつては「本格的な楽譜づくりには高機能な有料ソフトが必要」というイメージがありました。しかし現在は、完全無料で使える定番のMuseScore Studioをはじめ、インストール不要でブラウザから使えるクラウド型サービス、スマホやタブレットで音符を書き留められるアプリまで、選択肢がとても充実しています。さらに、長年の定番だったFinaleが2024年に開発終了を発表したことで、乗り換え先として無料ソフトに注目する人も増えています。

この記事では、公式情報で確認した無料版の比較表をもとに、PC・ブラウザ・スマホの選択肢を整理します。PDFにして配る方法、別のソフトへの移行、楽譜の読み取りが別機能である点まで確認できます。

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  1. 楽譜作成ソフトの無料版を比較|保存数・編成・出力の条件
    1. スコアメーカーZERO|楽譜を書く無料版と、読み取る有料版を区別する
    2. Canva・LilyPondは入力方法と仕上げたい紙面で選ぶ
    3. PDF出力・楽譜の読み取り・MIDI入力は別の機能
  2. 無料の楽譜作成ソフトの選び方|3つの基準
    1. ①使う端末で選ぶ(PC・ブラウザ・スマホ)
    2. ②用途で選ぶ(パート譜・コード譜・作曲メモ)
    3. ③データ互換(MusicXML対応)で選ぶ
  3. まず試したい定番「MuseScore Studio」|完全無料でここまでできる
    1. MuseScore Studioでできること
    2. 注意点①:楽譜共有サイトの有料プランはソフトとは別物
    3. 注意点②:スマホアプリでは楽譜を「作れない」
    4. 最初のハードルは「多機能さ」
  4. MuseScore以外の選択肢|PC・ブラウザで使える無料ソフト
    1. Dorico SE|本格派の無料版
    2. Sibelius First|4譜表までの無料版
    3. Flat・Noteflight|インストール不要のブラウザ型
  5. 楽譜作成アプリ|スマホ・タブレットの無料の選択肢
    1. MuseScoreアプリは「閲覧・再生」用
    2. スマホで入力するならFlatのアプリ
    3. Fender Notion|旧Notion Mobileの現在の名称と無料範囲
    4. タブレット+タッチ操作は相性が良い
  6. 用途別の選び方と、もっと快適に作るコツ
    1. 吹奏楽・合唱のパート譜を作りたい→ MuseScore Studio
    2. バンドのコード譜・タブ譜を書きたい→ MuseScore Studio+スマホアプリ
    3. みんなで1つの楽譜を編集したい→ Flat
    4. Finaleから乗り換えたい→ MuseScore StudioかDorico系を試す
    5. 乗り換え・データ移行はMusicXMLで
    6. 入力を速くしたいならMIDIキーボードという選択肢
  7. 無料の楽譜作成ソフトでよくある質問
    1. 楽譜を作れるフリーソフトは?
    2. 楽譜作成におすすめのソフトは?
    3. パソコンで楽譜を作成できる無料のアプリは?
    4. 楽譜を自分で作れるサイトはありますか?
    5. Q. 無料ソフトでも印刷やPDF出力はできますか?
    6. Q. Finaleが終了したと聞きましたが、作った楽譜はどうなりますか?
    7. Q. 作った楽譜を配布・公開してもいいですか?
    8. Q. 楽譜が読めなくても使えますか?
  8. まとめ|まずはMuseScoreから。用途が固まったら使い分けよう
  9. 出典・確認先

楽譜作成ソフトの無料版を比較|保存数・編成・出力の条件

PCで曲数や編成を気にせず書きたいならMuseScore Studio、共同編集ならFlat、スマホで音符を入力するならFender Notionが候補です。「無料ダウンロード」と「必要な機能を無料で使い続けられること」は別なので、保存数と書き出しの条件まで比べましょう。

以下は各サービスの公式案内にもとづく内容です。譜表は五線譜の段、パートは楽器などの担当を指します。ピアノのように1パートで複数の譜表を使う楽器もあるため、両者の上限は同じ意味ではありません。

無料版の条件と選ぶ際の確認点
ソフト・サービス 無料でできること・条件 選ぶ際の確認点
MuseScore Studio Windows・Mac・Linux向け。ソフト本体は無料で、楽譜の入力・再生・PDF出力に対応。 楽譜共有サイトの有料サービスは別。作成用のPC版を選ぶ。
スコアメーカーZERO Windows向け。無料版でも移調・パート譜作成・PDF出力・MusicXMLの読み書きが可能。 紙やPDFの楽譜認識は有料版の機能。無料の作成機能とは区別する。
Dorico SE 無償版は最大8プレーヤー・8パート。PDF・MP3の書き出しに対応。 作成・編集したい編成が上限内か確認。大編成の編集には上位版を検討する。
Sibelius First 無料版は最大4譜表までの楽譜作成に対応。 4楽器とは限らない。ピアノの大譜表など、必要な五線の段数で判断する。
Flat ベーシック 楽譜は15件まで。共同編集、MusicXML・MIDIの読み込み、Flatロゴ入りの書き出し・印刷に対応。 楽譜数無制限、MusicXML・MIDIへの書き出し、ロゴなしの高度な出力設定は有料のFlat Power。
Noteflight Basic ブラウザで基本の楽譜編集ができ、作成できる楽譜は10件まで。 Premiumの30日間試用とは別の無料プラン。曲数を増やす前にプランを確認する。
Fender Notion(旧Notion Mobile) スマホ・タブレット・PC向け。譜表数無制限で編集でき、印刷・PDF出力に対応。 手書き認識や追加音源などは追加機能。必要な機能と端末ごとの課金条件を確認する。
Crescendo 公式サイトの無料版は家庭での非営利利用に限定。 配布元と利用条件を確認する。Microsoft Store版には一部有料機能の期間限定試用がある。
Canva 五線譜テンプレートや文字・素材を配置してPDFを作れる。基本機能は無料。 デザイン重視。音符の自動配置や演奏データ入力を行う音楽専用ソフトとは用途が異なる。

スコアメーカーZERO|楽譜を書く無料版と、読み取る有料版を区別する

自分で音符を入力する用途なら、スコアメーカーZEROの無料版で移調やパート譜作成まで行えます。内蔵756音色と歌詞の歌唱に対応し、特定パートの音を消して練習する使い方もできます。

一方、紙やPDFから音符を読み取る機能は、プラチナム・スタンダードという有料版の対象です。「無料版」と「有料版の15日間試用」を取り違えないようにしましょう。導入時は公式の動作環境でWindowsの対応条件と必要な空き容量も確認してください。

Canva・LilyPondは入力方法と仕上げたい紙面で選ぶ

Canvaは練習プリントや表紙など、五線譜と説明・イラストを組み合わせた紙面に向いています。音符を入力して再生・移調したい場合は、MuseScore Studioなど音楽専用の作成ソフトを選びましょう。

Canvaでは「楽譜」「五線譜」のテンプレートを選び、文字や素材を配置してPDFにします。有料素材を含める場合は別途条件を確認します。文字の指定で楽譜を組み上げる無料ソフトにはLilyPondもありますが、音符を画面に置く方式とは操作が異なります。

PDF出力・楽譜の読み取り・MIDI入力は別の機能

PDF出力は作った楽譜を配布用の紙面にする機能で、PDFを読み込んで音符として編集できることを意味しません。紙や画像からの楽譜認識、録音からの採譜、MIDI鍵盤からの入力は、それぞれ別に対応を確認します。

  • 紙やPDFで配る:PDF出力を使い、改ページ・歌詞・強弱記号を出力後のファイルでも確認する。
  • 他のソフトで編集する:MusicXMLという楽譜交換用形式を使う。読み込みだけでなく、無料版で書き出せるかも確認する。
  • 音の情報を渡す:MIDIは音高・長さなどの演奏情報、MP3やWAVは再生用の音声。元の紙面を同じ状態で渡す形式ではない。

MuseScore StudioでPDFを作る場合は、ファイルの「エクスポート」からPDFと出力するパートを選びます。編集用の元ファイルも別に保存してください。環境やフォントの違いを確認するため、配布前には受け取り側でも1ページを開き、必要なら試し刷りをします。

無料の楽譜作成ソフトの選び方|3つの基準

無料の楽譜作成ソフト・アプリおすすめ|MuseScoreほかPC・スマホ別比較 - アイキャッチ画像

選ぶ基準は、使う端末、必要な楽譜の種類、データ互換の3つです。パート譜を配るのか、ギターのタブ譜を書くのか、他の人と同じ楽譜を編集するのかを決めると、必要な機能を絞れます。

①使う端末で選ぶ(PC・ブラウザ・スマホ)

最初の基準は、どの端末で楽譜を作るかです。無料の楽譜作成ソフトは、大きく次の3タイプに分けられます。

  • PCインストール型:パソコンにインストールして、じっくり作り込むタイプです。機能が充実していて、パート譜の作成や細かなレイアウト調整まで対応できます
  • ブラウザ型(クラウド型) :インストール不要で、ネット環境があればすぐに始められるタイプです。データがクラウドに保存されるため、複数人での共同編集にも向いています
  • スマホ・タブレットアプリ型:思いついたメロディーをその場でさっと書き留めたいときに便利なタイプです。移動中や練習の合間にも使えます

腰を据えて本格的な楽譜を仕上げたいならPCインストール型、手軽さや共同作業を重視するならブラウザ型、メモ感覚で使いたいならスマホ・タブレット型、というのが基本の考え方です。もちろん「普段はPCで作り、外出先ではスマホで確認する」といった組み合わせもできます。

②用途で選ぶ(パート譜・コード譜・作曲メモ)

2つ目の基準は、何のために楽譜を作るかです。ひとくちに「楽譜を作る」と言っても、用途によって必要な機能は意外なほど変わります。

  • 吹奏楽・合唱のパート譜づくり:スコア全体から各パートの譜面を取り出せる、パート譜作成機能の有無が重要です
  • バンドのコード譜・タブ譜:コード記号の入力や、ギター用のタブ譜に対応しているかどうかがポイントになります
  • 作曲のスケッチ・アイデアメモ:高度な浄書機能よりも、思いついたフレーズを素早く入力できる手軽さのほうが大切です

吹奏楽部の顧問と、バンドのギタリストと、作曲を始めたばかりの方とでは、求めるものがまったく違います。あなたの目的を先にはっきりさせておくと、候補は自然と絞り込めます。

③データ互換(MusicXML対応)で選ぶ

3つ目の基準は少し地味ですが、長く使うほど効いてくるものです。それが「MusicXML」への対応です。

MusicXMLとは、楽譜のデータをソフト間でやり取りするための標準的なファイル形式です。多くの楽譜作成ソフトが読み込み・書き出しに対応していて、これに対応したソフトを選んでおけば、将来別のソフトに乗り換えることになっても、それまでに作った楽譜を引き継げます。仲間と違うソフトを使っていてもデータを渡し合えますし、無料ソフトで作り始めた楽譜を、後から別の環境で仕上げるといった使い方も可能です。

せっかく時間をかけて入力した楽譜が「そのソフトでしか開けない」状態になってしまうのは、とてももったいないことです。最初の一本を選ぶ段階では見落としがちな点なので、私はこの基準をぜひ確認してほしいと考えています。この後に紹介するソフトを検討するときも、「端末・用途・データ互換」の3つを頭に置いて読み進めてみてください。

まず試したい定番「MuseScore Studio」|完全無料でここまでできる

本文中:選び方の基準セクション

MuseScore Studio(ミューズスコア・スタジオ)は、Windows・Mac・Linuxで使える無料の楽譜作成ソフトです。ソースコードが公開されているオープンソースのソフトで、機能制限付きの試用版ではありません。入力から印刷までPCで仕上げたい場合に候補になります。

MuseScore Studioでできること

楽譜作成に必要な機能は、ひととおり揃っています。主なものを挙げると次のとおりです。

  • 楽譜の入力・編集:マウス入力、パソコンのキーボード入力、MIDIキーボード入力に対応していて、あなたのやりやすい方法で音符を置いていけます
  • 印刷・PDF出力:作った楽譜をそのまま印刷したり、PDFにして配布用のデータを作ったりできます
  • パート譜の自動作成:スコア(総譜)から各楽器の譜面を切り出せます。吹奏楽や合唱のパート譜作りで特に重宝する機能です
  • タブ譜・コード記号:ギターのタブ譜やコードネームの入力に対応していて、バンド用途にも使えます
  • 「Muse Sounds」による高品質な再生:無料で追加できる音源「Muse Sounds」を使うと、打ち込んだ楽譜をリアルな音で鳴らせます。耳で確かめながら書き進められるのは大きな利点です

「これだけ充実した機能が、なぜ無料で使えるの?」と不思議に思うかもしれません。MuseScore Studioはオープンソース、つまり世界中の開発者が協力しながら育てているソフトだからです。長い時間をかけて改良が重ねられてきた結果、いまでは無料楽譜ソフトの定番として、学校の部活動から作曲愛好家まで幅広く使われています。

注意点①:楽譜共有サイトの有料プランはソフトとは別物

MuseScoreについて調べていると、「有料サブスクリプションがある」という情報を目にして、「無料と言いつつ、結局は課金が必要なのでは?」と不安になるかもしれません。結論から言うと、その心配はいりません。

有料プランが用意されているのは、楽譜共有サイト「musescore.com」のほうです。こちらは世界中のユーザーが投稿した楽譜を閲覧・利用するためのコミュニティサービスで、その一部の機能に有料サブスクリプションがあります。一方で、あなたのパソコンにインストールして楽譜を作るソフト本体「MuseScore Studio」は、これとはまったく別のものです。楽譜の入力も編集も印刷もPDF出力も、ソフト側の機能はすべて無料で使えます。

名前が似ているせいで混同されやすいのですが、「作るためのソフトは無料」「共有サイトの追加サービスに有料プランがある」と分けて覚えておけば迷いません。共有サイトに登録しなくても、ソフト単体で楽譜作りは完結します。

注意点②:スマホアプリでは楽譜を「作れない」

もうひとつ知っておきたいのが、スマホ用の「MuseScore」アプリは楽譜の閲覧・再生のためのもので、作成・編集はPC版のMuseScore Studioで行う、という役割分担です。

「スマホだけで楽譜作りを完結させたい」という場合には別のアプリが必要になります。入力までできるアプリの選択肢も含めて、詳しくは後の章で紹介します。

最初のハードルは「多機能さ」

導入前には、短い譜例で「入力・再生・出力」まで試すと、必要な操作と仕上がりを確認できます。多機能なため、最初に全機能を覚える必要はありません。

楽器・調号・拍子を決め、音符と休符、速度・強弱記号を入力してから、再生とPDF出力を確認します。追加のプラグイン(機能を拡張する補助ソフト)は必要な作業が決まってから対応版を確認して導入し、動作や紙面の崩れがないか試しましょう。再生音源を増やす場合も、PCの動作環境と空き容量を先に確認します。

MuseScore以外の選択肢|PC・ブラウザで使える無料ソフト

本文中:MuseScore Studioセクション

PC・ブラウザで使う別の候補には、Dorico SE、Sibelius First、スコアメーカーZERO、Flat、Noteflightがあります。インストール型かブラウザ型かだけでなく、無料版の編成や保存数が目的に合うかを冒頭の表で確認してください。

Dorico SE|本格派の無料版

Dorico SEはSteinbergが提供する無償版で、最大8プレーヤー・8パートの作成に対応します。自動レイアウト、MIDI鍵盤からの入力、音源による再生、PDF・MP3出力を備えています。「浄書」は、楽譜を読みやすい紙面に整えることです。無料版の具体的な上限は冒頭の公式比較表で確認できます。

Dorico SEの大きな魅力は、上位に有料版のDorico ElementsとDorico Proが用意されていて、腕前や用途に合わせてステップアップしていける道筋が最初から見えていることです。「今は無料で始めたいけれど、いずれは本格的な浄書ソフトを使いこなしたい」と考えているあなたにとって、SEは操作感を無料で確かめられる入り口になります。同じシリーズの中でステップアップしていく形なので、無料版で慣れた操作の感覚を持ったまま移行しやすい点も心強いところです。まずはSEで自分の作業スタイルに合うかどうかをじっくり試し、物足りなさを感じたら上位版を検討する、という順番で進めれば無駄がありません。

Sibelius First|4譜表までの無料版

Sibelius Firstは、Avidの楽譜作成ソフトの無料版で、作成できるのは最大4譜表です。少人数の編成でもピアノのように複数の譜表が必要な楽器があるので、楽器数だけで判断しないようにします。

学校や共同作業の相手がSibeliusを使っている場合は、同じ形式の楽譜で操作を確認できる点が選ぶ理由になります。4譜表を超える編集や高度な記譜が必要なら、Artist・Ultimateとの機能差を公式比較表で確認します。

Flat・Noteflight|インストール不要のブラウザ型

FlatとNoteflightは、インストールせずブラウザから楽譜を編集できるサービスです。無料版の保存上限はFlatが15件、Noteflight Basicが10件です。対応するブラウザ・通信環境は必要で、学校などの管理端末では利用許可や通信制限も確認してください。FlatはPC向けアプリとスマホ向けアプリも提供しています。

特にFlatは、複数人での共同編集に強いのが特徴です。1つの楽譜をメンバー全員で共有し、それぞれが書き込んだ内容を反映させながら仕上げていけるので、バンドメンバーと一緒にアレンジを詰めたり、合唱団でパートごとに担当を分けて1つの楽譜を作り上げたりする使い方ができます。文書作成のクラウドサービスで共同編集を経験したことがあるなら、その楽譜版をイメージしてもらうと近いはずです。

なお、この章で紹介した無料版・無料プランの内容は、いずれも変更されることがあります。作りたい楽譜の規模や使い方によっては有料プランが必要になる場合もあるため、本格的に使い始める前に、それぞれの公式サイトで最新の情報を確認しておきましょう。

ここまでを整理すると、MuseScore Studio・Dorico SE・Sibeliusのようなインストール型のソフトは、1台のPCに腰を据えて楽譜をじっくり作り込みたい人に向いています。一方、FlatやNoteflightのようなブラウザ型のサービスは、思い立ったときにすぐ書き始められる手軽さと、仲間との共同作業のしやすさが持ち味です。あなたが「どこで、誰と」楽譜を作るのかを思い浮かべながら選ぶと、自分に合う系統が自然に絞り込めるはずです。

楽譜作成アプリ|スマホ・タブレットの無料の選択肢

本文中:PC・ブラウザ向け選択肢セクション

スマホやタブレットで音符を入力するなら、FlatやFender Notionが候補です。閲覧・再生が中心のアプリとは区別し、無料で編集できる範囲と出力方法を確認します。

MuseScoreアプリは「閲覧・再生」用

最初にお伝えしたいのが、スマホ用の「MuseScore」アプリについてのよくある誤解です。「PCで定番のMuseScoreなら、スマホアプリでも楽譜が作れるはず」と思ってインストールしたのに、いくら探しても作成画面が見つからない——これは本当によくあるつまずきです。

結論から言うと、スマホのMuseScoreアプリは楽譜の「閲覧・再生」のためのアプリで、楽譜の作成や編集はできません。楽譜を作りたい場合は、PC版のMuseScore Studioを使う必要があります。

では、スマホアプリは何のためにあるのかというと、公式の楽譜共有サイト上の楽譜をスマホやタブレットで表示し、音を鳴らして確認するためのものです。PCで作った楽譜も、共有サイトにアップロードしておけばアプリで開けるので、パート譜を練習場所に持ち込んで画面を見ながら演奏する、移動中に楽譜を眺めながら再生して曲のイメージをつかむ、といった使い方ができます。「作るのはPCのMuseScore Studio、持ち歩いて見るのはアプリ」と覚えておくと、迷わずに済みます。

スマホで入力するならFlatのアプリ

「閲覧だけでなく、スマホでも音符を入力したい」というあなたに合うのが、Flatのアプリです。Flatはブラウザで動くクラウド型の楽譜作成サービスですが(詳しくはPC向けの章で紹介しています)、スマホ・タブレット向けのアプリでも音符の入力・編集ができます。

外出先でスマホからメロディーをスケッチしておき、家に帰ったらPCのブラウザで続きを開いて仕上げる、という流れが自然に作れます。思いついたフレーズをその場で楽譜の形にして残せるのは、紙のメモや録音とはひと味違う便利さです。無料プランで使い始められるので、まずは短いフレーズを入力してみて、自分の使い方に合うか確かめてみてください。

Fender Notion|旧Notion Mobileの現在の名称と無料範囲

Fender Notionは、旧Notion Mobileが2026年1月に名称変更した楽譜作成アプリです。譜表数無制限で入力・編集でき、印刷・PDF出力にも対応します。スマホ、タブレット、PCの対応環境で使えます。

手書き認識や追加音源などは、追加機能パッケージや対象の契約で利用する機能です。無料の音符入力と、ペンで書いた音符を認識する機能を分けて確認してください。

タブレット+タッチ操作は相性が良い

ここまで紹介したアプリは、スマホよりも画面の大きいタブレットで使うほうが快適に感じられる場面が多くあります。一度に見渡せる小節の数が増えて音符の配置を確認しやすくなりますし、指やスタイラスペンで五線譜に直接触れて入力する操作も、画面が広いほど正確に行いやすくなります。

そこで私がおすすめしたいのが、次のような役割分担です。

  • スマホ:思いついたメロディーのメモや、外出先での楽譜の確認に使う
  • タブレット:移動中や練習の合間に進める簡易的な制作に使う
  • PC:パート譜の作成やレイアウトの調整まで行う仕上げに使う

すべてを1台でこなそうとするより、それぞれの得意な場面で使い分けるほうが結果的に快適です。クラウド同期に対応したサービスを軸にすれば、デバイス間のデータの受け渡しもほとんど意識せずに済みます。あなたの生活の中で「楽譜に触れる時間」がどこにあるかを思い浮かべながら、組み合わせを考えてみてください。

用途別の選び方と、もっと快適に作るコツ

本文中:スマホ・タブレットセクション

パート譜・タブ譜の作成にはMuseScore Studio、複数人での共同編集にはFlatが候補です。Finaleからの乗り換えでは、MusicXMLで移した後の内容確認までを作業に含めましょう。

吹奏楽・合唱のパート譜を作りたい→ MuseScore Studio

スコア(総譜)から各パートの譜面を切り出したいなら、MuseScore Studioが第一候補です。フルスコアを1つ作れば、そこから各パート譜を自動で作成できるので、パートごとに手作業で書き直す必要がありません。印刷やPDF出力にも対応しているため、メンバーへの配布もスムーズに進められます。人数の多い団体ほど、この仕組みの恩恵は大きくなります。完全無料で始められるので、まずは短い1曲分のスコアで試してみるのがおすすめです。

バンドのコード譜・タブ譜を書きたい→ MuseScore Studio+スマホアプリ

ギターやベース向けのタブ譜、コード記号入りの譜面を作りたい場合も、MuseScore Studioで対応できます。五線譜とタブ譜を並べて表示することもできるので、メンバーの読みやすさに合わせた譜面づくりが可能です。じっくり作り込む作業はPCで行い、移動中に浮かんだフレーズやコード進行のメモは、スマホの章で紹介したアプリに残しておくと便利です。PCとスマホの二段構えにすれば、せっかくの思いつきを逃さずに形にできます。

みんなで1つの楽譜を編集したい→ Flat

合唱団やサークル、学校の授業などで、複数人が同じ楽譜に手を入れたいならFlatが向いています。ブラウザで動くクラウド型なのでインストール不要で環境をそろえやすく、共同編集の仕組みも整っています。「先生が用意した譜面に生徒が書き込む」といった使い方ができるのは、クラウド型ならではの強みです。無料プランで始められるので、まずは少人数で試してみてください。

Finaleから乗り換えたい→ MuseScore StudioかDorico系を試す

Finaleからの移行先は、必要な編成を編集できるMuseScore StudioやDoricoの各版から選びます。Dorico SEの作成上限は8パートなので、フルオーケストラを編集する場合は上位版の条件も確認してください。Finaleの開発終了は2024年の発表ですが、新しい端末での認証継続など後日の更新もあるため、移行前には公式発表の更新欄を確認します。

乗り換え・データ移行はMusicXMLで

選び方の章で触れたとおり、乗り換えはMusicXML形式を経由するのが基本です。手順は次の3ステップです。

  • ①今のソフトから書き出す:移行したい楽譜を、今まで使ってきたソフトからMusicXML形式で書き出します。曲数が多い場合は、これからも使う優先度の高い譜面から少しずつ進めましょう。
  • ②新しいソフトで読み込む:MuseScore StudioやDorico SEなど、移行先のソフトでMusicXMLファイルを開きます。
  • ③レイアウトを再調整する:読み込んだ楽譜の改行位置や記号の配置を、新しいソフトの上で整え直します。

ここで知っておいてほしいのは、 音符などの音楽情報は引き継げても、レイアウトは崩れることが多いという点です。改行の位置や細かな配置までそのまま完璧に移るとは考えず、MusicXMLは「音の情報を運ぶための形式」と割り切って、移行後の再調整を前提に作業時間を見積もるのが現実的です。演奏会の直前にまとめて移行するのは避けて、時間に余裕のあるタイミングで、1曲ずつ様子を見ながら進めてください。

入力を速くしたいならMIDIキーボードという選択肢

MIDIキーボードは、鍵盤から音の高さを入力するための道具です。例えばMuseScore Studioでは、入力方式に合わせて音の長さも指定します。自由に弾いた演奏が、意図どおりのリズムや声部を持つ完成楽譜になるとは限りません。まずPCのキーボードやマウスで入力を試し、鍵盤入力が必要なら接続対応を確認しましょう。


Akai Professional MPK Mini MK3 25鍵 MIDIキーボード

メリットは、入力スピードが上がることに加えて、実際の音を確かめながら書けることです。頭の中で鳴っている響きと譜面のずれに、その場で気づけます。一方で注意点もあります。ソフト側でMIDIキーボードを認識させる接続設定が必要なことと、鍵盤の演奏に慣れていない人の場合、最初はマウス入力のほうがかえって速いこともある点です。私としては、無理に最初からそろえる必要はないと考えています。「マウス入力が作業のボトルネックになってきた」と感じたときの、次の一手として覚えておいてください。

無料の楽譜作成ソフトでよくある質問

本文中:乗り換え・データ移行セクション

無料で始められる候補はありますが、端末・編成・出力条件によって選択が変わります。次の質問では、その条件を短く整理します。

楽譜を作れるフリーソフトは?

MuseScore StudioやスコアメーカーZEROなどがあります。対応端末と、印刷・データ交換まで無料でできる範囲を確認して選びます。

楽譜作成におすすめのソフトは?

PCで入力から印刷まで行うならMuseScore Studio、共同編集ならFlatが候補です。保存数や必要な編成を比較して選びます。

パソコンで楽譜を作成できる無料のアプリは?

MuseScore StudioやDorico SEなどがあります。Dorico SEは最大8パートなので、作りたい編成が上限内か確認します。

楽譜を自分で作れるサイトはありますか?

FlatやNoteflightはブラウザで楽譜を作れます。無料版の保存数はそれぞれ15件と10件で、書き出し条件も確認が必要です。

Q. 無料ソフトでも印刷やPDF出力はできますか?

多くの無料ソフトで印刷やPDF出力が可能です。特にMuseScore Studioは、印刷もPDF出力も含めて無料で使えるため、パート譜を紙で配りたい吹奏楽や合唱の現場でもそのまま活用できます。PDFで書き出せれば、印刷だけでなくメンバーへのデータ共有やタブレットでの譜面表示にも使えて便利です。一方、FlatやNoteflightのようなブラウザ型サービスは、無料プランでできる範囲が変更されることがあるので、書き出し機能を重視するなら登録前に最新の内容を公式サイトで確認しておいてください。

Q. Finaleが終了したと聞きましたが、作った楽譜はどうなりますか?

Finaleは2024年に開発終了が発表されましたが、手元にインストールされたソフトが即座に使えなくなるわけではありません。ただし、今後の更新が見込めないことを考えると、長期的には別のソフトへの乗り換えを視野に入れておくほうが安心です。作った楽譜はMusicXML形式で書き出しておけば、MuseScore Studioをはじめとした他のソフトに音符の情報を引き継げます。レイアウトの再調整は必要になるものの、書きためた作品が失われるわけではないので、用途別おすすめの章で紹介した手順を参考に、少しずつ移行を進めてみてください。

Q. 作った楽譜を配布・公開してもいいですか?

曲によって扱いが変わります。あなたの自作曲や、著作権の保護期間が満了した曲(クラシックの古い作品の多くがこれにあたります)であれば、原則として自由に配布・公開できます。ただし、市販の楽譜(校訂版・編曲版)を元に入力した場合はその版や編曲に別の権利が残っていることがあり、歌詞の権利が曲と別に存続する場合もあるため、公開前に確認すると安心です。一方、市販曲や既存曲の楽譜を作って、個人の練習用の範囲を超えて配布・公開するには、著作権者の許諾が必要です。また、既存の曲を別の編成向けに書き直すような編曲にも権利が関わるため、「ソフトが無料だから、何を作って配ってもいい」というわけではない点に注意してください。部活動やサークルで使う場合も、SNSへの投稿など公開の範囲が広がるほど、権利の確認が大切になります。

Q. 楽譜が読めなくても使えますか?

使えます。楽譜作成ソフトは入力した音符をすぐに再生できるので、音の高さや長さを耳で確かめながら、少しずつ形にしていけます。間違えた音は聴けば気づけますし、音符を置いた場所と鳴った音が結びついていくうちに自然と楽譜の仕組みが頭に入っていくので、むしろ読譜の学習ツールとして役立つ面があります。ギターならタブ譜、弾き語りならコード記号というように、五線譜以外の書き方から入る方法もあるので、あなたの得意な形で始めてみてください。

まとめ|まずはMuseScoreから。用途が固まったら使い分けよう

本文中:用途別セクションの締め

入力から印刷まで無料で始めるならMuseScore Studioが候補です。共同編集やモバイル入力を重視する場合は、冒頭の比較表で保存数・編成・出力条件を確認し、用途に合わせて選びましょう。

  • 迷ったらまずMuseScore Studio:完全無料で、入力から印刷・PDF出力・パート譜作成まで使える定番ソフトです。共有サイトの有料サブスクリプションとは別のサービスで、ソフト本体は全機能を無料で使えます。
  • 手軽さと共同編集ならブラウザ型:FlatやNoteflightはインストール不要で始められ、特にFlatは複数人での共同編集に強みがあります。
  • スマホ・タブレットで入力するならFlatアプリやFender Notion:閲覧・再生用のMuseScoreアプリとの役割の違いを押さえたうえで選びましょう。
  • 選ぶ基準は「端末」「用途」「MusicXML対応」の3つ:MusicXMLに対応したソフトを選んでおけば、Finaleからの乗り換えも含めて、あとから別のソフトへ移る道を確保できます。

手書きの時代なら音符を書き写すだけで何時間もかかっていた清書が、楽譜作成ソフトなら入力して整えるだけで済みます。清書に費やしていた時間は、フレーズを練り直したり、ハーモニーを試したりする、音楽そのものを作る時間に変わっていきます。まずはMuseScore Studioをインストールして、頭の中にある好きな8小節を打ち込んでみてください。再生ボタンを押した瞬間に自分の書いた音が鳴る、その体験があなたの楽譜づくりの最初の一歩になります。

出典・確認先

確認日:2026年9月12日。無料版の保存数・編成・出力条件と、各ソフトの提供状況は、すべてこの日に下記の公式ページで確認しました。無料の範囲は変更されることがあるため、ダウンロードや契約の前に最新の表示をご確認ください。

無料版の条件(比較表の出典)

操作・移行手順の参考

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