ピアノ中級者向けクラシック練習曲・名曲15選|難易度と練習順

ピアノ

バイエルやブルグミュラー25番を終えたあと、「次に何を弾けば上達するのか」で迷う人は多いものです。結論から言うと、中級者は①指を整える練習曲、②表現力を伸ばす小品、③発表会で映えるレパートリーを1曲ずつ並行するのが近道です。この記事では、ツェルニー30番・バッハインヴェンション・ショパンなどクラシックの練習曲・名曲15選を、難易度・練習順・練習期間・演奏時間・発表会での映え方まで整理し、今日から練習を始められるように具体的に解説します。

【この記事の結論】

  • 中級入門なら「ツェルニー30番」「ブルグミュラー18」「バッハ小プレリュード」から始める
  • 指を整えたい人は「ハノン+ツェルニー30番」を1日10〜15分
  • 表現力を伸ばしたい人は「ヘラー」「メンデルスゾーン無言歌集」「ショパン前奏曲」
  • 発表会で映える曲は「モーツァルト K.545」「ショパンワルツ Op.69-1」「ドビュッシー アラベスク第1番」
  • 中級後半から上級は「ツェルニー40番」「バッハシンフォニア」「モシュコフスキー」
  • 迷ったら、基礎1曲・表現1曲・発表会向き1曲の3曲を並行する

この記事の選曲基準は3つです。①中級者が練習教材として実際に使いやすいこと、②技術だけでなく音楽表現も学べること、③発表会や次のレベルへの橋渡しになること。一般的に定評のある教本・名曲をもとに整理しています。

ピアノ中級者向けクラシック練習曲15選【難易度早見表】

まずはピアノ中級者向け練習曲の難易度比較表で全体像をつかみましょう。難易度・練習期間に加え、演奏時間の目安、調号・読譜の難しさ、最初に取り組む曲・楽章、発表会で映える理由まで整理しました。スマホでは表を横にスクロールできます。この15曲が記事全体で扱う曲です。

# 曲・教本名 中級段階 難易度 練習期間目安 演奏時間目安 調号・読譜 最初に取り組む曲・楽章 発表会向き 発表会で映える理由
1 ハノン 1〜20番 中級入門 ★★☆☆☆ 毎日10分継続 各1分前後 易(ハ長調中心) 1〜5番から 基礎教材のため舞台向きではない
2 ツェルニー30番 Op.849 中級入門 ★★★☆☆ 1曲1〜2週間 1曲1〜2分 易〜中 1〜5番から 基礎教材のため舞台向きではない
3 ブルグミュラー18 Op.109 中級入門〜中級 ★★★☆☆ 1曲2〜3週間 1〜2分 やさしい曲から 標題があり情景が伝わりやすい
4 バッハ小プレリュード 中級入門 ★★★☆☆ 1曲2〜4週間 1〜2分 ハ長調の曲から 短く知的で完成度が伝わる
5 バッハ インヴェンション 中級 ★★★☆☆ 1曲3〜6週間 1〜3分 1番・4番・8番 短くても知的で完成度が伝わる
6 ソナチネ集(クレメンティ等) 中級 ★★★☆☆ 1曲3〜6週間 1楽章3〜5分 クレメンティ Op.36-1 古典派らしい明快さが伝わる
7 ヘラー 25の旋律的練習曲 Op.45 中級 ★★★☆☆ 1曲2〜4週間 1〜3分 やさしい旋律の曲から 旋律が美しく聴かせやすい
8 メンデルスゾーン 無言歌集 中級〜中上級 ★★★★☆ 1曲1〜2か月 2〜4分 中〜難 やさしめの曲から 歌心とペダルで表現力を見せやすい
9 モーツァルト ソナタ K.545 中級 ★★★☆☆ 全楽章2〜3か月 第1楽章4〜5分 中(明快) 第1楽章から 明るく知名度があり構成が分かりやすい
10 ショパン 前奏曲 Op.28-7/4/20 中級 ★★〜★★★ 1曲1〜4週間 1〜2分 Op.28-7から 短くても情感が伝わりやすい
11 ショパン ワルツ Op.69-1 中級 ★★★☆☆ 1〜2か月 3〜4分 中〜難 冒頭〜A部分 旋律が美しく発表会らしい華がある
12 ツェルニー40番 Op.299 中級後半 ★★★★☆ 1曲2〜4週間 1〜2分 中〜難 必要な技術の曲から 基礎教材のため舞台向きではない
13 モシュコフスキー Op.91 中級後半 ★★★★☆ 1曲3〜6週間 1〜2分 中〜難 やさしい番号から 華やかな技巧が映える
14 バッハ シンフォニア 中上級 ★★★★☆ 1曲4〜8週間 2〜4分 1番・11番 3声の完成度が知的に伝わる
15 ドビュッシー アラベスク第1番 中上級 ★★★★☆ 2〜3か月 4〜5分 冒頭8小節 響きが華やかで大人の発表会にも合う

※演奏時間・難易度は目安です。楽譜の版、テンポ、リピートの有無、アレンジによって変わります。発表会で使う場合は、必ず使用する楽譜と本番テンポで確認しましょう。

中級者が上達しやすい練習順ロードマップ

中級者は、好きな曲だけを順番に弾くよりも、「基礎を整える曲」「読譜力を伸ばす曲」「表現力を伸ばす曲」を組み合わせると上達しやすくなります。特に、ツェルニーだけ、ショパンだけ、発表会曲だけに偏ると、指・読譜・表現のどこかが不足しやすくなります。

迷った場合は、次の3段階で進めましょう。まず中級入門では、ハノン、ツェルニー30番、ブルグミュラー18、バッハ小プレリュードで基礎を整えます。次に、バッハインヴェンション、ソナチネ、ヘラー、ショパン前奏曲で、左右の独立と音楽表現を伸ばします。中級後半では、ツェルニー40番、モシュコフスキー、バッハシンフォニア、ドビュッシーに進むと、上級曲への土台が作れます。

段階 期間目安 基礎 バロック・古典 表現・発表会曲 この段階の目標
中級入門 1〜3か月 ハノン、ツェルニー30番前半 バッハ小プレリュード ブルグミュラー18 指と読譜を安定させる
中級 3〜9か月 ツェルニー30番後半 インヴェンション、ソナチネ ヘラー、ショパン前奏曲 声部・形式・表現を学ぶ
中級後半 6〜12か月 ツェルニー40番 シンフォニア メンデルスゾーン、ショパンワルツ 発表会で聴かせる曲を作る
中上級準備 12か月〜 モシュコフスキー シンフォニア継続 ドビュッシー、上級小品 音色・ペダル・持久力を伸ばす

期間はあくまで毎日30分前後練習した場合の目安です。進み方には個人差があるので、段階を飛ばさず、今の自分が8割コントロールできる曲を選ぶことを優先してください。

ピアノ中級者とは?レベル診断チェックリスト

クラシック練習曲を選ぶピアノ中級者

ピアノの中級者とは、初級の基礎をひと通り終え、両手で違う動きや少し複雑な調号、ペダルに対応し始める段階を指します。ブルグミュラー25番を数曲仕上げ、ツェルニー30番やソナチネに入る頃が中級入門の目安です。明確な線引きはありませんが、まずは次のチェックリストで自分の現在地を確認しましょう。

  • ツェルニー30番の前半、または同程度の曲を練習している
  • ブルグミュラー25番を数曲以上仕上げたことがある
  • 両手で違うリズムをある程度弾ける
  • シャープ・フラット3個程度の調号に慣れている
  • ペダルの基本的な踏み替えを知っている
  • 1曲を最後まで譜読みして仕上げた経験がある

4つ以上当てはまれば中級入門、6つ当てはまれば中級として、この記事の曲に進めます。当てはまる数が少ない場合は、無理せず基礎を固めながら1曲ずつ挑戦していきましょう。中級に入る前の人は初心者向けのやさしい練習曲から取り組むと、つまずきにくくなります。

目的別に選ぶ|中級者はどの曲から始めるべき?

目的別におすすめのクラシック練習曲を選ぶ様子

同じ「中級」でも、伸ばしたい力によって最適な曲は変わります。まずは目的を1つ決めて、そこから1曲選ぶのがおすすめです。

基礎を固めたい人

「ハノン」「ツェルニー30番」、その先の「ツェルニー40番」が向いています。毎日10〜15分でよいので、テンポを上げることよりも脱力と音の粒をそろえることを優先しましょう。基礎は短時間でも毎日続けるほうが効果的です。

表現力を伸ばしたい人

「ブルグミュラー18」「ヘラー」「メンデルスゾーン無言歌集」「ショパン前奏曲」がおすすめです。強弱記号を守るだけでなく、フレーズがどこに向かって歌うのかを自分で決めると、ぐっと音楽的になります。

バッハ・古典派を学びたい人

「バッハ小プレリュード」「インヴェンション」「シンフォニア」、古典派の「ソナチネ集」「モーツァルト K.545」が中心です。声部(同時に流れる複数の旋律)、ソナタ形式、フレーズの区切りといった、曲の構造を読む力が身につきます。

発表会で映える曲を探している人

「モーツァルト K.545」「ショパンワルツ Op.69-1」「メンデルスゾーン無言歌集」「ドビュッシー アラベスク第1番」が定番です。発表会向き=難しい曲ではなく、聴き手に曲想が伝わりやすい曲だと考えると選びやすくなります。これらはペダルの使い方で印象が大きく変わるので、ペダル練習のコツもあわせて確認しておくと安心です。

発表会で映える中級クラシック曲はどれ?

発表会向きの曲は、単に難しい曲ではありません。聴き手に曲想が伝わりやすく、演奏者の良さが出やすく、本番までに安定して仕上げられる曲が向いています。中級者の場合は、完成度を犠牲にして難曲に挑むより、今の実力で8割以上コントロールできる曲を選んだ方が、舞台ではよく聴こえます。準備期間と聴き映えのポイントを比較しておきましょう。

曲名 発表会向き度 準備期間目安 聴き映えポイント 注意点
モーツァルト K.545 第1楽章 2〜3か月 明るく知名度があり、古典派らしい清潔感が出る 音がごまかしにくく、粒の粗さが目立つ
ショパン ワルツ Op.69-1 1〜2か月 旋律が美しく、大人の発表会にも合う 左手が重いとワルツ感が消える
メンデルスゾーン 無言歌集 1〜2か月 歌心とペダルで表現力を見せやすい 曲によって難易度差が大きい
ショパン 前奏曲 Op.28-4 2〜4週間 短くても情感が伝わりやすい 和音の響きとペダルが雑だと単調になる
ドビュッシー アラベスク第1番 2〜3か月 音色が華やかで舞台映えする 2対3のリズムとペダルが難しい
バッハ インヴェンション 1〜2か月 短く知的で、完成度が伝わりやすい 両手が同じ強さになると平坦に聞こえる

発表会では、難易度の高さよりも「本番で安定して弾けるか」を優先しましょう。2か月前の時点で最後まで通せていることが、当日の安心につながります。

15曲それぞれの特徴と練習ポイント

15曲の練習ポイントを確認するピアノ中級者

ここからは15曲を1曲ずつ、「おすすめの人」「身につく力」「つまずきやすい点」「最初の練習方法」「仕上がりの目安」の5点で紹介します。気になる曲から読んで構いません。

1. ハノン 1〜20番

【おすすめの人】4・5指が弱い、左右の音量がそろわない、手首が力みやすいと感じる人。
【身につく力】5本の指を均等に動かす力、脱力、指の付け根からの打鍵。
【つまずきやすい点】速く弾こうとして手首が上下に揺れ、親指だけ強く出て4・5指が遅れがちです。
【最初の練習方法】速く弾くための教本ではなく、左右の音量差や弱い指を確認する基礎練習として使います。1番から機械的に進めるより、毎日1〜2曲を選び、レガート・スタッカート・付点・逆付点のリズム変奏で弾くと効果的です。違和感が出たらテンポを落とします。
【仕上がりの目安】ゆっくり弾いたとき全ての音が同じ粒で聞こえ、腕や肩に力が入っていなければ次へ進めます。

2. ツェルニー30番 Op.849

【おすすめの人】初級を終え、中級の基礎を固めたい人。
【身につく力】指の独立、音の粒ぞろえ、スケールや分散和音、同音連打、左右の受け渡し。
【つまずきやすい点】速く弾けても音の粒が不揃いで、右手だけ強くなりがちです。
【最初の練習方法】1曲を通すより、弾きにくい2〜4小節だけを取り出し、指定テンポの50%程度で反復します。録音して右手が強すぎないか確認しましょう。数曲進めながらバッハ小プレリュードやブルグミュラー18を並行すると、技術と表現のバランスが取れます。
【仕上がりの目安】指定テンポの7〜8割で粒がそろい、左右のバランスが保てたら合格です。終わったら次の「ツェルニー30番の次」も参考にしてください。

3. ブルグミュラー18の練習曲 Op.109

【おすすめの人】25番を終え、もう一段階表現を深めたい人。
【身につく力】情景を描く強弱、フレージング、旋律と伴奏のバランス。
【つまずきやすい点】25番より音域・和声・表情の幅が広く、ただ指を動かすだけでは曲らしく聞こえません。
【最初の練習方法】曲のタイトルから情景を想像し、フレーズの山を決めます。譜読みでは旋律と伴奏を同じ音量で弾かないことが大切です。まず旋律だけを歌い、次に左手を小さく添え、最後にペダルや強弱を足します。
【仕上がりの目安】録音して「どこを聴かせたい曲なのか」が伝われば次へ進めます。

4. バッハ小プレリュード

【おすすめの人】バッハに初めて取り組む人、インヴェンション前の準備をしたい人。
【身につく力】左右の受け答え、声部の流れ、装飾音、バロックらしい明確なタッチ。
【つまずきやすい点】両手を同じ強さで弾いてしまい、主役の声部が埋もれがちです。
【最初の練習方法】片手ずつ弾くだけでなく、旋律を声に出して歌い、どちらの声部が主役かを決めます。ペダルは多用せず、指で音をつなぐ意識を持つと、インヴェンションへ進んだとき楽になります。
【仕上がりの目安】どちらの声部も追って聴け、装飾音が転ばずに入れば合格です。

5. バッハ インヴェンション

【おすすめの人】2つの旋律を同時に聴き分ける力を育てたい人。
【身につく力】左右の独立、ポリフォニー(複数の旋律が同時に進む書法)の聴き方、テーマの扱い。
【つまずきやすい点】両手で合わせるとどちらか一方が伴奏になり、バッハらしさが薄れます。
【最初の練習方法】最初は1番ハ長調、4番ニ短調、8番ヘ長調などテーマが分かりやすい曲から始めます。右手だけ・左手だけで弾いたあと、片手を弾きながらもう片方の旋律を歌う練習を入れましょう。
【仕上がりの目安】左右どちらの旋律も耳で追え、テーマの入りが自然に聞こえれば合格です。

6. ソナチネ集(クレメンティ・クーラウなど)

【おすすめの人】ソナタ形式に進む準備をしたい人。
【身につく力】ソナタ形式の構成感、主題の対比、明確なタッチ。
【つまずきやすい点】音は合っているのに機械的で平坦に聞こえがちです。
【最初の練習方法】クレメンティ Op.36-1 やクーラウのやさしいソナチネから始めると無理がありません。明るい主題、やわらかい主題、転調する部分など、場面ごとの性格を分けて弾きます。ペダルに頼りすぎず、指先の明確なタッチを意識しましょう。
【仕上がりの目安】主題の性格の違いが伝わり、フレーズのまとまりで区切れていれば、モーツァルトやベートーヴェンのソナタへ進めます。

7. ヘラー 25の旋律的練習曲 Op.45

【おすすめの人】ツェルニーが単調に感じる人、表現と基礎を両立したい人。
【身につく力】歌う旋律、伴奏を控えめに弾く力、和声の変化を感じる耳。
【つまずきやすい点】右手の旋律を大きくしようと力み、音が硬くなりがちです。
【最初の練習方法】まず右手の旋律だけを歌うように弾き、次に左手を半分以下の音量で添えます。腕の重みを使って自然に響かせる意識が大切です。
【仕上がりの目安】旋律が無理なく歌え、伴奏が出すぎていなければ合格です。

8. メンデルスゾーン 無言歌集

【おすすめの人】表現力を伸ばしたい人、発表会向きの小品を探している人。
【身につく力】歌心、ペダル、長いフレーズの作り方。
【つまずきやすい点】曲ごとの難易度差が大きく、ペダルが濁りやすい点です。
【最初の練習方法】すべてに挑戦する必要はありません。旋律が分かりやすくテンポが速すぎない曲を選び、右手の旋律・左手の伴奏・内声を分けて確認します。ペダルは和音が変わる場所で踏み替えます。
【仕上がりの目安】長いフレーズが息切れせず歌え、響きが濁らなければ合格です。発表会では派手にするより歌えるかを重視しましょう。

9. モーツァルト ピアノソナタ K.545

【おすすめの人】本格的な古典派ソナタに挑戦したい人、発表会で定番曲を弾きたい人。
【身につく力】明瞭なタッチ、左右のバランス、構成力。
【つまずきやすい点】「簡単なソナタ」と呼ばれますが音をごまかせず、粒の粗さが目立ちます。
【最初の練習方法】全楽章を一度に仕上げようとせず、まず第1楽章だけを目標にします。右手のスケール、左手のアルベルティバス(分散和音の伴奏型)、装飾音、左右の受け渡しが主な練習ポイントです。テンポを上げる前に片手ずつ粒をそろえ、左手が右手を邪魔しない音量に整えます。
【仕上がりの目安】速いスケールが転ばず、装飾音が自然に入れば合格です。発表会では完成度重視で選びましょう。

10. ショパン 前奏曲 Op.28-7/Op.28-4/Op.28-20

【おすすめの人】ショパンに初挑戦したい人。
【身につく力】和音の響き、ペダル、ロマン派らしい表現。
【つまずきやすい点】技術的に簡単に見えても、ペダルが濁ると曲の魅力が半減します。
【最初の練習方法】Op.28-7は譜読みしやすく最初の1曲に向きます。Op.28-20は重厚な和音のバランス、Op.28-4はゆっくりしたテンポで旋律を歌わせる力が必要です。まずペダルなしで和音の変わり目を確認し、その後に浅めのペダルを加えます。
【仕上がりの目安】短い曲でも音色と呼吸が丁寧に作れていれば合格です。

11. ショパン ワルツ Op.69-1「別れのワルツ」

【おすすめの人】発表会でショパンを弾きたい中級者。
【身につく力】ワルツのリズム、ルバート(テンポを自由に伸縮させる表現)、右手旋律の歌わせ方。
【つまずきやすい点】左手の3拍子が重くなり、ワルツらしい揺れが消えてしまうことです。
【最初の練習方法】まず左手だけで「1拍目は深く、2・3拍目は軽く」を練習し、その上に右手の旋律をのせます。ルバートは最初から大きく揺らさず、拍の土台が安定してから加えると自然です。
【仕上がりの目安】左手が軽やかにワルツを刻み、右手の旋律がたっぷり歌えれば、発表会向きに仕上がっています。

12. ツェルニー40番 Op.299

【おすすめの人】中級後半から上級へ技術を固めたい人。
【身につく力】速いパッセージ、跳躍、持久力。
【つまずきやすい点】指が転びやすく、手首や肩に力が入りがちです。
【最初の練習方法】30番が終わったから必ず全曲進める必要はありません。今のレパートリーに必要な技術に合わせ、先生と相談しながら選ぶと効率的です。1曲を通す前に弾きにくい音型を2小節単位で取り出し、力が入る場合はテンポを落として軽いタッチでそろえます。
【仕上がりの目安】目標テンポで音型が崩れず、脱力を保てれば合格です。

13. モシュコフスキー 20の小練習曲 Op.91

【おすすめの人】音楽的な練習曲に取り組みたい人、ショパンやリストのやさしめの作品への準備をしたい人。
【身につく力】アルペジオ(和音を分散して弾く奏法)、分散和音、音の粒立ち、華やかな技巧。
【つまずきやすい点】手首が固まり、音が重くなりがちです。
【最初の練習方法】単なる指の訓練ではなく、華やかな響きの中で技巧を磨ける曲集です。強く弾くより、腕の重みを抜き、鍵盤の近くで軽く動かす感覚を大切にします。速さよりも音の流れがなめらかに聞こえるかを基準にしましょう。
【仕上がりの目安】アルペジオが粒立ちよく、手首の力みなくなめらかに流れれば合格です。

14. バッハ シンフォニア

【おすすめの人】インヴェンションを終え、3声に進みたい人。
【身につく力】3声のポリフォニー、内声の処理、集中力。
【つまずきやすい点】上声・中声・低声のうち、左右の手にまたがる中声を見失いやすい点です。
【最初の練習方法】最初から両手で通さず、まず1声ずつ歌い、次に「上声+中声」「中声+低声」「上声+低声」の組み合わせで練習します。中声は楽譜に色を付けると整理しやすくなります。始めやすいのは1番や11番です。
【仕上がりの目安】録音して、どの声部も独立して聞こえれば合格です。

15. ドビュッシー アラベスク第1番

【おすすめの人】印象派や美しい響きを学びたい中級後半の人、発表会で映える曲を弾きたい人。
【身につく力】ペダル、音色づくり、流れるようなアルペジオ。
【つまずきやすい点】2連符と3連符が重なるリズム、広がりのあるアルペジオ、和音ごとのペダル処理が難所です。
【最初の練習方法】まずペダルなしで左右のリズムを整理し、低音だけ・右手だけ・両手の順に合わせます。ペダルは響きを増やすためでなく、濁りを避けながら音色をつなぐために使います。
【仕上がりの目安】2対3のリズムが安定し、ペダルが濁らず音色がつながれば合格です。仕上げには2〜3か月見ておくと安心です。

ツェルニー30番の次は何を弾く?目的別の進み方

ツェルニー30番が終わったあと、すぐに40番へ進む人もいますが、それだけが正解ではありません。指の基礎をさらに強化したいならツェルニー40番、音楽的な練習曲に進みたいならヘラーやモシュコフスキー、読譜力と声部感を伸ばしたいならバッハインヴェンションがおすすめです。発表会曲を増やしたい人は、モーツァルト K.545、ショパン前奏曲、メンデルスゾーン無言歌集を並行すると、技術と表現の両方を伸ばせます。

目的 次に進む候補 理由
指をもっと強くしたい ツェルニー40番 速いパッセージと持久力を伸ばせる
ツェルニーに飽きた ヘラー、モシュコフスキー 音楽的な曲で技術を磨ける
バッハが苦手 小プレリュード、インヴェンション 声部を聴く力がつく
発表会曲を増やしたい K.545、ショパン前奏曲、ワルツ 聴き手に伝わりやすい
上級を目指したい シンフォニア、モシュコフスキー 複雑な読譜と技巧の準備になる

1日30分・60分・90分の練習メニュー

1日30分から取り組むピアノ練習メニュー

「何から弾けばいいか分からない」を防ぐには、時間配分を決めておくのが一番です。基礎・技術・表現・レパートリーをバランスよく回せるよう、3つの時間別メニューを用意しました。ゆっくり練習ではメトロノームを使うと、テンポと拍感を保ちやすくなります。

■ 30分メニュー

  • 5分:ハノンまたはスケール
  • 10分:練習曲の難所2〜4小節
  • 10分:レパートリー曲
  • 5分:録音、またはゆっくり通し練習

■ 60分メニュー

  • 10分:ハノン・スケール
  • 15分:ツェルニーまたはバッハ
  • 20分:表現系の曲
  • 10分:苦手部分の反復
  • 5分:録音チェック

■ 90分メニュー

  • 15分:基礎練習
  • 20分:練習曲
  • 20分:バッハまたは古典派
  • 25分:発表会・レパートリー曲
  • 10分:録音、メモ、次回課題の整理

中級者がやりがちな選曲ミスと対策

選曲の失敗を避けて練習するピアノ中級者

中級期は選べる曲が一気に増えるぶん、選曲でつまずきがちです。ありがちな4つのミスと対策を知っておきましょう。

ミス1:難しすぎる曲ばかり選ぶ
対策:今の実力で2〜3週間以内に片手の譜読みができる曲を、必ず1曲は入れましょう。「弾けた」という成功体験が練習を続ける力になります。

ミス2:基礎練習だけで飽きる
対策:練習曲を1曲と、好きな小品を1曲、並行して進めましょう。基礎と楽しさを両立させると、毎日ピアノに向かいやすくなります。

ミス3:発表会映えだけで選ぶ
対策:完成までの期間を逆算し、発表会の2か月前には最後まで通せる曲を選びましょう。難易度より「間に合うか」を優先するのが安全です。

ミス4:速さだけを目標にする
対策:指定テンポの50〜60%で、音色・脱力・拍感を確認してから速くします。速さは結果であって目的ではありません。

よくある質問

Q1. ピアノ中級者はどのくらいのレベルですか?
ブルグミュラー25番を数曲仕上げ、ツェルニー30番やソナチネに入る頃が中級入門の目安です。両手のリズム、調号、ペダルに少しずつ対応できる段階です。

Q2. ツェルニー30番が終わったら何を弾けばいいですか?
ツェルニー40番に進むだけでなく、バッハインヴェンション、ソナチネ、ヘラー、ショパン前奏曲などを組み合わせると、技術と表現力をバランスよく伸ばせます。

Q3. 中級者がショパンを弾くならどの曲がおすすめですか?
最初は前奏曲Op.28-7、Op.28-4、Op.28-20など短い作品がおすすめです。ワルツOp.69-1は発表会向きですが、ルバートとペダルを丁寧に練習しましょう。

Q4. バッハインヴェンションは何番から始めるとよいですか?
一般的には1番ハ長調から始めやすいです。4番や8番もテーマが分かりやすく、片手ずつ声部を歌ってから両手にすると安定します。

Q5. 発表会で映える中級クラシック曲はありますか?
モーツァルトK.545、ショパンワルツOp.69-1、メンデルスゾーン無言歌集、ドビュッシーアラベスク第1番などは、曲想が伝わりやすく発表会向きです。

Q6. 1日30分しか練習できなくても上達できますか?
上達できます。5分の基礎練習、10分の難所練習、10分の曲練習、5分の録音チェックに分けると、短時間でも目的を持って練習できます。夜間や集合住宅で練習する人は、電子ピアノでの夜練習のコツもあわせて確認しましょう。

Q7. 独学の中級者でもこの記事の曲に取り組めますか?
取り組めますが、脱力・運指・ペダルは自己流になりやすい部分です。録音して確認し、難しい曲は参考演奏やレッスンでチェックしてもらうと安全です。

Q8. 手が小さい人に向かない曲はありますか?
オクターブや広い跳躍が多い曲は負担になりやすいです。無理に広げず、アルペジオや指使い、ペダルで工夫できる曲から選びましょう。手が小さい人向けの弾き方の工夫も参考になります。

Q9. ピアノ中級者はツェルニー40番に進むべきですか?
必ずしも進む必要はありません。指を強化したい人には有効ですが、表現力や読譜力を伸ばしたい場合は、バッハインヴェンション、ヘラー、ソナチネを並行するとバランスよく上達できます。

Q10. 中級者が発表会曲を選ぶときの目安は?
本番の2か月前に最後まで通せる曲を選ぶのが安全です。難しすぎる曲より、現在の実力で8割ほどコントロールでき、音色や表情を作る余裕がある曲がおすすめです。

Q11. バッハが苦手な中級者は何から始めるべきですか?
いきなりシンフォニアへ進まず、小プレリュードやインヴェンション1番など、声部が分かりやすい曲から始めましょう。片手ずつ歌い、左右の主役を意識する練習が効果的です。

Q12. 中級者がドビュッシーを弾くなら何に注意すべきですか?
ペダルを踏みすぎると響きが濁ります。最初はペダルなしで音とリズムを整理し、和音が変わる場所で踏み替えましょう。音色づくりは最後に加えると安定します。

さらに挑戦したい中級後半〜上級向け候補

ピアノ中級者向けクラシック練習曲15選

15選を仕上げて余裕が出てきたら、次の曲集にも挑戦してみましょう。ピシュナやベルティーニ、クラーマー=ビューローは技術をさらに磨く練習曲、グリーグ「叙情小品集」やシューマン「子供の情景」、スカルラッティのソナタは表現や様式の幅を広げてくれます。いずれも中級後半から上級への橋渡しになる名曲・名教材です。まずは今回の15曲を軸に、無理なく1曲ずつ足していくのがおすすめです。

編集・選曲基準

この記事では、次の3点を基準に曲を選びました。

  1. 中級者が実際の練習教材として使いやすいこと
  2. 技術だけでなく、表現力・読譜力・発表会での完成度につながること
  3. 初級から上級へ進む橋渡しになること

難易度は絶対的なものではなく、楽譜の版やアレンジによって変わります。発表会で使う場合は、担当講師や使用楽譜の難易度表もあわせて確認してください。架空の監修者名や経歴は掲載していません。

まとめ|中級者は「基礎・表現・発表会曲」を並行しよう

中級期は、弾ける曲が一気に増える楽しい時期であると同時に、選曲に迷いやすい時期でもあります。大切なのは、難易度の高い1曲だけに集中するのではなく、①指を整える基礎の曲、②表現力を伸ばす曲、③発表会で映えるレパートリーを、少しずつ並行して進めることです。今回紹介した15曲は、どれも中級者が「技術」と「音楽性」の両方を伸ばせるよう選んだものです。比較表で自分の段階に合う曲を見つけ、練習順ロードマップと練習メニューに沿って毎日少しずつ取り組めば、上級への土台は着実に育ちます。焦らず、録音で自分の音を客観的に聴きながら、1曲ずつ仕上げていきましょう。

今日やること

  1. 比較表から、今の自分に近い中級段階を確認する
  2. 基礎1曲・表現1曲・好きな曲1曲を選ぶ
  3. 1週間だけ30分メニューで練習し、録音して確認する

発表会やレッスンに向けて複数の曲を練習する場合は、練習日程・譜面・録音・動画をまとめて管理しておくと振り返りやすくなります。EMMUでは音楽活動の予定や資料を整理できるため、アンサンブルや発表会の準備にも活用できます。

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EMMUは、音楽やダンス活動を支援するアプリです。
バンド・吹奏楽・合唱・ダンスチームの練習日程、出欠確認、
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