ギター初心者が最初に選ぶ曲は、曲名で選ぶのではなく「使うコードの数」で選ぶと失敗しません。 コード3つで弾ける曲から始めて、4つ、5つと増やしていけば、途中で手が止まりません。ここでは3コードで弾ける定番曲と、4コードで一気に弾ける曲が増える「コード進行」の覚え方をまとめます。

まず結論:この順番で選ぶ
- 1曲目:C・F・G7の3つだけで弾ける曲(童謡・トラディショナル)
- 2曲目:Fを避けたいならカポを使うか、キーをGに変える
- 3曲目以降:コード進行のパターンを覚える(4つ覚えると曲が一気に増える)
- やってはいけない:好きなJ-POPをいきなり原曲キーで弾こうとする
この記事では、ギター初心者曲を厳選してご紹介します。
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最初の1曲は「コードの数」で選ぶ
ギターを買って最初にやることは、弾きたい曲を探すことだと思われがちです。ところが好きな曲がいきなり弾ける曲とは限りません。 J-POPの多くは6つも7つもコードを使い、しかもFやBmのようなバレーコード(人差し指で全弦を押さえるコード)が入ります。

初心者が最初の1か月でつまずく原因は、才能でも練習量でもなく 「曲の選び方」 です。コードを2つしか知らない段階で7コードの曲を開けば、当然止まります。
選ぶ基準は1つだけです。 その曲に出てくるコードが何種類あるか。 これを最初に数えてください。
| コードの数 | 目安 | 弾けるまで |
|---|---|---|
| 3つ | 最初の1曲。童謡・トラディショナル | 数日〜1週間 |
| 4つ | 定番の洋楽・J-POPのサビ | 2〜3週間 |
| 5〜6つ | 一般的なJ-POP1曲ぶん | 1〜2か月 |
| 7つ以上 | まだ早い。カポで減らせないか探す | — |
コード3つで弾ける曲|C・F・G7から始める
C・F・G7の3つが弾ければ、童謡とトラディショナルはほぼ弾けます。 この3つは音楽的に「主役・補助・締め」の役割で、多くの曲がこの3つだけで成立しています。

| 曲 | 使うコード | ポイント |
|---|---|---|
| きらきら星 | C・F・G7 | いちばんやさしい。コードチェンジの練習に最適 |
| かえるの合唱 | C・G7 | 2つだけで弾ける。押さえ替えの往復を体で覚える |
| ハッピーバースデー | C・F・G7 | 弾けると人前で役に立つ最初の曲 |
| 聖者の行進 | C・F・G7 | テンポが速く、リズムの練習になる |
| ロンドン橋 | C・G7 | 2コード。子どもと一緒に弾ける |
この5曲は「練習用の曲」ではなく、本当にこのコードだけで最後まで弾けます。 まずここで、押さえた指を離して別の形に移す動作を体に入れてください。
Fが押さえられないときは
3コードの壁はFです。人差し指で6本の弦をまとめて押さえるので、最初は必ず音が詰まります。 ここで止まる必要はありません。 方法は3つあります。
- 簡易F(4弦だけ押さえる) :1〜4弦だけの小さいFにします。音は細くなりますが、曲は成立します
- キーをGに変える:G・C・D7の3コードにすると、Fが出てきません。上の5曲は全部この形で弾けます
- カポを1〜5フレットに付ける:押さえる形はそのままで、鳴る高さだけ変わります
Fの越え方はギターコードの押さえ方の記事で詳しく扱っています。
コード4つ|進行を覚えると弾ける曲が一気に増える
ここからが本題です。 コードを1曲ずつ覚えるのではなく、 「よく使われる並び方」を覚えると、初めて見る曲でもいきなり弾けるようになります。 この並び方をコード進行と呼びます。

日本のポップスで繰り返し出てくる進行は、数えるほどしかありません。 下の4つを覚えるだけで、弾ける曲が桁違いに増えます。
| 進行の名前 | キーCでのコード | どんな曲に多いか |
|---|---|---|
| 50s進行 | C → Am → F → G | やさしく明るい定番。最初に覚えるならこれ |
| カノン進行 | C → G → Am → Em → F → C → F → G | 卒業ソング・バラードに非常に多い |
| 王道進行 | F → G → Em → Am | J-POPのサビで頻出。切なさが出る |
| 小室進行 | Am → F → G → C | 疾走感のある曲。アップテンポに多い |
覚えるのは4つの並びだけです。 使うコードはC・G・Am・Em・Fの5種類に収まります。この5つを押さえられるようになれば、あとは順番を入れ替えるだけで何十曲にも対応できます。
50s進行で弾ける定番曲
最初に手を付けるならこれです。 C → Am → F → G をひたすら繰り返すだけで曲になります。
- Stand by Me (Ben E. King)…C・Am・F・G。曲の最初から最後までこの4つだけです。世界中でギター入門の1曲目に使われています
- Let It Be (The Beatles)…C・G・Am・F。並びは違いますが同じ4つです
この2曲は 「4つのコードを順番に押さえるだけで1曲が終わる」 という体験ができます。最初にこれをやると、コードチェンジの意味が体で分かります。
Fを使わずに4コードの曲を弾く
まだFがつらい場合は、 キーをGに移すとFが消えます。
| キー | 50s進行のコード | Fの有無 |
|---|---|---|
| C | C → Am → F → G | Fあり |
| G | G → Em → C → D | Fなし |
G・Em・C・Dの4つは、どれも押さえやすいコードです。 Fが出てこないので、初心者が最初に「1曲通して弾けた」を体験するにはこの形がいちばん近道です。
キーを変えると鳴る高さが変わるので、原曲に合わせて歌いたいときはカポで調整します。カポの位置は移調ツールで確認できます。
J-POPで最初に弾く定番曲
3コード・4コードに慣れたらJ-POPに進みます。 ギター入門の1曲目として長く挙げられてきた曲を集めました。どれも「テンポがゆっくり」「同じ進行の繰り返しが多い」「カポで押さえやすくなる」のどれかに当てはまります。

| 曲 | アーティスト | 初心者向けとされる理由 |
|---|---|---|
| 小さな恋のうた | MONGOL800 | ギター入門の超定番。テンポが一定で、同じ進行の繰り返しが多い |
| マリーゴールド | あいみょん | カポを使うと押さえやすい形になる。近年の入門定番 |
| チェリー | スピッツ | ゆったりしたテンポでコードチェンジに余裕がある |
| secret base〜君がくれたもの〜 | ZONE | 卒業ソングの定番。サビの進行が繰り返し |
| 糸 | 中島みゆき | バラードでコードが変わるのが遅い。歌いながら弾きやすい |
| なごり雪 | イルカ | フォークの入門定番。音数が少なくゆっくり |
| 贈る言葉 | 海援隊 | 同上。弾き語りの練習に向く |
| 上を向いて歩こう | 坂本九 | 誰でも知っていて、テンポがゆっくり |
使うコードは、アレンジとカポの位置で変わります。 コード譜サイトで曲名を検索して、 出てくるコードの種類を数えてから始めてください。4〜5種類なら、この記事の練習の順番でそのまま進められます。7種類以上あるアレンジが出てきたら、別のアレンジを探すかカポで簡単になる版を選びます。
知らないコードが出てきたら、 ギターコード指板図ツールでコード名を選べば押さえる場所が指板図に出ます。押さえ方が何通りかあるコードは、弾きやすい位置を選べます。
いきなり原曲キーで弾こうとしない
好きな曲を原曲キーで開くと、B♭やC♯mのような押さえにくいコードが並ぶことがあります。 これは曲が難しいのではなく、キーが手に合っていないだけです。 カポを付けてキーを変えれば、同じ曲がC・G・Am・F・Emといった押さえやすいコードに置き換わります。
どのフレットにカポを付ければどのキーになるかは移調ツールで確認できます。
コード進行から曲を探す方法
弾きたい曲がこの進行かどうかは、コード譜サイトで調べられます。 曲名で検索して、出てくるコードの種類を数えてください。
- 4種類以下:そのまま挑戦できます
- 5〜6種類:知らないコードが1〜2個なら、そこだけ練習すれば届きます
- 7種類以上、またはバレーコードが3つ以上:いまは見送ります。3か月後にまた開いてください
コードの形が分からないときは、 ギターコード指板図ツールでコード名を選ぶと、押さえる場所が指板図に出ます。押さえ方が何通りかあるコードは、弾きやすい位置を選べます。
1曲を通して弾けるまでの順番
曲を決めたら、最初から通して弾かないでください。 止まる場所が決まっているので、そこだけ切り出して練習します。

- 使うコードを全部押さえてみる:曲を弾く前に、出てくるコードを1つずつ鳴らして確認します。ここで鳴らないコードがあれば、まずそれを直します
- コードチェンジだけを往復する:C→Am、Am→Fのように、2つ1組でひたすら往復します。曲は弾きません。ここがいちばん時間を使うところです
- リズムを付けずに並べる:拍を無視して、順番どおりに押さえ替えるだけをやります
- ゆっくり通す:原曲の半分の速さで、止まらずに最後まで行くことだけを目標にします
- だんだん速くする:メトロノームで少しずつ上げます
2番でつまずくのが普通です。 コードチェンジは「指を全部離して、全部置き直す」動作なので、慣れるまで時間がかかります。1日5分でも毎日やると、2週間で見違えます。
曲が難しすぎるときの見分け方

- バレーコードが3つ以上出てくる:F・Bm・B♭などが並んでいたら、まだ早い曲です
- コードチェンジが1拍ごとに来る:速い曲は指が追い付きません。1小節に1つ変わるくらいの曲を選びます
- 同じコードが2回しか出てこない:コードの種類が多く、覚える量が増えます
- セブンス・ナインスが多い:M7・m7・9などが並ぶ曲はジャズ寄りで、初心者向けではありません
よくある質問
アコギとエレキで弾ける曲は違いますか?
コードは同じです。ただしアコギは弦が硬くて押さえるのに力が要るため、Fの難易度が上がります。エレキのほうが最初は押さえやすいです。曲を選ぶ基準はどちらも同じで、コードの数で決めて構いません。
何曲ぐらい弾ければ一人前ですか?
曲数ではなく、コード進行をいくつ知っているかで考えてください。上の4つの進行を押さえられれば、初めて見る曲の半分くらいは形になります。曲を100曲覚えるより、進行を4つ覚えるほうが早いです。
カポを使うのはズルですか?
違います。プロも普通に使います。カポは押さえる形を変えずに曲の高さを変える道具で、難しいコードを簡単な形に置き換えるための正当な手段です。最初のうちは積極的に使ってください。
Fが押さえられないまま先に進んでいいですか?
構いません。キーをGに変えればFは出てきません。G・Em・C・Dの4つで弾ける曲をいくつかこなしてから戻ると、指の力が付いていてFが押さえやすくなっています。順番は逆でも問題ありません。
好きな曲を最初にやってはいけませんか?
やって構いませんが、コードの数を先に数えてください。7つ以上あるなら、その曲は「3か月後の目標」にして、いまは3〜4コードの曲で土台を作るほうが結果的に早く弾けるようになります。
1日どれくらい練習すればいいですか?
15分を毎日のほうが、2時間を週1回より効きます。コードチェンジは反復で身に付くので、間隔を空けないことが大事です。
まとめ
最初の1曲はC・F・G7の3コード、FがつらければキーをGにしてG・Em・C・D。そのあとは曲を1つずつ覚えるのではなく、 50s進行・カノン進行・王道進行・小室進行の4つを覚えてください。使うコードはC・G・Am・Em・Fの5種類に収まり、それだけで弾ける曲が一気に増えます。
コードの押さえ方が分からなくなったら、指板図で確認しながら進めてください。


