リコーダーは左手を上、右手を下に置き、ソプラノかアルトに合う運指表を選びます。
運指(うんし)とは、音を出すための指の使い方です。同じ「ド」でもソプラノとアルトでは指が異なり、ソプラノの「ファ」はジャーマン式とバロック式でも違います。先に自分の楽器を選び、次に必要な音の行を読むと、別の表を見て迷うことを防げます。

最初にソプラノ・アルトと運指の方式を選ぶ
手元の楽器がソプラノかアルトかを確認し、ソプラノの場合はジャーマン式かバロック式かも確かめます。学校で使う楽器でも方式は一律ではないため、付属の運指表や型番の説明を優先してください。
| 楽器 | 全部閉じた音 | この記事で使う表 | 間違えやすい点 |
|---|---|---|---|
| ソプラノ・ジャーマン式 | 低いド | ソプラノ表のジャーマン欄 | バロック式のファと違う |
| ソプラノ・バロック式 | 低いド | ソプラノ表のバロック欄 | ファで下の穴を再び閉じる |
| アルト・バロック式 | 低いファ | アルト表 | 全部閉じてもドではない |
バロック式はイギリス式、ジャーマン式はドイツ式とも呼ばれます。音の高さを作る穴の設計に対応した区分で、吹き方を変えるだけで一方を他方へ切り替えられるわけではありません。ジャーマン式の楽器にバロック式の表を当てはめると、特にファや半音の音で違いが現れます。
本体の表示だけで分からない場合は、付属表に「ソプラノ」「アルト」「バロック」「ジャーマン」のどれが書かれているかを見ます。外見で確かめる補助としては、前面の4番・5番の穴の大小を比べる方法があります。バロック式は4番が5番より小さく、ジャーマン式は5番が4番より小さいのが目印です。ただし本体の色や、下部に小さな穴が二つあることだけでは方式を決められません。
穴番号0〜7と、左右の指の対応
裏の穴が0番、表の穴は吹き口に近い方から1〜7番です。0〜3番を左手、4〜7番を右手で押さえ、右手の親指は楽器を支えます。

| 穴番号 | 位置 | 使う指 |
|---|---|---|
| 0 | 裏側の穴 | 左手の親指 |
| 1 | 表の一番上 | 左手の人差し指 |
| 2 | 表の上から2番目 | 左手の中指 |
| 3 | 表の上から3番目 | 左手の薬指 |
| 4 | 表の上から4番目 | 右手の人差し指 |
| 5 | 表の上から5番目 | 右手の中指 |
| 6 | 表の上から6番目 | 右手の薬指 |
| 7 | 表の一番下 | 右手の小指 |
6番と7番が小さな二つの穴に分かれている楽器でも、指を置く場所としてはそれぞれ6番・7番です。小さな穴を全部数えて「表に9個あるから9番まで」とはしません。二つの穴を一つの指で閉じる場所だと分かれば、メーカーの運指表と手元の楽器を対応させられます。この記事の自然音の表で「6を閉じる」「7を閉じる」と書く場合は、その二つを両方閉じます。
左手の小指は、この基本運指では番号付きの穴を担当しません。右手の親指にも表の番号はなく、裏側で支える役目です。「親指で裏を押さえる」という説明だけでは左右を混同するため、音を変える裏穴0番は左親指、下側を支えるのは右親指、と分けて覚えてください。
黒丸・白丸・少し開ける記号の読み方
黒丸は閉じる穴、白丸は開ける穴を示します。裏穴を少し開ける状態は、完全に開ける状態と別です。
本文の表では小さな図が見えにくい端末でも読めるように、「閉じる穴」の番号を並べています。例えば「0・1・2」は左親指、人差し指、中指で閉じる意味で、それ以外の穴は開けます。「0を少し開ける+1・2」は、左親指を完全に離すのではなく、裏穴へ小さなすき間を作り、1・2番は閉じるという意味です。
二つに分かれた穴の片側だけを開ける記号と、裏穴を少し開ける記号を混同しないことも大切です。前者は半音を作る運指などで使い、後者は高音を出す操作で使います。図の半分が白く描かれていても、指を必ず正確に半分ずらすという長さの指定とは限りません。記号の凡例と、どの穴にその記号があるかをセットで読みます。
ソプラノのドレミ運指表|低いドから高いド
ソプラノの基本のドレミは、低いドで0〜7番を全部閉じ、上の音へ進むにつれて下側の穴を開けます。ただしファと、高いドへの移り方は単純な順番にならないため、下表で区別します。
| 音 | ジャーマン式で閉じる穴 | バロック式で閉じる穴 |
|---|---|---|
| 低いド(C5) | 0・1・2・3・4・5・6・7 | 0・1・2・3・4・5・6・7 |
| レ(D5) | 0・1・2・3・4・5・6 | 0・1・2・3・4・5・6 |
| ミ(E5) | 0・1・2・3・4・5 | 0・1・2・3・4・5 |
| ファ(F5) | 0・1・2・3・4 | 0・1・2・3・4・6・7 |
| ソ(G5) | 0・1・2・3 | 0・1・2・3 |
| ラ(A5) | 0・1・2 | 0・1・2 |
| シ(B5) | 0・1 | 0・1 |
| 高いド(C6) | 0・2 | 0・2 |
この表のC・D・E・F・G・A・Bは、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シに対応する音名です。数字は音の高さの区別で、C5とC6ならC6が1オクターブ高いドになります。ここでは実際に鳴る高さを示しています。学校などのソプラノ用楽譜は実際の音より1オクターブ低く書かれることがあるため、五線の見た目の位置だけでピアノと同じ高さと決めないでください。
シ・ラ・ソを左手で確かめる
シ・ラ・ソは、左親指で裏穴を閉じたまま、左手の人差し指・中指・薬指の順に穴を閉じる対応です。右手は表の穴を閉じず、親指で下側を支えます。
シは0・1、ラは0・1・2、ソは0・1・2・3です。シからラへ移るときに新しく動くのは左中指、ラからソへ移るときは左薬指です。音が変わらない場合は、動かした指だけでなく、それまで閉じていた1番や裏の0番が一緒にずれていないかを見ます。上から順番に穴を増やす対応を、実際の指の動きへ結び付ける入口になります。
ソからシへ戻るときは、左中指と薬指を開けます。指を大きく跳ね上げることが目的ではなく、穴が開いていて次に戻れる位置を作ることが目的です。左手だけで音を変えるときにも右手を完全に離さないことで、楽器を支える役割と音を変える役割を分けて確かめられます。
低いミ・レ・ドは右手の穴を追加する
ミは右手の人差し指と中指まで、レは薬指まで、低いドは小指まで閉じます。低い音が出ないときは、押さえる穴が増える分だけ、どこにすき間が残っているかを確認します。
ミからレへ動くのは6番の右薬指、レからドへ動くのは7番の右小指です。右小指を伸ばした瞬間に薬指がずれると、7番を閉じても6番が開いてしまいます。この場合は「ドの運指を知らない」のではなく、二つの指を同時に閉じた状態にできていないことが原因です。6・7番の二つ穴は、それぞれ片側だけ空いていないかも見てください。
低いドを出そうとして息を強くすると、別の高い音にひっくり返ることがあります。まず指が閉じているかを確かめ、その後で息を弱めに整える順にします。指と息を同時に大きく変えると、どちらの変更で音が戻ったのか分からなくなります。具体的な切り分けは後の「音が出ないとき」の表にまとめています。
高いドは人差し指を開け、中指を閉じる
ソプラノの高いドは、裏の0番と表の2番を閉じます。シの0・1から、1番を開けると同時に2番を閉じるため、「指を1本ずつ減らす」の続きではありません。

シから高いドへ移るとき、左中指を閉じる前に人差し指だけを離すと、一瞬別の運指になります。逆に人差し指を残したまま中指を足すとラの形です。どちらの指が動くかを理解するには、息を吹かずにシの形とドの形を交互に作り、1番と2番が入れ替わるところを見る方法があります。これは曲の速さを競う練習ではなく、表と手を対応させる確認です。
アルトのドレミ運指表|ソプラノとの違い
アルトのドは0・1・2・3番、レは0・1・2番、ミは0・1番です。ソプラノのソ・ラ・シと同じ指の形でも、アルトでは鳴る音がド・レ・ミになります。
| 音 | アルト・バロック式で閉じる穴 | 裏穴0の状態 |
|---|---|---|
| ド(C5) | 0・1・2・3 | 閉じる |
| レ(D5) | 0・1・2 | 閉じる |
| ミ(E5) | 0・1 | 閉じる |
| ファ(F5) | 0・2 | 閉じる |
| ソ(G5) | 2 | 完全に開ける |
| ラ(A5) | 1・2・3・4・5 | 少し開ける |
| シ(B5) | 1・2・3・5 | 少し開ける |
| 高いド(C6) | 1・2・3 | 少し開ける |
ラ・シ・高いドの行では、閉じる穴の列に0番を入れず、右端の列で「少し開ける」と示しています。0番を完全に閉じる行と読み違えないためです。アルトのシでは4番の右人差し指を開け、5番の右中指を閉じます。ドレミの上昇に合わせて下の指を順番に離すだけでは、すべての音を作れません。
アルトの最低音はファで、さらに低いドは範囲外
標準的なアルトリコーダーの最低音はファ(F4)です。その下のド(C4)は、この楽器の通常の音域にはありません。
| ドより下にある音 | 閉じる穴 | 意味 |
|---|---|---|
| 低いファ(F4) | 0・1・2・3・4・5・6・7 | 全部閉じた最低音 |
| 低いソ(G4) | 0・1・2・3・4・5・6 | 7番を開ける |
| 低いラ(A4) | 0・1・2・3・4・5 | 6・7番を開ける |
| 低いシ♭(B♭4) | 0・1・2・3・4・6・7 | 5番を開け、6・7番を閉じる |
| 低いシ(B4) | 0・1・2・3・5・6 | 4・7番を開ける |
「アルトの低いド」と検索するときは、どの高さのドを指しているかを確認します。上のドレミ表の最初のド(C5)は吹けますが、最低音ファより下のド(C4)は吹けません。全部の穴を閉じたまま息を弱めてC4へ下げようとしても、標準の運指にはなりません。曲にその音が必要なら、アルト向けの編曲や他の音域の楽器が必要かを考える場面です。
同じアルトでも特殊な構造の楽器や補助キー付き製品には別の表が用意される場合があります。この記事は通常の8つの穴位置を使うバロック式の基本表です。穴をふさぐゴム栓やキーを用いる製品へ、一般の表をそのまま流用しないでください。指が届きにくい人のための製品を選ぶときも、専用の説明書が出発点になります。
同じ指で違う音になる対応を理解する
ソプラノとアルトを持ち替えるときは、指の形を忘れ直すのではなく、その形に対応する音名を区別します。全部閉じた形はソプラノでド、アルトでファです。

| 閉じる穴 | ソプラノの音 | アルトの音 |
|---|---|---|
| 0〜7すべて | 低いド(C5) | 低いファ(F4) |
| 0・1・2・3 | ソ(G5) | ド(C5) |
| 0・1・2 | ラ(A5) | レ(D5) |
| 0・1 | シ(B5) | ミ(E5) |
| 0・2 | 高いド(C6) | ファ(F5) |
| 2だけ | 高いレ(D6) | ソ(G5) |
例えば、ソプラノでシ・ラ・ソと動かした指を、そのままアルトで動かすとミ・レ・ドになります。運指の動きは共通でも、鳴っている音を同じ名前で呼ぶことはできません。合奏で両方が「ド」を吹く指示を受けたら、同じ指をするのではなく、それぞれのドの表へ戻ります。この対応表は、音名を読み替える理由を理解するためのもので、楽譜全体を自動で移調する表ではありません。
この記事のドレミは、Cをドと呼ぶ固定ドの音名で説明しています。曲の調に応じて基準を動かす「移動ド」の教材では、同じ指を別の階名で呼ぶ場合があります。先生から配られた階名付き教材とこの表の呼び方が食い違う場合は、教材のドがCを意味しているのか、曲の中心の音を意味しているのかを確認してください。運指そのものが間違いとは限りません。
高い音の指とサミング|裏穴の3つの状態
サミングは、左親指で裏穴に小さなすき間を作る操作です。左親指を完全に離すことでも、すべての高音で行う操作でもありません。

| ソプラノの音 | 前面で閉じる穴 | 裏穴0 |
|---|---|---|
| 高いド(C6) | 2 | 閉じる |
| 高いレ(D6) | 2 | 完全に開ける |
| 高いミ(E6) | 1・2・3・4・5 | 少し開ける |
| 高いファ(F6)ジャーマン式 | 1・2・3・4 | 少し開ける |
| 高いファ(F6)バロック式 | 1・2・3・4・6 | 少し開ける |
| 高いソ(G6) | 1・2・3 | 少し開ける |
| 高いラ(A6) | 1・2 | 少し開ける |
ソプラノのラ(A5)は0・1・2を閉じますが、1オクターブ上のラ(A6)は前面の1・2を閉じ、裏の0を少し開けます。指の見た目が似ていても、裏穴が完全に閉じているかどうかが違います。アルトで「高いラ」と呼ばれるA5は、前のアルト表にある1・2・3・4・5+裏穴を少し開ける形です。楽器名を省いて「高いラはこの指」と覚えないようにしましょう。
裏穴を半分と決めず、小さなすき間を作る
サミングで開ける量は「必ず穴の半分」と固定しません。この記事で参照したヤマハの表では、裏穴の一部を開ける図示が使われています。
左親指を少し立てるなどして、穴を覆う部分を残しながらすき間を作ります。指を大きく離して0番を完全に開けると、少し開ける指定とは違う状態になります。反対に、動かしたつもりでも穴が完全にふさがったままなら、低い方の音へ戻る原因になります。前面の指を増やしたから低い音、とだけ考えず、裏穴の状態も同時に表で読みます。
この操作に強い握力は必要ありません。親指を動かすときに楽器が揺れるなら、右親指の支えが外れていないかを確認します。裏穴を少し開けたまま前面の指も正しい状態にする必要があるため、支える指まで一緒に離すと穴の閉じ方が崩れます。親指の動きと支えの役割を切り分けることで、「高音だけ指が届かなくなる」ような混乱を整理できます。
高いレからミは、親指だけを変える移動ではない
ソプラノの高いレから高いミへ移るときは、裏穴を開放から少し開ける状態へ変え、前面にも指を追加します。高いレの形のまま強く吹くだけでは、表の高いミにはなりません。
高いレは前面の2番だけを閉じます。高いミでは2番を残し、1・3・4・5番を閉じ、左親指で裏穴を覆って小さなすき間を残します。このように複数の指が同時に動く境目では、単音では出せても続けて吹くと違う音になることがあります。音階全部をやり直す前に、レの形とミの形のどこが違うかを表で比べると、必要な動作だけを確かめられます。
アルトでは、ソ(G5)からラ(A5)へ移る場所が同じ関係です。前面2番だけから1〜5番を閉じる形へ変わり、裏穴にもすき間を作ります。ソプラノで覚えた動きをアルトへ応用する際も、「高いレからミ」という名前のまま覚えるのではなく、「2番だけから1〜5番とサミングへ」という指の変化と新しい音名を対応させます。
ファと♯・♭の指|順番に穴を開けない音
ファや半音を含む音では、下の穴を開けながら途中の穴を閉じる形が出てきます。音階の順番だけを頼りに指を推測せず、楽器の方式に対応する運指を選びます。
ソプラノのファはジャーマン式とバロック式で違う
低い方のファ(F5)は、ジャーマン式なら0・1・2・3・4、バロック式なら0・1・2・3・4・6・7を閉じます。バロック式では5番を開けたまま、6・7番を閉じる形です。
ミからファへ上がるときに、ジャーマン式では右中指の5番を開けます。バロック式では5番を開けるとともに、開いていた6・7番を閉じます。同じ「ミからファ」という動きでも、右薬指と小指の仕事が加わるため、別の方式を習った人の手をそのまままねると合いません。楽器の設計と指の表は一組です。
バロック式の指は、途中に開いている穴が挟まるため、枝分かれしたように見える運指です。穴を多く閉じれば必ず低い音になる、という単純な数え方だけでは説明できません。開いている穴の位置や組み合わせも音に関わるためです。ファだけが合わない場合は、息を何度も変える前に方式と5・6・7番の状態を比較すると、確認する範囲が絞れます。
♯・♭は音を変える記号で、指番号ではない
♯は半音上げる、♭は半音下げる記号です。例えばファ♯を吹くとき、「ファの指のどれかを半分開ける」と決めることはできません。
| ソプラノの音 | ジャーマン式で閉じる穴 | バロック式で閉じる穴 |
|---|---|---|
| ファ♯(F♯5) | 0・1・2・3・5・6・7 | 0・1・2・3・5・6 |
| シ♭(B♭5) | 0・1・3・4・6 | 0・1・3・4 |
ファ♯では4番を開け、下側の5・6番などを閉じます。ファの形からどの指を変えるかは方式によって異なります。また、シ♭では左中指の2番を開けたまま、左薬指の3番と右人差し指の4番を閉じ、ジャーマン式では6番も閉じます。左手を上から順に全部閉じなければ右手を使えない、という決まりはありません。
ド♯やレ♯など、下側の二つ穴の片側を開ける運指もあります。ただし、二つ穴のどちらを開けるか、単孔の楽器ではどう扱うかを文字だけで一律に指定すると混乱します。こうした音は、手元の楽器の付属表にある二つ穴の図で向きを確認してください。ここではよく混同されるファ♯とシ♭の基本例を示し、半音すべてや替え指を網羅した表とはしていません。
楽譜の音符の横だけでなく、曲の最初にある調号の♯・♭も音に影響します。ファの音符に毎回♯が付いていなくても、冒頭の調号でファ♯になっている場合があります。音符を読む段階の疑問には、楽譜の読み方と五線譜のドレミも参考になります。運指表は「何の音を出すか」が決まってから、その音の指を探すためのものです。
穴をふさぎやすい持ち方と足部管の位置
まずは指の腹のやわらかい部分で穴を覆うと、すき間を見つけやすくなります。ただし手の大きさや指の長さによって、ふさぎやすい位置は異なります。
爪に近い先端だけを立てて当てると、穴の端が開いたままになりやすくなります。反対に、すべての指を無理にまっすぐ伸ばすことも唯一の正解ではありません。穴の輪郭が指のどこへ当たるかを確かめ、痛くならずに閉じられる位置を選びます。ヤマハの演奏解説でも、手や指の形に合わせた押さえ方が説明されています。
鏡や横からの確認は、音を出す前に指が穴の中心へ来ているかを見る用途で使えます。表側だけを見て全部ふさがっていても、裏の左親指がずれている場合はあります。左手を正面から見続けて右手の形が崩れるなら、一度音を止め、左右を別々に置き直します。握りしめて音を止めるのでなく、穴だけを覆う位置を探すという違いです。
右親指で支え、小指へ足部管を合わせる
右親指は楽器の裏側を支え、右小指は一番下の7番を閉じます。小指を穴へ無理に伸ばす前に、楽器の一番下の部分である足部管を回して自分の指の届く向きにできます。
右親指の位置は、右中指の裏付近か少し上が一つの目安です。手の大きさによって安定する場所が違うため、「必ず何センチ」と固定しません。親指が上すぎると右手の他の指が穴へ届きにくくなることがあります。支持が安定した状態で4〜7番の位置を確かめ、その後に小指が自然に置ける方向へ足部管を調整します。
足部管は、前面のすべての穴が一直線になる向きへ無理にそろえる必要はありません。7番だけが少し横へ向いていても、小指が二つ穴を閉じやすければ調整の目的に合っています。つなぎ目が固い場合は力任せにねじらず、製品の組み立て方に従います。指掛けが付属する製品では、貼り付け後に位置を変えにくいものもあるため、右親指の位置が決まってから取り付けます。
音が出ない・ピーッとなるときの確認順
まず表の取り違えと穴の漏れを確かめ、次に息、最後に水滴などの楽器の状態を見ます。指の形が正しいことと、実際に穴が閉じていることは別に確認します。

| 起きていること | 先に見る場所 | 次の確認 |
|---|---|---|
| 低いドだけ出ない | ソプラノか、6・7番を両方閉じているか | 小指で薬指がずれていないか、息を弱める |
| 音がピーッと高くなる | 0番を含む閉じる穴のすき間 | 息が強すぎないか |
| ファだけ音が違う | ジャーマン式とバロック式の表 | 5・6・7番の開閉 |
| 高い音が低い方へ戻る | その音でサミングが必要か | 裏穴のすき間と息の量 |
| 続けて吹くと急に音が濁る | 吹き口の通路に水滴がないか | 取扱説明書の水滴の除去方法 |
| 全体に音程が合わない | 別の音の表を読んでいないか | 息と、合奏時の音高調整 |
単音で出るのに、音をつなぐと崩れる場合
単音で正しく鳴るなら、音を変える瞬間に指が別々に動いている可能性があります。曲全体を通す前に、崩れる直前と直後の二つの運指を比較します。
運指表から「開ける指」と「閉じる指」を二つの列に分けて書き出します。ソプラノのシ→高いドなら、開ける列は1、閉じる列は2です。どちらの列にもない0番は閉じたまま残します。二つの列を見比べると、動かす指だけでなく、動かしてはいけない指まで区別できます。
音をつなぐときには息を出し続けるか、舌で区切るかという違いもあります。タンギングは舌を使って音の始まりを作ることで、指番号を変える操作とは別です。説明書では声を出さずに「トゥー」「ドゥー」と発音する要領が示されています。運指を確かめる場面では、一音ずつ区切ることで、指ができる前に音が出ているのかも見分けやすくなります。
指を直しても濁るなら、水滴と楽器の状態を見る
それまで同じ運指で鳴っていたのに音が濁った場合は、吹き口の細い通路に水滴がたまっていることがあります。運指を変更して直そうとせず、製品の手入れ方法に従います。
吹き口には、息を通すウインドウェイと、音を作る縁の部分があります。細い通路へ掃除棒を突き込んだり、音を作る縁を硬い物でこすったりしないでください。管の中を拭く掃除棒と、吹き口の水滴を取り除く方法は別です。樹脂製と木製では手入れの条件も異なるので、学校の樹脂製楽器の扱いを木製へそのまま広げないことが必要です。
ヤマハの樹脂製リコーダーの説明書は、演奏後にガーゼなどで水分を取り、熱湯で煮沸しないよう案内しています。熱による変形が起きれば、同じ指の表を見ていても正常な音が出なくなることがあります。割れや変形、接合部の異常が見える場合は、息や握力で補うのでなく、先生や楽器店へ現物を見せる段階です。
表を見て指を動かす具体例
練習する音の並びを決めたら、音名だけでなく「次にどの指を動かすか」まで対応させます。以下は曲の楽譜ではなく、指の変化を確かめるための短い例です。
| 対象 | 音の並び | 確かめる動き |
|---|---|---|
| ソプラノ | シ→ラ→ソ→ラ→シ | 左中指・薬指の追加と解除 |
| ソプラノ | ミ→レ→ド→レ→ミ | 右薬指・小指と二つ穴の閉じ方 |
| ソプラノ | シ→高いド→シ | 左人差し指と中指の入れ替え |
| アルト | ミ→レ→ド→レ→ミ | 左中指・薬指の追加と解除 |
| アルト | ファ→ソ→ファ | 前面2番を保ち、裏穴の閉開だけを変える |
例えばアルトのファ→ソ→ファでは、左中指の2番を閉じたまま、左親指だけを閉じる→開ける→閉じると変えます。ここでは裏穴を少し開ける操作は使いません。ソプラノのシ→高いドとは、同じ左手中心の移動でも動く指が違います。音名が隣り合っているという理由だけで、同じ指の動きになるわけではないことが分かります。
往復の例は、出発した音の形へ戻れるかを見るために使います。アルトのファ→ソ→ファで最後のファだけが変わるなら、途中で前面2番まで動かしていないかを見ます。一方向の音階では見落とす、残す指のずれを見つける用途です。
印刷用の運指表と、これから楽器を用意する場合
手元で見ながら吹くなら、楽器に付属する運指表を最優先にし、なくした場合はメーカーの同じ種類の表を使います。新しく買う場合も、値段より先にソプラノ・アルトと方式をそろえます。
ヤマハの印刷用PDFは、ソプラノ・バロック式、ソプラノ・ジャーマン式、アルト・バロック式に分かれています。PDFは紙面の形を保って表示するファイル形式です。必要な種類を開いて表の題名を確かめ、表示アプリの印刷を選びます。縮めすぎると裏穴のすき間や二つ穴の記号が読めなくなるため、印刷後にも小さい丸を確認します。
付属表に「替指」があれば、同じ音を別の指で出す方法を指しています。この記事は基本運指を中心に示しているので、付属表に別の形が載っていることだけでどちらかが誤りとは限りません。機種・音域・前後の音などの条件に合った表を優先し、最初から複数の替え指を混ぜずに、まず一つの基本形で音名との対応を作ると読みやすくなります。
自宅用のソプラノ・バロック式を新しく用意する例として、ヤマハYRS-302BIIIがあります。ABS樹脂製のソプラノで、この記事ではバロック式の列を使う製品です。ジャーマン式を指定された授業のために、名前や見た目が似ているという理由だけで選ぶ製品ではありません。
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すでに学校指定の楽器を持っているなら、この記事の表を使うための買い替えは必要ありません。指が届きにくい場合も、まず足部管と支持の位置を確かめます。それでも通常の穴の配置では演奏しにくいときには、補助キーや専用運指を持つ製品について、先生や楽器店と相談する選択肢があります。ソプラノを買っても、アルト指定の合奏パートの代わりになるとは限りません。
リコーダーの指でよくある質問
よく探される音と手の置き方を短くまとめます。「高い」「低い」は楽器によって指す高さが変わるため、楽器名と音の行を合わせて読みます。
リコーダーのドレミファソラシドの吹き方は?
ソプラノとアルトで指が異なります。ソプラノは低いドで全部閉じ、アルトのドは0・1・2・3番を閉じて、それぞれの表をたどります。
リコーダーの手の持ち方は?
左手を上、右手を下に置きます。裏穴0番は左親指、表1〜3番は左手、4〜7番は右手で押さえ、右親指で楽器を支えます。
リコーダーの高いラの指は?
ソプラノの高いラは前面1・2番、アルトのラは1〜5番を閉じ、どちらも裏穴を少し開けます。本文ではA6とA5を区別しています。
リコーダーのミの指はどれですか?
ソプラノの低いミは0〜5番、アルトのミは0・1番を閉じます。ソプラノの高いミは前面1〜5番と、裏穴を少し開ける形です。
出典・参考資料
- ヤマハ:3種類の運指表とPDF
- ソプラノ・バロック式の基本運指
- ソプラノ・ジャーマン式の基本運指
- アルト・バロック式の基本運指
- ヤマハ:支え方・指・息の解説
- ヤマハ:バロック式とジャーマン式
- ヤマハ:取り扱い・サミング・手入れの説明書
- リコーダーJP:アルト運指表の記号と読み方
- ヤマハ:ソプラノリコーダーの型番別仕様
情報確認日:2026年9月25日。表は標準的なソプラノ2方式とアルト・バロック式の基本運指です。特殊な構造の製品は専用表を使用してください。

