Rickenbackerは300系、600系、4003系などに分かれます。6弦・12弦や出力の違いから候補を選びます。
似た外観でも、12弦の音の重なり、弦が振動する長さ、ネック幅、二つの出力の役割は異なります。本記事では本国公式の現行製造一覧を軸に、国内の掲載仕様と旧モデルも区別します。商品案内は販売を確認できた330・360・4003・620・325C64の5機種に対応させています。

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Rickenbackerの現行モデルを系列から見渡す
最初はギターかベースか、次に6弦か12弦かを分けると選びやすくなります。番号の大きさは、そのまま性能の順位や新しさを表すものではありません。
| 系列・役割 | 本国の現行製造一覧にあるモデル | 違いを読む入口 |
|---|---|---|
| 300系の基本ギター | 330・360 | セミアコ構造、外装、MonoとStereoの出力差 |
| 300系の12弦 | 330/12・360/12 | 6組12本の弦、標準型同士の装飾・出力差 |
| 300系のウォルナット仕様 | 330W・330/12W・360W・360/12W | 木材・指板・オイル仕上げ |
| 小さめのソリッドギター | 620・660・660/12 | 本体幅、ネック設計、ピックアップ、出力 |
| 歴史的意匠を持つギター | 325C64・350V63 Liverpool・360/12C63・1993PLUS | 短いスケール、復刻時代、12弦、幅広ネック |
| ソリッドベース | 4003・4003S・4003W・4003SW | 外装、MonoとStereo、ウォルナット仕様 |
| セミアコベース | 4005V | 中空部分のあるボディと復刻設計 |
この表の20モデルは、本国公式が「現在工場で製造しているモデル」として分けている一覧です。日本の店舗に全機種が常時あるという意味ではありません。国内公式のカテゴリーには過去の限定品も掲載されるため、掲載ページが存在すること、現在製造していること、今注文できることを分けて見ます。
セミアコは、ボディに空洞部分を持つエレキギターの呼び方です。ソリッドは、基本となる胴を中実の構造として作る分類です。ただし、他社のセミアコにある中央の木のブロックなどを、Rickenbackerのすべての300系へ同じように当てはめることはできません。ここではメーカーのSemi-AcousticとSolidの区分を基準にしています。
ピックアップは弦の振動を電気信号へ変える部品で、Hi-gain、Vintage Single Coil Toaster Topなどの種類があります。名前に「Vintage」があっても中古品という意味ではなく、過去の意匠や設計を取り入れた現行製品の場合があります。新品か中古かは販売する個体の状態、復刻か標準かはモデルの設計として別に考えます。
330・360・4003など販売確認5機種を同じ軸で比較
6弦ギターの330・360・620はスケールが同じで、325C64は短い設計です。4003は4弦ベースなので、ギターの上位機種として同じ用途で並べないことが出発点になります。
| モデル | 弦数・役割 | スケール | ナット幅 | 音を拾う構成 | 出力 | 本体幅 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 330 | 6弦ギター | 629mm | 41.4mm | Hi-gain×2 | Mono | 381mm |
| 360 | 6弦ギター | 629mm | 41.4mm | Hi-gain×2 | Mono+Stereo | 381mm |
| 4003 | 4弦ベース | 845mm | 42.9mm | Hi-gain×2 | Mono+Stereo | 343mm |
| 620 | 6弦ギター | 629mm | 41.4mm | Hi-gain×2 | Mono+Stereo | 337mm |
| 325C64 | 6弦ギター | 533.4mm | 41.4mm | Vintage Single Coil Toaster Top×3 | Mono | 324mm |
スケールは、ナットからブリッジまでの設計上の振動弦長です。ナットはネックの上端で弦を支える部品、ブリッジはボディ側の支点です。本体の全長とは違い、同じ629mmの330と620でも胴の幅や外形は異なります。ナット幅は弦が並ぶ部分の幅で、ネック全体の厚さや各弦の間隔をすべて表す値ではありません。
表の数値は本国の各モデルの仕様表をmmへそろえています。店頭の実物には製造時期による変更があるため、表は型番の設計を比べる資料、販売写真やシリアルはその一本を特定する資料として使います。国内公式も一部の写真が旧仕様であることを案内しており、写真のフレット数だけを現在の全製品へ広げないことが大切です。
330|基本のセミアコと一つの出力で選ぶ
330は、メイプルのセミアコボディ、ドットの位置マーク、Hi-gain二基とMono一口を基本にするモデルです。R型のテールピースは、ボディの後方で弦の端を固定する部品です。スケール629mm、ナット幅41.4mm、本体幅381mmは360と共通しますが、ピックアップ別の出力には対応しません。
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360|縁取り・丸みとRick-O-Soundを選ぶ
360は、ボディの丸い輪郭と縁取り、三角形の位置マークを選ぶモデルで、Hi-gain二基とMono+Stereo出力を備えます。縁取りはバインディングと呼ぶ帯状の装飾です。スケール629mm、ナット幅41.4mmは330と同じで、短い弦長を目的にする人には方向が異なります。
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4003|4弦ベースの標準系と二系統出力
4003は20フレットの4弦ベースで、ソリッドのメイプルボディ、スルーネック、Hi-gain二基を備えます。スルーネックはネックの中心部分が胴まで続く構造です。スケール845mm、ナット幅42.9mm、本体幅343mmで、ギターの360より胴が狭くても短い弦長の楽器ではありません。
MonoとStereoの出力を持ち、ネック側とブリッジ側の音を別に扱う構成が使えます。通常のアンプ一台でもStandardから接続できます。ベースの低い成分と輪郭を別経路で調整したい人には、4003の出力設計が選択理由になりますが、単に二つの端子を同時に差せばよい構造ではありません。
販売ページの自動的な仕様欄には、弦数や材質が別のギターの情報と混ざる場合があります。本記事の4003は、商品名と実物写真を公式の4弦ベースへ照合したもので、販売欄にある「6弦」などの不一致は仕様比較へ採用していません。購入時にも、写真・型番・販売者の説明が同じ一本を指すかをそろえます。
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620|胴の幅を抑えたソリッドギター
620は、波のような角を持つCresting Waveという小さめのソリッドボディを、通常の弦長で選ぶモデルです。スルーネック構造で、三角形の位置マークと縁取り、Hi-gain二基、MonoとStereo出力を備えます。本体幅337mmは330・360の381mmより44mm小さく、スケール629mmとナット幅41.4mmは共通します。
座って構えたときの胴の収まりを変えたい一方、330と近い弦長を保ちたい人には、この組み合わせが利点になります。ただし、幅が44mm小さいことを、重さや身体への負担が必ず同じ割合で減る根拠にはできません。重量は個体の実測と比較し、ストラップで立って構えたバランスも別に判断します。
空洞部分のある300系を探す人には、620のソリッド構造は方向が違います。短い弦で選ぶなら325C64、幅広のネックや復刻系ピックアップで選ぶなら660系が比較先です。現在の本国製造一覧には620があり、620/12は旧モデルの一覧に分かれています。
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660|620と同じ弦長で復刻系の構成を選ぶ
660は、620と同じ629mmの弦長と337mmの胴幅で、復刻系の意匠や幅広のネックを選ぶ6弦です。二基のVintage Single Coil Toaster Top、台形テールピース、6サドル、21フレットを備えます。Mono出力のため、620のように二つのピックアップを分ける出力を必要とする人には向きません。
660のナット幅も、660/12と同じく公式のmm値とインチ値が一致していません。正確な幅の数値を決定条件にする人には、対象個体の実測が残る項目です。音の分岐を使うなら620、復刻系の部品とMonoで選ぶなら660という比較は、幅の矛盾する値を使わずにできます。
325C64|短いスケールと1964年型の意匠
325C64は、Vintage Single Coil Toaster Top三基とAccent Vibratoを備え、短い弦長と復刻の意匠を選ぶモデルです。ビブラートは、レバーを動かして音程へ変化を付ける機構です。スケール533.4mmは330より95.6mm短く、ナット幅の公称41.4mmは同じなので、短いことと弦が横に並ぶ幅が狭いことは別です。
短い弦長ではフレット間の距離も変わります。例えば設計上、12フレットは振動弦長の半分の位置なので、629mmなら314.5mm、533.4mmなら266.7mmが一つの位置関係になります。これは押さえやすさの評価ではなく、手を動かす距離が変わる理由を示す比較です。
ジョン・レノンが用いた1964年の325を意識した設計を選びたい人には、C64という型番まで含める意味があります。反対に、似た外観でも標準300系に近いスケールで選びたい人には、629mmの350V63 Liverpoolが比較先です。325という名前だけで、過去のC58や別の年式まで同じ構成にはしません。
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330と360の違いは弦数より外装と出力
330と360のどちらも、6弦版と末尾に/12が付く12弦版があります。「330は6弦、360は12弦」という分け方にはなりません。同じ6弦同士、または同じ12弦同士で外装と出力を比べると、何に差額を払うのかを整理できます。
バンドでコードと単音をアンプ一台へ送る人は両方を残せます。ドットの外装なら330、三角形の位置マークと丸い輪郭なら360へ絞り、二系統へ音を分ける予定がある場合は360の出力を決め手にできます。
一方、330の音を360より必ず荒い、360を必ず繊細と決める比較には、同条件の試奏や測定が必要です。同じHi-gainという分類でも、個体の調整や製造時期、弦、アンプで聞こえ方は変わります。ここでは外装と配線の差を確定できる判断材料とし、未試奏の音色順位は置いていません。
6弦と12弦は音域より「6組の重なり」が違う
標準的な12弦の調弦では、細い側のEとBの組は同じ音、残るG・D・A・Eの組はオクターブ違いです。オクターブは、同じ音名で音の周波数が2倍または半分になる高さの関係です。

6弦と同じ基準の六本を調弦した後、同じ音で重なる高い二組を合わせ、続いてオクターブの四組を合わせる流れがメーカー説明書に示されています。各組の二本が少しずれると、うなりや響きの揺れが生じるため、基準の六本だけを合わせて調弦を終えないことが構造上の違いになります。
コードの押さえ方の基本は六つの位置として読めますが、一つの指で二本を押さえる場面が増えます。そのため、6弦のナット幅が同じだから12弦も同じ感触、とまではいえません。弦が二本ずつ並ぶ密度や、指先が隣の組へ触れないかが、12弦を選ぶときの別の判断材料になります。
Rickenbackerの公式FAQがいう「通常の弦が先」は、低い6弦側から高い1弦側へ弾くと、各組の基準となる通常弦へ先に触れ、オクターブ側へ続く並びです。一般的な他社12弦の配列をそのまま写さず、張り替える前の各組の並びを残します。図はE2とE3などの音高の関係を示すもので、実物の左右の配置図ではありません。音名後ろの数字は高さの区分で、ここでは中央のドをC4とする表記です。
330/12・360/12・660/12・1993PLUSの選び分け
標準300系の外形なら330/12と360/12、ソリッドの小さめの胴なら660/12、幅広ネックと三基の復刻系ピックアップなら1993PLUSが比較先です。12弦であること以外にも、ネックと出力の違いがあります。
330/12と360/12の本国公称ナット幅はどちらも41.4mm、スケールは629mmです。主な差は6弦版と同じく、ドットと三角形の位置マーク、装飾、MonoとMono+Stereoです。330/12を選べばネック幅が広くなる、360/12なら12本それぞれに音程調整のサドルがある、という違いではありません。
標準330/12・360/12は六つのサドルを持つブリッジで、660/12は12サドルの仕様です。サドルはブリッジ上で弦を支え、音程補正の位置を決める部品です。12サドルなら各弦を別々に補正できる構成ですが、それだけで調整不要になるわけではなく、使う弦とネックの状態を含めて合わせます。
1993PLUSは、44.45mmのナット幅、三基のVintage Single Coil Toaster Top、MonoとStereoの出力、F字形のサウンドホールを持ちます。標準330/12・360/12の41.4mmに対して3.05mm広い数値です。密集した弦の間隔が気になる人にとって、装飾の豪華さよりこの設計差が比較の入口になります。
660/12も幅広のネックを特徴とする候補ですが、本国ページにはナット幅のmm値と併記インチ値に不一致があります。本記事ではその値で優劣を計算せず、629mmのスケール、337mmの本体幅、12サドル、Mono出力という確認できる構成を比較へ採用しています。幅を購入の決定条件にする場合は、注文する個体の実測を販売店へ求める範囲が残ります。
4003と4003S、W、4005Vの違い
4003Sは、ドットの位置マークと簡素な縁まわり、Mono出力を持つベースです。標準4003の三角形の位置マークとRick-O-Soundを必要としない人の比較先になります。
現行の本国公称値では、4003とSは20フレット、845mmのスケール、42.9mmのナット幅、Hi-gain二基が共通します。Sの文字だけを見てショートスケールの意味に読み替えないことが重要です。小さい身体向けに短い弦長を探す目的なら、Sへ替えるだけでは条件が変わりません。
4003Sは丸みのある縁の形も特徴です。立って構える際の身体との接触を選びたい人は、装飾の少なさとは別に、縁が腕へどう当たるかを試せます。ただし、Sは必ず軽いという共通の公称差は今回の仕様表からは示せません。個体重量が目的なら、店舗の現物測定で同条件の二本を比較します。
国内公式は4003Sのブリッジを2020年から新型へ変更したと記しています。ネック内部の調整機構も後に変更されており、その移行と過渡期の扱いは製造時期の節でまとめます。
4003W・4003SWは木材と仕上げが違う
Wは、ウォルナットのボディとメイプル指板を使う仕様を見分ける入口です。4003WはMonoとStereo、4003SWはMonoという出力の差も残ります。
標準4003・4003Sのメイプルボディとローズウッド指板に対し、W系は見える木材の組み合わせが変わります。オイル仕上げの自然な木目を選びたい人は、同じ色名の塗装品とは別の仕様として比べられます。単に茶色だからWと決めず、型番とボディ材、指板材をセットにして読む方法です。
木材が違うことだけを根拠に、全個体の低音が必ず多い、重さが必ず何g減るといった数値は付けられません。Wを選ぶ理由を外観、材の組み合わせ、仕上げの手入れへ置き、音の好みは実物で比べる対象にします。オイル仕上げの維持方法は、後の共通の手入れの節へまとめています。
4005Vはセミアコベースとして独立して選ぶ
4005Vは、1965年に登場した4005の意匠を基にするセミアコベースです。ソリッドの4003と構造を変えたい人の候補で、同じ番号帯の上位装飾版としては選びません。
X字の補強を持つ胴、二基のVintage Single Coil Toaster Top、縁取りと三角形の装飾、MonoとStereoの出力を備えます。スケールは845mmで、ギターの360と似た外形があっても短いギター用の弦を使う楽器ではありません。4003とはネックの接合やボディの内部構造も異なります。
旧4005、限定の4005XC、現行一覧に載る4005Vは、型番を区別して探します。販売検索へ4005とだけ入れて見つかった一本が、現行4005Vと同一の仕様とは限りません。本記事では現行製造の系列として4005Vを説明し、未照合の旧型や限定品の商品案内で代用していません。
W・C・Vと旧モデルを混同しない読み方
型番の後ろに付く文字は、木材仕様や復刻の設計を区別する手がかりです。ただし文字を一つずつ機械的に足せば、すべての実在モデルを説明できる規則ではありません。
300系のWは材だけで全仕様を推測しない
330W・360W・その12弦版は、ウォルナットの胴、メイプル指板、オイル仕上げを用います。メイプル指板は木の色が明るく、標準のローズウッド指板と外観を見分ける要素になり、木材の組み合わせを変える選択として考えると、FiregloやJetgloなどの色名を選ぶ話と区別できます。Wの楽器を選ぶ人は、光沢のある塗装と同じ手入れを無条件に行わないことも、購入後の扱いに関わります。
一方、本国の330/12Wのページには、名称に対して説明文や位置マーク、出力の欄が360系と重なる記載があります。標準330/12からの仕様を推測して埋めず、330/12Wの当該項目は購入する個体のフレット数、装飾、出力端子を販売写真と資料で照合する必要があります。これは全モデルが不明という話ではなく、そのページの不一致が関係する項目に限った留保です。
360/12C63と350V63は数字だけで弦数を決めない
360/12C63は1963年型の12弦を再現するモデル、350V63 Liverpoolは629mmのスケールを持つ6弦です。どちらも63を含みますが、弦数や出力は同じではありません。
360/12C63は、縁取りのある旧形状のボディ、台形のテールピース、二基のVintage Single Coil Toaster Topを備えます。標準360/12のHi-gain、R型テールピースとは構成が違います。本国の出力表記Parallel Monoは、同じモノラル信号を二つの端子から取り出す構成です。二つのピックアップを分けるRick-O-Soundとは異なるため、端子の数だけで同じ出力方式へ読み替えません。
350V63 Liverpoolは325系の意匠を基にしながら、標準300系に近い629mmのスケールへ広げた設計です。三基の復刻系ピックアップと台形テールピース、Mono出力を持ちます。325C64の短い弦長が目的に合わず、見た目の系統は残したい人にとって、両者を比べる意味があります。
復刻型の価値は、現行標準へ機能が追加されることだけではありません。古い設計を再現するために、出力や部品構成が標準と異なる場合があります。「高い方ならステレオも付く」といった選び方を避け、再現する時代と使う機能を隣り合わせで読みます。
4001・620/12・370などは旧モデルの一覧も見る
本国公式は、現在製造中のモデルとLegacy Modelsを分けています。4001系の復刻、620/12、370・370/12、340系などは、現行の20モデルへ混ぜず旧モデル側で探します。
旧モデルのページが残っていることは、新品の製造が続いている証拠ではありません。一方、現行製造一覧にないから日本の店舗へ在庫が存在しない、ともいえません。過去に製造した未使用品、国内在庫、中古品が流通するため、製造の区分と販売する個体の状態を分けて選びます。
4001と4003は外観の似た個体もありますが、公式FAQはネックの調整機構や配線の変遷を説明しています。さらに現行4003自体も途中で内部構造が変わっています。「4001は旧式、4003は常に同じ新型」という二分だけでは中古選びを終えられません。型番、年式、交換部品、調整履歴を一つの個体へ対応させます。
StandardとRick-O-Soundの接続を分ける
通常のモノラルケーブルを使うときは、Standardへ差すことで一般的なエレキギターやベースと同じように接続できます。360や4003に二つ端子があっても、毎回二本を用意する必要はありません。

Rick-O-Sound側へ通常のモノラルケーブルを差し、片方のピックアップしか鳴らない場合、それだけで故障とはいえません。公式FAQはこの症状について、モノラル接続ならStandardへ差すよう案内しています。中古の試奏でも、まず正しい端子から全体の動作を調べると、配線の不具合と接続の取り違えを分けられます。
Rick-O-Sound搭載機では、StandardとRick-O-Soundを同時に使う構成にしません。メーカー説明書は端子の接点による切り替えがあるため、一度に使う端子を一方にするよう説明しています。これは二つのMono出力を持つ復刻型などへ一律に広げる説明ではありません。
二つの信号を別のアンプへ送る場合
Rick-O-Soundを使う場合は、ステレオのプラグから二つのモノラルへ分かれるシールド済みのYケーブルなどを使います。分かれた二系統を、それぞれ別のアンプや独立した入力へ接続します。
例えばネック側は丸みのある設定、ブリッジ側は歪ませる設定として、各経路へ異なる処理を掛ける構成を考えられます。これは使用例であり、必ず二台のアンプを買うべきという意味ではありません。二系統を別々に受ける入力と、各経路の音量を調整できる構成があるかを先にそろえます。
ここでいうステレオは二つのピックアップを分ける出力で、Bluetoothの無線送信でも、左右へ広げるコーラスエフェクトそのものでもありません。二系統の加工や配置は、取り出した後のアンプや録音機器で決まります。音を分けたい理由がなければ、Standardの一本接続で十分に使えます。
5番目の小さなつまみとピックアップの読み方
一般的な二ピックアップの構成では、ネック側とブリッジ側にそれぞれ音量とトーンの調整があり、セレクターで使う組み合わせを切り替えます。トーンは主に高い音の出方を調整する回路です。5番目の小さなつまみがあるモデルでは、その状態から二つのピックアップの相対的な大きさを追い込めます。
メーカー説明書の例では、先にブリッジ側でリード用の音量を決め、ネック側へ切り替えて、小さなつまみで釣り合う音量へ整えます。複数のつまみを一度に動かすより、セレクターで今どちらを使っているかを決めてから調整すると、音量が変わった理由を追いやすくなります。
三ピックアップのモデルも、三つが完全に独立して自由に選べるとは限りません。共通説明書ではネック側と中央が一組になる配線を説明しており、ブリッジ側、全体、ネック側と中央という切り替えになります。復刻モデルには操作方向や配置が異なる例もあるため、別モデルのつまみ配置を写真だけで同じ回路と判断しません。
4003のVintage Tone Selectorは、ブリッジ側の信号の低音成分を変える回路を切り替える仕組みです。対応個体ではトーンつまみを引き上げる操作を使います。これはギターの5番目の調整つまみと同じ機能ではなく、装飾が似たつまみでも役割を分けて読む必要があります。
中古・新品で製造時期と個体を照合する
公式FAQはシリアル番号から製造時期を調べる方法を案内していますが、番号だけから元の色やモデルをすべて確定できる資料ではないとしています。
多くの個体では出力端子のプレートに番号があり、上下や両端に分かれた文字・数字を合わせて読みます。片側の数桁だけでは情報が不足することがあります。公式のSerial Number Decoderへ番号全体を入れて時期を調べ、その結果をフレット数や部品の写真と組み合わせます。
例えば2022年前後の4003系なら、二本から一本へ移行したトラスロッド、つまりネックの反りを調整する内部の棒と、現物の説明が一致するかが選択材料です。国内公式は4003Sを2022年途中から一本のダブルアクション方式へ変更し、段階的な移行による過渡期の個体もあると明記しています。年だけで内部を断定せず、販売店の確認した構造や調整履歴を重ねます。
本国の手入れ説明書も、2022年からベース、2024年からCシリーズを除くギターへ一本のダブルアクション方式を採用した旨を追記しています。同じ冊子の前半には二本方式の説明も残るため、「公式説明書に二本とある」という一文だけで現在の全製品を二本と扱わないことが大切です。
写真・交換部品・販売条件を一つの個体へそろえる
中古を選ぶときは、見た目の傷だけでなく、ネック、フレット、電装、交換部品、ケースの有無を同じ個体へ対応させます。復刻の再現度を重視する人と、普段の演奏を重視する人では、許容する交換内容も変わります。
確認する写真は、全体、ヘッドの表裏、指板、ブリッジ、出力端子、シリアルです。12弦では、十二個のペグと弦の並び、サドルの構成が分かる写真も役立ちます。ペグは弦を巻いて調弦する部品です。六つのサドルを持つ標準機を、販売文の「調整済み」だけで12サドルの機種へ読み替えることはできません。
部品交換がある場合は、何を替え、元の部品が残るかを聞くと、演奏上の利便性とオリジナルの構成を分けて考えられます。ピックアップのカバーに見える部分も、古い一部のベースでは磁石の構成要素です。外観をすっきりさせたいだけで外す前提にせず、型番と部品の役割を特定します。
新品でも本国からの流通や国内在庫の時期が異なるため、メーカー公称の画像と販売する一本の写真が同じとは限りません。付属ケース、調整、返品条件、国内のサポート窓口をそろえ、価格付きの商品案内から進んだ後も販売する個体の説明を読みます。本体に似たミニチュアや交換用部品を、安い同型機として比較しないことも必要です。
弦の交換と仕上げの手入れで違うところ
メーカー説明書の標準弦の案内は、通常の6弦が10・13・17・26・36・46、短いスケールが12・16・20W・32・42・54です。数字は弦の太さを1000分の1インチ単位で表し、20WのWは外側へ細い線を巻いた巻弦を指します。325C64のような短い設計で通常6弦用の細いセットへ替えることは、単に同じ本数の弦を買い直す以上の変更になります。
12弦は、基準の六本に重ねる六本まで含む専用セットとして選びます。4弦ベースの標準案内は45・55・75・105で、他社の45–105セットと両端が同じでも、中の二本が同じとは限りません。メーカー横断で交換弦を選ぶときは、ベース弦の太さと対応長さの比較で、各弦の数値と固定点からの長さを合わせて考えられます。
説明書は、一本ずつ古い弦を外して新しい弦を張る方法を案内しています。太さや張力を大きく替える場合は、ネックの反り、弦高、音程補正も関係します。特に過去と現在で調整機構が異なる個体へ、別世代の工具や回す方向の説明をそのまま当てはめないことが重要です。本記事では購入比較のために構造を示し、内部調整の作業手順を一律には指定していません。
演奏後の汚れは適切な柔らかい布で拭き、塗装へ接触するスタンドの保護材や薬剤にも気を配ります。W系のオイル仕上げは、光沢塗装の磨き方と分けて扱います。現行の手入れ説明書は、オイル仕上げの処理に適切なパッドを挙げ、金属の細かな繊維がピックアップへ付く理由などからスチールウールを勧めていません。古いFAQの方法だけを拾わず、現在の個体と説明書に合う方法へそろえます。
Rickenbackerの種類でよくある疑問
型番の数字や記号を一つの規則だけで覚えるより、弦数・スケール・出力という独立した項目へ分けると、取り違えを減らせます。
330と360はどちらも12弦ですか?
標準の330・360は6弦です。12弦は330/12・360/12のように/12を含むモデルで、同じ300系でも弦数を分けて選びます。
4003SのSはショートスケールですか?
本記事で比較した4003Sは、標準4003と同じ公称845mmです。Sを短い弦長の意味にはせず、外装とMono出力の違いで選びます。
二つのジャックがあればRick-O-Soundですか?
端子が二つある復刻型にはParallel Monoなど別の構成もあります。標準360の仕様を他機種へ広げず、型番ごとの出力方式を見ます。
Rickenbackerはどこの国のメーカーですか?
米国のメーカーで、本国公式はカリフォルニア州サンタアナでの製造を案内しています。本記事はその現行製造一覧と国内仕様を照合しています。
出典・参考資料
- Rickenbacker本国公式:現在製造しているモデル一覧
- 330の構造・寸法・出力
- 360の外装・寸法・出力
- 330/12の弦数・ネック・ブリッジ
- 360/12の弦数・ネック・出力
- 4003の構造・寸法・出力
- 4003Sの外装・出力
- 620のソリッド構造・寸法
- 660の復刻系部品とネック幅表記
- 660/12のネック表記と12サドル
- 1993PLUSの幅広ネックと12弦構成
- 325C64の短いスケールと復刻設計
- 350V63 Liverpoolの標準スケール
- 360/12C63の復刻仕様とParallel Mono
- 4005Vのセミアコ構造
- 330Wの木材・指板・仕上げ
- 330/12Wの仕様表記
- 4003Wの木材・出力
- 4003SWの木材・出力
- 本国公式:旧モデル一覧
- 国内公式:4003Sの段階的な仕様変更
- 国内公式:330/12の21フレットと旧写真の注記
- メーカー手入れ説明書:出力・調弦・調整機構・手入れ
- 本国FAQ:12弦の配列・シリアル・出力の違い
情報確認日:2026年11月4日。公式仕様を比較したガイドで、音質や演奏性の実機評価ではありません。






