DTM用モニターヘッドホンを初めて買うなら、まずは「録音もするのか」「ミックス中心なのか」「自宅で長時間使うのか」で選びましょう。
結論から言うと、初めての1台なら、コスパ重視はaudio-technica ATH-M20x、スタジオ定番を選びたいならSONY MDR-CD900ST、現代的な密閉型モニターを選びたいならSONY MDR-M1、録音とミックスを両方こなしたいならbeyerdynamic DT 770 PROが候補になります。
ミックスや定位確認を重視するなら、開放型のSONY MDR-MV1、Sennheiser HD 490 PRO、beyerdynamic DT 1990 PRO MK IIも検討しましょう。ただし、開放型は音漏れが大きいため、録音時や家族がいる環境では密閉型を選ぶのが安全です。
この記事では、DTM初心者向けに、モニターヘッドホンのおすすめモデル、密閉型・開放型の違い、インピーダンスの選び方、録音・ミックス・マスタリングでの使い分けを分かりやすく解説します。
これからDTMを始める方は、DTM初心者向けの無料DAWソフト比較もあわせて確認しておくと、機材選びがスムーズです。
- 結論:DTMモニターヘッドホン用途別おすすめ早見表
- モニターヘッドホンと普通のヘッドホンの違いとは
- DTM用ヘッドホンを選ぶ際の重要な5つのポイント
- 密閉型と開放型の違い
- DTM初心者向けインピーダンスの選び方
- この記事の選定基準
- DTMモニターヘッドホンおすすめ8選【2026年版】
- 1. SONY MDR-CD900ST|日本のスタジオ定番で音の粗を確認しやすい
- 2. audio-technica ATH-M20x|価格を抑えてDTMを始めたい人向け
- 3. SONY MDR-M1|現代的な密閉型モニターを選びたい人向け
- 4. beyerdynamic DT 770 PRO|録音とミックスを両方使いたい
- 5. YAMAHA HPH-MT8|フラットな確認用に
- 6. SONY MDR-MV1|開放型で空間表現を確認したい
- 7. Sennheiser HD 490 PRO|長時間ミックスに対応する開放型
- 8. beyerdynamic DT 1990 PRO MK II|ハイエンド・マスタリング向け
- 旧定番・比較候補
- 目的別:DTMモニターヘッドホンの選び方
- DTM環境に合わせたヘッドホンの使い分け
- よくある質問と注意点
- モニターヘッドホンを長持ちさせるコツ
- まとめ:あなたに最適なモニターヘッドホンを見つけよう
結論:DTMモニターヘッドホン用途別おすすめ早見表
どれを選べばいいか迷う方は、まず下の早見表から確認してください。DTM用ヘッドホンは、価格だけでなく、録音に使うのか、ミックスに使うのか、長時間作業するのかで選ぶべきモデルが変わります。
| 目的 | おすすめ候補 | タイプ | 理由 |
|---|---|---|---|
| 初めての1台・低予算 | audio-technica ATH-M20x | 密閉型 | 価格を抑えてDTM用モニターを試しやすい |
| スタジオ定番で確認したい | SONY MDR-CD900ST | 密閉型 | 日本の録音現場で定番。音の粗を確認しやすい |
| 現代的な密閉型を選びたい | SONY MDR-M1 | 密閉型 | 高遮音・広帯域再生で制作向け |
| 録音とミックスを両方使いたい | beyerdynamic DT 770 PRO | 密閉型 | 32Ω/80Ω/250Ωから用途に合わせて選べる |
| フラットな確認用 | YAMAHA HPH-MT8 | 密閉型 | DTM・ミックス確認向け |
| 開放型でミックスしたい | SONY MDR-MV1 | 開放型 | 空間表現・定位確認に向く |
| 長時間ミックス・現代的な開放型 | Sennheiser HD 490 PRO | 開放型 | 2種類のイヤーパッドで制作・ミックスに対応 |
| ハイエンド開放型 | beyerdynamic DT 1990 PRO MK II | 開放型 | プロ向けミックス・マスタリング用 |
DTM初心者が最初に1台だけ買うなら、録音にも使える密閉型が無難です。ボーカル録音や深夜作業が多い人は密閉型、静かな個室でミックス精度を上げたい人は開放型を追加する、という考え方が失敗しにくいです。
モニターヘッドホンと普通のヘッドホンの違いとは

まず最初に、 モニターヘッドホンが音楽鑑賞用のヘッドホンとどう違うのか、 しっかり理解しておきましょう。
リスニング用ヘッドホンの特徴
一般的な音楽鑑賞用ヘッドホンは、 「聴いていて心地よい音」 を目指して作られています。 低音が強調されていたり、 高音がキラキラと煌びやかだったり、 メーカーごとに独自の音作りがされているんです。
これは音楽を楽しむには最高なのですが、 DTMで正確な音を判断するには向いていません。 色付けされた音で作業すると、 完成した楽曲を他の環境で聴いたときに 「思っていた音と違う!」 となってしまうのです。
モニターヘッドホンの特徴
一方、 モニターヘッドホンは 「原音を忠実に再現する」 ことを最優先に設計されています。 特定の周波数帯域を強調せず、 フラットな特性を持つため、 ミックスやマスタリングの作業に適しているんですね。
- 周波数特性がフラット(特定の音域を強調しない)
- 音の解像度が高く、 細かい音も聴き取れる
- 長時間の作業でも疲れにくい音質
- 音の定位(音像の位置)が正確
つまり、 モニターヘッドホンは 「音楽を楽しむ」 よりも 「音楽を作る・分析する」 ために作られたツールなんです。
DTM用ヘッドホンを選ぶ際の重要な5つのポイント

それでは、 実際にモニターヘッドホンを選ぶときに注目すべきポイントを見ていきましょう。
1. 開放型か密閉型か
モニターヘッドホンには、 大きく分けて開放型と密閉型の2種類があります。 それぞれにメリット・デメリットがあるので、 あなたの作業環境に合わせて選びましょう。
開放型ヘッドホン
ハウジング(耳を覆う部分)に通気性のあるメッシュなどが使われており、 外部に音が漏れる構造です。
- メリット:音の抜けが良く、 自然で広がりのある音場。 長時間使用しても耳が蒸れにくく疲れにくい。 音像定位が正確で、 空間表現に優れる
- デメリット:音漏れが大きいため、 周囲に人がいる環境では使えない。 外部の音も入ってくるため、 静かな環境が必要
- 向いている人:自宅の個室など、 静かで独立した環境で作業できる人。 ミックスやマスタリングの精度を重視する人
密閉型ヘッドホン
ハウジングが密閉されており、 音が外に漏れにくい構造です。
- メリット:遮音性が高く、 外部ノイズの影響を受けにくい。 音漏れが少ないため、 家族がいる環境や深夜作業でも使える。 低音の再生に強い
- デメリット:音がこもりがちで、 長時間使用すると耳が疲れやすい。 音場が狭く感じることがある
- 向いている人:共有スペースで作業する人。 録音時のモニタリング用。 レコーディングスタジオでよく使われるタイプ
DTM初心者の方には、 まずは密閉型から始めることをおすすめします。 環境を選ばず使えますし、 価格帯も手頃なものが多いからです。 ただし、 ミックス作業の精度を上げたいなら、 将来的には開放型も検討する価値がありますよ。
2. インピーダンス(抵抗値)
ヘッドホンのスペックに 「32Ω」 「250Ω」 といった数値が書かれているのを見たことはありませんか?これがインピーダンスです。
簡単に言うと、 インピーダンスはヘッドホンの 「電気抵抗」 のことで、 この数値によって必要なアンプのパワーが変わります。
- 低インピーダンス(16〜64Ω):スマホやオーディオインターフェースの直挿しでも十分な音量が得られる。 DTM初心者向け
- 中〜高インピーダンス(80〜600Ω):専用のヘッドホンアンプが必要になることが多いが、 ノイズに強く音質が安定。 プロ用スタジオ機材に多い
初めてDTM用ヘッドホンを購入するなら、 32〜80Ω程度のものを選ぶのが無難です。 お使いのオーディオインターフェースのヘッドホン出力で十分ドライブできます。
3. 周波数特性
周波数特性は、 ヘッドホンがどの音域をどれだけ再生できるかを示す指標です。 一般的には 「20Hz〜20kHz」 といった表記がされています。
人間の可聴域は約20Hz〜20kHzと言われているので、 この範囲をカバーしていれば基本的には問題ありません。 ただし、 周波数特性がフラット(均一)であることがモニターヘッドホンにとっては最も重要です。
メーカーの公式サイトで周波数特性グラフを確認できる場合もあるので、 購入前にチェックしてみましょう。 理想的なモニターヘッドホンは、 グラフの線がなるべく水平に近いものです。
4. 装着感と重量
見落としがちですが、 装着感は非常に重要です。 DTMでは数時間連続で作業することも珍しくありません。 その間ずっとヘッドホンを装着していると、 頭や耳が痛くなることも。
- イヤーパッドの素材(レザー、 ベロア、 クロスなど)
- ヘッドバンドのクッション性
- 側圧(耳を挟む強さ)の適度さ
- 重量(軽いほど疲れにくい傾向)
可能であれば、 購入前に実際に試着してみることをおすすめします。 楽器店やオーディオショップで試聴できる場合もありますよ。
5. ケーブルの着脱式かどうか
意外と重要なのが、 ケーブルが着脱できるかどうかです。
固定式ケーブルの場合、 ケーブルが断線したらヘッドホン本体ごと修理に出すか買い替える必要があります。 一方、 着脱式なら交換用ケーブルを購入するだけで済むので、 長期的に見るとコスパが良いんです。
また、 ケーブルの長さを変えたり、 カールコードに変更したりと、 用途に応じてカスタマイズできるのも着脱式のメリットですね。
密閉型と開放型の違い

| 種類 | 向いている用途 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 密閉型 | 録音、自宅作業、深夜作業、初めての1台 | 音漏れが少ない、録音時に使える、環境を選びにくい | 長時間では蒸れやすい、音場は狭く感じやすい |
| 開放型 | ミックス、マスタリング、定位確認、長時間作業 | 音場が広い、定位が自然、耳が疲れにくい | 音漏れが大きい、録音には不向き、静かな環境が必要 |
| セミオープン型 | 自宅ミックス、長時間作業 | 密閉型と開放型の中間 | 音漏れはあるため録音には注意 |
DTM初心者が最初に1台だけ選ぶなら、録音にも使える密閉型が無難です。ミックス精度を上げたい場合は、2台目として開放型を追加すると、定位や空間の確認がしやすくなります。
DTM初心者向けインピーダンスの選び方
| インピーダンス | 向いている環境 | 注意点 |
|---|---|---|
| 32Ω前後 | ノートPC、スマホ、低価格オーディオインターフェース | 音量は取りやすいが、機種ごとの音質差に注意 |
| 47〜80Ω | 一般的なオーディオインターフェース | DTM初心者に最も選びやすい |
| 130Ω前後 | ある程度出力のあるオーディオインターフェース | 使用機材との相性確認が必要 |
| 250Ω以上 | ヘッドホンアンプや高出力IF | 初心者は音量不足に注意 |
| 300Ω | 専用アンプ前提になりやすい | トータルコストが上がる |
初めてDTM用ヘッドホンを買う場合は、32〜80Ω前後のモデルを選ぶと扱いやすいです。250Ωや300Ωのモデルは、音質以前に十分な音量が取れるかを確認してから選びましょう。
使用中のオーディオインターフェイスのスペック確認方法や、ヘッドホン出力との相性は、DTM用オーディオインターフェイスの選び方も参考になります。
この記事の選定基準
本記事では、DTM初心者が最初のモニターヘッドホンを選びやすいように、以下の基準でモデルを比較しています。
| 比較項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 初心者の扱いやすさ | オーディオインターフェース直挿しで使いやすいか |
| 録音対応 | 音漏れが少なく、ボーカル録音に使えるか |
| ミックス対応 | 低域・中域・高域のバランスを確認しやすいか |
| 装着感 | 長時間作業で耳や頭が痛くなりにくいか |
| インピーダンス | ヘッドホンアンプなしでも音量が取れるか |
| 価格と入手性 | 初心者が買いやすい価格帯か |
| 長く使えるか | イヤーパッド・ケーブル交換や耐久性 |
本記事は、公式スペック、現行ラインナップ、DTM用途での使いやすさ、Amazon.co.jpでの購入しやすさをもとに整理しています。価格や在庫は変動するため、購入前に販売店ページと公式サイトを確認してください。
DTMモニターヘッドホンおすすめ8選【2026年版】
ここでは、DTM初心者から中級者まで使いやすい現行モデルを8つに厳選してご紹介します。各モデルの「向いている人・向いていない人」を明示しているので、自分の用途に合うものを選んでください。
ミックス作業の基本手順や流れは、DTMミキシング初心者の手順6ステップで詳しく解説しています。
1. SONY MDR-CD900ST|日本のスタジオ定番で音の粗を確認しやすい
MDR-CD900STは、日本の録音現場で長く使われてきた定番モニターヘッドホンです。解像度が高く、ボーカルや細かいノイズ、編集ミスを確認しやすいため、録音・編集・ミックスチェックに向いています。
向いている人:
・スタジオ定番の音で確認したい
・ボーカル録音や編集作業が多い
・音の粗やノイズを見つけたい
・密閉型の1台目を探している
向いていない人:
・低音の量感を重視したい
・長時間ゆったり聴きたい
・着脱式ケーブルを重視したい
タイプ:密閉型/インピーダンス:63Ω/周波数特性:5Hz〜30,000Hz/主な用途:録音、編集、解像度確認、スタジオ基準のチェック
2. audio-technica ATH-M20x|価格を抑えてDTMを始めたい人向け
ATH-M20xは、低価格帯ながらDTMの基礎用途に十分対応できる密閉型モニターヘッドホンです。インピーダンス47Ωで、オーディオインターフェース直挿しでも音量が取りやすく、初めての1台に向いています。
向いている人:
・とにかく予算を抑えたい
・DTMをこれから始める
・オーディオインターフェース直挿しで使いたい
・サブのモニターとしても欲しい
向いていない人:
・高解像度のミックス確認をしたい
・着脱式ケーブルが必要
・低音の量感を強く重視したい
タイプ:密閉型/インピーダンス:47Ω/周波数特性:15Hz〜20,000Hz/主な用途:DTM入門、サブモニター、自宅練習
3. SONY MDR-M1|現代的な密閉型モニターを選びたい人向け
SONY MDR-M1は、現代的な制作環境に向いた密閉型スタジオモニターヘッドホンです。高い遮音性と広帯域再生により、自宅制作、録音、編集、ミックス確認まで幅広く使いやすいモデルです。
向いている人:
・MDR-CD900STより現代的な密閉型を選びたい
・録音とミックスの両方で使いたい
・着脱式ケーブルや装着感も重視したい
・自宅制作を中心に使いたい
向いていない人:
・とにかく最安の1台がほしい
・開放型の広い音場を求めている
・スタジオ定番のMDR-CD900STの音に慣れている
タイプ:密閉型/主な用途:制作、録音、編集、ミックス確認
4. beyerdynamic DT 770 PRO|録音とミックスを両方使いたい
DT 770 PROは、世界的に使われている定番の密閉型モニターヘッドホンです。32Ω・80Ω・250Ωの3種類があり、機材や用途に合わせて選べます。DTM初心者には、オーディオインターフェース直挿しでも音量が取れる32Ωまたは80Ωが扱いやすいです。
向いている人:
・録音とミックスを1台で済ませたい
・装着感の良いモデルが欲しい
・密閉型でも長時間使いたい
向いていない人:
・初心者で250Ωのモデルを選んでしまうと音量不足になる可能性
・最安の1台を探している
タイプ:密閉型/インピーダンス:32Ω/80Ω/250Ω/主な用途:録音、ミックス、ミックス確認
5. YAMAHA HPH-MT8|フラットな確認用に
HPH-MT8は、YAMAHAのスタジオ向け密閉型モニターヘッドホンで、フラットでクセの少ない音質が特徴です。ミックスやマスタリングのバランス確認用として使いやすいモデルです。
向いている人:
・フラットな音質で確認したい
・ミックス・マスタリング用途が中心
・装着感の良い大型モデルを求めている
向いていない人:
・コンパクトなモデルを探している
・低価格帯のモデルを選びたい
タイプ:密閉型/主な用途:ミックス、マスタリング、フラット確認
6. SONY MDR-MV1|開放型で空間表現を確認したい
SONY MDR-MV1は、開放型のスタジオモニターヘッドホンで、空間・ステレオサウンド制作向けに設計されています。広い音場と自然な定位で、ミックスやマスタリング用に追加で1台欲しい人に向いています。
向いている人:
・開放型でミックスしたい
・空間表現や定位を重視する
・静かな環境でじっくり作業できる
向いていない人:
・録音用にも使いたい
・家族のいる環境で深夜作業する
・密閉型の音に慣れている
タイプ:開放型/インピーダンス:24Ω/周波数特性:5Hz〜80,000Hz/主な用途:ミックス、マスタリング、空間確認
7. Sennheiser HD 490 PRO|長時間ミックスに対応する開放型
HD 490 PROは、Sennheiserの現代的なオープンバック型スタジオヘッドホンです。広いサウンドステージと色付けの少ない周波数特性が特徴で、制作用とミキシング用の2種類のイヤーパッドが付属し、用途で使い分けられます。
向いている人:
・長時間のミックスに耐える装着感が欲しい
・現代的な開放型を探している
・HD 650からの買い替え・追加を検討している
向いていない人:
・録音用がメイン
・とにかく低価格のモデルが欲しい
タイプ:開放型/主な用途:ミックス、マスタリング、長時間作業
8. beyerdynamic DT 1990 PRO MK II|ハイエンド・マスタリング向け
DT 1990 PRO MK IIは、DT 1990 PROの第2世代モデルで、開放型のハイエンド・スタジオモニターヘッドホンです。ミキシング・マスタリング・編集向けに設計され、解像度と空間表現を高いレベルで両立しています。
向いている人:
・ハイエンド機を1台持っておきたい
・マスタリング用途にも使いたい
・DT 1990 PROからの買い替えを検討している
向いていない人:
・予算を抑えたい
・録音メインの用途
・初めての1台を探している
タイプ:開放型/インピーダンス:30Ω/周波数特性:5Hz〜40,000Hz/主な用途:ミックス、マスタリング、編集
旧定番・比較候補
以下のモデルは、長年DTM用途で使われてきた定番ですが、2026年版としては上記の8選を先に検討するのがおすすめです。すでに所有している方や、特定の音色を求める方の比較候補としてご紹介します。
AKG K240 Studio|長く使われている定番セミオープン
AKG K240 Studioは、長くDTM用途で使われてきたセミオープン型モデルです。価格を抑えながら自然な音場を体験したい方や、サブのモニターを探している方に向いています。
SENNHEISER HD 650|長年使われてきた開放型の旧定番
SENNHEISER HD 650は、長年ミックスやリスニング用途で使われてきた開放型の定番モデルです。ただし、DTM用途で今から新しく選ぶなら、現代的な制作環境向けに設計されたHD 490 PROも比較対象に入れるとよいでしょう。
beyerdynamic DT 1990 PRO(先代)|MK IIの先代モデル
DT 1990 PRO の先代モデルです。後継の DT 1990 PRO MK II が登場しているため、新規で買うなら MK II をおすすめしますが、先代のサウンドが気に入っている方の比較候補です。
目的別:DTMモニターヘッドホンの選び方
DTM用ヘッドホンは、価格だけでなく「何に使うか」で選ぶべきモデルが変わります。ご自身の制作スタイルに合わせて、下の表から候補を絞り込んでください。
| 目的 | 優先すること | おすすめタイプ | 候補モデル |
|---|---|---|---|
| 初めてのDTM | 価格・扱いやすさ | 密閉型 | ATH-M20x/MDR-CD900ST |
| ボーカル録音 | 音漏れの少なさ | 密閉型 | MDR-CD900ST/MDR-M1/DT 770 PRO |
| ミックス | バランス・定位 | 密閉型または開放型 | HPH-MT8/MDR-MV1/HD 490 PRO |
| マスタリング確認 | 解像度・音場 | 開放型 | HD 490 PRO/DT 1990 PRO MK II |
| 深夜作業 | 遮音性 | 密閉型 | MDR-M1/DT 770 PRO |
| 長時間作業 | 装着感 | 開放型・軽量モデル | MDR-MV1/HD 490 PRO |
DTM環境に合わせたヘッドホンの使い分け
ヘッドホンとスピーカーのどちらをメインに使うべきかで迷う方は、DTMはスピーカーとヘッドホンどっちがいい?も合わせて確認してください。

実は、 プロのエンジニアの多くは複数のモニターヘッドホンを使い分けています。 制作フェーズによって、 最適なヘッドホンが異なるからです。
制作・編曲フェーズ
楽曲の骨組みを作る段階では、 密閉型で集中して作業するのがおすすめです。 外部の音を遮断でき、 低音もしっかり確認できるため、 リズムやベースラインの構築に向いています。
ミックス・マスタリングフェーズ
音のバランスを整える段階では、 開放型で音場の広さや定位を確認しながら作業すると良いでしょう。 ただし、 最終的にはスピーカーモニターでもチェックすることが大切です。
録音・レコーディングフェーズ
ボーカルや楽器を録音する際は、 音漏れのない密閉型が必須です。 開放型だとマイクにヘッドホンの音が入り込んでしまうため、 レコーディングには使えません。
予算が許すなら、 「メインのミックス用に開放型1台 + レコーディング用に密閉型1台」 という組み合わせが理想的です。
フェーズ別ヘッドホン選び&チェックポイント表
| 制作フェーズ | 推奨タイプ | おすすめ製品例 | 確認すること |
|---|---|---|---|
| 制作・編曲 | 密閉型 | SONY MDR-CD900ST / SONY MDR-M1 / beyerdynamic DT 770 PRO | キック、ベース、コード、各パートが明確に聴こえるか |
| ミックス | 密閉型+開放型 | YAMAHA HPH-MT8 / SONY MDR-MV1 / Sennheiser HD 490 PRO | 音量バランス、定位、リバーブ、低域の膨らみ |
| マスタリング確認 | 開放型 | Sennheiser HD 490 PRO / beyerdynamic DT 1990 PRO MK II | 全体の解像度、音場、耳に痛い帯域 |
| 録音・レコーディング | 密閉型のみ | MDR-CD900ST / MDR-M1 / DT 770 PRO / ATH-M20x | オケの音がマイクに回り込んでいないか |
| リファレンスチェック | 複数環境 | メインヘッドホン+イヤホン+スマホ+スピーカー | 他環境でもバランスが崩れていないか |

よくある質問と注意点
Q1. ワイヤレスのモニターヘッドホンはどうですか?
2026年現在、 Bluetooth技術は大きく進化し、 高音質コーデック(aptX HD、 LDACなど)も普及しています。 しかし、 DTMのモニタリングにおいては、 依然として有線接続が推奨されます。
理由は以下の通りです:
- わずかな遅延(レイテンシー)が発生する可能性
- 音質の圧縮により、 微細な音の変化が失われる
- バッテリー切れの心配
音楽鑑賞やカジュアルな用途ではワイヤレスも便利ですが、 精密な作業を要する DTMでは有線を選びましょう。
Q2. ゲーミングヘッドセットはDTMに使えますか?
ゲーミングヘッドセットは、 ゲームの効果音や足音などを強調するように音が調整されているため、 DTMのモニタリングには不向きです。
特に低音や高音が誇張されていることが多く、 フラットな音質とは言えません。 すでにゲーミングヘッドセットを持っている場合、 DTMを試してみるには使えますが、 本格的に取り組むなら専用のモニターヘッドホンを購入することをおすすめします。
Q3. ヘッドホンだけで完結させていいの?スピーカーは必要ない?
これは DTMでよく議論されるテーマですね。 結論から言うと、 最終的にはスピーカーモニターでもチェックすべきです。
ヘッドホンとスピーカーでは音の聴こえ方が大きく異なります:
- ヘッドホン:左右の音が完全に分離されて耳に届く
- スピーカー:左右の音が空間で混ざり合って耳に届く
多くのリスナーはスピーカーやイヤホンで音楽を聴くため、 ヘッドホンだけでミックスすると 「スピーカーで聴いたら変だった」 という事態になりがちです。
理想は 「ヘッドホン + スピーカーモニター」 の両方で確認することですが、 予算や環境の制約がある場合は、 ヘッドホンでの作業をメインにしつつ、 定期的にカーオーディオやスマホのスピーカーなど、 様々な環境で聴いてみることをおすすめします。
Q4. イヤホン型のモニターではダメですか?
最近はイヤホン型(インイヤーモニター)も高性能なものが増えていますが、 DTMのミックス作業にはヘッドホン型の方が向いています。
理由は音場の広さと定位の正確さです。 ヘッドホンの方が音の空間的な配置を把握しやすく、 左右のバランスも取りやすいのです。
ただし、 イヤホン型は携帯性に優れているため、 外出先でのチェック用や、 リファレンス用として持っておくのは良いでしょう。
Q5. DTM初心者におすすめのモニターヘッドホンはどれですか?
A. 低予算ならaudio-technica ATH-M20x、スタジオ定番で確認したいならSONY MDR-CD900ST、録音と制作を両方したいならSONY MDR-M1やbeyerdynamic DT 770 PROが候補です。
Q6. DTM用ヘッドホンは密閉型と開放型のどちらがいいですか?
A. 最初の1台なら密閉型がおすすめです。録音時の音漏れが少なく、自宅でも使いやすいためです。ミックス精度を上げたい場合は、2台目として開放型を追加するとよいです。
Q7. 250Ωや300Ωのヘッドホンは初心者でも使えますか?
A. 使えますが、オーディオインターフェースやヘッドホンアンプの出力が不足すると音量が足りない場合があります。初心者は32〜80Ω前後から選ぶと扱いやすいです。
Q8. MDR-CD900STはミックスにも使えますか?
A. 使えますが、どちらかというと録音・編集・音の粗探しに強いモデルです。ミックスの空間や低域を確認する場合は、他のヘッドホンやスピーカーでもチェックしましょう。
Q9. モニターヘッドホンだけでミックスできますか?
A. 可能ですが、最終確認はスピーカー、イヤホン、スマホ、車など複数の環境で行うのがおすすめです。ヘッドホンだけでは左右の音場や低域の感じ方が偏ることがあります。
Q10. 開放型ヘッドホンは録音に使えますか?
A. 基本的には使わない方が安全です。開放型は音漏れが大きく、ボーカルや楽器のマイクにクリック音や伴奏が入り込む可能性があります。
モニターヘッドホンを長持ちさせるコツ

せっかく良いモニターヘッドホンを購入したら、 できるだけ長く使いたいですよね。 以下のポイントを押さえておきましょう。
保管方法
- 使用後はヘッドホンスタンドにかけるか、 専用ケースに収納する
- ケーブルは優しく巻いて、 折り目をつけないようにする
- 直射日光や高温多湿を避ける
- テーブルに無造作に置いたり、 床に転がしたりしない
メンテナンス
- イヤーパッドは定期的に柔らかい布で拭く(汗や皮脂で劣化する)
- 交換可能なイヤーパッドは、 へたってきたら新品に交換する
- ケーブルの接続部分は丁寧に扱い、 無理に引っ張らない
- 長期間使わない場合でも、 月に一度は使用して通電する
エージング(慣らし運転)について
新品のヘッドホンは、 使い始めてしばらくすると音質が変化すると言われています。 これを 「エージング」 と呼びます。
科学的な根拠については賛否両論ありますが、 多くのユーザーが 「50〜100時間ほど使用すると、 音がこなれてくる」 と感じています。 新品を購入したら、 数週間は様々な音源で慣らしてから本格的な作業に使うと良いでしょう。
DTM学習中の学生は、リファレンス音源を聴くために、高校生におすすめの音楽サブスク学割比較もあわせてご覧ください。
DTM環境が整ったら、初心者向け最高のAI音楽ジェネレーター|Sunoほか10選比較もあわせてご覧ください。
まとめ:あなたに最適なモニターヘッドホンを見つけよう
モニターヘッドホン選びは「予算・作業環境・主なジャンル」の3つで決まります。以下の診断表で自分に合う製品を絞り込みましょう。
| あなたの状況 | おすすめ製品 | 理由 |
|---|---|---|
| 低予算でDTMを始めたい | audio-technica ATH-M20x | 価格を抑えて密閉型モニターを試しやすい |
| スタジオ定番で確認したい | SONY MDR-CD900ST | 録音・編集・音の粗探しに強い |
| 現代的な密閉型を選びたい | SONY MDR-M1 | 録音・制作・ミックス確認に使いやすい |
| 録音とミックスを両方したい | beyerdynamic DT 770 PRO 32Ω / 80Ω | 密閉型で遮音性があり、用途に合わせてインピーダンスを選べる |
| フラットな確認用がほしい | YAMAHA HPH-MT8 | DTM・ミックス確認向け |
| 開放型で定位を確認したい | SONY MDR-MV1 | 空間表現・定位確認に向く |
| 長時間ミックスしたい | Sennheiser HD 490 PRO | 開放型で制作・ミックス向け |
| ハイエンドで細かく確認したい | beyerdynamic DT 1990 PRO MK II | ミックス・マスタリングの高精度確認向け |
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