Focusriteは、歌や楽器の録音ならScarlett、全アナログAirを重視するならClarett+、会話や番組制作ならVocasterを起点に選べます。入力数・通話機能・接続の違いから、必要な系列と機種を絞ります。
赤い筐体が似ていても、マイクをつなげる本数、PCの音を録音へ戻す機能、ADATというデジタル拡張の可否は同じではありません。本記事では家庭向けの10機種を共通の表で比較し、OctoPre・ISA・Red・RedNetが何を担当するのかまで整理します。音質の順位を付ける試聴レビューではなく、公開仕様に基づく製品ガイドです。

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Focusriteの製品・シリーズ一覧|まず用途を分ける
最初に「PCへ録音する入口」「今ある機器の入力拡張」「スタジオ設備の接続」を分けます。Scarlett・Clarett+・Vocasterは主にUSBでPCと音声をやり取りする系列ですが、その先の操作目的が異なります。
| 系列 | 主な役割 | 代表的な構成 | 選ぶ場面 |
|---|---|---|---|
| Scarlett | 歌・楽器の録音と再生 | 第4世代のSolo〜18i20 | 必要な入力数に合わせて制作環境を作る |
| Clarett+ | 録音・モニター環境 | 2Pre・4Pre・8Pre | 全アナログAirやADAT拡張を使う |
| Vocaster | 会話・通話・番組の音声 | One・Two | 声の調整やミュートを手元で行う |
| OctoPre | マイク入力を増設 | Scarlett・Dynamic・Clarett+版 | ADAT入力のある録音機器へ追加する |
| ISA | マイクプリアンプ/録音環境 | ISA Oneなど、USB機のISA C8X | 入力回路や外部機器との接続を選ぶ |
| Red | 大規模なスタジオの音声接続 | Red 8Line・16Line | Thunderbolt・Dante・Pro Tools HDをつなぐ |
| RedNet | ネットワーク上の音声入出力 | マイク・変換器・PC接続・モニター用 | 複数の部屋や設備へ音を配る |
オーディオインターフェースは、マイクや楽器の音をPCへ入れ、PCの音をヘッドホンやスピーカーへ出す機器です。プリアンプは小さなマイク信号を扱いやすい大きさへ増幅する部分で、入力が何系統あるかによって同時に録れる本数が決まります。「高級な系列なら端子もすべて上位互換」という関係ではないため、欲しい操作がどこにあるかを先に見ます。
たとえば自宅でボーカルを一人ずつ録る人は、大きなラック機の多数の出力を使い切る必要がありません。一方、歌・ギター・打楽器を同時に録り、出演者へ別の聴こえ方を返したい人は、小型機の価格や机への収まりだけでは選べません。録る入口と聴く出口を一緒に数えると、買い替えで本当に増やしたい機能が見えてきます。
購入候補10機種を入力・ヘッドホン・拡張で比較
同時に使うマイクの本数と、電子楽器用のアナログ入力を別々に比べる表です。ライン入力にはマイク端子と共用するものがあるため、各欄を足して使える総数とは考えません。
| 機種 | マイク入力 | アナログ音声入力 | ヘッドホン | デジタル拡張・通話 | 現在価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| Scarlett Solo第4世代 | 1 | マイク1+ライン/楽器1 | 1 | ADATなし・MIDI端子なし | ¥18,749 |
| Scarlett 2i2第4世代 | 2 | 2系統・マイク/ライン/楽器で共用 | 1 | ADATなし・MIDI端子なし | ¥28,600 |
| Scarlett 4i4第4世代 | 2 | 4系統・うち2系統はライン専用 | 1 | ADATなし・5ピンMIDI入出力 | ¥39,800 |
| Scarlett 16i16第4世代 | 2 | 6系統・うち4系統はライン専用 | 2 | ADAT・S/PDIF・MIDI | ¥46,800 |
| Scarlett 18i16第4世代 | 4 | 8系統・うち4系統はライン専用 | 2 | ADAT・S/PDIF・MIDI | ¥71,500 |
| Scarlett 18i20第4世代 | 8 | 8系統・マイク/ラインで共用 | 2 | ADAT光端子2組・S/PDIF・MIDI | ¥93,000 |
| Clarett+ 2Pre | 2 | 2系統・マイク/ライン/楽器で共用 | 1 | ADAT入力・MIDI | ¥71,500 |
| Clarett+ 4Pre | 4 | 8系統・うち4系統はライン専用 | 2 | ADAT入力・S/PDIF・MIDI | ¥99,800 |
| Vocaster One | 1 | XLRマイク1+電話用TRRS | 1 | 有線通話・カメラ出力 | ¥15,950 |
| Vocaster Two | 2 | XLRマイク2+電話用TRRS | 2 | 有線/Bluetooth通話・カメラ出力 | ¥25,105 |
表のヘッドホンは端子の数であり、別々のミックスを何通り作れるかまで同じ意味ではありません。4i4は端子が一つでもヘッドホンへの経路を選べます。16i16以上では端子を二つ使えるので、歌う人と録音を担当する人が同時に聴く構成を作りやすくなります。Vocaster Twoの二つの端子は、主に司会とゲストが番組の音を確認するための構成です。
ADATは光ケーブルで複数チャンネルの音を渡す接続、S/PDIFは主にステレオのデジタル音声をやり取りする接続です。MIDIは音声そのものではなく、音の高さや発音時刻などの演奏情報です。シンセのMIDIと音声を両方録りたい場合は、表のMIDI端子だけでなく、アナログ入力が必要な本数だけ空いているかも見ます。
Scarlett第4世代の違い|録る本数とライン機材で選ぶ
Scarlettは入力の規模を細かく選べる系列です。最小のSolo、マイク2本を扱う2i2、ライン機材を足す4i4、デジタル拡張に対応する16i16以上という順に用途が広がります。
Scarlett Solo第4世代|歌1本とギター1本の小さな構成
向くのは、一人の歌とギターを同時に録りたい人です。マイク用XLR入力が一つ、ラインまたは楽器用の入力が一つという構成なので、別の二人をマイク2本で録る用途には向きません。
この機種の利点は、必要な入口を絞った小型の構成で始められることです。ギターの電気信号を直接入れる場合はInst、シンセなどのライン信号を受ける場合はその設定を外して使います。ただしライン入力は一つなので、左右二つの出力を持つシンセをステレオのまま録るには不足します。歌をマイク、アコギも別マイクで録る人は2i2へ進みます。
制約として、SoloにはAuto GainとClip Safeがありません。入力音量を手で決めることに抵抗がなく、一本のマイクを中心に使う人なら、この違いを理由に大きな機種へ上げる必要はありません。逆に録音レベルの準備を機材に任せたい人は、マイクを一本しか使わない場合でも2i2と価格を比べる意味があります。
Focusrite
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Scarlett 2i2第4世代|マイク2本と自動レベル調整
向くのは、歌とアコギをマイク2本で分けて録る人や、左右二つのライン信号を録る人です。マイク・ライン・楽器の入力を2チャンネルで使い分けられ、Auto GainとClip Safeを備えます。
利点は、録音の準備を補助する機能と2本のマイク入力が同じ小型機に収まることです。Auto Gainは試しに演奏した音から入力レベルを決める機能、Clip Safeは過大入力が近づいたときにゲインを下げる機能です。後者は録音済みの歪みを修復する機能ではなく、マイク自体の限界やPCの音切れまで防ぐものでもありません。
制約は、5ピンMIDI端子とADAT端子がないことです。USBでつながるMIDI鍵盤をPCへ直接接続するだけなら問題になりませんが、外部の古いシンセとMIDIをやり取りする場合は別の経路が必要です。マイク2本とステレオシンセを同時に録る人にも2入力では足りず、4i4以上を選ぶ理由になります。
Focusrite
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Scarlett 4i4第4世代|歌とステレオ機材を一緒に録る
向くのは、マイクに加えてシンセやリズムマシンを同時に録りたい人です。マイク入力は2i2と同じ二つですが、背面のライン専用入力が二つ増え、5ピンMIDI入出力も使えます。

利点が分かりやすいのは、歌を一つのマイク入力へ、シンセのLとRをライン入力3・4へつなぐ構成です。この場合、歌とシンセを別の録音トラックへ残せるので、後から声だけ大きくする、シンセだけ差し替えるといった編集ができます。2i2の録音前にすべてを外部で混ぜる構成とは、後の編集自由度が異なります。
制約は、入力が四つあってもマイクは二本までという点です。ライン専用端子へXLRの変換ケーブルを付けるだけでは、マイク用の増幅回路は増えません。四人を各一本のマイクで録る用途には18i16、すでに別のマイクプリアンプを持つ場合には、その出力をライン入力へ渡す構成を検討します。
Focusrite
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Scarlett 16i16第4世代|マイク2本と複数の電子楽器
向くのは、マイクは二本で足りる一方、シンセや外部機器の接続を増やしたい人です。アナログ入力が計六つあり、ADATとS/PDIF、ヘッドホン二つを備えます。
利点は、ステレオ出力の機器を二台つないでも、ライン専用の四入力へ収められることです。たとえばシンセのL/RとリズムマシンのL/Rで四つを使い、残るマイク入力を歌とアコギに使う構成が考えられます。4i4ではこの六つの音を別々に同時録音できないため、マイクを増やさない買い替えでも16i16に意味があります。
制約として、本体だけでマイクを四本受ける機種ではありません。後からADATプリアンプで本数を増やせますが、その本体・光ケーブル・電源も必要になります。最初から四本のマイクを使う予定なら、増設を前提にした16i16と、単体で四本受ける18i16を、置き場所を含めて比較します。
Focusrite
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Scarlett 18i16第4世代|マイク4本を本体へ直接つなぐ
向くのは、四本のマイクと電子楽器を組み合わせる録音です。マイクプリアンプ四基に、ライン専用の四入力を追加した計八つのアナログ入力を持ちます。
利点は、小編成の同時録音を外付けの増幅器なしで始められることです。歌二人とアコギ二本の四マイク、あるいはドラムを四本のマイクで録るなど、録り方を四つの入力へ割り当てられます。さらにシンセをステレオで加える場合もライン専用入力が残ります。16i16からの違いは総入力名の数字だけでなく、直結できるマイクが二本増えることです。
制約は、マイクが五本以上になると本体の入力だけでは足りない点です。録り方を少ない本数に変えるか、ADATを使うか、18i20へ上げるかを選びます。マイクを後から足すかもしれないという理由だけで一番大きい機種を選ぶより、現在のセッションで同時に必要な数を決めると、余分な機材を減らせます。
Focusrite
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Scarlett 18i20第4世代|マイク8本と複数の出力
向くのは、ドラムなどを八本のマイクで録る人や、複数のモニター・外部機器へ音を送る人です。マイク八入力、ライン十出力、ヘッドホン二つ、トークバック用の内蔵マイクを備えます。
利点は、入口を増やすだけでなく、録音する部屋へ指示を送るトークバックやスピーカーの切り替えまで一つにまとめられることです。ラックの高さ1段分に当たる1Uの機器で、卓上の小型機を何台も並べる構成とは設置方法が異なります。ADATの光端子は二組あり、44.1/48kHzでは最大16チャンネルを追加できますが、高いサンプルレートでは数が減ります。
制約は、USBの電力だけでは動かないことと、マイク入力とライン入力を八つずつ足して16アナログ入力にできないことです。二種類の入力は共用です。名称は18i20でも、現行の個別仕様は拡張を含め26入力26出力と案内されています。本体のマイク本数はその数字では増えないため、本記事では八本という実際の入口を基準に比較しています。
Focusrite
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Clarett+とScarlettは何が違う?Airと配信機能を比べる
Clarett+は全アナログのAirと録音・再生回路、Scarlett第4世代は自動レベル調整やループバックなどの機能を軸に比べます。Clarett+を買えばScarlettの便利機能がすべて付く、という関係ではありません。
| 比べる点 | Scarlett第4世代 | Clarett+ |
|---|---|---|
| Air | PresenceとHarmonic Drive | 入力インピーダンス切替を含む全アナログAir |
| Auto Gain・Clip Safe | Soloを除き搭載 | 同機能なし |
| PC再生音のループバック | 全機種で対応 | 非対応 |
| ADAT入力 | 16i16以上 | 2Pre・4Pre・8Pre |
| 設定ソフト | Focusrite Control 2 | Focusrite Control |
Airはマイク入力の音色に変化を付ける機能です。ScarlettのPresenceは高域の存在感、Harmonic Driveは倍音による色付けを扱います。Clarett+のAirはISA系プリアンプの特性を模したアナログ回路で、入力の電気的な負荷も変わります。どちらが常に高音質かという順位ではなく、録音時に欲しい変化と操作の違いとして見ます。
ループバックは、PCの再生音を録音ソフトから入力として扱う機能です。自分の声にPC上の伴奏や通話音を加えたいときに関わります。Clarett+では本体のループバックを前提にできないので、配信アプリの音声取り込みなど別の経路を用意します。配信が主目的なら、回路の数値だけでなく、この差が選択を変える理由になります。
変換回路のダイナミックレンジは、小さな音から大きな音まで扱える範囲の指標です。ただしマイク入力・ライン出力・D-A変換器単体で測定対象が異なり、数字の大きさを無条件に横並びにはできません。カタログの「最大値」を録音音質の順位へ読み替えるより、必要な入力と出力を先に満たしたうえで、マイクや聴く環境を含めて選ぶ方が判断しやすくなります。
Clarett+ 2Pre|少ない本数で録り、ADATを残す
向くのは、二本以内のマイク録音を中心に、全アナログAirと将来のADAT増設を使いたい人です。本体のアナログ入力は二つで、ADATの八入力を加えて10入力という構成です。
利点は、小型でもライン出力を四つ持ち、録音用の入口と外へ送る音の経路を作れることです。Scarlett 2i2はライン出力二つでADATがないため、同じマイク二本でも拡張と出力の考え方が異なります。ヘッドホン端子は一つなので、二人の出演者が同時に聴く場合は、別の分配や上位機の端子も候補になります。
制約は、二本のマイクに加えてステレオシンセも録る場合、本体の二入力だけでは足りないことです。その録り方を増設なしで行いたいなら、ライン専用入力も持つ4PreかScarlett 4i4以上を選びます。2Preは、少ないアナログ入力とADAT・四つのライン出力を組み合わせる機種です。
Focusrite
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Clarett+ 4Pre|マイク4本と固定のライン入力
向くのは、四本のマイクと複数の電子楽器を常設したい人です。マイク四入力に加えて固定ライン入力四つがあり、二つのヘッドホン端子を備えます。
利点は、マイクを抜かずにライン機材も接続できることです。マイク二本の2Preへステレオシンセを同時に足そうとするとADATなどの増設が必要ですが、4Preなら本体のライン入力へ割り当てられます。S/PDIFとMIDIもあり、二本のマイクだけを録る環境から、複数の外部機材を扱う環境へ役割が変わります。
制約は、ヘッドホンを除くアナログ出力が四つで、機種名の「8-out」がそのままライン端子八個を意味しないことです。外部エフェクトや複数組のスピーカーへ多くの独立信号を送りたいなら、ライン十出力のClarett+ 8PreやScarlett 18i20も比較します。四マイクとループバックを一台で使いたい人には18i16の方が条件を満たします。
Focusrite
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Clarett+ 8Preは、マイク八入力とライン十出力、ADAT入出力を持つラック型です。2Pre・4Preの単なる音質違いではなく、録音と外部出力の規模を増やす選択です。Clarett+ OctoPreは同じ名前でもUSB録音機ではなくADAT拡張用なので、後の拡張の節で分けて考えます。
Vocaster One・Twoの違い|声と通話を扱う系列
Vocasterは会話の録音や番組制作を中心に設計されています。OneとTwoの違いはマイクとヘッドホンの本数だけでなく、TwoにBluetoothによる電話接続が加わることです。
共通するEnhanceは、声を整える処理を選ぶ機能です。音量差を抑えるコンプレッサー、帯域ごとの音量を変えるEQ、低い振動音を減らす処理をVocaster Hubで調整できます。ScarlettのAirのような入力の音色切り替えとは目的が違い、話す声を番組で扱いやすくする操作にまとまっています。
通話用のTRRSは、3.5mmの四極プラグを使う接続です。見た目が似たステレオ音声用TRSとは配線と役割が違い、カメラ出力にはTRS、電話との双方向接続にはTRRSを使います。スマホにイヤホン端子がない場合は、そのスマホで通話音声の入出力に対応する変換機器も必要です。単に端子の形が変わるだけの変換で、通話が必ずできるとは限りません。
Vocaster One|一人の声を中心に番組を作る
向くのは、一人の声とPC上の素材、電話の音声をまとめて番組にしたい人です。XLRマイク一つ、ヘッドホン一つ、声のミュートとAuto Gainを備えます。
利点は、録音中に咳などを切るミュート、話す音量を準備するAuto Gain、声を整えるEnhanceを手元で扱えることです。PCの音を取り込むループバックもあり、前もって用意したジングルと自分の声を組み合わせる番組に使えます。70dBのゲイン範囲は出力の小さなマイクを使うときの材料ですが、必要な増幅量は声量とマイクの距離でも変わります。
制約は、ギターを直接つなぐ高インピーダンスのHi-Z入力やシンセ向けの標準ライン入力を備えないことです。歌とエレキギターの二つを直接別々に録る目的ならScarlettを選びます。相手と同じ部屋に座って二本のマイクで対談する場合にも、OneではなくTwoが候補になります。
Focusrite
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Vocaster Two|同じ場所の対談とBluetooth通話
向くのは、司会とゲストを別々のマイクで録る人です。二つのマイクと二つのヘッドホン端子を持ち、主催者とゲストのミュートも分けられます。
利点は、二人の声を個別に調整しながら番組の音を聴けることです。同じ場所の二人に加えて、スマホから通話音や再生音を取り込む構成も選べます。Bluetoothはそのスマホ接続のためで、ワイヤレスヘッドホンへ音を送る機能として案内されているわけではありません。録音の確認には本体の有線ヘッドホン出力を使います。
制約は、二つのマイク入力があるからといって一般的な二入力の楽器録音機と同じには使えないことです。四人の対談を一本ずつのマイクで録る構成にも足りません。
Focusrite
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Studioと付く製品は本体にマイクとヘッドホンを組み合わせたセットですが、Two StudioもマイクDM14vは一本、ヘッドホンHP60vは一台、XLRケーブルは一本です。二人が一本ずつ話して各自で聴くには、もう一本のマイクとXLRケーブル、もう一台のヘッドホンを用意します。電話用TRRSとカメラ用TRSケーブルも別売です。すでに一式持っている人は本体だけと比較し、二入力の本体だから二人分の付属品がそろうとは考えません。
OctoPre・ISA・Red・RedNetは何を増やす製品?
OctoPreは録音入力の増設、ISAは入力回路やスタジオ接続、RedとRedNetは大規模な音声システムを担当します。特にOctoPreを、USBでPCへ直結するScarlett本体と取り違えないことが大切です。
OctoPre|ADAT入力を持つ機器へマイクを追加
OctoPreは、ADAT入力のあるオーディオインターフェースなどへ八つのマイク入力を増やす系列です。受け側にADATがないSolo・2i2・4i4へ、光ケーブルだけで追加することはできません。

基本の経路は「マイク→OctoPre→ADAT光ケーブル→受け側の録音機器→USBでPC」です。増設側がマイクを増幅してデジタル音声へ変換し、受け側がその音をPCへ渡します。USBハブへ二台の音声機器を挿すこととは異なり、録音・編集を行う音楽制作ソフト(DAW)から、一つの機器の追加入力として扱う構成を作れます。
サンプルレートは一秒間に音を記録する回数です。ADATで送れるチャンネル数はこの設定によって変わり、44.1/48kHzの八チャンネルという条件を、96kHzや192kHzへそのまま流用できません。増設側と受け側の両方の対応、光端子の数、デジタル音声のタイミングをそろえるクロック設定を合わせます。同期が取れないままではノイズや音切れの原因になります。
Scarlett OctoPreは基本の八入力、Scarlett OctoPre Dynamicはアナログのコンプレッサーと、デジタル音声をアナログへ戻すD-A変換、Clarett+ OctoPreは全アナログAirと各チャンネルのインサートを軸に選びます。インサートは途中へ外部処理機器を差し込む接続です。増やしたいのが単なる本数か、録音前の音量処理や外部機器の経路までかで必要な版が変わります。
ISA|プリアンプ系列とUSB録音機を区別する
ISAにはマイクプリアンプだけの製品と、USBオーディオインターフェースのISA C8Xがあります。「ISA」という系列名だけでPCへ直接録音できるとは判断しません。
2026年のISA C8Xは、八つのマイクプリアンプのうち最初の二つにISAのトランス回路を使い、USBで26入力28出力を扱うラックの高さ2段分に当たる2U型です。残る六つは別のFocusriteプリアンプで、八つ全部が同じISA入力回路という意味ではありません。12のライン出力、ADAT、二つのヘッドホン出力など、録音とモニターをまとめる機能があります。
マイク一本の音を別の入力回路で録ることと、多数の入力・出力を一台にまとめることは違う目的です。既存の録音機器へプリアンプを足すなら、そのアナログ出力やデジタル出力を受けられるかを考えます。C8Xのように録音機器自体を入れ替える場合は、ラックの高さ、外部処理機器を通すインサート、モニターの数まで含めて構成します。
Red・RedNet|USBの小型機とは異なる設備用の接続
Redは複数の接続規格をまとめたスタジオ向けインターフェース、RedNetはDanteによるネットワーク音声機器の系列です。どちらも単にScarlettの入力数を増やした製品とは異なります。
DanteはLANケーブルとネットワークを使って音声をやり取りする仕組みです。Red 8Line・16LineはThunderbolt、Pro Tools HD、Danteなどを一つの機器でつなぎます。RedNetはマイク入力、アナログ音声の変換、デジタル形式の変換、ヘッドホン出力、PC側の接続などを役割ごとに分けて、必要な場所へ配置する考え方です。
たとえば録音室にマイク入力、調整室にモニター、PCにネットワーク音声用の接続を置くような環境では、部屋をまたぐ配線と管理に意味があります。一人で机にマイク一本を置く用途なら、必要のないネットワーク設計を増やすことになります。Dante対応機器の構成、ネットワークスイッチ、PCとの音声接続、同期や管理ソフトまで含める設備向けの選択です。
接続と設定|USBの形・電源・ソフトをそろえる
USB-Cという端子の形だけでは、必要な電力と使う設定ソフトは決まりません。購入前にPC側の端子と電源、機種の世代、Windows/macOSの対応を一組として照合します。
小型機でも必要な電力は同じではない
バスパワーは、USBケーブルから電力を受けて動く方式です。Scarlett第4世代ではSolo・2i2と、4i4・16i16・18i16で必要な給電条件が異なります。
公式の系列比較では2i2は900mA、4i4は1.5A、16i16と18i16は3Aの給電が示されています。数字は電流の大きさであり、USB-C端子が付いているだけで供給できる保証にはなりません。4i4・16i16・18i16は外部電源が同梱されるので、PCの給電に頼れない構成ではそれを使います。18i20は電源ケーブルを使う方式で、USBバスパワーには対応しません。
接続するケーブルも充電専用品ではなくデータ通信に対応したものを使います。PCにUSB-Aしかないか、USB-Cのみかで用意する形が変わり、同梱品は販売世代やパッケージの確認が必要です。電源不足による不安定さと、録音ソフトの設定ミスは別の問題なので、最初は付属品とPCへの直接接続で一つの入力を試すと切り分けやすくなります。
Focusrite Control 2・Control・Vocaster Hubを使い分ける
Scarlett第4世代とISA C8XはFocusrite Control 2、Clarett+はFocusrite Control、VocasterはVocaster Hubを使います。ドライバーと設定ソフトは、公式ダウンロードで正確な機種から選びます。
ドライバーはPCが機器と音声をやり取りするためのソフト、設定ソフトは入力の状態や音を返す経路などを操作する画面です。Windowsでは公式の音声ドライバーを含む導入が必要になります。MacでもOSの対応範囲と機種用の設定ソフトは別々に確認します。古いClarett ThunderboltやSaffireの情報を、現在のClarett+へそのまま適用しないようにします。
Focusrite Control 2のiOS/Androidアプリは、PC側のソフトと組み合わせて離れた場所から入力レベルやモニターを操作するためのものです。アプリがあるから、すべてのスマホへUSBを直結してPCと同じ録音ができるという意味ではありません。録音先がiPadの場合は、使う機種の対応資料、給電方法、録音アプリの音声入力対応を別にそろえます。
入力は動くのに録音・再生できないときの順番
本体の入力表示、録音ソフトの入力、録音済みの音、ヘッドホン出力の順にたどります。音が届いている場所まで確認できれば、その前の配線を何度も作り直す必要はありません。
- 本体が認識され、マイクや楽器を鳴らすと入力表示が反応するかを見る。
- DAWの音声機器に対象のFocusriteを選び、録音するトラックの入力番号を合わせる。
- マイク一本ならモノラル入力、シンセの左右なら対応する二入力のステレオを指定する。
- 短く録音して停止し、入力を鳴らさずに録音済みの音が再生されるか聴く。
- ヘッドホンの音量と出力先、ミュートを確かめ、録音ファイルにも必要な音が残っているかを見る。
ダイレクトモニターは入力音をPCの処理を通さずに聴く経路で、演奏時の遅れを抑えるために使います。ただしこの経路だけを聴いていると、PC上のアンプシミュレーターを通した音は聞こえません。エフェクト後を聴きたい場合はソフトのモニターを使い、二つの経路を重ねて二重に聞いていないかを確認します。
旧世代・セットを選ぶときに変わる条件
Scarlettは同名機の世代、Clarettは「+」と接続方式、Vocasterは本体とStudioセットを区別します。製品名の一部だけが一致しても、端子や使える機能まで同じとは限りません。
Scarlett Soloと2i2の第3世代は、現行第4世代と違って本体のループバックに対応しません。第4世代で加わったAirのHarmonic Driveや、2i2以上の自動調整を目当てにするなら、「4th Gen」「第4世代」の表示まで合わせます。安い旧型へ切り替えるときには、価格差だけでなく、今回使いたい機能が残るかを一つずつ見ます。
大きいScarlettにも8i6・18i8などの旧世代名があります。16i16と8i6はどちらもマイク二本を扱いますが、16i16にはADAT入出力があり、同じ外観の延長だけではありません。旧世代が悪いという意味ではなく、すでに使っている機器を残す場合と、新規に拡張端子を確保する場合で判断が変わります。対応ソフトも第4世代のControl 2へ統一されているとは限りません。
Clarett+と旧Clarett USB、Clarett Thunderboltは別の系列です。特にUSB-CとThunderboltは端子形状が似る場合があり、変換ケーブルだけで接続条件を満たせるとは限りません。中古で選ぶときは本体背面の接続方式、現行OS用ドライバーの有無、外部電源の付属、登録済みソフトの扱いを販売条件へ含めます。
自分の録り方に当てはめる|3つの構成例
最後は必要な音を実際の入力へ割り当てます。系列の格や最大チャンネル数ではなく、同時にしたい録音と聴き方が終えられる構成を残します。
| 想定する録り方 | 入口の割当 | 候補と選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 歌+ステレオシンセ | マイク1+ライン2 | 4i4で本体入力に収まる。2i2では三つを別々に同時録音できない |
| 四本のマイク+ステレオ機材 | マイク4+ライン2 | 18i16かClarett+ 4Pre。配信のループバックも使うなら18i16 |
| 同じ場所の二人で対談 | XLRマイク2+ヘッドホン2 | ミュートと声の調整を手元で行うならVocaster Two |
機器の外部音声を録る場合、MIDIをつなぐだけでは録音は完了しません。演奏情報と音声の経路を整理したい人は、MIDIと音声ファイルの違い・つなぎ方が補足になります。ブランドの中で候補を決めたあと他社の小型機とも比べたい場合は、DTM初心者向けオーディオインターフェースの比較へ進むと、端子や配信操作の違いを同じ目的で比べられます。
Focusriteについてよくある質問
ブランドの基本と接続先の条件を短く確認できます。機種ごとの入力数や拡張の違いは上の比較表へ戻って判断します。
Focusriteどこの国?
Focusriteはイギリス発の音響機器ブランドです。ブランドの所在地と個々の製品の製造国は別なので、購入品の表示を区別します。
Focusriteとは何ですか?
マイクプリアンプやオーディオインターフェースなどを作るブランドです。録音用Scarlett、会話用Vocasterなど用途で系列を選べます。
FocusriteはどのOSに対応していますか?
主な現行USB機はWindowsとmacOSに対応します。対応する版とドライバーは機種ごとに異なるため、旧世代やiPad利用は別途照合します。
出典・参考資料
- Focusrite Japan:ブランドと国内の製品系列
- Scarlett第4世代:全6サイズの比較
- Scarlett Solo:入力と機能
- Scarlett 2i2:入力と自動調整
- Scarlett 4i4:ライン入力・出力・MIDI
- Scarlett 16i16:アナログ入力と拡張
- Scarlett 18i16:四つのマイク入力と電源
- Scarlett 18i20:八つのマイク入力・ADATと現行の総入出力
- Clarett+系列の構成
- Clarett+ 2Pre:回路・出力・ADAT
- Clarett+ 4Pre:入力とヘッドホン
- Clarett+ 8Pre:ラック型の入出力
- Vocaster One・TwoとStudioセットの比較
- Vocaster One:声と電話の接続
- Vocaster Two Studio:同梱品の点数
- Vocaster Two:通話・ヘッドホン・カメラ接続
- Focusrite:系列・世代別のループバック対応表
- OctoPre:ADAT拡張の各モデル
- ISA C8X:入力回路・USB・モニター構成
- Red:スタジオ接続
- RedNet:ネットワーク音声と役割別機器
- Focusrite公式ダウンロード:機種ごとの説明書・ソフト・対応OS
情報確認日:2026年11月5日。価格は商品カードの取得時点と販売条件をご覧ください。






