カノン進行はI→V→vi→iii→IV→I→IV→Vの8和音、王道進行はIV→V→iii→viの4和音です。Cメジャーならカノン進行はC→G→Am→Em→F→C→F→G、王道進行はF→G→Em→Amになります。どちらもそのキーのダイアトニックコードだけで組み立てられているので、キーを決めれば使う和音は自動的に決まります。
問題はその先です。「C以外のキーでは何を弾くのか」「同じ4つの和音なのに小室進行や1564進行と何が違うのか」が分からないと、譜面の前で手が止まります。この記事では定番10パターンの度数を並べて比較したうえで、カノン進行と王道進行を長調12キー・短調12キーすべて実音のコード名で表にしました。各コードの構成音、パッヘルベルの原曲からJ-POPまでの使用例、好きなキーへ移す手順まで、このページだけで確認できます。

表の「12キー」は、12種類の主音を出発点にしたキーです。カノン進行と王道進行は長調12キー、カノン進行はさらに短調12キーの表も用意しました。コード名は実際に鳴る音を示し、ギターのカポを付けたときの押さえ方や、移調楽器の譜面上の音名とは区別しています。まずCの行で試してから、歌いやすいキーの行を探してください。
コード進行一覧を読むための基本:キー・度数・構成音

コード名とキーは役割が違う
コードは和音、コード進行は和音を時間の順に並べたものです。「C」というコードはド・ミ・ソを組み合わせた響き。一方、Cメジャーというキーは、ドを中心にド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シを基本材料として音楽を組み立てる枠組みです。コードがFに変わっても、そのたびに曲全体のキーがFメジャーに変わるわけではありません。
ルートはコードの基準になる音で、日本語では根音と呼びます。Cのルートはド、Amのルートはラです。構成音は、そのコードを作る音の組み合わせ。Cをミ・ソ・ドの順に弾いても、含む音が同じなのでCの仲間として扱えます。音を置く高さや順番は、後半の伴奏の項目で調整します。
I・IV・viは「そのキーの何番目か」を表す
度数表記は、キーの音階に並ぶ音を1番から数えてコードを表す方法です。この記事では大文字のローマ数字をメジャーコード、小文字をマイナーコードに使います。Iは1番、IVは4番、Vは5番、viは6番。CメジャーではI=C、IV=F、V=G、vi=Amです。「4536」と書かれる王道進行も、数字だけでなく各コードの種類まで含めてIV→V→iii→viと読みます。
別の資料では小文字のviを「VIm」「Ⅵm」と書くことがあります。どちらもこの文脈では6番目のマイナーコードです。本文では表記をそろえるためviを用い、実際のコード名にはAmやF♯mのようにmを付けています。大文字・小文字を見落とすと、Emの場所でEを弾くなど、響きが変わってしまいます。
| 度数 | コード | 構成音 | 種類 |
|---|---|---|---|
| I | C | ド・ミ・ソ | メジャー |
| ii | Dm | レ・ファ・ラ | マイナー |
| iii | Em | ミ・ソ・シ | マイナー |
| IV | F | ファ・ラ・ド | メジャー |
| V | G | ソ・シ・レ | メジャー |
| vi | Am | ラ・ド・ミ | マイナー |
| vii° | Bdim | シ・レ・ファ | ディミニッシュ(減三和音) |
このように、ひとつの音階の音だけで作る基本の和音をダイアトニックコードと呼びます。メジャーキーでもマイナーコードが含まれる点が大切です。vii°の小さな丸はディミニッシュを表し、ルートから半音3個分と6個分の位置に音を重ねた三和音です。今回のカノン進行と王道進行には使いませんが、表を別の進行にも応用できるよう掲載しています。
コードの中の音を数える「3度」と、進行の「iii」は別
コード内部の「3度」はルートから数える音の位置です。Cの3度はミ、Fの3度はラになります。進行に出てくる「iii」はキーの3番目をルートとするコードのこと。CメジャーのiiiはEmです。同じ数字が出ても、コードの中を数えているのか、キーの中のコードを数えているのかを分けて読むと混乱しません。
定番コード進行10パターン一覧:まずはCメジャーで比較
次の一覧は覚える入口になる10パターンです。名前には教材やジャンルによる違いがあるため、呼び名と度数の並びをセットで確かめてください。印象の欄は試奏の目安であり、その進行を使えば必ず同じ感情になるという意味ではありません。音色、速さ、メロディー、コードが変わる間隔で表情は大きく変わります。

| パターン | 度数 | Cメジャーでのコード | 聴き比べるポイント |
|---|---|---|---|
| カノン進行 | I→V→vi→iii→IV→I→IV→V | C→G→Am→Em→F→C→F→G | 8つの和音で長い流れを作る |
| 王道進行(4536) | IV→V→iii→vi | F→G→Em→Am | 主和音Cを経由せずAmへ向かう |
| 1564進行 | I→V→vi→IV | C→G→Am→F | Cから始まり、Fから次のCへ戻る |
| 小室進行(6451) | vi→IV→V→I | Am→F→G→C | 暗いAmから出て、明るいCに着地する |
| 6415進行 | vi→IV→I→V | Am→F→C→G | 1564と同じ4和音をAmから始める |
| 4156進行 | IV→I→V→vi | F→C→G→Am | 1564と同じ4和音をFから始める |
| 循環進行の一例(1625) | I→vi→ii→V | C→Am→Dm→G | 最後のGから先頭のCへ戻す |
| 1645進行 | I→vi→IV→V | C→Am→F→G | 1625のDmをFに替えて比べる |
| ツーファイブワン | ii→V→I | Dm→G→C | 最後にCへ着地する3和音 |
| 基本の3コード | I→IV→V→I | C→F→G→C | 出発・展開・帰着を感じる |
「循環進行」は繰り返して使う進行の総称としても使われ、1625だけを指すとは限りません。表では比較しやすいよう一例を固定しました。「ツーファイブワン」は2・5・1という度数を英語で読んだ呼び名です。ジャズではDm7→G7→Cmaj7のように4音の和音にすることもありますが、まず表の三和音で動きを聴き、その後に音を追加すると違いが分かります。
最初は1コードを4拍ずつ鳴らしてください。拍は「1、2、3、4」と数える一定の時間の区切りです。三和音を同時に鳴らせなくても、ルートだけを順に弾けば進行の骨組みを確かめられます。ただしルートだけではメジャーとマイナーの違いが聞こえないので、慣れたら3度の音を加えてください。
カノン進行の12キー実音表:8つのコードを順番に弾く
カノン進行は、パッヘルベルの《カノン》に由来する定番の和声パターンです。ここではI→V→vi→iii→IV→I→IV→Vを基本形として扱います。「カノン」という言葉自体は、旋律を別の声部が追いかける音楽の作り方にも使われます。コード進行の呼び名と、旋律を重ねる作曲技法は分けて覚えましょう。

CメジャーではC→G→Am→Emと進んだあと、F→C→F→Gが続きます。前半4つと後半4つを分けて覚えると、8個を一度に暗記する負担を減らせます。原曲のニ長調に対応するのは、表のDメジャーの行です。
横に長い表は左右にスクロールできます。各列の数字は演奏する順番です。
| キー | 1:I | 2:V | 3:vi | 4:iii | 5:IV | 6:I | 7:IV | 8:V |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Cメジャー | C | G | Am | Em | F | C | F | G |
| D♭メジャー | D♭ | A♭ | B♭m | Fm | G♭ | D♭ | G♭ | A♭ |
| Dメジャー | D | A | Bm | F♯m | G | D | G | A |
| E♭メジャー | E♭ | B♭ | Cm | Gm | A♭ | E♭ | A♭ | B♭ |
| Eメジャー | E | B | C♯m | G♯m | A | E | A | B |
| Fメジャー | F | C | Dm | Am | B♭ | F | B♭ | C |
| F♯メジャー | F♯ | C♯ | D♯m | A♯m | B | F♯ | B | C♯ |
| Gメジャー | G | D | Em | Bm | C | G | C | D |
| A♭メジャー | A♭ | E♭ | Fm | Cm | D♭ | A♭ | D♭ | E♭ |
| Aメジャー | A | E | F♯m | C♯m | D | A | D | E |
| B♭メジャー | B♭ | F | Gm | Dm | E♭ | B♭ | E♭ | F |
| Bメジャー | B | F♯ | G♯m | D♯m | E | B | E | F♯ |
表の使い方:1マスを1小節にして8小節を作る
小節は拍をひとまとまりにした区切りです。4拍子なら、ここでは4拍で1小節と考えます。Cの行を使い、1小節目にC、2小節目にGを弾き、8小節目のGまで進んだら先頭のCへ戻ります。最後のGからCへ戻る瞬間も含めてひとつの流れとして聴いてください。
各コードを2拍ずつにすると全体は4小節になります。同じ並びでも、4拍ずつ伸ばす場合より和音の変化が忙しく感じられます。最初の試奏では速さも音色も変えず、「4拍ずつ」と「2拍ずつ」の2通りを録音して比較すると、コードが変わる間隔そのものの効果を聞き取れます。
下降するベースのアレンジと基本形の違い
カノン進行を、C→G/B→Am→Em/G→F→C/E→Dm→Gのようにアレンジする場合があります。斜線の右側は最低音の指定です。G/BならGの和音を使いつつ、いちばん低い音をBにします。これにより低音がC→B→A→G→F→E→Dと順に下がります。
これは表に載せた基本形に、最低音の変更と7番目のコードの置き換えを加えた例です。基本形のルートC→G→A→E→F→C→F→G自体が、一音ずつ下降しているわけではありません。「カノン進行=必ずベースが階段状に下がる」と覚えると、コード表と実際の低音が合わなくなるので気を付けてください。
カノン進行の別名:1563進行・大逆循環・純情コード進行
カノン進行には別名が3つあります。度数の前半4つ(I→V→vi→iii)を数字で読んだ1563進行、最後のVから先頭のIへ戻る形を指す大逆循環、そして最低音を1音ずつ下げる変化形に付いた純情コード進行です。純情コード進行はC→G/B→Am→Em/G→F→C/E→Dm→Gという並びで、音楽プロデューサーの亀田誠治がNHK Eテレ『亀田音楽専門学校』で命名しました。呼び名が違っても、土台になる度数の並びは同じです。
合奏では名前より度数で共有した方が誤解が減ります。「カノンで」と言うだけでは8和音の基本形か前半4和音かが決まらないので、I→V→vi→iii→IV→I→IV→Vと言い切るか、上の表の行をそのまま見せてください。
短調(マイナーキー)のカノン進行:12キー実音表
短調のカノン進行はIm→Vm→VI→III→IVm→Im→IVm→Vmです。AマイナーならAm→Em→F→C→Dm→Am→Dm→Emになります。長調版と順番は対応していますが、1・2・5・7・8番目がマイナーコードに変わる点が違います。同じ8和音でも、長調は開けた響き、短調は落ち着いた響きになります。
横に長い表は左右にスクロールできます。列の数字は弾く順番です。
| キー | 1:Im | 2:Vm | 3:VI | 4:III | 5:IVm | 6:Im | 7:IVm | 8:Vm |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Cマイナー | Cm | Gm | A♭ | E♭ | Fm | Cm | Fm | Gm |
| C♯マイナー | C♯m | G♯m | A | E | F♯m | C♯m | F♯m | G♯m |
| Dマイナー | Dm | Am | B♭ | F | Gm | Dm | Gm | Am |
| E♭マイナー | E♭m | B♭m | C♭ | G♭ | A♭m | E♭m | A♭m | B♭m |
| Eマイナー | Em | Bm | C | G | Am | Em | Am | Bm |
| Fマイナー | Fm | Cm | D♭ | A♭ | B♭m | Fm | B♭m | Cm |
| F♯マイナー | F♯m | C♯m | D | A | Bm | F♯m | Bm | C♯m |
| Gマイナー | Gm | Dm | E♭ | B♭ | Cm | Gm | Cm | Dm |
| G♯マイナー | G♯m | D♯m | E | B | C♯m | G♯m | C♯m | D♯m |
| Aマイナー | Am | Em | F | C | Dm | Am | Dm | Em |
| B♭マイナー | B♭m | Fm | G♭ | D♭ | E♭m | B♭m | E♭m | Fm |
| Bマイナー | Bm | F♯m | G | D | Em | Bm | Em | F♯m |
短調のキー名は、長調の表と違って♯側の表記(C♯m・F♯m・G♯m)を使っています。譜面で使う調号がその形になるためです。E♭マイナーの3番目に出るC♭は、鍵盤ではBと同じ音です。表記を混ぜると構成音を数えるときに迷うので、1曲の中ではどちらかに統一してください。
王道進行の12キー実音表:IV→V→iii→viをつかむ
王道進行は、この記事ではIV→V→iii→viの4コードを指します。CメジャーならF→G→Em→Am。FからGへ進んでCへの帰着を予感させつつ、Emを通ってAmへ向かう流れを試せます。響きの印象を言葉で決めつけるより、F→G→Cと続けた場合との違いを実際に比べるのが近道です。

「4536」は4番目、5番目、3番目、6番目という順番を示します。フレット番号、押さえる指の番号、小節番号ではありません。またFから始まっていても、Cメジャーを基準に見ているため最初はIVになります。表では全行をメジャーキー基準にそろえています。
横に長い表は左右にスクロールできます。各列の数字は演奏する順番です。
| キー | 1:IV | 2:V | 3:iii | 4:vi |
|---|---|---|---|---|
| Cメジャー | F | G | Em | Am |
| D♭メジャー | G♭ | A♭ | Fm | B♭m |
| Dメジャー | G | A | F♯m | Bm |
| E♭メジャー | A♭ | B♭ | Gm | Cm |
| Eメジャー | A | B | G♯m | C♯m |
| Fメジャー | B♭ | C | Am | Dm |
| F♯メジャー | B | C♯ | A♯m | D♯m |
| Gメジャー | C | D | Bm | Em |
| A♭メジャー | D♭ | E♭ | Cm | Fm |
| Aメジャー | D | E | C♯m | F♯m |
| B♭メジャー | E♭ | F | Dm | Gm |
| Bメジャー | E | F♯ | D♯m | G♯m |
王道進行とカノン進行を混同しない聴き方
どちらも同じキーの基本コードから作れますが、出発点と長さが違います。カノン進行はIから始まる8コード、ここでの王道進行はIVから始まる4コードです。CのカノンにはCが2回登場しますが、C基準の王道進行にはCのコードが登場しません。それでも曲の前後や旋律がCを中心にまとまっていれば、Cメジャーの一部分として成立します。
一方、F→G→Em→Amという並びだけを切り取ると、Aマイナーを中心に聴けることもあります。短いコード列だけで曲全体のキーを断定することはできません。ここでの「Cメジャー」は比較と移調に用いる基準であり、どの曲も必ずその調に分析すべきだという主張ではありません。
EmをEに替えると何が変わる?
F→G→E→Amもよく試される変化形ですが、基本形のEmとEは別のコードです。Emはミ・ソ・シ、Eはミ・ソ♯・シ。Eのソ♯はAへ半音で上がるため、次のAmへ向かう動きを強められます。このように次の和音へ向かうために一時的に使うドミナント、つまり帰着先へ導く和音を、セカンダリー・ドミナントと呼びます。このEはCメジャーの枠組みではV/viと表せます。
メロディーがソを長く伸ばしているところで伴奏だけをEに替えると、ソとソ♯がぶつかることがあります。変化形は「少し難しい記号にした方が上級」というものではありません。歌の音と一緒に鳴らして、狙った響きになっているかを確かめて選びましょう。
王道進行の別名と名前の由来:小悪魔コード進行
王道進行には「小悪魔コード進行」という別名があります。「王道進行」の呼び名は2008年にニコニコ動画へ投稿された動画のなかで「音極道」を名乗る音楽家が付けたもので、「小悪魔コード進行」は2014年にNHK Eテレ『亀田音楽専門学校』で亀田誠治が命名しました。明るいVから暗いiiiへ移る瞬間を、遊び人の失恋にたとえた名前です。どちらの呼び名でも度数はIV→V→iii→viを指します。
数字で読む「4536進行」も同じ並びの別名です。教材によって呼び名が変わるだけなので、表のコード名と度数を見て判断してください。
セブンスを付けた王道進行:IV△7→V7→iii7→vi
4和音にするときの基本形はIV△7→V7→iii7→viです。CメジャーならF△7→G7→Em7→Amになります。3和音版から増える音は、F△7のミ、G7のファ、Em7のレの3つだけで、最後のAmは3和音のままです。増えた音がメロディーとぶつからないか、1コードずつ止めて確かめてください。
代理コードを使った変化形として、iii7をIII7(CメジャーならE7)に替える形、IV△7をii9(Dm9)に替える形も王道進行の仲間として扱われます。順番としては、まず3和音で並びを覚え、次にセブンスを足し、最後に代理コードを試すと混乱しません。
カノン進行と王道進行が使われた曲:原曲からJ-POPまで
カノン進行の原曲は、ヨハン・パッヘルベルの「カノン ニ長調 P.37/1」です。作曲は17世紀後半から18世紀前半とされ、原曲のキーはニ長調なので、上の表のDメジャーの行が対応します。J-POPでは1990年前後に流行し、KANの「愛は勝つ」は各パートがカノン進行で作られていると指摘されています。王道進行は1990年代以降のJ-POPのサビに集中しています。
下の表は、作曲者本人や解説者が動画・番組などの公の場でその進行だと述べている例に限って並べました。耳で採譜した推測は入れていません。出典:ウィキペディア日本語版「カノン進行」「王道進行」の各項目/確認日 2026年9月5日。同じ曲でも編曲でコードが差し替えられている版があるため、実際に弾く譜面と照らし合わせてください。
| 進行 | 発表年 | 楽曲 | アーティスト | 使われている場所 |
|---|---|---|---|---|
| カノン進行 | 17世紀後半〜18世紀前半 | カノン ニ長調 P.37/1 | ヨハン・パッヘルベル | 全体(原曲) |
| カノン進行 | 1971年 | 翼をください | 赤い鳥 | サビ |
| カノン進行 | 1990年 | 愛は勝つ | KAN | 各パート |
| カノン進行 | 1990年 | 今すぐKiss Me | LINDBERG | - |
| カノン進行 | 2000年 | 桜坂 | 福山雅治 | - |
| カノン進行 | 2001年 | ロージー | aiko | サビ(代理コードあり) |
| 王道進行 | 1975年 | 卒業写真 | 荒井由実 | - |
| 王道進行 | 1979年 | いとしのエリー | サザンオールスターズ | - |
| 王道進行 | 1995年 | ロビンソン | スピッツ | - |
| 王道進行 | 2002年 | HERO | Mr.Children | - |
| 王道進行 | 2005年 | 全力少年 | スキマスイッチ | - |
| 王道進行 | 2008年 | HANABI | Mr.Children | - |
「1564進行」の曲をカノン進行と呼ばない
ビートルズの「レット・イット・ビー」、a-haの「テイク・オン・ミー」、U2の「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」、『アナと雪の女王』の「レット・イット・ゴー」は、I→V→vi→IVという1564進行が中心です。カノン進行の前半I→V→viまでは同じですが、4番目がiiiではなくIVになります。カノン進行から派生した形として「レット・イット・ビー進行」と呼ばれることもありますが、8和音の基本形とは別の並びとして扱ってください。
1564・6415・4156・5641の4つは、同じ4和音を違う場所から始めた形で、まとめて「ポップ・パンク進行」と呼ばれます。上の10パターン表で開始コードを見比べると違いがつかめます。
12キーの構成音表:コード名から実際の音を探す
以下は12キーそれぞれの7つの基本コードと、その構成音です。カノン進行や王道進行の表でコード名を調べたら、同じキーの構成音表を開き、指定された3音を鳴らしてください。たとえばDメジャーの王道進行はG→A→F♯m→Bm。Gはソ・シ・レ、Aはラ・ド♯・ミ、F♯mはファ♯・ラ・ド♯、Bmはシ・レ・ファ♯です。

英字音名はC=ド、D=レ、E=ミ、F=ファ、G=ソ、A=ラ、B=シ。この記事のドレミはCを常にドと呼ぶ「固定ド」です。キーがDに変わってもDをドとは呼びません。♯は半音上げる、♭は半音下げる記号で、鍵盤では黒鍵も含めてすぐ隣への移動が半音になります。
オクターブはドから次のドまでのように、同じ音名がもう一度現れる高さの間隔です。構成音表ではオクターブ番号を省き、使う音の種類を示します。低いラ・中央のド・ミでAmを弾いても、中央付近のラ・ド・ミで弾いても、同じAmの構成音を使っています。手を無理に広げず、まず届く高さで試してください。
Cメジャーの構成音
音階:C・D・E・F・G・A・B。カノンはI・V・vi・iii・IV・I・IV・V、王道はIV・V・iii・viの順です。
| 度数 | コード | 英字の構成音 | 固定ドの構成音 |
|---|---|---|---|
| I | C | C・E・G | ド・ミ・ソ |
| ii | Dm | D・F・A | レ・ファ・ラ |
| iii | Em | E・G・B | ミ・ソ・シ |
| IV | F | F・A・C | ファ・ラ・ド |
| V | G | G・B・D | ソ・シ・レ |
| vi | Am | A・C・E | ラ・ド・ミ |
| vii° | Bdim | B・D・F | シ・レ・ファ |
D♭メジャーの構成音
音階:D♭・E♭・F・G♭・A♭・B♭・C。カノンはI・V・vi・iii・IV・I・IV・V、王道はIV・V・iii・viの順です。
| 度数 | コード | 英字の構成音 | 固定ドの構成音 |
|---|---|---|---|
| I | D♭ | D♭・F・A♭ | レ♭・ファ・ラ♭ |
| ii | E♭m | E♭・G♭・B♭ | ミ♭・ソ♭・シ♭ |
| iii | Fm | F・A♭・C | ファ・ラ♭・ド |
| IV | G♭ | G♭・B♭・D♭ | ソ♭・シ♭・レ♭ |
| V | A♭ | A♭・C・E♭ | ラ♭・ド・ミ♭ |
| vi | B♭m | B♭・D♭・F | シ♭・レ♭・ファ |
| vii° | Cdim | C・E♭・G♭ | ド・ミ♭・ソ♭ |
Dメジャーの構成音
音階:D・E・F♯・G・A・B・C♯。カノンはI・V・vi・iii・IV・I・IV・V、王道はIV・V・iii・viの順です。
| 度数 | コード | 英字の構成音 | 固定ドの構成音 |
|---|---|---|---|
| I | D | D・F♯・A | レ・ファ♯・ラ |
| ii | Em | E・G・B | ミ・ソ・シ |
| iii | F♯m | F♯・A・C♯ | ファ♯・ラ・ド♯ |
| IV | G | G・B・D | ソ・シ・レ |
| V | A | A・C♯・E | ラ・ド♯・ミ |
| vi | Bm | B・D・F♯ | シ・レ・ファ♯ |
| vii° | C♯dim | C♯・E・G | ド♯・ミ・ソ |
E♭メジャーの構成音
音階:E♭・F・G・A♭・B♭・C・D。カノンはI・V・vi・iii・IV・I・IV・V、王道はIV・V・iii・viの順です。
| 度数 | コード | 英字の構成音 | 固定ドの構成音 |
|---|---|---|---|
| I | E♭ | E♭・G・B♭ | ミ♭・ソ・シ♭ |
| ii | Fm | F・A♭・C | ファ・ラ♭・ド |
| iii | Gm | G・B♭・D | ソ・シ♭・レ |
| IV | A♭ | A♭・C・E♭ | ラ♭・ド・ミ♭ |
| V | B♭ | B♭・D・F | シ♭・レ・ファ |
| vi | Cm | C・E♭・G | ド・ミ♭・ソ |
| vii° | Ddim | D・F・A♭ | レ・ファ・ラ♭ |
Eメジャーの構成音
音階:E・F♯・G♯・A・B・C♯・D♯。カノンはI・V・vi・iii・IV・I・IV・V、王道はIV・V・iii・viの順です。
| 度数 | コード | 英字の構成音 | 固定ドの構成音 |
|---|---|---|---|
| I | E | E・G♯・B | ミ・ソ♯・シ |
| ii | F♯m | F♯・A・C♯ | ファ♯・ラ・ド♯ |
| iii | G♯m | G♯・B・D♯ | ソ♯・シ・レ♯ |
| IV | A | A・C♯・E | ラ・ド♯・ミ |
| V | B | B・D♯・F♯ | シ・レ♯・ファ♯ |
| vi | C♯m | C♯・E・G♯ | ド♯・ミ・ソ♯ |
| vii° | D♯dim | D♯・F♯・A | レ♯・ファ♯・ラ |
Fメジャーの構成音
音階:F・G・A・B♭・C・D・E。カノンはI・V・vi・iii・IV・I・IV・V、王道はIV・V・iii・viの順です。
| 度数 | コード | 英字の構成音 | 固定ドの構成音 |
|---|---|---|---|
| I | F | F・A・C | ファ・ラ・ド |
| ii | Gm | G・B♭・D | ソ・シ♭・レ |
| iii | Am | A・C・E | ラ・ド・ミ |
| IV | B♭ | B♭・D・F | シ♭・レ・ファ |
| V | C | C・E・G | ド・ミ・ソ |
| vi | Dm | D・F・A | レ・ファ・ラ |
| vii° | Edim | E・G・B♭ | ミ・ソ・シ♭ |
F♯メジャーの構成音
音階:F♯・G♯・A♯・B・C♯・D♯・E♯。カノンはI・V・vi・iii・IV・I・IV・V、王道はIV・V・iii・viの順です。
| 度数 | コード | 英字の構成音 | 固定ドの構成音 |
|---|---|---|---|
| I | F♯ | F♯・A♯・C♯ | ファ♯・ラ♯・ド♯ |
| ii | G♯m | G♯・B・D♯ | ソ♯・シ・レ♯ |
| iii | A♯m | A♯・C♯・E♯ | ラ♯・ド♯・ミ♯ |
| IV | B | B・D♯・F♯ | シ・レ♯・ファ♯ |
| V | C♯ | C♯・E♯・G♯ | ド♯・ミ♯・ソ♯ |
| vi | D♯m | D♯・F♯・A♯ | レ♯・ファ♯・ラ♯ |
| vii° | E♯dim | E♯・G♯・B | ミ♯・ソ♯・シ |
Gメジャーの構成音
音階:G・A・B・C・D・E・F♯。カノンはI・V・vi・iii・IV・I・IV・V、王道はIV・V・iii・viの順です。
| 度数 | コード | 英字の構成音 | 固定ドの構成音 |
|---|---|---|---|
| I | G | G・B・D | ソ・シ・レ |
| ii | Am | A・C・E | ラ・ド・ミ |
| iii | Bm | B・D・F♯ | シ・レ・ファ♯ |
| IV | C | C・E・G | ド・ミ・ソ |
| V | D | D・F♯・A | レ・ファ♯・ラ |
| vi | Em | E・G・B | ミ・ソ・シ |
| vii° | F♯dim | F♯・A・C | ファ♯・ラ・ド |
A♭メジャーの構成音
音階:A♭・B♭・C・D♭・E♭・F・G。カノンはI・V・vi・iii・IV・I・IV・V、王道はIV・V・iii・viの順です。
| 度数 | コード | 英字の構成音 | 固定ドの構成音 |
|---|---|---|---|
| I | A♭ | A♭・C・E♭ | ラ♭・ド・ミ♭ |
| ii | B♭m | B♭・D♭・F | シ♭・レ♭・ファ |
| iii | Cm | C・E♭・G | ド・ミ♭・ソ |
| IV | D♭ | D♭・F・A♭ | レ♭・ファ・ラ♭ |
| V | E♭ | E♭・G・B♭ | ミ♭・ソ・シ♭ |
| vi | Fm | F・A♭・C | ファ・ラ♭・ド |
| vii° | Gdim | G・B♭・D♭ | ソ・シ♭・レ♭ |
Aメジャーの構成音
音階:A・B・C♯・D・E・F♯・G♯。カノンはI・V・vi・iii・IV・I・IV・V、王道はIV・V・iii・viの順です。
| 度数 | コード | 英字の構成音 | 固定ドの構成音 |
|---|---|---|---|
| I | A | A・C♯・E | ラ・ド♯・ミ |
| ii | Bm | B・D・F♯ | シ・レ・ファ♯ |
| iii | C♯m | C♯・E・G♯ | ド♯・ミ・ソ♯ |
| IV | D | D・F♯・A | レ・ファ♯・ラ |
| V | E | E・G♯・B | ミ・ソ♯・シ |
| vi | F♯m | F♯・A・C♯ | ファ♯・ラ・ド♯ |
| vii° | G♯dim | G♯・B・D | ソ♯・シ・レ |
B♭メジャーの構成音
音階:B♭・C・D・E♭・F・G・A。カノンはI・V・vi・iii・IV・I・IV・V、王道はIV・V・iii・viの順です。
| 度数 | コード | 英字の構成音 | 固定ドの構成音 |
|---|---|---|---|
| I | B♭ | B♭・D・F | シ♭・レ・ファ |
| ii | Cm | C・E♭・G | ド・ミ♭・ソ |
| iii | Dm | D・F・A | レ・ファ・ラ |
| IV | E♭ | E♭・G・B♭ | ミ♭・ソ・シ♭ |
| V | F | F・A・C | ファ・ラ・ド |
| vi | Gm | G・B♭・D | ソ・シ♭・レ |
| vii° | Adim | A・C・E♭ | ラ・ド・ミ♭ |
Bメジャーの構成音
音階:B・C♯・D♯・E・F♯・G♯・A♯。カノンはI・V・vi・iii・IV・I・IV・V、王道はIV・V・iii・viの順です。
| 度数 | コード | 英字の構成音 | 固定ドの構成音 |
|---|---|---|---|
| I | B | B・D♯・F♯ | シ・レ♯・ファ♯ |
| ii | C♯m | C♯・E・G♯ | ド♯・ミ・ソ♯ |
| iii | D♯m | D♯・F♯・A♯ | レ♯・ファ♯・ラ♯ |
| IV | E | E・G♯・B | ミ・ソ♯・シ |
| V | F♯ | F♯・A♯・C♯ | ファ♯・ラ♯・ド♯ |
| vi | G♯m | G♯・B・D♯ | ソ♯・シ・レ♯ |
| vii° | A♯dim | A♯・C♯・E | ラ♯・ド♯・ミ |
F♯とG♭は同じ鍵盤でも、表記を一緒に混ぜない
一般的なピアノの調律である12平均律では、F♯とG♭は同じ高さになります。このように名前が違って同じ高さを示す音を異名同音と呼びます。12キー表では読みやすさを考え、C、D♭、D、E♭、E、F、F♯、G、A♭、A、B♭、Bを代表に選びました。C♯やG♭が「存在しないキー」という意味ではありません。
F♯メジャーの音階にはE♯が出てきます。E♯は鍵盤上ではFと同じ位置ですが、音階をF・G・A・B・C・D・Eという7種類の文字で順番に表すため、E♯と書きます。F♯メジャーのiiiであるA♯mの構成音はA♯・C♯・E♯です。読みやすさだけを優先して一部をFに替えると、理論上のつながりが見えにくくなるため、表では元の綴りを保っています。
G♭と書かれた譜面をF♯の行で音として確認することはできますが、コードの文字名はそのまま一致しません。合奏で共有する譜面には、どちらのキー表記を採用したかを明記しましょう。E♯=F、C♭=Bのような読み替えも、使っている譜面の文脈に合わせて考える必要があります。
好きなキーに移調する手順:度数を保って音だけ動かす
移調は、曲の音の関係を保ちながら全体の高さを変えることです。歌の最高音が高すぎるときや、楽器で弾きやすい高さに合わせたいときに使います。コード進行だけでなく、メロディーとベースも同じ幅で動かすのが基本です。伴奏だけを下げて歌は元のままにすると、別の和音との組み合わせになってしまいます。元の曲のキーが分からないときは曲のキーを調べるサイト・アプリで先に判定してください。

Cメジャーの王道進行をDメジャーへ移す例
- 元の進行F→G→Em→Amを、CメジャーでIV→V→iii→viと読み取ります。
- 新しいキーDメジャーの音階D・E・F♯・G・A・B・C♯を確認します。
- 4・5・3・6番目のコードを取り、G→A→F♯m→Bmにします。
CからDへの移動は半音2個分です。F→G、G→A、E→F♯、A→Bと、すべてのルートが同じ幅で上がっています。元のEmとAmに付いていたmも維持します。Eを単にFにしてしまうと半音1個分しか上がらず、音程の関係が変わるので注意してください。
同じ要領でCメジャーからB♭メジャーへ半音2個分下げるなら、王道進行はE♭→F→Dm→Gmです。移調後のコード名を表で確認したうえで、メロディーも半音2個分下げて歌います。高い音だけでなく、低い音が出しにくくなっていないかも確認すると、歌えるキーを選びやすくなります。
ギターのカポ使用時は「押さえる形」と「鳴るコード」を分ける
カポタストは、ギターの弦をまとめて押さえて開放弦の高さを上げる道具です。標準チューニングで2フレットにカポを付け、Cの形を押さえると実際にはDの和音が鳴ります。F→G→Em→Amの形を2カポで弾けば、実音はG→A→F♯m→Bmです。この表で見るのは実音のDメジャーの行になります。
バンドに「Cのカノンで弾く」と伝えるだけでは、カポ付きの形を指すのか実音Cを指すのかが分かりません。「実音Dメジャー、ギターは2カポでCの形」のように両方伝えると、ピアノやベースも合わせやすくなります。カポ位置を変えたあとは、弦の音の高さも確認してください。付け方とキーの数え方はカポタストの使い方で解説しています。
管楽器と合わせる場合の実音
B♭管のクラリネットやトランペットなどでは、一般的な移調譜の「ド」が実際にはB♭の高さで鳴ります。この記事のコード名や構成音は、そうした譜面の読み替えを行う前の実音です。管楽器奏者に演奏用の譜面を渡す場合は、その楽器の調に合わせて別途読み替えます。ギターのカポ表記と同様、音を共有する基準をそろえることが大切です。
同じコード進行を自然に聴かせる伴奏の作り方

ピアノは近くの音へ動かす
ボイシングは、コードの構成音をどの高さ・順番に配置するかということです。毎回ルートからド・ミ・ソのように積むと、コードが変わるたびに手全体が大きく移動します。共通する音を残し、動く音を近い位置へ移すと、指の負担を減らしながら伴奏をつなげられます。
Cメジャーの王道進行なら、右手をF=ラ・ド・ファ、G=ソ・シ・レ、Em=ソ・シ・ミ、Am=ラ・ド・ミと配置する例があります。GからEmではソとシを残し、レだけをミへ動かします。EmからAmではミを残し、ソをラ、シをドへ動かします。右手で保持する音が見えると、コード名の暗記だけより演奏を組み立てやすくなります。指の番号の割り振りはピアノの指番号と12キーの運指表にまとめました。
この例では左手で各コードのルートF・G・E・Aを低い位置に置きます。右手の最下音がラでも、左手のファが全体の最低音ならFの基本形として鳴ります。「右手のいちばん下の音」と「合奏全体の最低音」は同じとは限りません。転回形は構成音のうちルート以外を全体の最低音にした配置で、右手の形だけを見て決めないようにしましょう。
ギターはコードチェンジの前後2つだけを取り出す
8個のコードを続けると途中で止まる場合は、つまずく前後2つを抜き出します。たとえばAm→Emで止まるなら、まずその2つを往復し、次にG→Am→Emと前後を足します。最初からカノン進行を毎回先頭から弾き直すより、苦手な移動に時間を使えます。
Fの押さえ方が難しいときは、必要な構成音を含む省略形を確認するか、実音とカポ位置を整理して弾ける形を選びます。FをFmaj7に替える方法はシンプルな運指になる場合がありますが、ミという別の音が加わるため、完全に同じコードではありません。歌やほかの楽器と合わせて響きを確認してから採用してください。
打ち込みでは音域・長さ・強さを一度に変えない
打ち込みは、演奏する音の高さ・開始位置・長さなどをデータとして入力する方法です。DAWは録音や作曲に使うソフトで、MIDIは音の高さや強さといった演奏情報をやり取りする仕組みです。DAWの鍵盤表示から構成音を入力すると、楽器をすぐに弾けなくても進行を聴けます。
最初は同じピアノ音色、同じ音の強さ、1コード4拍にそろえてください。その後、音を置く高さだけを変えた版、2拍ずつにした版、和音をばらして弾くアルペジオにした版を別々に作ります。アルペジオは構成音を同時ではなく順番に鳴らす奏法です。変更点をひとつずつにすると、何が響きを変えたか分かります。
低い位置で3音を密集させると、音色によっては重く濁って聞こえます。まず低音はルート1音にして、残りの構成音を少し上の位置へ移してみましょう。ペダルや残響が長すぎる場合も前のコードの音が残るので、いったん短くして確認します。音数を追加する前に、音の重なり方を整理するのが有効です。
定番進行でオリジナルの8小節を作る練習
一覧の暗記を目的にせず、短くても自分で始まりから終わりまで作る練習をしてみましょう。ここでの8小節は学習用の設定で、曲は必ず8小節で作るという規則ではありません。私なら最初は4拍子で1コード1小節、ゆっくりした速さに固定して試します。
練習1:カノン進行を1周して、最後にCを足す
C→G→Am→Em→F→C→F→Gを8小節で弾きます。ループとして繰り返す場合はそのまま先頭へ戻り、練習を終えるときは9小節目にCを置いて長く伸ばします。8小節目のGで止める場合と、Cまで進めて終える場合の違いを聴きましょう。進行そのものと、曲を終わらせるための処理を分けて考えられます。
メロディーを付けるなら、各小節の最初はそのコードの構成音から1音を選びます。たとえばCではミ、Gではレ、Amではド、Emではシ、Fではラ、Cではソ、Fではラ、Gではシという出発音にできます。これは曲の旋律の引用ではなく、表から音を選ぶ学習例です。同じリズムで鳴らしてから、伸ばす場所や休む場所をあなた自身で変えてください。
練習2:王道進行を2周して、2周目だけ終わりを変える
F→G→Em→Amを2回並べれば8小節になります。まずそのまま繰り返し、次に2周目だけF→G→C→Cとして比較します。前者は同じ循環が続き、後者はCに落ち着く時間を作れます。2周目を変えた版は、8小節すべてが王道進行というわけではありません。どの部分を残し、どこを変更したかを記録しておくと再現できます。
そのうえで、2周目のメロディーを少し高くする、最後の音を長くする、1拍休んでから入る、といった変化をひとつ選びます。コードの種類を増やさなくても、旋律とリズムの工夫で区切りや盛り上がりを作る練習になります。
練習3:1日1キーで「表を見る→鳴らす→確認する」
- 最初の2分:今日のキーの音階とI・IV・V・viを声に出して読む。
- 次の3分:王道進行をルートだけで弾き、次に構成音を加える。
- 次の3分:カノン進行を前半と後半に分けて弾く。
- 最後の2分:1周録音し、コードの種類と拍が合っているか確認する。
10分は取り組み方の目安です。難しいキーでは表を見ながら止まって確認しても構いません。C、G、F、D、B♭のように少しずつ記号の付く音に慣れる順番でも、表の上から半音ずつ進む順番でも練習できます。弾けなかったキーを翌日にもう一度取り上げれば、苦手なところを残さず進められます。
コード進行の練習に使う道具:必要な役割から選ぶ
この記事の練習は、手持ちのピアノ、ギター、和音を入力できるソフトなどで始められます。新しく購入するなら「拍を一定にする道具」と「音を入力する道具」を分けて考えてください。以下は役割を理解するための具体例で、実機を比較したレビューや順位付けではありません。
KORG MA-2:コードを替える拍をそろえる
KORG MA-2は、一定の間隔で拍を示すメトロノームです。コードを1小節ずつ切り替える練習では、指が動く部分だけ速くなっていないかを確認する助けになります。タイマー・モードもあるため、前の項目のように時間を区切る練習にも使えます。
利点は、演奏する音とは別に拍の基準を用意できることです。一方、弾いたコードが正しいかを判定したり、カノン進行の伴奏を自動で演奏したりする道具ではありません。すでに使いやすいメトロノーム機能が手元にあるなら、同じ練習をそれで始められます。
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Roland A-49:パソコンへ和音を入力する
Roland A-49は49鍵のMIDIキーボード・コントローラーです。鍵盤を押した情報を音楽制作ソフトへ送り、和音を入力する用途で検討できます。マウスで3音をひとつずつ置くより、指で和音の形を確認しながら入力したい人に向く使い方です。
A-49本体には音源が内蔵されていないため、単体ではピアノのように音は出ません。音源とは実際の音を作る仕組みのことで、対応するパソコンやソフト音源などの演奏先を用意する必要があります。使う機器との接続方法や対応環境をメーカーの案内で確認してください。電源を入れてすぐ単体で練習したい場合は、音源やスピーカーを持つ別の鍵盤楽器が目的に合うこともあります。
コード進行のよくある疑問
よく聞かれる質問を9つ集めました。どれも結論を先に書いているので、気になる項目だけ読んでも意味が通ります。
カノン進行とは何ですか?
パッヘルベルの《カノン》に由来するI→V→vi→iii→IV→I→IV→Vの8和音です。CメジャーならC→G→Am→Em→F→C→F→G。前半の度数から1563進行、循環の形から大逆循環とも呼ばれます。
カノン進行で有名な曲は?
原曲はパッヘルベルの「カノン ニ長調」です。J-POPではKAN「愛は勝つ」、赤い鳥「翼をください」のサビ、福山雅治「桜坂」が挙げられています。曲名の一覧は本文の使用例の表にまとめました。
4536進行とは何ですか?
王道進行の別名で、IV→V→iii→viを度数の数字で読んだ呼び方です。CメジャーならF→G→Em→Am。4和音にする場合はIV△7→V7→iii7→viで、F△7→G7→Em7→Amになります。
短調(マイナーキー)でもカノン進行は使えますか?
使えます。短調ではIm→Vm→VI→III→IVm→Im→IVm→Vmになり、AマイナーならAm→Em→F→C→Dm→Am→Dm→Emです。12キー分の実音は本文の短調の表で確認できます。
コード進行だけでメロディーは決まりますか?
決まりません。同じ和音の上でも、構成音のどれを使うか、いつ鳴らすか、どれだけ伸ばすかで旋律が変わります。最初は構成音を中心に選び、慣れてから次の音へつなぐ短い音を加えると整理しやすくなります。コード進行が同じでも、リズム、音域、休符、楽器の組み合わせを変える余地があります。
メジャーキーなのにAmやEmがあるのはなぜ?
キーの種類と、その中に出てくる個々のコードの種類は別だからです。Cメジャーの音階からラ・ド・ミを選ぶとAm、ミ・ソ・シを選ぶとEmになります。メジャーキーだから全コードをメジャーにするわけではありません。mを外すと音階の外の音が入ることがあるため、表のコード名をそのまま読んでください。
カノン進行を4コードに短くしてもいいですか?
作曲や練習のために短くすることはできます。ただしI→V→vi→iiiという前半だけの繰り返しと、I→V→vi→IVという1564進行は、最後のコードが違います。どちらも「カノンを短くしたもの」とだけ呼ぶより、具体的な並びを共有した方が合奏で行き違いを防げます。
全部のコードに7を付ければおしゃれになりますか?
一律に付けると、意図していない音が入ります。C7はド・ミ・ソ・シ♭、Cmaj7はド・ミ・ソ・シで、最後の音が違います。メジャーキーの基本音から4音の和音を作る場合、CメジャーのIにはCmaj7、VにはG7が対応します。7とmaj7を同じ意味だと思わず、増やした音とメロディーがどう重なるかを確認してください。
コード進行表にあるのに、自分の演奏が不自然に聞こえるのはなぜ?
mや♯・♭の読み違いだけでなく、音が低すぎる、前の和音が長く残る、コードを替える拍がずれるといった原因もあります。まず1コードずつ止めて3音を確認し、次にメトロノームに合わせてルートだけで1周します。その後に和音へ戻すと、音の選択とリズムの問題を切り分けやすくなります。
まとめ:定番コード進行を1つ選び、12キー表で音にする
カノン進行はI→V→vi→iii→IV→I→IV→V、王道進行はIV→V→iii→vi。まずはこの違いを押さえ、Cメジャーの行から音にしてみましょう。度数はキーの中での順番、コード名は実際に鳴らす和音、構成音表はその和音を作る音の一覧です。3つを行き来できるようになると、移調も伴奏づくりも進めやすくなります。短調で作りたいときはIm→Vm→VI→III→IVm→Im→IVm→Vmの表、実際の曲で確かめたいときは使用例の表を使ってください。
今日の一歩は、F→G→Em→Amを4拍ずつ鳴らすこと。次に構成音を近い高さへ並べ替え、余裕があればDメジャーのG→A→F♯m→Bmでも試してください。12キーを一度に覚える必要はありません。あなたが弾きたい曲や作りたいメロディーに合わせ、必要な行を使いながら、定番の並びを自分で扱える音にしていきましょう。


