歌ってみた・弾いてみた・踊ってみたの著作権|OK/NG早見表とX投稿・収益化の条件

ミュージック

好きな曲の歌ってみた・弾いてみた・踊ってみたは、条件を満たせば投稿できます。OKかNGかを分けるのは曲・投稿先・音源の3つです。まず下の早見表で自分のケースを探し、判定の理由と手順は各節で確認してください。

結論:自分で歌う・演奏するカバーは、契約サービスなら個別申請なしで投稿できます

YouTube・TikTok・Instagram・ニコニコ動画などJASRAC・NexToneと契約しているサービスに、管理曲を自分の歌・演奏と自作伴奏で投稿するなら、投稿者の個別申請は不要です。市販CD・カラオケ店の音源をそのまま使う投稿はNG、Xへの直接投稿は個別申請が必要です。編曲・替え歌や商品の宣伝には別の許諾が要ります。

やりたいこと 判定 理由・次にすること
自分の歌・演奏+自作伴奏を、YouTube・TikTok・ニコニコ動画などに投稿 ◯ 管理曲なら契約サービスの範囲内で、個別申請は不要
歌ってみた用に配布されたオフボーカルで歌う ◯ 配布規約の投稿先・キー変更・収益化・クレジット条件を守る
伴奏なしのアカペラで歌う ◯ 伴奏ありと同じく、曲と投稿先の条件で判断する
市販CD・配信音源・MVの音をそのまま伴奏や背景に使う ✕ 録音物(原盤)の許諾が必要。公式が利用を認めた音源は例外
カラオケ店で歌った音声・映像を投稿 ✕ 店の伴奏は別の録音。DAM・JOYSOUND等の公式投稿機能の範囲なら可
原曲の音源で踊ってみた △ アプリ内楽曲・公式が認めた音源・ニコニコの許諾楽曲なら可。動画から抜き出した音は不可
Xに動画ファイルを直接投稿 △ XはJASRACと未契約のため、管理曲は個別申請が必要。申請しないならYouTube動画のURLを共有
YouTubeで広告収益を受け取る △ YPP参加と、分配対象のカバーであることが条件。市販音源・商業カラオケ入りは対象外
管理団体にない曲(作者が自分で管理する曲)を歌う △ 作者が公開している利用ルールの範囲で投稿

◯=条件の範囲内なら投稿できる △=条件や手続きしだい ✕=そのままでは投稿できない

  1. 歌ってみた・弾いてみたの著作権は「3ステップ」で判定できる
    1. ステップ1:その曲がJASRAC/NexToneの管理曲かを調べる
    2. ステップ2:投稿先が包括契約を結んでいるかを確認する
    3. ステップ3:使う音源が「自分の演奏」か「市販の原盤」かを分ける
  2. 著作権と原盤権の違い|カバー動画に関わる3つの権利
    1. カバー動画に関わってくる3つの権利
    2. 市販音源をどうしても使いたいときの許諾窓口
  3. 歌ってみたの音源選び|安全な音源の見分け方と規約チェック
    1. 音源は3パターン|許可が必要な範囲で比べる
    2. オフボーカル音源の規約で確認する4項目
    3. 「アカペラなら著作権は関係ない」は誤解
  4. 弾いてみたの著作権|楽譜・耳コピ・合奏の注意点
    1. 自分の録音と他人の録音を区別する
    2. 市販の楽譜・タブ譜の撮影や配布は別に確認
    3. バンドメンバーと合奏動画を作るとき
  5. 踊ってみたの著作権|音源と振り付け、2つの壁
    1. 市販音源をそのまま使うと原盤権の壁にぶつかる
    2. 踊ってみたの音源はどこから?使える入手先と使えない音源
    3. 振り付けの著作権はどう考える?
  6. 投稿先別・著作権ルール早見表|YouTube・ニコニコ・TikTok・X
    1. YouTube:Content IDの仕組みと申し立てが来たときの対応
    2. ニコニコ動画:投稿先に合う伴奏を選ぶ
    3. TikTok・Instagram:アプリ内音源の用途と転載条件を確認
    4. YouTube Musicにアップロードする場合
  7. 歌ってみたの著作権申請が必要なケースと費用|X(旧Twitter)投稿の3つの方法
    1. 方法1:JASRAC・NexToneに個別申請する
    2. 方法2:YouTubeに投稿してXにリンクを貼る
    3. 方法3:自作曲・許諾済み音源だけを使う
  8. 歌ってみた・弾いてみた・踊ってみたの収益化|広告収入は誰に入るのか
    1. Content IDの申し立てと広告収益の受取先
    2. 自分が収益を受け取れるのはどんなときか
    3. 歌枠でスパチャを受け取ってもいい?
    4. カバー曲をサブスク配信(Spotify・Apple Music)したい場合
  9. 投稿前チェックリストとやりがちなNG例
  10. よくある質問(歌ってみた・弾いてみた・踊ってみたの著作権)
    1. 歌ってみたは違法ですか?
    2. 歌いたい曲がJASRAC管理曲かどうかは、どこで調べられますか?
    3. 歌ってみた禁止の曲はありますか?
    4. X(旧Twitter)に歌ってみた・弾いてみたを投稿するには、いくらかかりますか?
    5. 歌ってみたで収益化はできますか?
    6. カラオケ店で歌った動画をYouTubeに上げてもいいですか?
    7. Content IDの申し立てが来たらどうすればいいですか?
    8. 歌ってみたをSpotifyなどのサブスクで配信できますか?
  11. まとめ|3ステップを覚えれば、もっと自由に表現できる
  12. 出典・参考資料

歌ってみた・弾いてみたの著作権は「3ステップ」で判定できる

歌ってみた・弾いてみた・踊ってみたの著作権を、①曲の管理団体、②投稿先の契約、③音源の録音者の順に判定する図

曲名・投稿先・伴奏の入手先を手元に用意します。3ステップのうち、自分に足りない許諾が見つかった段階で、その相手への申請か素材の変更を選びます。

ステップ1:その曲がJASRAC/NexToneの管理曲かを調べる

詞・曲の「配信」を誰が管理しているかは、JASRAC(日本音楽著作権協会)のJ-WIDとNexTone作品検索で調べます。利用条件を読んで検索画面へ進み、曲名と作者が一致する作品を開きましょう。

見るのは、作品コードと「配信」欄、注意表示です。J-WIDは管理・一部管理・管理外・問い合わせを区別し、一部管理なら作詞・作曲のどこが対象かまで読みます。NexToneでは配信欄の○と管理内容を読み取ります。曲名が見つかるだけでは許可の範囲は決まりません。

表記を変えて両方で探しても管理範囲が分からないときは、管理団体や権利者に作品名・作者を伝えて問い合わせます。作者自身が投稿条件を公開している曲はその範囲に従います。ここで得るのは曲の管理状況で、伴奏ファイルの許可はステップ3で扱います。

ステップ2:投稿先が包括契約を結んでいるかを確認する

「包括利用許諾契約(包括契約)」は、サービス側が管理団体とまとめて音楽利用の契約をする仕組みです。その団体が管理する範囲と契約で認められた使い方に限り、投稿者の個別申請が不要になります。配信と録画の違い、アプリの対象機能、利用曲の申告欄も確認します。

投稿先 JASRAC公開一覧 NexTone公開一覧 自分で歌う・演奏する投稿
YouTube 掲載あり 掲載あり 契約範囲内なら個別申請不要
ニコニコ動画 掲載あり 掲載あり 契約範囲内なら個別申請不要
TikTok 掲載あり 掲載あり 対象機能・用途の条件内で利用
Instagram 掲載あり 掲載あり 対象機能・用途の条件内で利用
Twitch 掲載あり 掲載あり 配信・録画と音楽ガイドラインを確認
X(旧Twitter) 掲載なし 掲載なし 管理曲の直接投稿は個別申請が必要

上表の「掲載あり」は、管理団体が公開する契約サービス一覧に載っていることを示します。JASRACは2026年4月14日、Xとは契約を結んでいないため、管理楽曲をXに投稿するには投稿者の個別申請が必要だと公式アカウントで案内しています。NexToneの一覧にもXの記載はなく、一覧にないサービスでの利用は問い合わせるよう案内されています。

ステップ3:使う音源が「自分の演奏」か「市販の原盤」かを分ける

サービスの包括契約で曲を使えても、他人の録音物まで使えるとは限りません。伴奏の入手先と利用条件を照合し、許可の記録を残します。

  • 自分で歌う・弾く・打ち込む:他人の市販録音を使わずに制作できます。新しい録音や実演にも権利は生じるため、共演者や制作依頼先がいる場合は投稿・収益化の合意を取ります。
  • 配布されているオフボーカル音源を使う:配布者に許諾する権限があるかを確かめ、投稿先・加工・クレジット・収益化の条件を守ります。曲の権利は別に確認します。
  • 市販CD・配信音源・カラオケ店の音源をそのまま使う:録音物の利用許諾を別に確認します。購入や店舗の利用料金を払っただけで、動画への利用許可が付くわけではありません。

通常のカバー投稿なら、ここまでの3ステップで判定できます(ケース別の結果は冒頭の早見表にまとめています)。編曲・訳詞・替え歌は作者や音楽出版社へ、広告・商品宣伝はその用途の許諾窓口へ進みます。管理団体の包括契約だけでこれらの許諾を得たことにはなりません。

JASRACで「個人以外」が外国作品を動画に使う場合には、原則として動画への録音に関する別手続きもあります。「個人以外」は出演人数ではなく、投稿アカウントを誰が所有・運営するかで決まります。個人事業主を含む個人のアカウントと、学校・企業・団体が運営するアカウントを分けてください。例えば学校公式アカウントの合奏動画なら、JASRACの動画利用案内で外国作品のビデオグラム録音手続きをたどります。ライブ配信のみの場合などの例外があり、外国作品の区分も歌詞の言語では決まりません。

著作権と原盤権の違い|カバー動画に関わる3つの権利

本文中:著作権の種類を整理

3ステップで判定できるとはいえ、「なぜそうなるのか」を知っておくと応用がききます。ここでは関わる権利を1分で整理します。

カバー動画に関わってくる3つの権利

曲・録音物・出演や振り付けを分けると、許諾を求める相手を取り違えずに済みます。次の3項目は確認のための整理で、法律上の権利が3種類だけという意味ではありません。

  • 著作権(作詞・作曲の権利):歌詞やメロディーの権利です。JASRACやNexToneが管理する曲と、作者などが自分で管理する曲があります。
  • 録音物の権利(一般に原盤権と呼ばれるもの):録音を製作した人の権利です。レコード会社だけでなく、個人の音源制作者も関係します。
  • 実演家の権利・振り付けの著作権:歌手や演奏者の実演に関する権利と、創作的な振り付けの著作権は別のものです。録音の製作者の権利と実演家の権利は、著作隣接権に含まれます。

曲の権利と録音物の権利は、別の許諾として確認します。例えばJASRACが曲の配信を管理していても、伴奏を作った人の許可まで得られるわけではありません。合奏やダンスでは、出演者・振り付け・映像素材の利用条件も加わります。

市販音源をどうしても使いたいときの許諾窓口

市販録音を使いたい場合は、レコード会社などの録音物の権利者に利用許諾を申し込みます。曲の配信を管理するJASRAC・NexToneへの確認だけでは足りません。JASRACの動画利用案内には、日本レコード協会の許諾窓口一覧への案内もあります。

問い合わせる場合は、音源名、使用する区間、投稿先、公開期間、収益化や宣伝の有無を伝えます。返答や許諾条件が揃うまで、その録音は使いません。自分で伴奏を録る方法なら、他人の市販録音を使うための交渉を省けます。

歌ってみたの音源選び|安全な音源の見分け方と規約チェック

自作・配布依頼・市販音源で必要な許可を分け、曲と投稿先の条件も確認する図解

同じ曲の伴奏でも、キーを変えられるもの、指定の投稿先だけで使えるもの、非収益に限るものがあります。録音後に選び直さずに済むよう、自分の作り方に合う利用条件を先に選びます。

音源は3パターン|許可が必要な範囲で比べる

制作の手間をかけられるなら自作伴奏、録音を早く始めたいなら用途が合う配布・依頼音源が候補です。市販録音そのものを使う理由がある場合は、先に権利者との許諾交渉を進めます。

例えば、キーを2つ下げてYouTubeへ非収益で投稿したいなら、「YouTube可・キー変更可・非収益可」という条件の伴奏を選び、指定クレジットを概要欄に入れます。キー変更禁止なら、原キーで歌うか、変更を認めた別の伴奏にします。制作依頼では、この利用範囲を発注時の合意に含めます。料金を払うだけで全ての権利が移るわけではありません。MIXや伴奏制作を外注するときの相場と頼み方は歌ってみたMIXの依頼相場で解説しています。

オフボーカル音源の規約で確認する4項目

「歌ってみた用」と書かれていても、条件は配布者ごとにまったく違います。使う前に次の4点をチェックしてください。

  • 収益化の可否:「個人利用のみ」「収益化はNG」と書かれていないか。ここを見落とすと、あとで収益化をオフにする作業が発生します。
  • クレジット表記の条件:概要欄に何をどう書くよう求められているか。書式が指定されている場合もあります。
  • 加工・アレンジの可否:キー変更、テンポ変更、途中カットが認められているか。
  • 投稿できる場所:YouTube限定か、SNS全般で使えるか。X(旧Twitter)だけ別扱いになっていることもあります。

規約は更新されることがあるので、使った時点の規約をスクリーンショットで残しておくと、あとで確認が必要になったときに役立ちます。

「アカペラなら著作権は関係ない」は誤解

伴奏がないアカペラでも、メロディーと歌詞の著作権は関係します。他人の伴奏を使わない分、録音物の許諾確認は減りますが、曲と投稿先の条件は同じです。

弾いてみたの著作権|楽譜・耳コピ・合奏の注意点

本文中:弾いてみた動画の撮影シーン

弾いてみたも3ステップは同じです。ギターだけ自分で弾いていても、背景に原曲のCD音源を流すなら、その録音物の許可が必要になります。

自分の録音と他人の録音を区別する

伴奏を含めて自分で演奏・録音すれば、自分たちの新しい録音になります。ただし、練習用に流した原曲がマイクへ入ると、その部分には他人の録音が含まれます。撮影時はイヤホンで伴奏を聴くか、投稿用の自作伴奏に合わせ、完成した音声に原曲が混ざっていないか聴き直します。

市販の楽譜・タブ譜の撮影や配布は別に確認

市販の楽譜を演奏のために読むことと、紙面を撮影してネットに載せることは別です。楽譜には曲・編曲・解説などの権利が関係するため、買った楽譜をそのまま画面に映せるとは判断しません。掲載の許可が分からなければ、演奏だけを撮影する構図にします。

耳コピした楽譜を画像やPDFで配る場合も、曲の複製・配信の許諾が関係します。演奏を聴かせる動画と譜面の配布は、別の利用として扱います。

バンドメンバーと合奏動画を作るとき

参加者それぞれの演奏と録音について、投稿先、公開期間、編集、収益化の扱いを合意してから撮影します。同じ動画でも投稿先が変われば条件を調べ直します。撮影者や外注した伴奏制作者がいる場合も、使える範囲を書面やメッセージで残しましょう。

踊ってみたの著作権|音源と振り付け、2つの壁

本文中:踊ってみたの2つの権利

踊ってみたでは、曲の権利に加え、使う録音物と振り付けを確認します。ダンス動画に使うからといって、市販音源の許諾が不要になるわけではありません。

市販音源をそのまま使うと原盤権の壁にぶつかる

ダンスは原曲の音に合わせて踊りたい場面が多く、歌ってみたのように伴奏を自分で演奏する方法を取りにくいのが最大の壁です。そのため踊ってみたでは、音源をどこから持ってくるかが判定の中心になります。

踊ってみたの音源はどこから?使える入手先と使えない音源

原曲の音で踊りたいなら、投稿するアプリの楽曲、公式が利用を認めた音源、ニコニコの許諾楽曲のどれかから選びます。どれも使える場所と条件が決まっているため、投稿先を先に決めてから音源を選びます。

音源の入手先 使える範囲 注意点
TikTok・Instagram・YouTubeショートの作成画面で選べる楽曲 そのアプリ内での投稿 保存した動画を音源ごと別のSNSへ転載しない。TikTokで商品・企業を宣伝するなら商用楽曲ライブラリから選ぶ
アーティスト・レーベルの公式ルールで利用が認められた原曲音源 ルールに書かれた範囲。例:Mrs. GREEN APPLEは、個人が踊ってみた・歌ってみた・弾いてみたにオリジナル音源を使うことを認めている 踊りや演奏を含まない使用、倍速などの加工、メドレー、公式の映像・写真の無断使用は範囲外。商業目的は問い合わせが必要
ニコニコの「許諾楽曲検索」に載っている原盤 ニコニコ動画・ニコニコ生放送 許諾は曲・音源ごと。同じ動画を他のSNSに上げるなら別に確認する
踊ってみた用に配布された音源、仲間と演奏・録音した音源 配布規約や参加者の合意の範囲 「フリー」でも商用利用・加工・クレジットの条件を読む
MV・YouTube動画・CDから抜き出した音、カラオケ店の音源 使えない 原盤の許諾がないため、上の入手先に切り替える

公式ルールの有無や範囲は、アーティストごとに違います。アーティスト名と「動画利用」「ガイドライン」で公式サイトを検索し、ルールが見つからなければ上の入手先から選びます。音源を決めたら、次の振り付けの条件も確認します。

振り付けの著作権はどう考える?

創作的なダンスの振り付けは著作物になり得ます。一般的なステップやありふれた動きと、創作的な振り付け全体は区別して考えます。

趣味や非収益の投稿でも、創作的な振り付けを自由に使えるとは限りません。振付師や権利者の投稿ガイドラインを確認し、商用利用・改変・クレジット等の条件を照合します。条件が分からなければ許可を取るか、自分の振り付けに変えます。

投稿先別・著作権ルール早見表|YouTube・ニコニコ・TikTok・X

投稿先の契約・アプリ内機能・利用用途と、一覧にない場合の問い合わせを整理した図解

投稿先ごとに、使う曲・録音物・アプリ内機能・収益化の条件が違います。表で自分の投稿方法を選び、該当する説明へ進みましょう。

投稿先・素材 自分のカバー演奏 外部の録音を使う アプリ内音源の扱い 収益を得たい場合 この場面での次の行動
YouTube 通常は契約範囲内で投稿 録音物の許可が必要 対象の機能・ライセンス内で利用 対象カバーの分配か、別途書面許可の分岐へ Studioの対象動画で権利と収益化の表示を読む
ニコニコ動画 管理曲を契約範囲内で投稿 許諾楽曲検索に載る原盤以外は、曲とは別に許諾が必要 音源ごとの提供条件による YouTubeの分配条件は適用しない 自作伴奏か、ニコニコで使える配布伴奏を選ぶ
TikTok 対象の機能・用途内で投稿 必要な曲・録音の許諾を得る 商品宣伝は商用楽曲ライブラリが基本 楽曲の商用許可と報酬制度は別 商品紹介なら通常の音源選択をそのまま流用しない
Instagram 対象の機能・用途内で投稿 必要な曲・録音の許諾を得る 一般ライブラリは個人的・非商用利用向け 商用用途は必要な権利を別途得る 宣伝投稿や他SNSへの転載に一般ライブラリの許可を流用しない
X(旧Twitter) JASRAC・NexTone管理曲の直接投稿は個別申請が必要 曲に加え録音物の許可が必要 他SNSの音源付き動画をそのまま添付しない 非商用の申請料金を流用しない 下の申請手順へ進むか、権利処理済みYouTube動画のURLを共有
カラオケ店の録音 自分の歌でも店の伴奏は別の録音 店舗利用料だけでは投稿許可にならない 公式投稿機能の指定先・用途に従う 商業カラオケ録音を含むYouTubeカバーは対象外 投稿許可のない店内録音は使わず、伴奏を選び直す

YouTube:Content IDの仕組みと申し立てが来たときの対応

YouTubeには、動画と権利者が登録した情報を自動照合するContent IDがあります。曲の投稿条件を満たしていても、楽曲の権利に対する申し立てが付く場合があります。自分の演奏だから誤検出とは限りません。

Content IDの申し立てでは、権利者の設定によりブロック、収益化、視聴状況の追跡などが行われます。著作権侵害の警告や削除請求とは区別し、YouTube Studioで対象動画の「制限」から詳細を読みます。

  • 1. 申し立ての内容を確認する:誰が、動画のどの区間に対して、どのポリシー(収益化/ブロック/トラッキング)を適用しているかを見ます。
  • 2. 対象が曲か録音物かを照合する:自作伴奏でも曲の権利への申し立てはあり得ます。保有する権利や許可が申し立ての対象を含むか調べ、正当な理由がある場合だけ異議申し立てを検討します。
  • 3. 許可のない素材は公開を待つ:該当部分の削除・差し替えや必要な許諾の取得を検討します。非公開に変えるだけで権利処理が済むわけではありません。

ショートだから許可が不要になるわけではありません。曲・音源・投稿機能の利用条件を満たす必要があり、短く切るだけでは解決しません。

1分を超えるYouTubeショートに有効なContent IDの申し立てがあると、権利者のポリシーにかかわらずブロックされます。申し立てが解決するまで視聴できないため、投稿後もStudioの通知を確認します。

ニコニコ動画:投稿先に合う伴奏を選ぶ

自分で録ったカバーなら、曲の配信管理がJASRAC・NexToneの契約範囲に入るかをステップ1の検索結果で判断します。配布伴奏を使う場合は、配布元がニコニコへの投稿を認めているものを選びます。「YouTubeで使用可」しか書かれていない伴奏なら、ニコニコでの許可を得るか別の伴奏に替えます。

ボカロ曲でも、作詞・作曲の管理団体と伴奏を配る制作者は別の場合があります。曲の管理先が分かったことを、伴奏ファイルの利用許可と取り違えないようにしましょう。

ニコニコでは、「許諾楽曲検索」に載っている原盤(CD・配信の音源)なら、ガイドラインの範囲で動画や生放送に使えます。許諾は曲・音源ごとなので、使う音源そのものが載っているかを確かめます。

TikTok・Instagram:アプリ内音源の用途と転載条件を確認

アプリ内の楽曲も、表示される全曲をあらゆる用途で使えるわけではありません。TikTokで商品や企業を宣伝する場合は商用楽曲ライブラリ(CML)が基本となり、それ以外の音楽を使う場合は必要な許諾を自分で得ます。

Instagramも、楽曲ごとの利用範囲と商用目的の可否を確認します。アプリ内で選んだ音源を含む動画を保存して別のSNSへ投稿する場合や、外部で編集した市販音源を持ち込む場合は、元のアプリの許可を流用しません。

YouTube Musicにアップロードする場合

YouTubeの動画投稿、YouTube Musicの個人用ライブラリへのアップロード、音楽カタログへの配信は別の機能です。個人用ライブラリへ追加した音楽は自分で聴くためのもので、一般公開の配信リリースにはなりません。

一方で、カバー音源を「楽曲リリース」としてYouTube Musicの音楽カタログに載せたい場合は、動画投稿とは別枠になります。これは後述するサブスク配信と同じ扱いで、音楽ディストリビューターを通した配信手続きと、カバー曲としての権利処理が必要です。

歌ってみたの著作権申請が必要なケースと費用|X(旧Twitter)投稿の3つの方法

Xは2026年10月時点で、JASRAC・NexToneの契約サービス一覧に載っていません。そのため、管理曲の歌ってみた・弾いてみたをXに動画ファイルで直接投稿するなら、投稿者が個別に申請します。Xで公開する方法は、個別申請して直接投稿する、YouTubeに投稿してURLを共有する、自作曲に変えるの3つです。

方法1:JASRAC・NexToneに個別申請する

JASRAC管理曲はJASRACへ、NexTone管理曲はNexToneへ申請します。曲名・作者・作品コード、XのアカウントURL、公開予定期間、同時に公開する曲数、広告収入・商品宣伝の有無、使う録音の出所をまとめておくと、該当する手続きと料金区分の案内を受けやすくなります。

以下は各団体の一般的なインターネット配信手続きです。許諾番号の表示場所や利用実績の報告方法は、Xで実施できる形を窓口と確認してから申し込みます。

  • JASRACの個人・非商用配信:J-TAKT(オンライン申請窓口)で利用内容を入力し、登録完了画面から申込書を取得。印刷・捺印して指定先へ郵送します。オンライン入力だけでは完了しません。
  • JASRACの許諾後:通常約2週間で案内される許諾番号・マークを、指定された場所に表示します。許諾範囲と開始時期に沿って公開し、請求書の期限までに支払います。契約更新時・期間終了時には、使った曲の報告も行います。審査日数は目安なので、公開日を先に確約しないでください。
  • NexToneの配信手続き:NexToneの利用者登録・申請案内から初回登録を行い、PlayN(利用申請・報告システム)へサービスと利用形態を登録します。承認後に発行される許諾番号・マークを表示し、許諾条件内で公開します。
  • NexToneの公開後:利用実績を所定の形式でPlayNから報告し、発行された請求書の期限までに支払います。自分で利用実績を管理・報告できることも申請条件です。

曲の一部を両団体が分けて管理しているときは、それぞれの管理範囲を扱います。申請を送信した時点では、公開の許可を得たことにはなりません。許諾を得られない、必要な表示・報告を実施できない場合は、次のURL共有か自作曲の方法へ切り替えます。

JASRACの個人・非商用配信の例 使用料(税別)
同時に配信できる曲数が1曲 年額1,200円/月額150円
同時に配信できる曲数が2曲/10曲 2曲:年額2,400円/月額300円。10曲:年額10,000円/月額1,000円
広告収入あり・営利目的等 上の非商用料金は適用しない。利用区分に応じて確認

上表はJASRACの個人・非商用配信の料金例で、税別です。月額は年額を12で割った金額ではなく、利用月数を先に決める場合の料金です。例えば1曲を3か月使うなら150円×3=450円(税別)。音源製作者への許諾料は別で、NexToneに同じ料金を当てはめることはできません。

広告料等の収入がある場合や営利目的の配信は、個人・非商用の条件から外れます。「広告ありなら一律月5,000円」とは計算せず、配信の形式・内容・収入に応じた区分を管理団体へ確認します。契約サービス内の通常のカバー動画に広告が付く場合と、個別に配信許諾を申請する場合も区別します。

方法2:YouTubeに投稿してXにリンクを貼る

曲と音源の利用条件を満たす動画をYouTubeへ投稿し、XではそのURLを共有する方法です。Xへ動画ファイルを再アップロードする場合とは異なります。市販音源を無断で使った動画は、YouTubeに移しても問題が解決しません。

外部サイトへの埋め込みや企業・商品の宣伝には別の確認が必要な場合があります。

方法3:自作曲・許諾済み音源だけを使う

自分が詞・曲・録音の利用権限を持つオリジナル曲を使う方法です。共作者や管理委託先がある場合は合意・契約を確認します。クリエイティブ・コモンズ(条件を示して作品利用を許す仕組み)の曲も、表示義務・改変・非営利等の条件を読んで選びます。

歌ってみた・弾いてみた・踊ってみたの収益化|広告収入は誰に入るのか

投稿の許可とYouTubeの収益分配対象を別に確認する図解

歌ってみたでも広告収益を受け取れる場合があります。ただし、投稿の許可、伴奏の商用利用許可、YouTubeの収益化条件は別々です。音源の選び方だけで収益を確約することはできません。

Content IDの申し立てと広告収益の受取先

権利者はContent IDの申し立てで、収益化・ブロック・視聴状況の追跡などを選べます。収益化される場合も、権利者が受け取るのか、投稿者との分配対象なのかは動画ごとに異なります。

広告が表示されても、投稿者が受け取れるとは限りません。自分への分配は次の条件で判断します。

自分が収益を受け取れるのはどんなときか

自作伴奏のカバーで収益分配を受けるには、YouTubeパートナープログラム(YPP)への参加に加え、音楽出版社がその動画を分配対象にしている必要があります。Studioに「広告収益は分配対象」と出ている動画なら、[コンテンツ]で対象動画を選び、収益化を[オン]にします。

一方、曲への申し立てがない場合は、曲の権利者から収益化について事前に明示的な書面の許可を得る必要があります。申し立てが付かないことを、自由に収益化できる証拠にはしません。申し立てはあっても分配対象と表示されない動画は、その通知の権利情報・条件に従い、分配を受けられるものとして計算しないでください。

使う音源・動画 適用する条件 収益化の判断
市販CD・商業カラオケ等の録音を含むカバー YouTubeのカバー演奏の収益化案内 この類型は対象外。録音物の使用許可だけでは対象にならない
非営利限定のオフボーカルを使うカバー 配布元が収益目的の利用を認めていない 収益目的では使用しない。商用利用できる別の伴奏を選ぶ
商用利用が許された配布・依頼伴奏のカバー 伴奏の許可と曲の収益化条件は別 商用OKだけで確定しない。曲の分配対象・書面許可の分岐へ
自作伴奏で録ったカバー YPPと対象動画の条件 分配対象の表示ありならオン。曲の申し立てなしなら事前の書面許可が必要
自作のオリジナル曲 映像・録音・共作等の権利を全て保有し、収益化要件を満たす 自分の権利だけで利用できる範囲なら収益化へ。共同制作や管理委託があればその契約に従う

表の「対象外」は、YouTubeがカバー演奏の案内で挙げる商業録音の類型です。個別に制作を依頼した伴奏を、料金が発生したという理由だけで市販カラオケと同一視しません。また、Creator Musicなど別の音楽ライセンス制度を使う場合は、その制度の対象地域・楽曲・用途に従います。どの制度でも、許可された範囲を超えてよいことにはなりません。

踊ってみたで原曲の音源を使う場合も、収益化できるかは音源側のルールで決まります。例えばMrs. GREEN APPLEのオリジナル音源の利用ルールは個人の使用に限られ、商業目的の利用は問い合わせが必要です。アプリ内楽曲は、そのアプリが認める用途の範囲で使います。

歌枠でスパチャを受け取ってもいい?

歌枠のスパチャも一律に可否は決まりません。曲と音源の収益化条件、YouTubeの機能利用資格を確認し、権利を管理する第三者がいれば有効化前に問い合わせます。

スパチャは、視聴者がチャットを目立たせるために購入するSuper Chatの通称です。広告収益の分配対象になったことだけで、スパチャの利用許可まで得られたとは判断しません。非営利限定の伴奏は、その条件を守ります。

カバー曲をサブスク配信(Spotify・Apple Music)したい場合

カバー曲をSpotifyやApple Musicへリリースする場合は、曲と録音の配信権限をそろえ、配信代行サービスの登録条件に従います。動画投稿用の音源許可をそのまま流用しません。

  • 音楽ディストリビューターを使う:個人がサブスクに配信するには、TuneCore Japanなどの配信代行サービスを経由するのが一般的です。
  • 曲の管理範囲と配信許諾を確認する:管理楽曲でも配信が許諾されていなければ登録できません。管理外の曲は正当な権利者の許可が必要です。
  • 配信に使える録音を用意する:自分で録るか、配信リリースまで許可された録音を使います。「YouTubeで歌ってみたに使用可」だけでは、配信ストアへの登録許可とは判断できません。
  • 配信代行サービスの条件に沿って登録する:例えばTuneCore Japanでは原曲のタイトル、カバーの表記、作詞・作曲者、管理作品コード等を登録します。許諾の証明を求められる場合もあります。

投稿前チェックリストとやりがちなNG例

市販音源・楽譜・他人の演奏の無断利用を避け、許諾や代替策を選ぶ図解

投稿前に、以下の確認結果と許可の記録をまとめます。不明点がある場合は、該当する素材や用途を変えるか、回答を得るまで公開を待ちます。

  • 曲の記録:曲名・作者・作品コードと配信管理の結果。必要な追加許諾があれば、その回答。
  • 素材の記録:使った伴奏の規約、制作依頼・共演者の合意。動画に映す歌詞・譜面・写真も含める。
  • 公開設定:許された投稿先・公開期間・クレジットを完成動画に反映。収益化は前節の分岐で対象と判断できたものだけ有効にする。
  • 個別申請の記録:許諾番号・表示方法・支払期限・利用曲目の報告期限を保存。申請不要ならその根拠となる契約範囲を記録する。

次の表は、許可を確かめずに進めやすい使い方と対処方法です。クレジットを書くだけで許諾の代わりにはなりません。

やってしまいがちなNG なぜダメか 代わりに選ぶ方法
市販CD音源を無許可で伴奏に使う 購入は動画利用の許可ではない 用途に合う許諾済み伴奏か自作伴奏へ変更
市販の楽譜・タブ譜を無断で映す 曲・編曲・紙面内の説明等の権利が関係する 演奏だけを撮影し、譜面は映さない
他人の演奏を許可なく使う その人の実演・録音にも権利がある 本人の許可を得るか、その演奏を使わない
許諾範囲を知らず歌詞を全文表示する 歌詞の複製・配信も著作権の対象 表示の許可が分からない間は、歌詞を画面に入れない
規約を読まずフリー音源を使う 無料でも非商用・表記義務等の条件がある 必要な用途が明記された音源を選び、指定のクレジットを入れる
Xに無許可の市販音源入り動画を直接投稿 曲と録音物の許諾を満たしていない 権利処理済みのYouTube動画のURL共有か、権利を持つ自作曲へ

本家のミュージックビデオ、ジャケット写真、他人のイラストを動画の背景に使う場合も、その素材の利用許可は別に必要です。音楽の許可で映像や画像まで使えるとは考えず、自分で撮った映像や投稿用に許諾された画像を用意します。

よくある質問(歌ってみた・弾いてみた・踊ってみたの著作権)

歌ってみたは違法ですか?

歌ってみた自体が違法とは限りません。曲・投稿先・音源の許諾条件内なら投稿できます。通常のカバーを超える編曲・宣伝等は別の手続きが必要です。

歌いたい曲がJASRAC管理曲かどうかは、どこで調べられますか?

J-WIDとNexTone作品検索で曲名・作者を探し、作品詳細の「配信」欄を読みます。一部管理や問い合わせの表示があれば、その範囲を管理団体に尋ねます。

歌ってみた禁止の曲はありますか?

あります。作者や権利者が投稿を認めていない曲や、管理団体が配信を管理していない曲は、YouTubeなどの契約サービスでも許可なしには投稿できません。管理外の曲は、作者の公式サイトや投稿動画の概要欄にある利用ルールで可否と条件を確認します。

X(旧Twitter)に歌ってみた・弾いてみたを投稿するには、いくらかかりますか?

XはJASRACと契約していないため、管理曲を直接投稿するには個別申請が必要です。JASRACの個人・非商用で1曲なら年1,200円/月150円(税別)が例で、NexToneや広告収入のある配信は別の料金区分です。

歌ってみたで収益化はできますか?

YPP参加者の対象カバーは収益分配が可能です。曲の申し立てがない場合は事前の書面許可が必要で、市販カラオケ等の商業録音を含むカバーは対象外です。

カラオケ店で歌った動画をYouTubeに上げてもいいですか?

店舗で録音しただけでは投稿許可になりません。DAM・JOYSOUND等の公式投稿機能を使うなら、その指定先と用途に従います。許可のない録音は投稿しません。

Content IDの申し立てが来たらどうすればいいですか?

申し立て元・対象区間・曲か録音物か・適用ポリシーを確認します。自作演奏でも曲の権利への申し立てはあり得ます。

異議申し立ては正当な権利や許可がある場合に限って検討します。1分超のショートは有効な申し立てがあるとブロックされます。

歌ってみたをSpotifyなどのサブスクで配信できますか?

曲と録音の配信権限をそろえ、配信代行サービスの条件を満たせば可能です。動画投稿だけを認めた伴奏は流用せず、配信リリースまで許可された録音を使います。

まとめ|3ステップを覚えれば、もっと自由に表現できる

投稿する条件がそろったら、選んだ方法に必要な作業へ進みましょう。通常のカバーを自作伴奏でYouTubeへ投稿する人は、例外に当たらなければ個別申請なしで制作・投稿へ。Xへ直接添付したい人はJASRAC・NexToneへ個別申請し、手続きが難しければYouTubeに投稿した動画のURL共有を選べます。踊ってみたは、アプリ内楽曲・公式が認めた音源・ニコニコの許諾楽曲から音源を選びます。

収益を得たい人は、投稿できるかどうかに加え、その動画の分配対象表示・許諾条件で判断します。未解決の素材が一つあるなら、他の作業を全てやり直すのではなく、その素材の許可を得るか、使える素材へ替えるところから進めてください。録音・MIX・投稿の具体的な手順は歌ってみたの作り方で解説しています。

出典・参考資料

この記事の情報について
管理団体・サービスの公開条件をもとに、一般的な投稿の判断手順を整理しています。個別の楽曲や案件の許諾を保証するものではありません。適用関係が分からない場合は、担当窓口や著作権に詳しい専門家へ相談してください。

情報確認日:2026年10月27日

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