まずは予算と目的を明確にしよう

ギター選びの第一歩は、予算と目的をはっきりさせることです。ここを曖昧にしたまま楽器店に行くと、店員さんのおすすめに流されたり、不要なオプションまで買ってしまったりする可能性があります。
初心者の現実的な予算設定
初心者の方には、本体・アクセサリー込みで3万円〜5万円の予算をおすすめします。「安すぎても良くないのでは?」と思うかもしれませんが、この価格帯なら、きちんと調整された弾きやすいギターを手に入れることができます。
1万円以下の激安ギターは避けましょう。音程が正確でなかったり、ネックが反っていたりして、弾きにくさから挫折の原因になることがあります。逆に、初めから10万円以上の高級ギターを買う必要もありません。技術が向上してから、自分の好みがわかってきた段階で 2本目を検討する方が賢明です。
「何を弾きたいか」で選ぶギターが変わる
あなたがギターで何を弾きたいか、イメージしてみてください。
- 弾き語りをしたい → アコースティックギター
- バンドでロックを演奏したい → エレキギター
- ジャズやブルースに挑戦したい → エレキギター(ジャズ向けモデルもあり)
- クラシック音楽を演奏したい → クラシックギター
目的が明確になれば、選択肢は自然と絞られてきます。「どちらも弾いてみたい」という場合は、まずは興味が強い方から始めましょう。
初心者がやりがちな「後悔ポイント」5選
「後悔しないギターの選び方」を説明する前に、実際によくある失敗例を先に知っておきましょう。これを読んでおくだけで、多くの人が経験する落とし穴を避けられます。
| よくある失敗 | なぜ起きるか | 回避策 |
|---|---|---|
| ①「安いから」と1万円以下のギターを買った | 安価なギターは弦高が高く指が痛くなりやすく、弾きにくさから挫折しやすい | 本体だけで最低1万5千円以上を目安にする |
| ②「見た目だけ」でオンライン購入した | ネックの太さや握りやすさは写真ではわからない。届いて初めて「弾きにくい」と気づく | 最初の1本は必ず楽器店で手に取って選ぶ |
| ③「とりあえずアコギ」にしたが弾きたいのはロックだった | 「ギター=アコギ」のイメージで選んでしまう。アコギは弦が固く挫折リスクが高め | 弾きたい音楽ジャンルを先に決めてから選ぶ |
| ④「初心者セット」を買ったらアクセサリーが粗悪品だった | 低価格セットは付属のチューナーやアンプの品質が低いことが多い | 本体は単品で選び、アクセサリーは別途選ぶ |
| ⑤「続くかわからないから」と安物を選び、結局2本目を買った | 弾きにくいギターでは上達が遠のき、モチベーションが続かない | 最初から弾きやすい3〜5万円台を選ぶ方が結果的に安上がり |
特に多いのが①と③です。「安いギターでまず試してから」は一見合理的ですが、弾きにくいギターで練習すると上達が遅くなるばかり。最初から適切な1本を選ぶことが、最短で上達するための近道です。
アコースティックギター vs エレキギター:どちらを選ぶ?

初心者の方が最も迷うのが、アコースティックギター(アコギ)とエレキギターのどちらを選ぶかという問題です。それぞれの特徴を理解して、自分に合った選択をしましょう。
アコースティックギターの特徴
メリット:
- ギター本体だけで演奏できる(アンプ不要)
- どこでも気軽に弾ける
- 弾き語りに最適
- 生音の温かみがある
デメリット:
- 弦のテンションが強く、最初は指が痛くなりやすい
- 音量調整ができない(近所迷惑になることも)
- エレキに比べて弦を押さえるのに力が必要
アコギは、シンガーソングライター風の弾き語りをしたい方、自然な音色を楽しみたい方におすすめです。ただし、集合住宅にお住まいの場合は、練習時間に配慮が必要です。
エレキギターの特徴
メリット:
- 弦が柔らかく、初心者でも押さえやすい
- ヘッドフォンで夜間も練習できる
- 多彩な音色が楽しめる
- ネックが細めで握りやすい
デメリット:
- アンプやシールドなどの周辺機器が必要
- 初期投資がやや高くなる
- セッティングが少し複雑
エレキギターは、ロックやポップスをバンドで演奏したい方、静かに練習したい方におすすめです。アンプにヘッドフォンを接続すれば、深夜でも周囲を気にせず練習できるのは大きな魅力です。
ギターの種類と特徴を知ろう

アコギとエレキ、それぞれにさまざまなタイプがあります。代表的なモデルを知っておくと、楽器店での選択がスムーズになります。
アコースティックギターの主なタイプ
ドレッドノート型
最も一般的なアコギの形状です。ボディが大きく、パワフルで豊かな低音が特徴。ストローク(ジャカジャカと弾く奏法)に向いています。フォークソングやカントリーミュージックでよく使われます。
フォーク型(オーディトリアム型)
ドレッドノートより小ぶりで、バランスの取れた音色。体が小さい方や女性にも扱いやすく、繊細なフィンガーピッキング(指で弾く奏法)にも適しています。
エレクトリックアコースティック(エレアコ)
ピックアップ(音を電気信号に変える装置)が内蔵されており、アンプにつないで音を大きくできます。ライブ演奏を考えている方におすすめですが、価格はやや高めです。
エレキギターの主なタイプ
ストラトキャスタータイプ
最もポピュラーなエレキギターの形状。明るくクリアな音色で、ロック、ポップス、ブルースなど幅広いジャンルに対応します。汎用性が高いので、迷ったらこのタイプがおすすめです。
レスポールタイプ
厚みのあるボディで、太く温かみのある音色が特徴。ロックやハードロックによく使われます。ストラトより重量があるので、実際に持ってみて確認しましょう。
テレキャスタータイプ
シンプルな構造で、歯切れの良いサウンド。カントリーやロックで人気があります。初心者にも扱いやすい設計です。
初心者におすすめのギター:予算別モデル比較
「種類はわかった。でも結局どれを買えばいいの?」という疑問に答えます。実際に初心者に評判の良いモデルを予算帯別にまとめました。
アコースティックギターおすすめモデル
| モデル名 | 価格帯(目安) | タイプ | おすすめポイント |
|---|---|---|---|
| Yamaha F310 | 1万5千〜2万円 | ドレッドノート | 入門機の定番。弾きやすく調整済みで届く。初めの1本として最も無難な選択 |
| Yamaha FG800 | 3万〜3万5千円 | ドレッドノート | ソリッドスプルーストップ採用で音色が本格的。長く使える1本 |
| Fender CD-60S | 3万5千〜4万円 | ドレッドノート | ソリッドトップで温かみのある音。フィンガーピッキングにも向く |
エレキギターおすすめモデル
| モデル名 | 価格帯(目安) | タイプ | おすすめポイント |
|---|---|---|---|
| Squier Affinity Stratocaster | 2万5千〜3万円 | ストラトキャスター | フェンダー系の廉価ライン。軽くて弾きやすく、音も幅広い |
| Yamaha Pacifica 112V | 4万〜4万5千円 | ストラト系 | 初心者向けエレキの定番中の定番。品質が安定していて失敗しにくい |
| Epiphone Les Paul Standard | 3万5千〜4万円 | レスポール | 太くて温かみのある音色。ロック・ハードロック志向の方に |
価格はショップや時期によって変動します。購入前に楽器店で実際に触り、自分の手に合うか確かめることが大切です。
実際にギターを選ぶときのチェックポイント

予算と種類が決まったら、いよいよ楽器店へ。でも、何を基準に選べばいいのでしょうか?ここでは、実際に手に取ったときに確認すべきポイントを解説します。
ネックの握りやすさは最重要
ギター選びで最も重要なのは、 ネックの握りやすさです。ネックとは、弦を押さえる細長い部分のこと。ここが自分の手に合っていないと、どんなに良いギターでも弾きにくく感じます。
店員さんに「触ってみてもいいですか?」と聞いて、以下をチェックしましょう:
- 左手でネックを握ったとき、親指がネックの裏にしっかり届くか
- 指が無理なく指板(弦を押さえる板)に届くか
- ネックの厚みが自分の手に合っているか(細すぎても太すぎてもNG)
女性や手の小さい方は、ネックが細めのモデルを選ぶと弾きやすいでしょう。
弦高(げんこう)を確認する
弦高とは、弦と指板の間の距離のこと。これが高すぎると弦を押さえるのに力が必要で、初心者には辛い練習になってしまいます。
適切に調整されたギターなら、それほど力を入れなくても弦を押さえられるはずです。複数のギターを試して、押さえやすいものを選びましょう。購入後に楽器店で調整してもらうこともできます。
音の響きとバランス
初心者の方が音質を正確に判断するのは難しいかもしれませんが、以下のポイントは確認できます:
- すべての弦を弾いたとき、極端に音が小さい弦はないか
- ビビリ音(ビーンという不快な音)が出ないか
- 音がこもっていないか、明瞭に響くか
不安な場合は、店員さんに弾いてもらって音を確認させてもらいましょう。「初心者なので弾けません」と正直に伝えれば、親切に対応してくれるはずです。
見た目も大切な要素
「見た目で選ぶのは邪道では?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。 自分が「かっこいい」「かわいい」と思えるギターを選ぶことは、練習のモチベーションにつながります。
色や形が気に入ったギターなら、部屋に飾っておきたくなりますし、「弾いてみよう」という気持ちも自然と湧いてきます。機能面が同等なら、デザインを優先して選んでもまったく問題ありません。
新品 vs 中古:どちらがおすすめ?

予算を抑えたいなら中古ギターも選択肢に入りますが、初心者の方には基本的に新品をおすすめします。
新品のメリット
- 状態が確実で安心
- 保証がついている
- 初期不良があれば交換・修理対応が受けられる
- 自分が最初のオーナーという満足感
中古を選ぶ際の注意点
それでも中古を検討する場合は、以下に注意してください:
- 信頼できる楽器店で購入する(保証があるとベター)
- ネックの反りやフレットの減りをチェックする
- 修理歴や前オーナーの使用状況を確認する
- 試奏させてもらい、不具合がないか確かめる
中古ギターの状態を正確に判断するには経験が必要です。初心者の方が一人で中古を選ぶのはリスクが高いので、詳しい友人や先生に同行してもらうのが理想的です。
ギター本体以外に必要なもの

ギターを購入したら、それだけで演奏できるわけではありません。最低限揃えておきたいアクセサリーをご紹介します。
アコースティックギターの場合
チューナー
音を合わせるために必須です。クリップ式のチューナーが初心者には使いやすく、視認性も良好です。
ピック
弦を弾くための小さなアイテム。厚さや材質によって音が変わります。最初は「ミディアム」の硬さを数枚購入して、自分に合うものを探しましょう。
カポタスト
曲のキーを変えるときに使う器具。すぐには必要ありませんが、弾き語りをするなら早めに購入しておくと便利です。
ギタースタンド
ギターを安全に保管するために欠かせません。壁に立てかけると倒れて破損する危険があるので、必ずスタンドを用意しましょう。
クロス
演奏後に弦や本体を拭くための布。汗や皮脂を放置するとサビや劣化の原因になります。
エレキギターの場合
エレキギターには、上記のアクセサリーに加えて以下が必要です:
ギターアンプ
エレキギターの音を出すために必須。初心者には 10〜15Wの小型アンプで十分です。自宅練習用なら、ヘッドフォン端子付きのモデルを選びましょう。
シールド(ケーブル)
ギターとアンプをつなぐケーブル。安すぎるものはノイズが入りやすいので、中価格帯のものを選ぶのが無難です。長さは 3〜5mが使いやすいでしょう。
ストラップ
立って演奏するときにギターを肩から掛けるベルト。座って練習する場合でも、将来的に必要になるので用意しておきましょう。
初期費用の目安
これらすべてを含めると、アコースティックギターなら4〜6万円、エレキギターなら5〜7万円程度が現実的な初期投資額となります。「初心者セット」として本体と必要なアクセサリーをまとめて販売しているものもありますが、個別に選んだ方が自分に合ったものを揃えられるのでおすすめです。
楽器店での購入 vs オンライン購入
ギターをどこで買うかも重要な選択です。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合った購入方法を選びましょう。
楽器店での購入がおすすめな理由
初心者の方には、 実店舗での購入を強くおすすめします。
- 実際に触って、音を確かめられる
- 店員さんに相談できる
- 購入後の調整やメンテナンスのサポートが受けられる
- 複数のギターを比較できる
- その場で疑問を解消できる
特に初めてのギターは、実際に手に取って選ぶことが後悔しない最大のポイントです。オンラインの写真や説明だけでは、握り心地や弾きやすさは判断できません。
オンライン購入の注意点
それでもオンラインで購入する場合は:
- 返品・交換ポリシーを必ず確認する
- ユーザーレビューをよく読む
- 信頼できるショップから購入する
- 届いたら必ず初期不良がないかチェックする
近くに楽器店がない場合や、すでに欲しいモデルが明確に決まっている場合は、オンラインも選択肢になります。ただし、初心者の方が最初の1本をオンラインで買うのは、できれば避けた方が無難です。
購入後のメンテナンスと保管方法
せっかく選んだギターを長く使うために、基本的なメンテナンスと保管方法を知っておきましょう。
日常のお手入れ
- 演奏後は必ず弦を拭く:クロスで弦と本体を軽く拭いて、汗や皮脂を取り除きます。これだけでサビや汚れを大幅に防げます。
- 定期的に弦を交換する:弦は消耗品です。週に数回弾くなら、月に1回程度の交換が理想。音の鮮やかさが全く違います。
- 湿度と温度に注意:ギターは木でできているため、湿度や温度の変化に敏感です。直射日光やエアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。
保管場所の選び方
ギタースタンドに立てて、部屋の隅など安定した場所に置くのがベストです。ケースにしまい込むと「出すのが面倒」と感じて練習頻度が下がることもあるので、すぐ手に取れる場所に置いておくことをおすすめします。
ただし、小さなお子さんやペットがいる家庭では、倒される危険を考えてケースに入れるか、高い場所に保管する配慮が必要です。
プロによるメンテナンスも検討
年に 1回程度、楽器店でプロによる点検・調整をしてもらうと、ギターの状態を最良に保てます。ネックの反りやフレットの減りなど、自分では気づきにくい問題も早期に発見できます。費用は数千円程度で、ギターの寿命を大きく延ばす投資と言えるでしょう。
よくある質問と回答
Q: 左利きなのですが、左利き用のギターを買うべきですか?
A: 左利きの方でも、右利き用のギターで始める人は多くいます。最初から左利き用を選ぶと、選択肢が限られることや、友人のギターを借りられないなどのデメリットがあります。ただし、どうしても右利き用では弾きにくいと感じるなら、左利き用を選びましょう。まずは楽器店で両方試してみることをおすすめします。
Q: ギターを始めるのに年齢制限はありますか?
A: まったくありません。 10代でも 50代でも、始めたいと思ったときが最適なタイミングです。大人になってから始める方も非常に多く、落ち着いて練習に取り組める分、上達も早いケースが多いです。年齢を理由にためらう必要はありません。
Q: 毎日どれくらい練習すればいいですか?
A: 初心者のうちは、毎日15〜30分でも十分です。長時間練習するより、短時間でも毎日続けることが上達への近道。指も少しずつ慣れていくので、無理は禁物です。週末にまとめて練習するよりも、少しずつコツコツ続けましょう。
Q: 独学でも上達できますか?教室に通うべきですか?
A: 独学でも上達は可能です。現在はオンライン教材や動画レッスンも充実しているため、独学の環境は以前より格段に良くなっています。ただし、正しいフォームを身につけるためには、最初の数ヶ月だけでも教室に通うか、オンラインレッスンを受けることをおすすめします。変な癖がつくと、後から直すのが大変です。
ギターを始めたら、仲間と一緒に上達しよう
ギターを手に入れたら、次は一緒に練習できる仲間を探してみませんか?バンドメンバーの募集や、同じジャンルが好きなギタリストとのつながりが、練習のモチベーションを大きく高めてくれます。
まとめ:あなたにぴったりのギターを見つけよう
この記事では、初心者の方が後悔しないギター選びのポイントをお伝えしました。要点を振り返りましょう。
- 予算は本体・アクセサリー込みで3万円〜5万円が現実的
- 弾きたい音楽のジャンルに合わせてアコギかエレキかを選ぶ
- ネックの握りやすさが最重要ポイント
- 初心者には新品の購入がおすすめ
- 実店舗で実際に触って選ぶのが理想
- 必要なアクセサリーも忘れずに揃える
- 日常のメンテナンスでギターを長持ちさせる
ギター選びで最も大切なのは、 「このギターを弾きたい」と思えるかどうかです。スペックや価格も重要ですが、あなたの心が惹かれるギターなら、練習も楽しく続けられるはずです。
楽器店に足を運んで、いろいろなギターに触れてみてください。店員さんに「初心者なので教えてください」と素直に伝えれば、きっと親身になって相談に乗ってくれます。わからないことは遠慮せず質問しましょう。
あなたの音楽ライフが、素敵な1本との出会いから始まりますように。ギターを手に入れたら、次は基本的な弾き方や練習方法を学んでいきましょう。音楽の世界への第一歩、心から応援しています!

