アカペラとは?有名グループ15組とパート・音域の見方|楽譜・サークルの探し方

ヴォーカル

アカペラとは、楽器の伴奏を使わず声で演奏することです。英語でも a cappella と書き、一人で歌う場合にも使います。少人数のポップスでは、リードが主旋律、コーラスが和音、ベースが低音、ボイパがリズムを担当します。この記事ではパートと音域の考え方、2〜6人の編成、有名グループ15組、楽譜・サークルの探し方を整理します。

4つの役割を全てそろえる必要はありません。歌ってみたい人は人数と声域に合う楽譜を選び、聴いて楽しみたい人は主旋律以外の声を一つ追うと、声だけで伴奏まで作る仕組みが分かります。

六人が半円で立ち、楽器を使わず互いの声を聞きながら歌う練習場面
  1. アカペラとは?意味・語源と合唱・ゴスペルとの違い
    1. 語源はイタリア語の a cappella(礼拝堂で)
    2. 伴奏がなくても、一人でもアカペラになる
    3. 合唱は「集団で歌うこと」、ハモリは「声の重なり方」
    4. 歴史:教会音楽からハモネプまで(年表)
  2. アカペラのパート構成:4つの役割と音域の見方
    1. リード:主旋律と言葉を届ける
    2. リード回し・ダブルリードとは
    3. コーラス:和音と曲の広がりをつくる
    4. トップ・セカンド・サード・4thの違い
    5. ベース:低音で和音の土台を支える
    6. ボイパ:声や息でリズムを表現する
  3. 何人で始める?人数別の編成とパートの決め方
    1. 男声・女声・混声の違い(ヤロバン・ギャルバン)
    2. 「五声」が必ず五人編成とは限らない
    3. パートは一曲試してから決める
  4. 有名なアカペラグループ15組(日本7組・海外8組)
    1. 日本のアカペラグループ7組
    2. 海外のアカペラグループ8組
    3. ハモネプと主な大会・イベント
  5. アカペラの始め方:サークル・楽譜・練習場所をそろえる
    1. サークル・仲間の探し方:活動条件を具体的にする
    2. 楽譜は人数・音域・音取り音源を確認する
    3. 楽譜の入手先:販売サイト・アレンジ販売・自作
    4. 練習場所は声を出せるか、録音を聞けるかで選ぶ
    5. 一人で始めるなら多重録音
  6. 初回60分の練習手順:短い一節を合わせよう
    1. 音の基準とテンポをそろえる
    2. 二人ずつ重ねてから全員へ広げる
    3. 録音の感想は一つの事実と次の行動にする
  7. ハモリが合わないときに見直す四つのポイント
    1. 音程:歌い出しだけでなく、伸ばした後も聞く
    2. 母音と語尾:同じ言葉を同じ長さにする
    3. リズム:ボイパだけに時間の管理を任せない
    4. 音量:リードが聞こえる余地をつくる
  8. アカペラで歌いたい定番曲と、初心者向けの選び方
    1. 上を向いて歩こう/坂本九
    2. 小さな恋のうた/MONGOL800
    3. 夜空ノムコウ/SMAP
    4. 糸/中島みゆき
    5. ハナミズキ/一青窈
    6. 最初の一曲は「知っている・歌える・集まれる」で絞る
  9. 練習を助ける道具:録音機とマイクは必要に応じて
    1. ZOOM H1essential:全体の練習を録音する候補
    2. SHURE SM58:マイクを使う歌唱の候補
  10. アカペラ用語集:スキャット・字ハモ・ヤロバンなど
  11. アカペラ初心者によくある質問
    1. アカペラとはどういう意味ですか?
    2. アカペラとゴスペルの違いは何ですか?
    3. 伴奏なしで歌うことを日本語で何といいますか?
    4. アカペラは英語で何といいますか?
    5. アカペラの4thとは何ですか?
    6. アカペラで有名なグループは?
    7. アカペラは難しいですか?
    8. 楽譜が読めなくても参加できますか?
    9. 自分のパートが主旋律につられてしまいます
    10. 低い声の人やボイパ担当がいなくても大丈夫?
    11. オンラインで同時に歌う練習はできますか?
    12. カバー動画やライブで気を付けることは?
  12. まとめ:声の役割を知ったら、短い一節から始めよう

アカペラとは?意味・語源と合唱・ゴスペルとの違い

合唱・ゴスペル・ハモリとは分類の軸が違います。語源と、現在の使われ方を分けて見ていきましょう。

語源はイタリア語の a cappella(礼拝堂で)

アカペラ(ア・カペラ)はイタリア語の a cappella に由来し、日本語版Wikipediaでは「聖堂で」「礼拝堂で」と訳されています。英語でも同じ a cappella と書き、英語版Wikipediaは「礼拝堂の様式で」という意味だと説明しています。

国語辞典のデジタル大辞泉は「楽器の伴奏を伴わない合唱曲。また、その様式」と定義しており、日本語で言い換えるなら「無伴奏」です。

現在は教会音楽だけでなく、ポップスやジャズなどでも使われます。

伴奏がなくても、一人でもアカペラになる

アカペラの中心にあるのは、楽器による伴奏を使わないことです。複数人で歌うか、一人で歌うかは別の条件です。独唱でも、伴奏なしで歌えばアカペラと呼べます。一人でいくつもの声を録音して重ねる「多重録音」も、声で音楽を組み立てる楽しみ方の一つです。

マイクやスピーカーは声を拾ったり大きくしたりする道具なので、それを使うだけでアカペラでなくなるわけではありません。一方、ピアノやギターの伴奏音源を流しながら歌う演奏は、通常は伴奏付きの歌です。練習中に鍵盤で音を確かめることと、本番で伴奏を使うことも分けて考えられます。

合唱は「集団で歌うこと」、ハモリは「声の重なり方」

合唱は、多くの人が声を合わせて歌う演奏の形です。ピアノやオーケストラの伴奏が付くこともあれば、無伴奏の合唱もあります。つまり、合唱とアカペラは対立する分類ではなく、無伴奏の合唱では両方の特徴が重なります。

「ハモリ」は、違う高さの声を重ねて和音の響きをつくることを指す日常的な表現です。和音とは、複数の音が同時に鳴ってできる響きのこと。同じ旋律を同じ高さで歌う「ユニゾン」とも区別しておくと、練習の指示が通じやすくなります。伴奏付きの曲でもハモれますし、アカペラでもユニゾンだけで歌う場面があります。

この記事では、少人数でポップスを歌うアカペラを主に扱います。リードを目立たせ、ほかの声が伴奏のように支える編成を想像してください。ただし、曲の途中でリードが交代したり、全員で歌詞を歌ったりすることもあり、担当は最初から最後まで固定とは限りません。

四つの言葉の違いを表にまとめます。

言葉 何を指すか 伴奏 アカペラとの関係
アカペラ 楽器の伴奏なしで、声だけで演奏する形 なし 独唱・重唱・合唱のどれでもよい
合唱 多くの人が声を合わせて歌う演奏の形 あり・なしの両方 無伴奏の合唱はアカペラでもある
ゴスペル アメリカ発祥の、プロテスタント系の宗教音楽から生まれた音楽ジャンル ピアノ・オルガンなどを使うことが多い ジャンルの名前。無伴奏で歌えばアカペラのゴスペルになる
ハモリ 違う高さの声を重ねて和音の響きをつくること 関係しない 伴奏付きの曲でもハモれる

ゴスペルの説明は日本語版Wikipedia「ゴスペル (音楽)」(使用楽器としてヴォーカル・コーラス・ピアノ・オルガンなどを記載)によります。

歴史:教会音楽からハモネプまで(年表)

無伴奏の歌と、教会音楽を指した歴史的な「ア・カペラ様式」は区別します。以下は無伴奏音楽の全ての起源を示す年表ではなく、教会音楽から現代のポップスへ目を向けるための主な出来事です。

時期 出来事
16世紀(ルネサンス期) パレストリーナらの教会音楽が知られる時期。無伴奏で歌う行為そのものが、この時代に初めて始まったという意味ではない
1938年 米国でバーバーショップ(主に4声で和音をつくる歌唱様式)の復興・普及団体が発足
1960年2月 ザ・キング・トーンズが4人編成で活動を始める(ドゥーワップのコーラス)
1980年 山下達郎がドゥーワップのカバーを集めたア・カペラアルバム『ON THE STREET CORNER』を発売
1988年 ボビー・マクファーリン「ドント・ウォーリー・ビー・ハッピー」(楽器を使わない多重録音)が米ビルボード1位
2001年3月 ゴスペラーズ「ひとり」がアカペラ作品として初の国内ベスト3
2001年 フジテレビ『力の限りゴーゴゴー!!』のコーナー「ハモネプ」が始まる
2001年12月 RAG FAIRとINSPiが同じ12月19日にメジャーデビュー
2009年 米NBCでアカペラのコンテスト番組『ザ・シングオフ』が始まる
2011年 ペンタトニックスが『ザ・シングオフ』シーズン3で優勝
2018年 一般社団法人全日本アカペラ連盟(AJAA)が設立

歴史の参照資料:Barbershop Harmony Societyの沿革、山下達郎の公式略歴、ゴスペラーズ公式プロフィール、RAG FAIRの公式年表、全日本アカペラ連盟の沿革。

アカペラのパート構成:4つの役割と音域の見方

パートとは、一人または複数人が担当する音楽上の役割です。四つの役割は、声の優劣や経験年数を表すものではありません。まずは何を聞かせる担当なのかを知り、好きな演奏を聞くときにも一つずつ追ってみましょう。

四つの声の役割と主旋律・和音・低音・リズムの対応

リード・コーラス・ベース・ボイパは「役割」の分け方です。コーラスをトップ・セカンド・サードの3声にすると、リード1+コーラス3+ベース1+ボイパ1で6パートになります。これは編成の一例で、6人組が必ずこの分担になるわけではありません。

パート 担当 音域を判断する箇所 向いている人
リード 主旋律と歌詞 曲のキーで決まる。担当者が無理なく歌える高さに合わせる 言葉をはっきり届け、ほかの声を聞きながら歌える人
トップ(1st) コーラスのいちばん高い声 編曲のコーラスで高い側。ソプラノの音域と同一とは限らない 高い音を小さな声でも安定して出せる人
セカンド(2nd) コーラスの中音 曲によってトップ寄り・サード寄りに動く 上下の声を聞いて音程を合わせられる人
サード(3rd) コーラスの低めの声 編曲のコーラスで低い側。男声・女声・混声で必要な高さが変わる ベースとコーラスの間をつないで和音を厚くできる人
ベース 和音の土台になる最低音 ベース譜の最低音・最高音と、低音が繰り返される長さを読む 低い音を繰り返しても安定して出せる人
ボイパ(VP) ドラムの代わりのリズム 音域より音色とテンポが大事 一定の速さを保てる人

アカペラのベースやトップに、全曲共通の「ここからここまで」という音域はありません。合唱の声種の目安をそのまま参加条件にはできません。楽譜で各パートの最低音・最高音を調べ、鍵盤などで鳴らして自分が繰り返し歌える範囲と比べます。例えば最低音が出ても、そこへ戻るたびに声が途切れるなら、その編曲は今の担当者には低すぎます。音名の確認には音域を調べるサイトも使えます。

リード:主旋律と言葉を届ける

リードは、曲の中心になるメロディーを歌う担当です。歌詞の意味やフレーズ、つまり音楽のひとまとまりを聞き手に届けます。声量の大きさだけで決めず、その曲を無理なく歌えるか、言葉が伝わるか、ほかの声を聞きながら歌えるかを確かめましょう。

カラオケとの違いは、周囲の伴奏も人の声で動くことです。語尾を急に伸ばしたり、毎回違う場所で間を取ったりすると、ほかのパートが合わせにくくなります。自由な表現をやめるのではなく、伸ばす場所や歌い出しの合図を共有することが大切です。最初は原曲の細かな癖を全部まねるより、音の高さと長さを安定させます。

リード回し・ダブルリードとは

リード回しは、曲の途中や曲ごとにリードを別の人へ交代することです。2人でリードを分け合ったり同時に歌ったりする形は、ダブルリードと呼ばれます。主旋律を歌う人が変わることで、声色の違いを聴かせられます。

交代する場所は楽譜に書き込み、前のリードの語尾と次のリードの歌い出しが重ならないようにします。交代の前後で声の大きさが急に変わらないか、録音で聞き比べると調整しやすくなります。

コーラス:和音と曲の広がりをつくる

コーラスは、リードの周りで和音や別の旋律を歌う担当です。「ウー」「アー」などの母音を伸ばすほか、短い音を刻んでリズムをつくったり、歌詞の一部を一緒に歌ったりします。上の声をトップ、間の声をセカンドやサードと呼ぶ編成もありますが、呼び方は楽譜やグループによって違います。

自分の音だけを大きく出すより、隣の声と母音、音の長さ、強さを合わせることが役立ちます。母音は「あ・い・う・え・お」の音です。同じ「ウー」でも口の形が極端に違うと響きが混ざりにくいため、まず小さめの声で聞き合います。目立たない音が曲の雰囲気を決めることも多く、コーラスは余った人が入る場所ではありません。

トップ・セカンド・サード・4thの違い

コーラスを高い順に並べたときの呼び名で、トップ(1st)がいちばん高く、セカンド(2nd)、サード(3rd)と下がります。コーラスが4声ある編曲では、4番目に高い声部が4th(フォース)です。

楽譜によっては「Top・Mid・Low」や合唱の「ソプラノ・アルト」などの呼び方を使うため、購入前にパート名の対応を確かめてください。

ベース:低音で和音の土台を支える

ベースは、低い声で音楽の土台をつくる担当です。コード、つまり和音の名前が変わるところを支えたり、低音の動きで曲を前に進めたりします。

コードの基準になる音を「ルート」と呼びますが、ベースは常にルートだけを歌うわけではありません。まずは選んだ楽譜に書かれた音を確かめましょう。

必要なら曲全体の高さを変える方法もあります。ベースは男性、コーラスは女性と決めつけず、実際の声の高さと響きで試してみてください。

ボイパ:声や息でリズムを表現する

ボイパは「ボイスパーカッション」の略で、口や息、声を使って打楽器のような音を出す表現です。低く短いキックはバスドラムの役割、鋭いスネアは拍のアクセント、細かなハイハットは時間の刻みを担当します。楽器の名前を覚えると、どの音が何を支えるのか整理しやすくなります。

ビートボックスも口でリズムや多彩な音を表現する方法で、技法には重なる部分があります。二つを厳密な上下関係で捉える必要はありません。グループ練習では、まず歌を支えられる一定のリズムが目標です。派手な音の種類を増やすより、ほかの人が安心して歌える速さを保つことを優先しましょう。

ボイパがいない編成も成立します。コーラスが短い音を刻んだり、全員でゆったりした響きをつくったりすればよいので、「担当が見つからないから始められない」と考えなくて大丈夫です。

キック・スネア・ハイハットの出し方と、ボイパとビートボックスの違いはビートボックスのやり方と技一覧表で表にまとめています。

何人で始める?人数別の編成とパートの決め方

人数を先に理想形へ合わせるより、今いるメンバーで無理なく歌える楽譜を選ぶ方が始めやすくなります。次は役割分担の一例です。同じ人数でも、ボイパの有無や和音の厚さによって別の組み合わせができます。

二人から六人の編成例と人数・声部数の確認
人数 編成の例 特徴・注意点
2人 主旋律+ハモリ 短いフレーズで違う二つの音を重ねる感覚をつかむ
3人 リード1・コーラス1・ベース1 声が少ない分、それぞれの担当が明確な編曲を選ぶ
4人 リード1・コーラス2・ベース1 ボイパなしで和音を楽しむ入口になる
5人 リード1・コーラス2・ベース1・ボイパ1 歌の担当は4人。楽譜の声部数の読み違いに注意
6人 リード1・コーラス3(トップ・セカンド・サード)・ベース1・ボイパ1 厚い和音をつくれる一方、音を合わせる組み合わせも増える

2人で始めるなら、デュエット曲のパート分けから主旋律とハモリの分け方を選べます。

男声・女声・混声の違い(ヤロバン・ギャルバン)

アカペラのバンドは、声の組み合わせで男声・女声・混声に分けて呼ばれます。男性だけのバンドは「ヤロバン」、女性だけのバンドは「ギャルバン」と呼ばれることもあります。

編成 呼び方 音域の特徴
男声 ヤロバン トップからベースまで男声が担当。トップはテノールの高い音域や裏声を使う
女声 ギャルバン ベースも女声が担当するため、低音が無理のない高さの編曲を選ぶ
混声 混声バンド 高い声と低い声を分担しやすく、音域の広い編曲を選べる

楽譜を探すときは、「混声5声」「女声4声」のように声の組み合わせと声部数で絞り込むと、人数と高さが合う編曲に早くたどり着けます。

「五声」が必ず五人編成とは限らない

声部とは、楽譜の中で独立して動く歌の線です。「五声」「五声+ボイパ」「六人用」などの表示では、打楽器担当を人数や声部数に含めるかが販売元によって異なる場合があります。商品名だけで決めず、パート一覧や見本の楽譜を開いて、誰がどの段を歌うか確認してください。

六人用の楽譜から一人分を抜けば、必ず五人で歌えるとは限りません。抜いたパートに和音の性格を決める音や、大切なつなぎの旋律が入っていることがあるためです。初心者だけで始めるなら、人数に合う編曲を最初から探す方が、練習時間を歌うことに使えます。

パートは一曲試してから決める

担当を決めるときは各自の希望を共有し、同じ短い区間を交代して歌ってみます。希望者が重なる場合も、曲ごとに担当を替えられないか相談しましょう。

同じ短い部分でリードを交代し、コーラスも入れ替えて録音すると、相性を話しやすくなります。「このパートしかできない」と早く固定せず、一曲目を終えた時点で見直す約束をしておくと安心です。欠席者が出た日の練習方法も決めておけば、全員が集まらない日を無駄にせずに済みます。

有名なアカペラグループ15組(日本7組・海外8組)

日本ではゴスペラーズ、RAG FAIR、INSPi、海外ではペンタトニックスやTAKE 6がよく知られています。結成年・人数・知られるきっかけを表にまとめたので、パートの聞き分けや選曲の参考に聞いてみてください。

日本のアカペラグループ7組

日本の7組は、人数だけでなく歌のスタイルや活動の特徴で聴き比べられます。TRY-TONEのように、メンバー数とサポートを加えた声部数が違う例は表で区別しています。

グループ 結成 人数 特徴
ザ・キング・トーンズ 1960年 4人 ドゥーワップのコーラススタイルを結成以来続けた
チキンガーリックステーキ 1990年(神戸) 5人 全員が作詞・作曲を手がける。2002年メジャーデビュー
ゴスペラーズ 1991年(早稲田大学のアカペラサークル) 5人 1994年メジャーデビュー。2001年「ひとり」がアカペラで初のオリコントップ3
TRY-TONE 1992年 3人(サポートを加えて5声) 中学校・高校の芸術鑑賞会を数多く手がける
Baby Boo 1996年 5人 「声」だけで魅せるコーラスグループとして2002年メジャーデビュー
INSPi 1997年に前身結成、1998年にINSPiへ改名 6人 1998年に大学サークルを設立し、同年にINSPiへ改名。声によるハーモニーを聴かせる
RAG FAIR 1999年 4人 2001年12月19日『I RAG YOU』でメジャーデビュー

海外のアカペラグループ8組

海外の8組には、クラシック、ジャズやゴスペル、カントリーなど異なる音楽を声で表現するグループがあります。同じ人数でも歌う分野や声の組み合わせが違うため、表の特徴を手掛かりに選べます。

グループ 国・結成 人数 特徴
ザ・パースエイジョンズ アメリカ・1962年に原型 5声のハーモニー フランク・ザッパのレーベルから初のアルバム『Acappella』を発表。人数は代表的編成
キングズ・シンガーズ イギリス・1968年 6人 ケンブリッジ大学キングス・カレッジ出身者が結成。カウンターテナー2・テノール1・バリトン2・バス1。2009年は自分たちのアルバム、2012年は参加作品でグラミー賞
ザ・リアル・グループ スウェーデン・1984年 5人 ストックホルム王立音楽大学で結成。アカペラ・ボーカルジャズ・ポップ
Rockapella アメリカ・1986年 5人 ポップスやソウルを声で表現する。現在の公式掲載は5人
TAKE 6 アメリカ・1980年に前身結成 6人 1987年にTAKE 6へ改名。ジャズとゴスペル。グラミー賞を複数回受賞
ナチュラリー7 アメリカ・1999年 7人 声で楽器になりきる表現を「ボーカルプレイ」と呼ぶ
ホーム・フリー アメリカ・2000年代初頭 5人 カントリーのアカペラ。2013年『ザ・シングオフ』シーズン4で優勝
ペンタトニックス アメリカ・2011年 5人 2011年『ザ・シングオフ』シーズン3で優勝。グラミー賞を3回受賞

人数は現在の公式掲載編成を基本とし、キング・トーンズやパースエイジョンズは代表的な編成を示しています。サポート参加は別記しました。ドゥーワップは声でリズムや伴奏も支えるコーラス様式、カウンターテナーは高い声域を歌う男声、バリトンはテノールとバスの間の男声です。

編成・結成経緯の参照資料:TAKE 6、INSPi、The Persuasions、キングズ・シンガーズ、TRY-TONE、RAG FAIR。

ハモネプと主な大会・イベント

ハモネプは、楽器を使わず声でハーモニーを奏でるグループを紹介するフジテレビの番組です。大会ごとに対象が異なり、2025年の「大リーグ」は年齢制限なし・プロアマ不問、2026年の「ハイスクール」は高校生による大会です。昔の人数・演奏時間のルールを現在の応募条件には使わず、番組公式サイトで参加する回の募集要項を読みます。

一般社団法人全日本アカペラ連盟(AJAA)は、公認イベントとして「50Fes」「A cappella Spirits!」「Japan A cappella Movement(JAM)」「甲州アカペラサミット」を挙げています。初めての人向けの講習会も開いているため、出演や見学の情報はAJAAの公式サイトで確かめられます。

アカペラの始め方:サークル・楽譜・練習場所をそろえる

始めるのに必要なのは、一緒に歌う仲間(サークル)、人数に合う楽譜、声を出せる練習場所の三つです。仲間がまだいなければ、一人で多重録音から始められます。

活動条件・声域・楽譜・場所・準備範囲の五項目

サークル・仲間の探し方:活動条件を具体的にする

学校のサークル、地域の音楽グループ、社会人の募集など、自分が通いやすい場所から探せます。募集文では「初心者歓迎」だけでなく、活動地域、曜日、練習頻度、歌いたい曲、必要な人数を確認します。最初から本格的なライブを目指すのか、月に一度集まって歌いたいのかで、合うグループは変わります。

自分で募集するなら、「月二回、土曜午後、駅周辺の練習室」「一曲を無理なく仕上げる」「パートは体験時に相談」など、判断に必要な条件を短く書くと伝わります。会場代や楽譜代の分け方、欠席の連絡方法も先に話しておくと、歌以外の行き違いを減らせます。

体験では、歌の上手さだけでなく、間違えた人を責めないか、希望を話せるか、日程が現実的かを見てください。一人で準備中なら、この後の「一人で始めるなら多重録音」の手順から始められます。

探し先 向いている人 確認すること
大学のアカペラサークル 学生 新歓ライブや体験の有無、バンドの組み方
社会人サークル・メンバー募集 社会人 活動地域、曜日、練習頻度、会費
AJAAの講習会・公認イベント 人前で歌う経験を積みたい人 開催日と参加条件
一人で多重録音 仲間がまだいない人 録音できるアプリと、パート別の楽譜

ゴスペラーズは早稲田大学のサークルで結成されました。INSPiは前身グループ結成後に大阪大学のサークル設立へ進んだ経緯があります。大人になってから合唱も含めて始めたい場合は、大人初心者の合唱・コーラス教室の選び方も参考になります。

楽譜は人数・音域・音取り音源を確認する

音取りとは、楽譜にある音の高さと長さを覚える練習です。初心者には、担当パートだけが聞ける音源や、全体の参考演奏がある教材が役立ちます。ただし、音源を聞いて覚える場合も、休む長さや歌い出す場所を楽譜に印しておきましょう。音だけの記憶では、途中から再開しにくくなるからです。

購入前に確認するのは、伴奏なしの編曲か、実際の人数に合うか、各パートの最低音・最高音は歌えるか、参考音源にボイパが含まれるか、といった点です。「合唱譜」と書かれていてもピアノ伴奏が必要な場合があります。同じ曲名の別アレンジをメンバーが買わないよう、販売ページや版を統一します。

楽譜のデータや練習用音源を共有できる範囲は、購入元の利用条件を確認してください。全員に配るための必要部数や、データの扱いを代表者が把握しておくと、後から困りにくくなります。

楽譜の入手先:販売サイト・アレンジ販売・自作

アカペラの楽譜は、楽譜のダウンロード販売サイト、アカペラ専門のアレンジ販売、自分たちでの編曲の三つから探せます。人数と声の組み合わせで絞り込み、参考音源やパート別音源があるかを確かめましょう。

入手先 例 特徴
楽譜のダウンロード販売 @ELISE(アットエリーゼ) 「合唱・アカペラ楽譜」のカテゴリがある。1曲110円から、コンビニ印刷にも対応
楽譜のダウンロード販売 ぷりんと楽譜 「合唱」のカテゴリがある
アカペラ専門のアレンジ販売 AQUA HOUSE MUSIC ボイパなしで歌える5声アレンジを販売。パート別の練習音源をYouTubeで公開
自分たちで編曲 楽譜作成ソフト(MuseScoreなど) 人数や音域に合わせて書き換えられる

価格や品ぞろえは各サイトで最新の情報を確認してください。無料で使える楽譜作成ソフトは無料の楽譜作成ソフト・アプリ比較で、PC・スマホ別にまとめています。

練習場所は声を出せるか、録音を聞けるかで選ぶ

音楽スタジオや歌唱可能な公共施設など、声を出してよい場所を使います。予約時には、歌唱の可否、利用人数、机や譜面台の有無、マイクを使う場合の設備を確かめましょう。カラオケルームも候補ですが、伴奏を流さずに歌えるか、隣室の音や室内の響きで声が聞き取りにくくないかを見てください。

最初の生声練習に、各自のマイクは必須ではありません。向かい合える広さと、短い録音を皆で聞ける環境があれば進められます。響きが強い部屋では上手に聞こえやすい一方、音の終わりのずれが分かりにくくなります。録音を聞き直す時間も、利用時間の中に入れておきます。

一人で始めるなら多重録音

仲間がまだいなくても、自分の声をパートごとに録音して重ねる多重録音なら、一人でアカペラを作れます。1988年に米ビルボード1位になったボビー・マクファーリン「ドント・ウォーリー・ビー・ハッピー」も、楽器を使わずに多重録音された曲です。

手順は、①テンポとキーを決める、②ベースかリードを先に録る、③それを聞きながらコーラスを1声ずつ重ねる、④音量をそろえて書き出す、の順です。スマートフォンだけで録音から仕上げまで進める方法はスマホだけで歌ってみたの作り方、練習用の録音アプリは録音アプリの比較で紹介しています。動画を公開するときの権利の確認は歌ってみたの著作権を参考にしてください。

初回60分の練習手順:短い一節を合わせよう

初回から一曲を最初から最後まで繰り返すと、分からない部分を分からないまま通過しがちです。四小節から八小節ほどの、全員が歌いやすい区間を一つ選びます。小節は、一定の拍ごとに区切られた楽譜のまとまりです。以下の時間配分は一例で、疲れ具合や経験に合わせて短くしてください。

六十分の時間配分と二人ずつから全員へ広げる練習
  • 最初の五分:今日合わせる範囲と目標を決め、無理のない小さな声で準備します。
  • 次の十分:各パートの音と、歌い出す場所を確かめます。
  • 次の十五分:二つのパートずつ重ね、ずれる場所を絞ります。
  • 五分休憩:声を休め、次に確かめる一点を共有します。
  • 次の十五分:全員で合わせて短く録音し、聞き直します。
  • 最後の十分:一か所だけ修正して再録音し、次回までの範囲を決めます。

音の基準とテンポをそろえる

歌い始める前に鍵盤アプリなどで基準の音を確かめ、各パートが最初に歌う音を確認します。基準音を聞いたら、すぐ大声で歌うのではなく、一度自分の中で音を思い浮かべてから声にすると、入り方をそろえやすくなります。アプリの音は練習の補助であり、ずっと鳴らし続ける必要はありません。

テンポは曲の速さです。メトロノームという一定の間隔で音を鳴らす道具を使い、全員が同じ速さで数えられるところから始めます。難しい場合はゆっくりにして構いません。「本来の速さで一度通せる」より、「ゆっくりでも同じ場所に入れる」を先に達成しましょう。

メトロノームはスマートフォンの無料アプリで足ります。選び方は無料メトロノームアプリの比較にまとめています。

二人ずつ重ねてから全員へ広げる

まずベースとコーラス一人、次にコーラス同士、続いてリードというように、少しずつ声を加えます。これは必ず守る順番ではなく、聞きたい組み合わせを絞る方法です。ボイパはベースとリズムを合わせてから加えると、歌とのずれを確認しやすくなります。

全員で歌っていると「どこか変」としか言えなかった場所でも、二人になると「この音へ移るときに早くなる」と説明できます。直す場所を見つけたら、その前後を含む短い範囲で繰り返します。問題の一音だけを切り出し続けると、そこへ入る動きが身に付かないことがあるためです。

録音の感想は一つの事実と次の行動にする

録音を聞くときは、「上手い・下手」ではなく、「二回目の歌い出しでコーラスが先に入った」「最後の音が人によって長い」と、同じ場所を指して話します。スマートフォンを誰か一人のすぐ前に置くと、その人だけ大きく聞こえるので、位置を変えてから判断することも大切です。

一度に音程、リズム、発音、表情を全部直す必要はありません。今日は語尾だけ、次は音の高さだけ、と聞く目的を絞りましょう。うまくそろった部分も記録しておくと、次回の出発点がはっきりします。練習の最後には、使った楽譜の場所と確認事項を短く共有します。

ハモリが合わないときに見直す四つのポイント

音の高さ・母音と語尾・リズム・音量を分けた確認表

音程:歌い出しだけでなく、伸ばした後も聞く

音程は、ここでは狙った音の高さが合っているかという意味で使います。最初は合っていても、長く伸ばしている間に音が下がったり、次の音へ移るときにずれたりします。鍵盤で目標音を確かめ、短く歌って止めるところから、少しずつ長さを伸ばしてみてください。

自分の声を聞こうとして音量を上げると、周りも大きくなり、お互いがさらに聞こえなくなる場合があります。いったん全員で音量を下げると、直す方向が分かることがあります。チューナーは音の高さを表示する道具ですが、全員の和音を一つの表示だけで判定するのは難しいため、個別の音の確認に使いましょう。

母音と語尾:同じ言葉を同じ長さにする

違う音を正しく歌っていても、母音や息の切れ方が違うとまとまりにくくなります。同じ「アー」で短い和音をつくり、全員で同時に止めてみます。その後で歌詞や実際の発音へ戻すと、問題が音の高さなのか言葉の出し方なのか分けて考えられます。

「ス」「ト」など言葉の最後にある子音は、声の響きとは別に目立つことがあります。誰かの子音だけが遅れて残ると、終わりがばらついて聞こえるため、どの瞬間に言い切るかを相談します。大げさな口の形を強要せず、録音で違いが分かる程度の小さな調整から進めましょう。

リズム:ボイパだけに時間の管理を任せない

全員が同じ拍を感じていると、ボイパが休む場所でも演奏が進みます。拍とは、曲に合わせて一定に数える基本の脈のことです。手拍子を打ちながら歌詞だけを話す、ベースとボイパだけで合わせるなど、音の高さを一度外した練習も役立ちます。

四拍子で一小節を「一・二・三・四」と数える練習なら、その間を「一と・二と・三と・四と」と細かく数えると、拍の間に入る音が理解しやすくなります。シンコペーションは、拍の強さをずらして前へ進む感じをつくるリズムです。用語だけで説明せず、どの「と」で入るかを指してそろえます。

音量:リードが聞こえる余地をつくる

リードが聞こえないとき、リードだけが頑張ればよいとは限りません。コーラスが少し弱めたり、ボイパの細かな音を減らしたりして、中心の言葉が通る余地をつくれます。曲の盛り上がりでは全体を強くする前に、どの声を前へ出す場面かを決めましょう。

マイクを使うときは、口とマイクの距離でも聞こえ方が変わります。生声でそろえたバランスがそのままスピーカーから出るとは限らないため、本番で使う設備が分かったら、音響担当者と音量を確かめる時間を取ります。

アカペラで歌いたい定番曲と、初心者向けの選び方

定番曲と呼ばれる曲でも、編曲によって難しさは大きく変わります。ここでは、よく知られた歌を中心に、最初の選曲会議へ持ち寄りやすい五曲を挙げます。人気順位やすべての楽譜に共通する難易度ではなく、歌ってみたい曲を自分たちの編成に引き寄せるための候補です。

曲候補から編成・音域・難所・練習条件へ進む選曲手順

5曲の発表年と、練習で意識したい点を先に一覧にします。

曲名/アーティスト 発表 練習の焦点
上を向いて歩こう/坂本九 1961年 リードの言葉の区切りと語尾の長さ
小さな恋のうた/MONGOL800 2001年(アルバム『MESSAGE』) サビで速くならない一定のテンポ
夜空ノムコウ/SMAP 1998年 伸ばす音の支えと、言葉が入る拍
糸/中島みゆき 1992年(アルバム『EAST ASIA』)、1998年シングル 息継ぎの位置と音の終わり
ハナミズキ/一青窈 2004年 長く伸ばす声と、音の入り・終わり

発表年は日本語版・英語版Wikipediaの各曲・アルバム項目によります。

上を向いて歩こう/坂本九

ryu編曲「上を向いて歩こう 4声ver.(Key D)」は、女性のリード・1stコーラス、男性の2ndコーラス・ベースの4人用で、ボイパなしの版です。PDFと4パートの音源を含むセットがあり、4人で音取りから始める候補になります。同名の別版と混同せず、D調のこの編曲を全員でそろえます。

練習では、リードの言葉の区切りと、後ろで伸ばすコーラスの切れ目を合わせてみましょう。全員が知っている曲ほど、それぞれの覚えている歌い回しが違うこともあります。参考にする演奏や楽譜を決め、語尾の長さをそろえるだけでも一体感が出やすくなります。

小さな恋のうた/MONGOL800

コースケ編曲「小さな恋のうた(混声5声)」は、歌5人とボイパ1人の計6人用です。「5声=5人」ではない具体例になります。販売元はパーカス譜が付かないと明記しているため、ボイパ担当が譜面付きで練習したい場合には合いません。

PDF・MIDIと歌5パートの音源を含むセットがあります。

リードだけでなく、ベースやコーラスの細かなリズムも重要になります。サビで声量が上がったときにテンポまで速くならないよう、短い区間を一定の速さで録音してみましょう。勢いを出そうとして最初から全力で歌うより、音の切り方を合わせてから強弱を付けると練習しやすくなります。

夜空ノムコウ/SMAP

言葉を落ち着いて届け、声の重なりを聞かせたいときに検討したい曲です。アカペラでのカバー演奏もありますが、参考動画の人数や高さが自分たちに合うとは限りません。曲の雰囲気だけを参考にし、使う楽譜は別に条件を確認してください。

音を伸ばしている間の支えや、言葉が拍のどこへ入るかが練習の焦点になります。静かな曲だから簡単と決めず、コーラスだけで短い響きを保てるかを試してみましょう。リードを支える音が滑らかにつながると、声だけの演奏ならではの良さを感じやすくなります。

糸/中島みゆき

歌詞を丁寧に伝える方向で選曲したい場合の候補です。速い曲のような勢いに頼りにくい分、息継ぎや音の終わりを相談する題材になります。ここでいう息継ぎは、次のひとまとまりを無理なく歌うために息を吸う場所のことです。

全員が同時に息を吸ってよい場所と、支える声が残っていた方がよい場所を楽譜上で確認します。原曲を知っていても、コーラスの内側の音は別に覚える必要があります。歌いやすい高さの無伴奏編曲が見つかるかを確かめ、見つからなければ別の候補に戻る柔軟さも大切です。

ハナミズキ/一青窈

長く伸ばす声と、重なる響きを磨きたいグループの候補です。リードが高い音を繰り返す場面を含め、全体を無理なく歌えるか確認します。原曲の歌手と同じ声質を目指す必要はありません。担当者の自然な声で言葉が届く高さを基準に考えます。

コーラスはリードの声を押し上げようと大きくするより、音の入りと終わりをそろえることから始めましょう。ゆったりした部分ほど、音程の変化が聞こえやすくなります。短い和音の練習を先に行い、その響きを保ったまま曲へ戻す方法が役立ちます。

最初の一曲は「知っている・歌える・集まれる」で絞る

候補を出したら、全員が曲を知っているか、各パートの高さに無理がないか、次の数回の練習で形にできそうかを確認します。転調、つまり曲の途中で調が変わる箇所や、細かい音が連続する箇所は、見本の楽譜と参考演奏を合わせて確認すると判断しやすくなります。

歌いたい気持ちが同じくらいなら、必要人数に合い、音取り音源があり、短い区間から練習できる編曲を優先してみてください。曲名の知名度だけで決めるより、全員が次の練習までに何を準備するか具体的になります。

練習を助ける道具:録音機とマイクは必要に応じて

最初から人数分の機材を買う必要はありません。生声での練習なら、楽譜、基準音を確認する道具、メトロノーム、録音できるスマートフォンが出発点になります。使える設備を一度試して、不足するところが分かってから追加しましょう。

生声練習・全体録音・声の拡声で異なる道具と接続

以下は、スマートフォン以外で録音したい場合と、会場の音響設備へ声を送る場合の製品例です。全員の録音を残すレコーダーと、一人の声を拾う歌唱用マイクは代用し合うものではありません。

ZOOM H1essential:全体の練習を録音する候補

ZOOM H1essentialは、内蔵のステレオマイクで録音できる小型レコーダーです。ステレオは左右二つの音の情報を扱う方式で、全員の配置を含めて演奏を振り返る用途に使えます。32bitフロート録音は、録音後に音量を調整しやすい広い数値範囲で音を保存する方式です。

スマートフォンとは別に録音を任せられるのが利点ですが、一人ずつの声を独立して録る多人数用機材ではありません。置き場所が近い人の声は強く入り、部屋の反響も録られます。録音形式に対応する再生・編集環境も確認し、まず短い試し録りで全員が聞こえる位置を探しましょう。

※この記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。

ZOOM H1essential ハンディレコーダー

ZOOM

H1essential ハンディレコーダー

▶ ZOOM公式サイトで製品情報を見る

¥13,000

Amazon.co.jp 調べ ・ 2026年10月27日 16:01時点

Amazonで詳細を見る

※価格および在庫状況は変更される場合があります。
※Amazon.co.jpアソシエイトリンクを使用しています。

SHURE SM58:マイクを使う歌唱の候補

SHURE SM58は、歌唱向けのダイナミック型マイクです。ダイナミック型は、音による振動を電気信号に変えるマイク方式の一つ。

カーディオイドという、主に正面からの音を拾う性質を持ちます。個々の歌声を音響設備へ送る用途で比較できます。

声を拾う道具として扱いやすい一方、マイク一本だけではスピーカーから音は出ません。適切なケーブルと、ミキサーなど接続先の機材が必要です。ミキサーは複数の音をまとめて音量などを調整する装置です。スマートフォンへ直接つなげると思い込まず、会場に同等のマイクがあるなら借りて距離感を試してから判断しましょう。

SHURE SM58-LCE ダイナミックマイク

SHURE

SM58-LCE ダイナミックマイク

▶ SHURE公式サイトで製品情報を見る

¥16,111

Amazon.co.jp 調べ ・ 2026年10月27日 16:00時点

Amazonで詳細を見る

※価格および在庫状況は変更される場合があります。
※Amazon.co.jpアソシエイトリンクを使用しています。

本番で一人ずつ声を拾う場合は、会場の入力数とマイク本数を確認します。人数分を同時につなげるかを、購入前に音響担当者へ相談してください。

アカペラ用語集:スキャット・字ハモ・ヤロバンなど

練習やライブでよく使われる言葉を表にまとめます。サークルに入ったばかりのときや、楽譜の説明を読むときの確認に使ってください。

用語 意味
リード 主旋律と歌詞を歌うパート
トップ/セカンド/サード/4th コーラスを高い順に並べたときの呼び名
ボイパ(VP・パーカス) ボイスパーカッション。口や息でドラムの音を出す担当
スキャット 「ウー」「アー」「ダ」「パ」など、歌詞ではない音で歌うこと。コーラスやベースが伴奏の役割をするときに使う
字ハモ リード以外のパートが歌詞をそのまま歌ってハモること
リード回し 曲の途中や曲ごとにリードを交代すること
ヤロバン/ギャルバン 男性だけのバンド/女性だけのバンド
混声 男声と女声を組み合わせた編成
声部 楽譜の中で独立して動く歌の線。「5声」なら5本
音取り 楽譜にある音の高さと長さを覚える練習
ハモネプ フジテレビのアカペラ企画「全国ハモネプリーグ」の略

アカペラ初心者によくある質問

アカペラとはどういう意味ですか?

楽器の伴奏を使わず、声だけで歌う演奏のことです。語源はイタリア語の a cappella(礼拝堂で)で、もとは教会音楽の様式の名前でした。

アカペラとゴスペルの違いは何ですか?

アカペラは伴奏なしで歌う演奏の形、ゴスペルはアメリカ発祥の宗教音楽のジャンルです。ゴスペルはピアノなどを使うことが多く、無伴奏ならアカペラでもあります。

伴奏なしで歌うことを日本語で何といいますか?

「無伴奏」といいます。デジタル大辞泉もアカペラを「楽器の伴奏を伴わない合唱曲」と説明しており、無伴奏合唱・無伴奏で歌う、のように使います。

アカペラは英語で何といいますか?

英語でもイタリア語のまま a cappella と書きます。英語版Wikipediaによると、a capella とつづる例もありますが少数です。

アカペラの4thとは何ですか?

コーラスを高い順に1st・2nd・3rdと呼ぶ編曲で、4番目に高いコーラスの声部です。呼び名は楽譜によって異なるため、パート一覧で確認します。

アカペラで有名なグループは?

日本ではゴスペラーズ、RAG FAIR、INSPi、海外ではペンタトニックスやTAKE 6が有名です。ペンタトニックスはグラミー賞を3回受賞しています。

アカペラは難しいですか?

難しさは編曲で大きく変わります。2〜4声やボイパなしの楽譜を選び、四小節ほどの短い区間から合わせれば、楽譜が読めない初心者でも始められます。

楽譜が読めなくても参加できますか?

参加できます。パート別音源を聞きながら覚える方法もあります。ただし、誰かと練習するなら、拍の数え方、休符という音を出さない記号、繰り返す場所などを少しずつ覚えると便利です。全部を勉強し終えてから参加するのではなく、練習中に必要になった記号から確かめましょう。

自分のパートが主旋律につられてしまいます

自分の旋律を短く区切り、一人で歌える状態にしてから主旋律と重ねます。二つの声が違う方向へ動く場所を楽譜で見つけ、そこへ入る前の音も含めて練習しましょう。自分の音源を小さく流して補助にし、慣れたら止めてみます。音量で勝とうとするより、入る音を思い浮かべる時間を取る方が取り組みやすくなります。

低い声の人やボイパ担当がいなくても大丈夫?

大丈夫です。まずは今いる人の声域で歌える二声や三声の曲、打楽器を使わない編曲を探します。無理に低音を出す役をつくったり、一人に歌と複雑な打楽器を同時に任せたりする必要はありません。人数が増えたときに編成を広げることもできます。

オンラインで同時に歌う練習はできますか?

一般的な通話では、通信による音の遅れが人ごとに違うため、全員が同じ伴奏感覚で歌うのは難しいことがあります。オンラインでは音取りの確認や一人ずつの発表、録音の共有に目的を絞ると進めやすくなります。複数人の録音を重ねる場合は、共通の基準音とカウントを使い、歌い出す位置をそろえます。

カバー動画やライブで気を付けることは?

人の声だけで歌っても、曲を利用するときの確認が不要になるわけではありません。動画投稿先の音楽利用条件、楽曲の管理状況、楽譜の利用条件を確認します。自分たちで歌った音と市販の音源では扱いが異なり、市販音源を使う場合は音源の権利にも確認が必要です。

編曲や替え歌については、JASRACの案内でも作詞者・作曲者側への確認が必要とされています。動画投稿サービスの契約だけで、あらゆる編曲まで許可されると考えないでください。ライブは会場や主催者に曲目を伝えて手続きの担当を確かめ、動画では出演者全員にも公開範囲を相談しておきます。

まとめ:声の役割を知ったら、短い一節から始めよう

まず歌いたい一曲の編成表を開き、今いる人数で担当できるかを確認しましょう。次に集まる日と歌う区間を決めれば、それぞれの準備が具体的になります。

  • 出しやすい音域と希望を確かめ、今いる人数に合う編曲を選ぶ。
  • 初回は短い区間を決め、音取り、二人ずつの合わせ、全員の録音へ進む。
  • うまく重ならないときは、音の高さ、母音と語尾、リズム、音量を一つずつ確認する。
  • 定番曲も曲名だけで選ばず、パート数と各声部の難しさを見る。
  • 道具は手元のものから試し、録音や本番で必要になった用途に合わせて追加する。

情報確認日:2026年10月16日。掲載先のサービスや募集条件は変更される場合があります。

楽譜のある毎日に
EMMU Score

楽譜を、もっと自由に。

PDF・画像の楽譜を読み込み、手書きや音楽記号で書き込み。楽譜の作成や、MusicXML形式の楽譜の音を再生して確認することもできます。

App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう

スマホ・タブレット対応。楽譜の作成・編集にはログインが必要です。音の再生は音符情報を持つMusicXML形式に対応しています。

仲間との音楽・ダンス活動に
EMMU

練習も、連絡も、ひとつに。

練習日程・出欠・演奏曲をまとめて管理。写真・動画・音源・楽譜も、グループの仲間と共有できます。

EMMU:音楽活動とグループの運営をアプリひとつで
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう