音楽理論の早見表8つ|音程・音階・コード進行・拍子・五度圏を順番に解説

ミュージック

音楽理論は、音の高さを扱う道(音名→音程→音階と調→コード)と、音の時間を扱う道(拍→音符の長さ→拍子)の二本を並行して進めると、最短で一周できます。この記事は、その二本を早見表8枚に落とし込み、1回15分×7回で自分の手と耳で確かめる手順まで載せた地図です。

「コードの本を開いたら先に音程を覚えろと書いてある」「調と音階は同じなの?」と手が止まる原因は、用語の意味そのものではなく、どれとどれをどの順番でつなぐかが見えないことにあります。以下では、度数と半音数の対応、12キーの調号、五度圏、ダイアトニックコードとセブンス、3/4と6/8の違いまで、すべて表で照らし合わせられるようにしました。

私が最初の道案内として提案したいのは、音の高さを理解する道と、音の時間を理解する道を分け、最後に短い演奏で合流させる学び方です。音程・調・コードを一直線に丸暗記する必要はありません。拍を感じる練習は、最初の日から並行して始められます。

机上の鍵盤と学習ノートを使い、音の高さと拍を確認する初心者の手元

この記事では、ピアノやギター、歌、曲作りに共通する基本を、学習の地図と小さな実験で解説します。扱うのは主に、西洋音楽の長調・短調を土台にした音楽の入り口です。世界のあらゆる音楽を一つの規則で説明するものではありません。手元に音を出せる鍵盤と紙があれば試せますし、鍵盤は画面上のものでも構いません。

  1. 音楽理論の全体像|高さの道と時間の道を並行して進める
    1. 「覚えたか」より「何ができるか」で進む
  2. ステップ1|音名・半音・全音を鍵盤で確かめる
    1. ドレミとCDEを同じ場所に結び付ける
    2. 半音は隣への一歩、全音は半音二つ分
    3. 一分の確認:ミとファの間を探す
  3. ステップ2|音程は「何度」と「半音いくつ」を分ける
    1. 度数は出発の音も含めて数える
    2. 最初に使う音程を小さな早見表にする
    3. 順番に鳴らす、同時に鳴らす
  4. ステップ3|音階は音の並び、調は中心を持つまとまり
    1. 長音階を全音と半音の順番で作る
    2. キーと調号は、同じ意味ではない
    3. 長調と短調の違いは主音と3度の幅|ハ長調とイ短調は同じ白鍵
    4. 移調は音程の関係を保って高さを移すこと
  5. 五度圏の読み方|調号の数からキーを言い当てる
  6. ステップ4|コードは音程を重ねて作る
    1. CとCmの違いは真ん中の音にある
    2. ハ長調の音だけで三和音を作ってみる
    3. C→F→G→Cで帰ってくる感じを試す
    4. セブンスコードは三和音に7度の音を足した四和音
  7. 時間の道|拍・拍子・リズムを混同しない
    1. 拍は目盛り、リズムはその上の音と休み
    2. 音符の長さは比で覚える
    3. 小節と拍子記号の読み方
    4. 3/4と6/8は、八分音符の総数が同じでもまとまりが違う
  8. 音楽理論を学ぶと何が短縮されるか|メリットとデメリット
  9. 一日15分の練習で、知識と音をつなぐ
    1. 七回で一周する練習例
    2. 四小節の練習で高さと時間を合流させる
    3. 独学ノートは一項目につき三行でよい
  10. 音楽理論の独学に使う道具|鍵盤とメトロノーム
    1. ヤマハPSS-A50|机の上で音程と和音を確かめたい場合
    2. KORG MA-2|画面から離れて拍を練習したい場合
  11. 初心者がつまずきやすい疑問
    1. 楽譜を読めるようになってから理論を始めるべき?
    2. ドレミが調によって変わる説明を見たけれど?
    3. 絶対音感がなくても学べる?
    4. 五度圏は最初に丸暗記したほうがよい?
    5. 理論どおりのコード進行しか使ってはいけない?
    6. どこまで分かれば初心者の基礎を一周したと言える?
    7. 音楽の理論とは?
    8. 簡単な音楽理論とは?
    9. 音楽理論を学ぶ順番は?
    10. F→G→Em→Amのコード進行は?
    11. 転調と移調はどう違う?
    12. 音楽理論は独学できる?
  12. 次に読む記事|音楽理論の独学ロードマップ
  13. まとめ|音楽理論は早見表と「1音の違い」で身につく

音楽理論の全体像|高さの道と時間の道を並行して進める

最初に、これから学ぶことの全体像を見ておきましょう。上の道は「どの高さの音を使うか」、下の道は「いつ、どの長さで音を出すか」です。どちらかを全部終わらせてから、もう片方を始める必要はありません。毎回、一つの知識と一つの音の体験を組み合わせます。

音の高さと時間の二本の学習経路が短い演奏へ合流する地図

高さの道:音名・半音と全音 → 音程 → 音階と調 → コードとコード進行
時間の道:一定の拍 → 音符と休符の長さ → 拍子とリズム
合流地点:短いメロディーにコードとリズムを付ける → 好きな曲で確かめる

段階 高さの道 時間の道 「できた」と言える確認
1 音名 C〜B を鍵盤で指せる 一定の拍を刻める ドからシまで名前を言いながら往復できる
2 半音と全音を作れる 音符と休符の長さを比で言える ミ→ファ、シ→ドが半音だと示せる
3 音程を度数と半音数に分けられる 4/4と3/4を数え分けられる ド→ミ=長3度・半音4個と書ける
4 音階と調(調号)を作れる 拍子のまとまりを手で示せる ト長調でファ♯が必要な理由を言える
5 三和音とコード進行を鳴らせる 3/4と6/8を叩き分けられる C→F→G→Cを同じ長さで鳴らせる
6 五度圏で調号とキーを対応させる 付点とタイを区別できる ♯1つ=ト長調/ホ短調と即答できる

「音名」は音の名前、「音程」は二つの音の高さの隔たり、「音階」は一定の並び方を持つ音の列です。「調」はどの音を中心に感じるかというまとまりで、「コード」は和音、つまり複数の音の組み合わせを表します。「拍」は等間隔に感じる時間の目盛り、「拍子」はその目盛りのまとまり、「リズム」は目盛りの上に置く音や休みの形です。

私なら、初回は音名と一定の拍、次に音程と音符の長さ、その次に音階・調と拍子を扱います。その後でコードを作り、短い演奏に結び付けます。これは理解しやすさを考えた提案で、唯一の正解ではありません。すでにドラムを演奏しているあなたは時間の道から、ギターでコードを弾けるあなたはコードの中身を調べるところから戻ってもよいのです。

「覚えたか」より「何ができるか」で進む

  • 音名:鍵盤のドを見つけ、ドからシまで指せる。
  • 音程:ドとミ、ドとミ♭の違いを、名前と音で確かめられる。
  • 音階・調:ハ長調とト長調の音の並びを作り、中心の音を言える。
  • コード:CとCmの構成音、つまり和音を作る音を説明できる。
  • 拍子:3/4拍子と6/8拍子のまとまりを手拍子で分けられる。
  • 合流:一定の拍に合わせ、短いメロディーとコードを試せる。

途中で分からなくなったら、地図上で一つ手前へ戻ります。コードの作り方が難しければ音程へ、音程の半音数が数えられなければ鍵盤へ戻る。この戻り先が分かるだけでも、独学は進めやすくなります。五度圏や複雑なコード記号を一度に覚えることは、今回の到達目標に含めなくて大丈夫です。

ステップ1|音名・半音・全音を鍵盤で確かめる

Cから次のCまでの鍵盤で、音名・黒鍵の位置・半音と全音を示す図

ドレミとCDEを同じ場所に結び付ける

この記事では、まず位置を混同しないよう、ドレミを固定した音の名前として使います。ド=C、レ=D、ミ=E、ファ=F、ソ=G、ラ=A、シ=Bです。英語の音名はAから始まりますが、ドに当たる文字はC。ここは最初に紙へ書いておくと、コード記号を読むときにも役立ちます。

鍵盤の黒い鍵は、二つ組と三つ組が交互に並んでいます。二つ組のすぐ左にある白い鍵がドです。そこから右へ白い鍵をたどると、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドになります。右へ行くほど高く、左へ行くほど低い音になります。同じドの名前は何か所にもありますが、高さまで同じという意味ではありません。

ドから次の高いドまでの隔たりを「オクターブ」と呼びます。今回の練習はまず、この範囲で十分です。音名を言いながら一音ずつ鳴らし、上がる並びと下がる並びを往復しましょう。速さよりも、「今、どの名前の音を鳴らしたか」が分かることを優先します。

半音は隣への一歩、全音は半音二つ分

一般的なピアノの鍵盤で、白黒を含めてすぐ隣の鍵へ進む隔たりが半音です。ドからド♯は半音、ドからレは半音二つ分で全音です。ここでは「全音=白い鍵一つ分」と覚えないことが大切。ミとファ、シと上のドの間には黒い鍵がないため、白い鍵同士でも半音になります。

♯はシャープと読み、元の音を半音高くする記号です。♭はフラットで、半音低くします。ド♯とレ♭は、一般的な鍵盤では同じ鍵を指します。こうした関係を「異名同音」と呼びます。ただし、同じ鍵だから名前をいつでも自由に置き換えてよいわけではありません。音階や音程では、名前の綴りにも役割があります。

♮はナチュラルと読み、音の高さの変化を取り消す記号です。記号を見たら身構えるより、「元の音から隣へ動くのか、戻るのか」と考えましょう。楽譜を読むときの記号の有効範囲は、実際の譜面に進んでから確認して構いません。今は、音名と鍵盤上の位置を結び付けることに集中します。

一分の確認:ミとファの間を探す

ドからレまでを、ド→ド♯→レと進みます。移動は二回です。続いてミ→ファと進むと移動は一回。半音数を数えるときは、出発した鍵を「一つ」と数えず、隣へ動いた回数を数えます。ここを実際に指で確かめると、次の音程や、長音階の並びが理解しやすくなります。

ギターなら、同じ弦で一つ隣のフレットへ進むと半音上がります。フレットは指板にある音の高さを区切る金属の仕切りです。二つ先なら全音。ただし、違う弦へ移るときは、開放弦の音、つまり何も押さえない弦の音が変わるため、フレット番号だけで比較しないようにしましょう。

ステップ2|音程は「何度」と「半音いくつ」を分ける

ドからミとドからミ♭を並べ、度数と鍵盤の移動回数の違いを比較する図

度数は出発の音も含めて数える

音程は、二つの音の高さの隔たりです。「音程が合う」という日常の言い方では歌う音の高さを指すこともありますが、理論では二音の関係として扱います。音程の名前は、「長3度」のように種類と数字を組み合わせます。この数字を度数と呼びます。

ドからミなら、ド・レ・ミと音名を数えて3度です。ドからソなら、ド・レ・ミ・ファ・ソで5度。度数では、出発の音を一つ目として数えます。一方、半音数は鍵盤上の移動回数でした。度数は音名を数え、半音数は隣への移動を数えると区別してください。

ドからミ♭も、音名はド・レ・ミなので3度です。しかしドからミより半音狭くなります。この違いを表すのが長短などの種類です。ドからミは長3度、ドからミ♭は短3度。どちらも3度でも、鳴らした響きが変わることを確認しましょう。

最初に使う音程を小さな早見表にする

音程は「度数(音名を何個数えるか)」と「半音の数」の二つで決まります。同じ3度でも半音3個なら短3度、4個なら長3度です。ドを基準にした全パターンを下にまとめました。

ドからの音 音程名 半音の数 度数の数え方
完全1度(ユニゾン) 0 ド=1
レ♭ 短2度 1 ド・レ=2
長2度 2 ド・レ=2
ミ♭ 短3度 3 ド・レ・ミ=3
長3度 4 ド・レ・ミ=3
ファ 完全4度 5 ド〜ファ=4
ファ♯ 増4度 6 ド〜ファ=4
ソ♭ 減5度 6 ド〜ソ=5
完全5度 7 ド〜ソ=5
ラ♭ 短6度 8 ド〜ラ=6
長6度 9 ド〜ラ=6
シ♭ 短7度 10 ド〜シ=7
長7度 11 ド〜シ=7
上のド 完全8度(オクターブ) 12 ド〜ド=8

表の増4度と減5度は、鍵盤では同じ半音6個ですが度数が違います。半音数だけで名前を決められないのはこのためです。

「完全」は音程の種類を表す名前で、演奏が完璧という意味ではありません。基本の1・4・5・8度には完全という名前を使い、2・3・6・7度には長・短を使います。さらに増・減という種類もありますが、最初は長3度・短3度・完全5度を自分で作れれば、基本のコードへ進めます。

半音数だけで音程の名前を決めないことも覚えておきましょう。例えばド→ファ♯とド→ソ♭は、鍵盤では同じ距離でも、音名の数え方が違います。前者は増4度、後者は減5度です。今すべてを暗記する必要はありません。「名前の数と実際の幅の両方を見る」という約束を理解しておけば十分です。

順番に鳴らす、同時に鳴らす

まずド→ミを順番に鳴らし、続いてドとミを同時に鳴らします。次にミだけをミ♭へ下げ、同じ手順で比較してください。順番に鳴らすと旋律の動きとして、同時に鳴らすと音の重なりとして聴けます。旋律はメロディーのことです。同じ音程でも、二つの聴き方を行き来すると理解が立体的になります。

聴いただけで名前を即答できなくても、ここで止まる必要はありません。自分で作る→違いを聴く→名前を確認する、を繰り返します。歌う場合は無理なく出せる高さで試し、難しい跳躍は鍵盤で確認するだけでも構いません。正解率を競うより、名前の違いが実際の音の違いにつながる体験を増やしましょう。

ステップ3|音階は音の並び、調は中心を持つまとまり

ハ長調とト長調の長音階、ハ長調とイ短調の共通音と異なる主音を分けて示す図

長音階を全音と半音の順番で作る

音階は、音を一定の決まりで高さの順に並べたものです。英語ではスケールと呼びます。まず覚えたい長音階、つまりメジャースケールの並びは、全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音。この順に進むと、出発した音の一オクターブ上へ到着します。

ドから始めると、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドになります。ミ→ファとシ→ドが半音で、ほかは全音です。白い鍵だけで作れるので、音の隔たりを確認しやすい音階です。「ドレミだから自然にそうなる」と済ませず、鍵盤のどこで一歩分になるのかも見てみましょう。

次にソから同じ並びを作ります。ソ・ラ・シ・ド・レ・ミまで進んだら、次はファ♯です。ミ→ファでは半音になってしまい、必要な全音を作れないからです。最後はファ♯→ソの半音で戻ります。これがト長調で基本になる音階で、ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ♯・ソという並びになります。

キーと調号は、同じ意味ではない

調はキーとも呼ばれ、中心に感じる音と、その周囲の音や和音の関係を含むまとまりです。中心の音を「主音」と呼びます。ハ長調はCを主音とする長調、ト長調はGを主音とする長調です。長調の日本語名ではドがハ、レがニ、ミがホ、ファがヘ、ソがト、ラがイ、シがロに対応します。

音階は材料の並び、調はその材料が中心と結び付いて使われる関係、と考えると区別しやすくなります。ハ長調の音をただ順番に鳴らすことと、曲の中でドに帰ってきた感じを作ることは、関連していますが同じ作業ではありません。後でコードを学ぶと、この「帰ってくる感じ」を試しやすくなります。

楽譜の冒頭などにまとめて書かれる♯や♭は「調号」です。どの音を基本的に高く、または低くして読むかを知らせます。ト長調の調号は♯一つで、ファをファ♯にします。ただし、同じ調号を使う長調と短調があるため、調号だけを見て曲の調を必ず一つに決められるわけではありません。

調号の♯は「ファ・ド・ソ・レ・ラ・ミ」、♭は「シ・ミ・ラ・レ・ソ・ド」の順に増えます。順番が決まっているので、数を見れば付く音が分かります。

調号の数 ♯が付く音(この順) ♯系の長調 ♭が付く音(この順) ♭系の長調
0 ハ長調 C ハ長調 C
1 ファ ト長調 G ヘ長調 F
2 +ド ニ長調 D +ミ 変ロ長調 B♭
3 +ソ イ長調 A +ラ 変ホ長調 E♭
4 +レ ホ長調 E +レ 変イ長調 A♭
5 +ラ ロ長調 B +ソ 変ニ長調 D♭
6 +ミ 嬰へ長調 F♯ +ド 変ト長調 G♭

♯6つの嬰へ長調と♭6つの変ト長調は、鍵盤では同じ音の並びです。楽譜の中で臨時記号が少なくなる方が選ばれます。臨時記号は、調号とは別にその小節だけ音を変える記号です。

長調と短調の違いは主音と3度の幅|ハ長調とイ短調は同じ白鍵

長調と短調の一番の違いは、主音から3度目の音の幅です。長調は主音から長3度(半音4個)、短調は短3度(半音3個)。ハ長調はド→ミで半音4個、イ短調はラ→ドで半音3個になります。

ラから白い鍵でラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラと進むと、イ短調の自然短音階になります。自然短音階は短調を学ぶ際の基本となる並びの一つです。ハ長調と使う音は共通でも、中心はドではなくラ。同じ調号を持つこうした長調と短調の関係を「平行調」と呼びます。

短調には、曲の流れに応じて音を変える形もあります。イ短調でソ♯が出てきても、それだけで間違いとは言えません。短調を「白鍵をラから弾くだけ」と固定しないで、まず自然短音階を出発点にし、その後で和声的短音階などの名前と役割へ進むと整理できます。

「長調は明るい、短調は暗い」という説明は、最初の印象の手掛かりにはなります。ただ、速さや音色、演奏の仕方でも印象は変わります。気分の明暗だけで調を当てようとせず、主音、音の並び、コードの動きを合わせて確かめましょう。また、最初の音や最後の一音だけで必ず調を決められるわけでもありません。

移調は音程の関係を保って高さを移すこと

ド・レ・ミという短い旋律を、ソ・ラ・シへ移してみてください。全音ずつ上がる関係は同じです。このように音同士の関係を保って全体の高さを移すことを「移調」と呼びます。カラオケで歌いやすい高さへキーを変えることにもつながる考え方です。

練習では「白い鍵を同じ個数だけずらす」より、半音・全音の関係を保つことを意識します。調を変えると黒い鍵が必要になるのは、音の関係をそろえるためです。すべての調の暗記に進む前に、Cから始めた形をGから作り直せるかを試すと、調号の役割が分かってきます。

五度圏の読み方|調号の数からキーを言い当てる

五度圏は、完全5度ずつ上がる順にキーを円形に並べた図で、時計回りに1つ進むごとに♯が1つ増え、反時計回りに1つ進むごとに♭が1つ増えます。ハ長調を12時に置いて、右へ G(♯1)・D(♯2)…、左へ F(♭1)・B♭(♭2)… と並びます。丸暗記の対象ではなく、調号の数とキーを行き来する変換表として使ってください。

時計の位置 長調 調号 平行短調
12時 ハ長調 C なし イ短調 Am
1時 ト長調 G ♯1 ホ短調 Em
2時 ニ長調 D ♯2 ロ短調 Bm
3時 イ長調 A ♯3 嬰へ短調 F♯m
4時 ホ長調 E ♯4 嬰ハ短調 C♯m
5時 ロ長調 B ♯5 嬰ト短調 G♯m
6時 嬰へ長調 F♯ / 変ト長調 G♭ ♯6 / ♭6 嬰ニ短調 D♯m / 変ホ短調 E♭m
7時 変ニ長調 D♭ ♭5 変ロ短調 B♭m
8時 変イ長調 A♭ ♭4 ヘ短調 Fm
9時 変ホ長調 E♭ ♭3 ハ短調 Cm
10時 変ロ長調 B♭ ♭2 ト短調 Gm
11時 ヘ長調 F ♭1 ニ短調 Dm

使い方は二方向あります。楽譜の冒頭に♯が2つあれば、表からニ長調かロ短調に絞れます。逆にキー=変ホ長調で書きたいなら、♭3つ(シ・ミ・ラ)を前提に音を選びます。どちらの調かを最終的に決めるのは、曲がどの音に帰るかです。

隣どうしのキーは、共通する音が7音中6音あります。ハ長調とト長調の違いは、ファとファ♯の1音だけ。この距離の近さが、転調で隣のキーへ移ることが多い理由です。表を1周すると、♯6つと♭6つが同じ鍵盤の位置で出会うことも確認できます。

実音と記譜が違う楽器を吹く場合は、移調楽器の読み替えツール|B♭・E♭・F管と実音の早見表で対応を確かめると、調号の役割がさらにはっきりします。好きな曲が何調かを実際に判定したい場合は、曲のキーを調べるサイト・アプリ8選が使えます。

ステップ4|コードは音程を重ねて作る

CとCmの一音の違いと、C・F・G・Cのコード進行を音名で示す図

CとCmの違いは真ん中の音にある

コードは和音のことです。最初は「三和音」、つまり三種類の音を基本にしたコードを扱います。和音を組み立てる基準の音を「根音」、英語でルートと呼びます。Cというコード記号なら根音はド。基本の形では、根音のド、その長3度上のミ、完全5度上のソを使います。

Cはド・ミ・ソ、Cmはド・ミ♭・ソです。Cmの小文字のmはマイナーを意味します。ドとソをそのままにして、ミだけを半音下げると違いが聴けます。長3度と短3度を学んだ理由が、ここでつながります。ギターの押さえ方を覚えている場合も、フォームの中の音を一つずつ調べると、形の意味が見えてきます。

三和音という名前でも、必ず三つの音だけを鳴らすとは限りません。ド・ミ・ソ・高いドのように、一部の音を重ねてもCのコードです。またミ・ソ・高いドという並びなら、最低音はミでも根音はドのままです。根音以外を一番低く置く形を「転回形」と呼びます。根音と、実際に一番低く鳴る音は分けて考えましょう。

ハ長調の音だけで三和音を作ってみる

ハ長調のドレミを一つおきに重ねると、調の中で使う基本のコードを作れます。ド・ミ・ソがC、レ・ファ・ラがDm、ミ・ソ・シがEmです。音名の間を一つ飛ばす形は同じでも、鍵盤上の半音数が異なるため、全部がメジャーコードになるわけではありません。

度数 コード 構成音 種類 曲の中での働き(機能)
I C ド・ミ・ソ メジャー トニック:一番落ち着く
IIm Dm レ・ファ・ラ マイナー サブドミナント寄り:動き出す
IIIm Em ミ・ソ・シ マイナー トニック寄り:Cの代わりになる
IV F ファ・ラ・ド メジャー サブドミナント:外へ広がる
V G ソ・シ・レ メジャー ドミナント:Iへ戻りたくなる
VIm Am ラ・ド・ミ マイナー トニック寄り:暗い落ち着き
VIIm♭5 Bm♭5(Bdim) シ・レ・ファ 減三和音 ドミナント寄り:不安定

この7つが、ハ長調で使う基本のコードです。度数の欄が「型」で、キーを変えてもI・IIm・IIIm・IV・V・VIm・VIIm♭5という並びは変わりません。残り11キー分の同じ表は、ダイアトニックコード一覧|12キー全部の早見表とスリーコードの使い方にまとめています。

最後のBdimはビー・ディミニッシュと読み、減三和音という種類です。シからレが短3度、シからファが減5度になります。今は無理に使いこなす必要はなく、「音階から作ると、この種類も一つ現れる」と確認できれば十分。こうした、その調の基本の音からできる和音を「ダイアトニックコード」と呼びます。

C→F→G→Cで帰ってくる感じを試す

コードを順番に並べたものがコード進行です。C、F、G、Cを一つずつゆっくり鳴らしましょう。Cはド・ミ・ソ、Fはファ・ラ・ド、Gはソ・シ・レです。最初は片手で三音を押さえ、各コードを同じ長さずつ伸ばすだけで構いません。全部を滑らかにつなぐ練習は、その後です。

ハ長調の基本的な文脈では、Cが落ち着く場所、Fがそこから動き出す場所、GがCへ戻りたくなる場所として働きます。こうした和音の働きを「機能」と呼びます。Cのような安定する働きはトニック、Gのように主和音への動きを促す働きはドミナントと呼ばれます。名前を先に唱えるより、Gで止めた場合とCまで進めた場合を聴き比べてください。

この進行を度数で表すとI→IV→V→Iです。ローマ数字は音階の何番目を根音にしているかを示します。ト長調に移すとG→C→D→Gになります。コードの文字は変わっても、調の中での位置関係を共有できるのが数字で考える利点です。ここまで来たら、音程・音階・調・コードが一本につながります。

なお、「調の外の音やコードを使ってはいけない」という規則ではありません。実際の曲には多くの変化があります。基本の材料を理解してから、外の音がどこでどんな効果を作るのか調べると、覚える順番を見失いにくくなります。C7やCmaj7のような四音のコード、複雑な付加音は次の学習に回して大丈夫です。

セブンスコードは三和音に7度の音を足した四和音

セブンスコードは、三和音の上に7度の音を1つ足した四和音です。足す7度が長7度なら「M7」、短7度なら「7」または「m7」と書きます。ハ長調の音だけで作ると、下の7種類になります。

度数 コード 構成音 足した7度 三和音との差
IM7 CM7 ド・ミ・ソ・シ 長7度 +シ
IIm7 Dm7 レ・ファ・ラ・ド 短7度 +ド
IIIm7 Em7 ミ・ソ・シ・レ 短7度 +レ
IVM7 FM7 ファ・ラ・ド・ミ 長7度 +ミ
V7 G7 ソ・シ・レ・ファ 短7度 +ファ
VIm7 Am7 ラ・ド・ミ・ソ 短7度 +ソ
VIIm7♭5 Bm7♭5 シ・レ・ファ・ラ 短7度 +ラ

三和音との差はどれも1音だけです。まずCとCM7を続けて鳴らし、シを足しただけで響きがどう変わるかを聴いてください。次にGとG7を比べます。G7はファが加わることでCへ戻りたい感じが強くなります。

なお、よく見かけるC7(ド・ミ・ソ・シ♭)は、この表には出てきません。シ♭がハ長調の外の音だからです。C7は別のキーへ動くときやブルース系の響きで使われます。表の7つを鳴らしてから、外の音を使うコードへ進むと迷いません。

時間の道|拍・拍子・リズムを混同しない

同じ六つの八分音符を2+2+2と3+3に分け、3/4と6/8の違いを示す図

拍は目盛り、リズムはその上の音と休み

まず机を一定の間隔で軽くたたき、「1、2、3、4」と繰り返しましょう。この等間隔の流れが拍です。その間に「タン、タタ、タン、休み」と手拍子を乗せると、拍を保ったままリズムを変えられます。拍とリズムを同じものとして扱うと、音が細かくなったときに全体まで速くなりやすいので、役割を分けて練習します。

テンポは拍の進む速さです。BPMは一分間の拍数を表す言葉で、四分音符を一拍として60に設定するなら、一拍は一秒になります。ただし、曲や拍子によって基準にする音符は変わります。「60」という数字だけでなく、四分音符なのか付点四分音符なのかも合わせて見ると、速さの取り違えを防げます。

音符の長さは比で覚える

音符の長さは秒数ではなく比で決まります。四分音符を1拍とすると、全音符4拍・二分音符2拍・八分音符0.5拍です。音符そのものに固定の秒数はなく、テンポが変われば実際の時間も変わります。まずは基準をそろえてから数えましょう。

音符 対応する休符 拍数 八分音符に換算 BPM60(四分音符=1拍)での秒数
全音符 全休符 4 8個分 4秒
付点二分音符 付点二分休符 3 6個分 3秒
二分音符 二分休符 2 4個分 2秒
付点四分音符 付点四分休符 1.5 3個分 1.5秒
四分音符 四分休符 1 2個分 1秒
付点八分音符 付点八分休符 0.75 1.5個分 0.75秒
八分音符 八分休符 0.5 1個分 0.5秒
十六分音符 十六分休符 0.25 0.5個分 0.25秒

右端の秒数は、テンポを1分間に60拍(四分音符=1拍)に設定した場合の値です。テンポが120なら、すべて半分の時間になります。表の「八分音符に換算」の列を使うと、付点の計算も足し算だけで済みます。

休符は、対応する長さだけ音を出さない記号です。休みの間も拍は進みます。四分休符があるからといって演奏の時計を止めるわけではありません。手拍子を休むときも足や小さな体の動きで拍を感じると、次の音へ戻りやすくなります。

音符の右側に付く点は「付点」で、元の長さの半分を加えます。付点四分音符は四分音符と八分音符を足した長さ、つまり八分音符三つ分です。同じ高さの音を曲線で結び、長さを足して伸ばす記号は「タイ」といいます。付点もタイも音を長くする場面で出ますが、書き方と役割の仕組みは別です。

小節と拍子記号の読み方

小節は拍のまとまりを縦線で区切った単位で、拍子記号の下の数字が「何音符を1拍と数えるか」、上の数字が「1小節にいくつ入るか」を表します。4/4なら下が4=四分音符、上が4=四つで一小節。3/4なら四分音符が三つです。

下の数字は音符の分数表記から来ています。2は二分音符、4は四分音符、8は八分音符。だから8/8と4/4は1小節の総量が同じでも、書き手が意識するまとまりが違います。拍子記号を見たら、まず下の数字で基準の音符を決め、それから上の数字を数えてください。五線と小節線の並び自体は、楽譜の読み方|初心者が音符・五線譜を読む3ステップで確認できます。

3/4と6/8は、八分音符の総数が同じでもまとまりが違う

拍子は、拍をいくつずつのまとまりとして感じるかを表します。まとまりを楽譜上で区切った単位が小節です。4/4拍子は基本的に四分音符四つ、3/4拍子は四分音符三つで一小節になります。3/4なら「1と、2と、3と」と数えると、八分音符は二つずつ三組に分かれます。

6/8拍子は一小節に八分音符六つ分ありますが、通常は三つずつ二組の大きな拍として感じます。「1・2・3、4・5・6」と細かく数えるなら、一つ目と四つ目に大きな拍の始まりがあります。付点四分音符を一拍とする二拍子、という捉え方です。ゆっくり確認するときに六つを数えることと、六拍子と一律に説明することは分けてください。

拍子 1小節に入る音符 八分音符の総数 大きな拍 八分音符のまとまり 数え方
2/4 四分音符2つ 4 2つ 2+2 1と2と
3/4 四分音符3つ 6 3つ 2+2+2 1と2と3と
4/4 四分音符4つ 8 4つ 2+2+2+2 1と2と3と4と
6/8 八分音符6つ 6 2つ 3+3 1・2・3、4・5・6
12/8 八分音符12個 12 4つ 3+3+3+3 3つずつを4組

六つの点を紙に書き、二つずつ囲む場合と三つずつ囲む場合を比べましょう。次に、囲みの最初を少し強くたたきます。音の数が同じでも、揺れ方が変わるはずです。この比較では、まず八分音符の間隔を同じに保ちます。拍子とテンポを同時に変えると、何が変わったのか分かりにくくなるためです。

強拍という言葉は、まとまりの中で重みを感じる拍を指します。ただし、毎小節の一拍目を必ず大音量で演奏するという指示ではありません。曲のアクセントや表現と、拍子の土台は重なりながらも別の要素です。最初は手拍子で区別し、実際の演奏では音楽の流れに合わせて調整しましょう。

音楽理論を学ぶと何が短縮されるか|メリットとデメリット

音楽理論の効果は「音を名前と数字に置き換えられること」に集約されます。耳で探していた作業を、名前で指定して再現できるようになります。何が楽になり、何が起きうるかを分けて示します。

  • 耳コピの候補が絞れる:キーが分かればコードの候補は12種類から表の7種類に減ります。
  • 移調が計算でできる:C→F→G→Cは度数でI→IV→V→I。キー=Gへ移すとG→C→D→Gと機械的に出せます。
  • 言葉で共有できる:「明るい感じの3番目」ではなく「Em」と言えば、初対面の相手にも同じ音が届きます。
  • 偶然を再現できる:良かった響きを名前で記録しておけば、別の曲で使い回せます。

注意点もあります。名前を覚えること自体が目的になると、音を聴かずに正解を探す癖がつきます。また、この記事で扱う内容は西洋音楽の長調・短調を土台にした説明で、民族音楽や現代の一部の音楽をそのまま説明できるものではありません。「守るべき規則」ではなく「よく使われる形の記録」として扱ってください。

学ぶ深さは目的で決まります。カラオケでキーを合わせたいだけなら音程と調号まで、弾き語りならダイアトニックコードまで、作曲やアレンジならセブンスと機能まで。全部を最初に終わらせる必要はありません。

一日15分の練習で、知識と音をつなぐ

七回の学習項目と、その場で音を使って確かめる課題を対応させた練習表

七回で一周する練習例

次は、学習の地図を一周するための練習案です。一回15分は取り組む時間の目安で、七日で完全に習得する約束ではありません。同じ回を何度繰り返しても構いません。読む時間を三分、音を出す時間を八分、確認とメモを四分とすると、説明を読むだけで終わりにくくなります。

  • 一回目:C〜Bの位置を探す。一定の拍に合わせて一音ずつ鳴らす。
  • 二回目:半音と全音を作る。ミ→ファ、シ→ドが半音であることを確認する。
  • 三回目:ド→ミとド→ミ♭を比較する。度数と半音数を別々に書く。
  • 四回目:ハ長調とト長調の音階を作る。ト長調でファ♯が必要な理由を説明する。
  • 五回目:C、Cm、F、Gを鳴らす。C→F→G→Cで終わり方を聴き比べる。
  • 六回目:3/4と6/8を手拍子で比較する。休みの間も拍を保つ。
  • 七回目:四小節の小さな音楽を作る。分からなくなった場所を地図で確認する。

四小節の練習で高さと時間を合流させる

四分音符を一拍とする4/4拍子で、一小節を四拍とします。一小節目のコードはC、二小節目はF、三小節目はG、四小節目はC。各コードを小節の頭で一度鳴らし、四拍分伸ばします。同時に弾くのが難しければ、まずコードだけ録音して、後からメロディーを試しても構いません。

この練習用に、メロディーは一小節目「ミ・ソ・ミ・ド」、二小節目「ファ・ラ・ファ・ド」、三小節目「ソ・シ・レ・シ」と、各音を四分音符一つ分ずつ置きます。四小節目はドを四拍伸ばします。これは特定の曲を引用したものではなく、各コードの音を確認するための短い練習例です。音域は弾きやすい範囲に収めてください。

次に一小節目だけ、最初のミを二つの八分音符に分けます。「ミミ・ソ・ミ・ド」となり、音を出す回数は増えても小節の長さは四拍のままです。今度は最後のドを四分休符に置き換えます。音名の材料を変えずに、リズムだけでも表情が変わることを聴いてみましょう。

うまくいかなかったら、一度に全部を直そうとしません。音を間違えるなら拍を止めて鍵盤を確認し、拍が崩れるなら一音だけでリズムを練習します。両方が落ち着いたら合流させます。録音を聴き返すときも、「今日は小節の長さだけ」「今日はコードの音だけ」と確認点を絞ると続けやすくなります。

独学ノートは一項目につき三行でよい

一行目に用語、二行目に自分の言葉で意味、三行目に試した音を書きます。例えば「長3度/音名で三つ、半音四つ分の隔たり/ドとミを鳴らした」。参考書の説明を長く写すより、自分が何を確認したかを残すほうが、次回の再開が簡単です。

小さな自己確認問題も作れます。「レ→ファは何度で何半音か」の答えは短3度で半音三つ。「Gのコードの音は」の答えはソ・シ・レ。「6/8の基本のまとまりは」の答えは八分音符三つずつの二組です。間違えた項目は理解の穴を教えてくれるので、地図の該当する一段だけ復習しましょう。

音楽理論の独学に使う道具|鍵盤とメトロノーム

最初に必要なのは、音の違いを確かめる方法と、一定の時間を確かめる方法です。手持ちの楽器や鍵盤アプリ、メトロノーム機能で始められます。メトロノームは、一定の間隔の音などで拍を知らせる道具です。学習を始める条件として、新しい機材をそろえる必要はありません。

独立した道具を使いたい場合は、次の二つが比較の例になります。どちらも理論を自動で教えてくれる教材ではなく、この記事の実験を自分の手と耳で確かめるための道具です。仕様の確認と、あなたにとって使いやすいかという判断を分けて検討してください。

ヤマハPSS-A50|机の上で音程と和音を確かめたい場合

ヤマハのPSS-A50は、37のミニ鍵盤を備える電子キーボードです。スピーカーを内蔵し、ヘッドホン用の出力もあります。音名の位置を見ながらCとCmを比べる、長音階を作るといった、狭い範囲の学習に使う候補になります。

利点は、画面だけでなく実際の鍵を押して、複数の音を同時に確認できることです。一方、ミニ鍵盤の幅や弾き心地は一般的なピアノと異なり、37鍵では広い音域を使う両手の曲に制約があります。理論の確認用なのか、本格的なピアノ演奏の練習用なのか、目的を分けて選びましょう。

多くの機能を最初から使う必要はありません。まず素直に音を確認しやすい音色を一つ選び、短い音階と三和音を鳴らします。購入を検討する際は、設置場所、鍵盤の大きさ、電源の用意、手持ちのヘッドホンの接続も確認してください。

※この記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。

YAMAHA 電子キーボード PSS-A50

KORG MA-2|画面から離れて拍を練習したい場合

KORGのMA-2は、テンポや拍のまとまり、リズムパターンを設定できる電子メトロノームです。四分音符を基準とするテンポ範囲は一分間30〜252回で、タイマー機能も備えます。スマートフォンで教材を開いたまま、別の道具で一定の拍を出したい場合の比較候補です。

利点は、練習の途中で別のアプリへ切り替えずに拍を確認できることです。一方、音を聴くだけで拍感が身に付くわけではなく、拍子に合った設定と数え方が必要です。6/8なら、最初は八分音符の細かい刻みで三つずつのまとまりを確認し、慣れたら大きな二拍へ移ります。機器の数字が何の音価を表すか、つまりどの長さを基準にするかも確認しましょう。

また、この種の道具はメロディーと和音を同時に演奏する鍵盤の代わりにはなりません。鍵盤は音の高さ、メトロノームは時間の確認という分担です。手元の環境で同じことができるなら、それを使い続ける選択もできます。

KORG 電子メトロノーム MA-2

初心者がつまずきやすい疑問

楽譜を読めるようになってから理論を始めるべき?

同時に進めて構いません。最初は鍵盤と音名だけでも、音程や基本のコードを確かめられます。五線譜は音の高さと長さを共有する便利な仕組みなので、基礎の実験に合わせて少しずつ覚えましょう。五線の線上と線の間に音符を置くこと、音部記号で音の位置の基準が変わることから始めると整理できます。

ドレミが調によって変わる説明を見たけれど?

固定ドと移動ドという二つの考え方があります。この記事ではCをドとする固定ドで鍵盤の場所を説明しました。一方、移動ドでは調の中の役割に合わせてドレミを使います。長調なら、その調の主音をドとして歌う方法です。別の教材に進むときは、どちらの意味でドを使っているかを確認すると混乱を減らせます。

絶対音感がなくても学べる?

学べます。絶対音感は、基準の音を聴かずに音の高さを識別する能力を指しますが、今回の練習に必要な条件ではありません。まず基準のドを鳴らし、それとミやミ♭を比べる方法で進めます。音同士の関係を聴く力は相対音感と呼ばれます。音を確かめながら、知識と聴こえ方を結び付けていきましょう。

五度圏は最初に丸暗記したほうがよい?

五度圏は、完全5度の関係を使って音や調を円形に並べた図です。調号の整理などに役立ちますが、半音・全音、長音階、調の中心がまだ曖昧なら、先にそれらを確かめるほうが図の意味を理解しやすくなります。ハ長調からト長調を作れるようになった後で、ほかの調へ広げる案内図として使いましょう。

理論どおりのコード進行しか使ってはいけない?

そんなことはありません。理論は、音の関係を説明したり、試したい響きを探したりする手助けになります。気に入った音が基本の音階から外れていたら、消す前にどこが違うのか確かめてみてください。理論の用語を知らない段階でも、聴いて選ぶことはできます。後から名前を知ると、同じ工夫を別の曲で再現しやすくなります。

どこまで分かれば初心者の基礎を一周したと言える?

この記事の範囲なら、CとCmの違いを説明でき、ハ長調とト長調の音階を作り、一定の拍で短い進行を鳴らせることが目安です。加えて、3/4と6/8のまとまりを手で表せれば、時間の道もつながっています。早口で用語を言えるかより、音で示せるかを確認してください。

その後の進み方は目的で変えられます。歌や楽器の演奏なら音程とリズムの聴き取り、曲作りならコードとメロディーの関係、楽譜中心の学習なら調号や記号の読み方を深めます。全分野を同じ速度で進める必要はありません。あなたが演奏したい、作りたい音楽から次の課題を選びましょう。

音楽の理論とは?

音の高さと時間の関係に名前を付け、記録して再現できるようにした体系です。守るべき規則ではなく、よく使われる形のまとめ。土台になるのは音程・音階・和音の三つです。

簡単な音楽理論とは?

最小構成は三つです。長音階の並び(全全半全全全半)、三和音の作り方(1度・3度・5度を重ねる)、拍子の数え方。この三つで弾き語りとキー合わせは足ります。

音楽理論を学ぶ順番は?

高さは音名→半音と全音→音程→音階と調→コード、時間は拍→音符の長さ→拍子の順です。二本を並行して進め、四小節の短い演奏で合流させるのが最短です。

F→G→Em→Amのコード進行は?

キー=CではIV→V→IIIm→VImです。日本で王道進行や4536進行と呼ばれる形で、GからCへ帰らずEmへ外し、Amで受けるため切なさが残ります。カノン進行との違いと12キーの実音表で並べて確認できます。

転調と移調はどう違う?

移調は曲全体を別のキーへそのまま移すこと、転調は曲の途中でキーが変わることです。カラオケのキー変更は移調、サビで明るさが切り替わるのは転調にあたります。

音楽理論は独学できる?

できます。必要なのは音を出せる鍵盤と一定の拍を出す手段だけで、書籍や教室は必須ではありません。ただし毎回、鳴らして答え合わせをする工程は省かないでください。

次に読む記事|音楽理論の独学ロードマップ

この記事を一周したら、深めたい一本を選んでください。下の順に進めると、表で覚えた内容をそのまま楽器の上で確認できます。

まとめ|音楽理論は早見表と「1音の違い」で身につく

音楽理論の基礎は、音名・半音と全音から音程へ進み、音階と調、コードへつなぐと関係を整理できます。それと並行して、一定の拍、音符と休符、拍子とリズムを試しましょう。高さと時間の二本の道が、短い演奏を作るところで合流します。

今日の一歩は、鍵盤でド・ミ・ソを鳴らし、次にミだけをミ♭へ下げることです。違いを聴いたら「Cはド・ミ・ソ、Cmはド・ミ♭・ソ」と一行残します。余裕があれば四拍数えて、同じ長さずつ鳴らしてみてください。知識を一つ覚えたら、その場で一つ音を確かめる。その往復が、次のページを理解する足場になります。

EMMU APP
音楽・ダンス活動をスマートに

EMMUは、音楽やダンス活動を支援するアプリです。
バンド・吹奏楽・合唱・ダンスチームの練習日程、出欠確認、
演奏曲、譜面、音源、動画、連絡を簡単に整理して共有。